10月15日(月)都内ホテルにて記者会見が行われ、「日本総合格闘技協会」&「株式会社ワールドビクトリーロード」(以下、WVR)の設立が発表された。会見には協会会長に就任した福田富昭氏(国際レスリング連盟副会長)、副会長に就任した安田隆夫氏(株式会社ドン・キホーテ代表取締役会長)、WVR代表取締役の木下直哉氏(株式会社木下工務店 代表取締役社長)が出席した。以下は記者会見の記事全文。
木下直哉代表 「今回、株式会社ワールドビクトリーロードについて説明していきたいと思います。現在、日本における総合格闘技は下火になっています。元々総合格闘技は日本が発祥の地であり、また日本で非常に盛り上がっていました。ただしこのままでは、総合格闘技が消えてしまうという思いがありまして我々数名の有志が募り、このような協会を作った次第です。 私自身、格闘技は好きなスポーツの一つであり、子供の頃から非常に夢をいただいて来ました。現在もそういった感想を持っています。今のスポーツ業界には、暗い話題が非常に多いと感じています。相撲しかり、プロボクシングしかり、何か違うんじゃないかなと。皆さんもそうだと思いますが、このスポーツから夢や希望を非常に多くいただいているんじゃないかなと思います。 このようなスポーツがもっともっと日本で世界で認知されたい、日本で発祥したスポーツが世界に巣立ってもらいたいという思いを私は常に抱いています。そこで『誰かが立ち上がらないといけないんじゃなかな』と思いました。総合格闘技の1ファンでもある私が代表として、ファンの皆さんのために何か出来ること、またこの格闘技を真剣に練習している選手のために、何か会場の機会を与えればいいなと思ってこの会社を立ち上げた次第です。 この総合格闘技は不透明なところが多いと私は思うのですが、今回総合格闘技をコミッショナー制度にしまして、そちらと相談しながら、運営していきたいと思います。これにより、透明かつ公平な運営が出来るんじゃないかなと。これこそがファンが、また選手が望んでいた格闘技だと思います。 このイベント名については、まだ決めていません。本来イベントはファン、選手のみなさん、マスコミのみなさんと共にイベントを作っていき、大会を盛り上げていきたいなという思いがあります。今後ファンの皆さんから公募しイベント名を決めていきたいと思っています。 最後に、ファンはもちろん、選手、マスコミの皆様の声を聞きながらみんなで大会を作り、みんなで再び日本発祥の日本の総合格闘技を盛り上げていきたいと思います。皆様、何卒よろしくお願いします。」 福田富昭会長 「日本に総合格闘技の協会がありません。世界にもないわけですが、総合格闘技という一つの競技を確立をさせるために協会を設立することにしました。世界には国際レスリング連盟(FILA)がありますが、世界の格闘技を統括することをIOC(国際オリンピック委員会)から依頼されています。
今年の9月6〜8日に第2回民族格闘技大会をトルコのアルタリアで開きました。それにはサンボ、グラップリン、ビーチレスリングなどやインド、アフリカの格闘技が参加しています。この大会には今後、総合も参加させたい。日本で総合格闘技を確立し、将来は世界にも伸ばしていきたいということで協会を設立しました。ただし、法人化はしておらず任意団体ではありますが、(協会を)確立していきたいと思います。今日はその設立についてのご案内をすることになりました」 井上幸彦コミッショナーからのコメント(代読) 「株式会社ワールドビクトリーロードの設立、誠におめでとうございます。日本の総合格闘技の選手、多くのファンの方々の期待と夢に応え、公明正大に運営され、今後ますます発展されますことを希望いたします」 安田隆夫副会長 「現在総合格闘技という競技は、ある意味ではマイナーなスポーツとして認識されております。しかしながらそのスポーツに従事する競技者の数、またそれを支えファンの数、その裾野においては極めてメジャーなスポーツであります。にも関わらずスポーツとして競技体系が成立していないが故に、メディアの取り扱いも極めて限定的な状況であります。皆様のようなスポーツの専門誌、および格闘技雑誌は大きく載っております。しかし一般紙、あるいはNHKのスポーツ欄に、真剣勝負であるにも関わらず全く取り上げられておりません。 ましてやこの度、皆様ご存知のとおり、PRIDEという極めて大きな団体が事実、興行ができなくなるような事態に陥り、多くの選手が宙に浮いております。選手は日々鍛錬し、自ら精進し大変な努力をしております。文字通り、血と汗を流したその努力の結晶の最後の部分を発揮する土俵すら与えられないという不条理に直面しているわけであります。 本来総合格闘技はもっともっと脚光を浴びる必要があります。力のない正義は無力だと思います。端的なことを申し上げます。例えば、流れる川にわが子が落ちた。それを母親が見ていた。その母親に泳ぐ力がなかったら助けることはできません。全く赤の他人であっても泳ぐ力があれば、その子を助けることができます。 ある意味では、私はこの格闘技業界に全く関係のない赤の他人です。また現時点で大した力があるわけではありません。しかし、多くの選手たちが、その多くの不条理に物言えず苦しみ悩み、そして自らのアイディンティの発揮をできない状況に対し、微力ながら立ち上がらせていただきました。 私たちドン・キホーテは多くの大衆に支えられております。総合格闘技は日本で数少ない極めて人気のある大衆に支えられたものであります。私どもが協会、公認会社の設立に当たって私たち民間企業が微力ながら全力を尽くして支えることをこの席を借りて申し上げ、私のあいさつに代えさせていただきます」
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