12月2日(木)東京・青山にあるドリームステージエンターテインメント事務所にて記者会見が行われ、榊原社長は12・31『K-1
Dynamite!!』で曙との対戦が決定しているホイス・グレイシーを、11月29日(現地時間)に契約違反でアメリカ合衆国連邦地裁へ提訴したと発表した。
12・31『男祭り』のカード発表の会見だと思って集まった記者たちは、驚きを隠せなかった。DSE関係者より、「K-1より発表のあった曙VSホイスの件に関しまして、DSEより見解を申し上げます」と説明があったからだ。会見には榊原社長と、DSEの顧問弁護士であるマイケル・コネット国際弁護士・カリフォルニア州弁護士が同席した。
「ポジティブな、前向きな発表をする会見ではなく心苦しい。しかし、事実を事実として発表しますので、事実を事実として報道してください」と前置きして榊原社長は語り始めた。
「ホイスと私どもの間で起こっている問題です。ホイスとの間では、昨年の男祭りでの吉田戦で結んだ契約が、今年の12月31日まで存在しています。この契約にのっとり、今年の男祭りへの出場の交渉を進めてきましたが、我々とホイスの間で契約違反が起きました。そのため、11月29日(現地時間)に契約違反で、連邦地裁に提訴しました。
FEGさんには再三、数回にわたって私どもが契約を保持するところにある事を伝え、TBSさんは昨年のゴタゴタに巻き込まれてはいませんが、今年も低レベルな争いが起きないように協力して欲しいと言いましたが取り合ってもらえず、ホイスが契約違反を犯しました。プロモーターとしての役割を考えた場合、またプロスポーツでは契約のまっとうが必要。ホイスはMMAのトップファイターとして、高いビジネスレベルを持った人だと思っていましたが、契約を守ってもらえなかった事を遺憾に思います。当事者はホイスですが、FEGとTBSに配慮していただけなかった事も遺憾に思います。
この件に関しまして、我々は12月31日の出場差し止め請求を含む訴えを起こす事にしました。ただ、出場差し止めが目的ではなく、何が正義なのか、契約を守らなかったホイスのあるまじき行為を正しくして欲しい。契約を守っている選手に合わせる顔がないので、約束違反をしたホイスにはキチッと対応したい。FEGさんやTBSさんと揉める事は希望していません。何らかの解決策を、第三者も含めて見つけていきたいと思います」
榊原社長の説明によれば、訴えは起こしたが、出場差し止め請求は現時点でしていないとの事。
「契約の詳細はここでは言えない」が、「12月31日までの出場交渉の権利を有している」との説明。(ホイスがそれを無視して)手続きをとらずに出場を決めてしまった。手続きをとって、お互いが理解して先に進むのであれば、問題ないことなんです。我々としても、大晦日は出てもらいたかった。そのための契約だったので、噂は前から聞いていましたが、まさか発表するとは思っていませんでした」。
万が一、差し止め請求をして受理されるとすれば、二週間ほどで可能だとも。そうなれば、曙VSホイスが消滅する事態が起こりうる。榊原社長は「妨害やお金が目的ではなく、正義が何であるかをハッキリさせたい。ホイスが自分は誇りを捨てて、契約に違反して正義を守らなかったと宣言すれば、納得します」と、“誠意のある謝罪”を求めた。
また、ホイス側とはこういう事が起こらないように、マネージメントを担当する人間を介して、10月くらいから交渉を続けていたという。FEGとTBSにも「TBSさんには2度、FEGさんには1度、私の名前でレターを出して状況を伝えました。FEGさんからは、“それはDSEとホイスの間の契約なので、速やかに解決してください”との返事がありました。プロモーターとホイスで契約確認して、我々と直接話し合ってもらえればよかったんですが、ホイスと話し合ってくれとの事だったので、中立の場で話し合う形しかないと判断し、提訴しました。TBSさんからは返事はありませんでした」との事実があったと明かした。K-1に谷川プロデューサーにも直接電話し、意向は伝えてあるとも言う。
榊原社長は、あくまでも妨害が目的ではない事を主張した。「どんな世界でもそうですが、紙で約束したものは守りあうしかない。そうじゃないと、破ったもん勝ちになる。裁判なので我々が負けるかもしれないし、何とも言えませんが、正義がどこにあったか分かった時点でホイスが誠意ある対応をしてくれたら、私たちも誠意ある態度で応えたい」と語る。
マイケル弁護士は、「私としては裁判の進行に自信あるが、解決策を望みます。FEGとは解決策を話し合い始めたので、いい解決法が見つかる事を望みます」と語り、もしホイスが出場差し止めを無視して強行出場した場合の措置に関しては、「ノーコメント」とした。
榊原社長は「くれぐれも、今年も戦争勃発とかいう見出しはやめてください。こんな低レベルな形ではなく、(K-1とは)純粋に切磋琢磨していい形で競争したいと思っています」と報道陣に釘を刺した。
|