
最新の試合を題材に、打撃のスペシャリストである筆者が打撃技術を分析していく。今回は6月20日・両国国技館で行われた『SRC13』にて、金原正徳を僅か38秒でKOに葬ったマルロン・サンドロの打撃技術について論じる。2試合連続で相手を秒殺した、戦慄の右アッパーはなぜあれほど強力なのか?
■相手の打撃に対応できるという確固たる技術的な自信
6月20日、SRCにて行われた金原VSサンドロの一戦。まさか秒殺で、金原がパンチ一発で葬られるとは誰が予想しただろうか? 見事な打撃技術を披露してくれた サンドロについて今回は分析してみたい。
昨年の大晦日興行であの山本“KID”徳郁を破り、知名度・実力的にも絶好調とでも言うべき金原。KIDとの試合では、うまくリーチ差を利用したノーモーションに近い右ストレートにより打撃戦を制している。パワフルなサンドロが相手とはいえ、KIDの打撃を抑えて逆に打撃で優位に立った金原が自分の間合いをうまく用いることが出来れば、打撃でも優位に立てるのでは、と思っていたが……。
そんな予想は序盤から見事に覆されることになる。
サンドロはいきなり踏み込んで左ロングフックを放つ(写真1)。これは難なく金原が右手でブロッキングするのだが、リーチ差・身長差(金原の身長173cm、サンドロ172cm)で数字以上に見劣りするサンドロが金原の間合いに入り、しかも左フックで入ってくるのは、完全に間合いを逆に自分のものにしているということである。
どういうことかと言うと、金原の出際への右ストレートなどの合わせが、仮にサンドロが入ろうとした際に飛んできたとしても十分対応できる、という自信の現れである。過信ではない、相手の打撃に対応できるという確固たる技術的な自信は、自然と自分の制空圏を作り上げるのである(自分の間合いを作りあげ、そこに無理して相手が打ちこんできた場合、逆に手痛い一撃をもらうということ)。
ここから吉鷹弘がサンドロの右アッパーを分解写真で分析・解説!
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