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 2011.5.4  「振り返れば、やっぱり格闘技」 第95回 by熊久保英幸
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「極真空手、思い出を挙げればキリがない」の第60回。今回も極真OBたちを取材していく中で聞いた、猛者たちの破天荒エピソードを思いつくままに書いていきたい。

 大山道場が池袋の立教大学裏に出来たのは1950年代。この頃は時代も人も荒れていたと聞くが、かつての大山道場生から道場破りのエピソードを聞き出そうとしても、意外と出てこなかった。今風に言えば「あそこの道場はヤバい」との評判がたっていたので、それほど道場破りは来なかったそうだ。

 人の入れ替わりが激しく、決まった道衣もなかったため、道場破り目的で来た人がいても分からなかった、との証言もある。マンガのように分かりやすい道場破りはおらず、こっそり稽古に紛れ込んで組手をしていくというパターンはあったようだ。

 また、「組手がしたい」と堂々と言って来る道場破りもいたそうで、その場合は茶帯が「組手は最後なのでみんなと一緒に基本稽古に参加してもらおう」と言うらしい。そして、そういう時は基本稽古をめちゃくちゃハードに長時間やるのだという。

 大山道場生は黒帯になると、組手の時間になると現れるパターンが多かったそうで、稽古は茶帯が仕切ることが多かったという。茶帯と白帯は組手の前に基本稽古をみっちりとやるのが慣わしだったので、とにかく体力があったらしい。大抵の組手希望者はこのやたらとハードで長い基本稽古で体力を消耗してしまい、組手の時間になったらもうバテバテだったそうだ。逆に大山道場生は意地もあって、わざと平然とした態度で組手をしていたのだという。

 このやり方は極真空手が世界に羽ばたいていく上で、大いに役立った。黒崎健時はオランダに指導員として派遣された時、自分の倍の大きさはあろうかというオランダ人を見て、「これはまともにやったらパワー負けする」と判断。そこでどうしたかというと、基本稽古を延々とやってとにかく疲労させたそうだ。稽古に慣れていないオランダ人はバッタバタと倒れていき、最後まで残ったのはほんの数人。その数人も足腰がフラフラしているので、組手で倒すのは容易だったという。

 非常に頭を使ったやり方なのだが、中には……

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