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第20回 三崎和雄VS秋山成勲を徹底分析!の巻


■秋山の右ストレートの威力を殺した左ロー

秋山の尋常ではないプレッシャーの強さに、三崎は左右の膝上げフェイントで対抗した。

 大晦日の中量級頂上決戦、三崎VS秋山の一戦は、これぞまさしく格闘技史に残る素晴らしい一戦だったと言っても過言ではないだろう。

 序盤から、総合系のスタイルではほぼ完成系に近い打撃技術を持ち合わせる秋山が、じりじり前に詰め寄る。見た目以上に秋山のプレッシャーは凄く、前に立つだけでスタミナを浪費するのでは?

 その様な中で、三崎は左右の膝上げのフェイントをおりまぜながら、左ジャブも共用して秋山の前足潰しとも思われる左右のローを繰り出していく。

 この三崎の左足狙いのローは実に有効な攻撃であった。秋山の打撃の原動力であり源は、あの左膝のタメ・及びせり出しである。以前にもGBRで秋山の左足のことは論じているので、過去の掲載記事をぜひここで参照していただきたい。

 それゆえ、その左足をコツコツとローで攻め込まれると、せり出し等の精度が必然的に甘くなるため、得意のパンチへのシフトウェートが甘くなる(パンチの威力が落ちる)。

 秋山はそのロ−攻撃を全く相手にしないが如く、よりプレッシャーをかけながら左ジャブのフェイントと右ローおりまぜながら右ストレートを打つ機会を狙っている。

 機を見て放つ左フックからの右ストレートは踏み込み、そして肩の回転と右手の上腕三頭筋の伸びが抜群であり、一発まともに入れば倒されてしまうほどの威力を秘めていて、見た目にも十分その迫力が伝わるほどだ。国内の全打撃選手を入れても、日本の中ではパンチ力だけならパウンド・フォー・パウンドではないかと錯覚するほどである。

三崎のローキックは、秋山の打撃の原動力である左膝のタメ・及びせり出しの精度を落とした。そのためシフトウェートが甘くなり、秋山の右ストレートの威力が落ちていたと考えられる。

 しかし、三崎は秋山のバズーカ砲ともいえる攻撃力を前にしても、今までの秋山の対戦相手のようには臆することなく、逆に切り崩すチャンスをずっと狙っているようである。

 ローで崩しながら、秋山がパンチで出てくるところへ左フックを狙っているようにも見える三崎の戦いぶり。右が伸びる相手に左フックを返す・狙う戦いは、もし相打ちになった場合、右ストレートを中から貫かれる可能性が高いため、危険とされているが……三崎は構わず狙っているようだ。

 個人的には、右が伸びる秋山に左ジャブを2、3発放つことが出来れば、より相手の右を内から打つ間・リズムさえも打ち消すことができたのでは……と思う。

 しかし、前回秋山と対戦したデニス・カーンが、自身の左ジャブに対する秋山のカウンターの合わせ左ジャブ一発で鼻を切ったことにより、序盤の優勢を逆転されたことが頭にあるのか、左をあまり出さない三崎。

吉鷹氏が三崎の左フックまでのコンビネーションを徹底分析! そして敗れてもなお筆者が感じた秋山の恐ろしさと無限の可能性とは!? 続きはこちら→

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