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 2008.11.19  「振り返れば、やっぱり格闘技」 第36回 by熊久保英幸



 1993年6月18〜20日に開催された『第10回全日本ウェイト制空手道選手権大会』は、なかなか豪華なメンバーが参戦して観客の入りもよかった。注目は重量級に出場した八巻建志と黒澤浩樹。特に八巻のウェイト制出場は珍しい(初めてだったかも?)。当然、格闘技雑誌としてもこの2人に注目していたのだが…。

 この大会では予想外の選手が脚光と観客の声援を浴びることになる。まさか、彼が大注目を浴びるなんて大会前は誰も予想していなかっただろう。その選手の名は飯泉俊明。栃木支部所属の選手で、飛び技を得意としていたことから“鳥人(ちょうじん)”のニックネームが付いた選手だ。ちなみに、例によってこのニックネームはボクが名付けたものである。超人=鳥人と引っ掛けたものなのだが、実は漫画『修羅の門』からのパクリだった(苦笑)。

 第10回大会での飯泉はもはや伝説となっている。彼の何が凄かったのかというと、胴廻し回転蹴りで三連続一本勝ちを飾ったのだ。当時、胴廻しは別に珍しい技でもなくなっていたのだが、使い手と呼べるほどの選手がいなかったため、技ありや一本勝ちに繋がるなどほとんどなかった。負けそうになった選手が一か八かでやる捨て身技でしょ、みたいな認識だったと思う。

 ところが、飯泉は鮮やかな胴廻しで一本勝ちを飾り、次の試合も同じく胴廻しで一本勝ち。館内は大きくどよめき、これで観客のハートをガッチリ掴んだ。たしか準々決勝の舞台に上がってきた時は、またも胴廻しによる一本勝ちに期待する観客から、ワーッともの凄い声援を浴びて登場したはず。

 しかし、ここまで来たらさすがに相手も警戒するので、飯泉の胴廻しは空を切った。その度に場内はワーッと沸き、不発に終わるとアアーッとため息。とにかくやたらと盛り上がったのである。試合は相手が下段廻し蹴りを効かせて優勢、飯泉もここまでかと思われた。

 その時だった……。

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