パンクラス
「PANCRASE 2004 BRAVE TOUR」
2004年6月22日(火)東京・後楽園ホール
<試合結果>
▼メインイベント ライトヘビー級 5分3R
○近藤有己(ラスベガス・コンバットクラブ)
1R1分1秒秒 膝十字固め
●シャノン・"ザ・キャノン"・リッチ(チーム・キャノン)
[試合展開]
開始直後、リッチはいきなりパンチのラッシュから首相撲の膝を連発。そのままタックルでテイクダウンし、意外にもリッチがグラウンドで上を取る。そしてリッチが中腰でパンチを打とうとしたところで、近藤は足関節を仕掛ける。
そのままスイープする形となり、簡単に近藤がポジションを入れ替え上に。さらにリッチの足関節の防御が甘いと見るや、近藤はハーフガードから膝十字を仕掛ける。ここでリッチがあっけなくタップ。わずか1分足らずで近藤が秒殺勝利を抑めた。結果的にはシウバ戦へ向けての前哨戦は2連勝となったわけだが、共に勝って当たり前といっていいレベルの相手だっただけに、手放しに喜ぶことはできないだろう。
近藤本人もそれを分かっているようで、マイクアピールは行わず、すぐにリングを後にする。インタビュースペースでも「あそこで何か喋っても恥の上塗りになる。お客さんにも(シウバ戦に)期待を持たせるような試合じゃなかったと思う」と、煮え切らない表情を浮かべた。
▼第7試合 ミドル級 5分3R
△ネイサン・マーコート(コロラド・スターズ)
3R判定 1-0
△石川英司(パンクラスGRABAKA)
[試合展開]
1R、石川は左ミドルからワンツー、打撃でネイサンを押し込んでいく。そのまま両脇を差してテイクダウンを狙う石川だが、ネイサンの方が石川の体を振ってバランスを崩す。石川が投げを仕掛けたところで、逆にネイサンが投げを潰してバックポジションへ。長い手足を使ってポジションをキープする。
2R、1R同様、ミドルからパンチ、タックルにつなげる石川は、遂にテイクダウンに成功。インサイドからストレート系のパンチを当て、ネイサンは顔が赤く腫れ始める。ネイサンは下から腕十字→スイープの連携で攻めるが、石川もバランスが良く返らない。このラウンドは石川のパウンドが効果的にヒットする。
3R、石川のキックのネイサンのパンチがカウンターで入り、石川が尻餅をついてしまう。ここで上を取ったネイサンは中腰で上からプレッシャーをかけ、足を振ってパスガード。サイドを取ると、再びバックを奪う。ここでネイサンのチョークががっちり入り、キャッチ寸前まで追い込まれるが、首にかかった肘を押して逃げた石川が、インサイドガードに戻して、この試合最後のチャンス。しかしネイサンも必死にディフェンスでこれを凌いで判定へ。結局どちらも試合を決めるような決定的なポイントがなく、ドローに終わった。試合後、ネイサン、石川共に再戦を要求。今後の展開が気になる。
▼第6試合 ミドル級 5分3R
△竹内出(SKアブソリュート)
3R判定 0-0
△渋谷修身(パンクラスism)
[試合展開]
前回に続いて竹内ガールを引き連れて入場した竹内だったが、渋谷のディフェンスを崩せず、思うように試合を作れない。一方の渋谷もどうしても後手後手に回ってしまって自分から攻めることが出来ない。軽く打撃を交換して竹内がタックル→コーナーで差しあうという展開が続く。そして3Rトラブルが発生。互いにローブローが入ったにも関わらず、レフェリーがこれを見逃し、両陣営から猛抗議、一旦はブレイクしたにも関わらずドント・ムーブになるなど、やや審判団があたふたしてしまう状況に。試合はドローになったものの、あまり感情の表に出さない渋谷がグローブを叩きつたリ、SKアブソリュートの松本天心氏が「今後のためにもパンクラスの審判団にはしっかりしたジャッジをやってほしい」とマイクアピールするなど、波紋を残す一戦となった。
▼第5試合 ライトヘビー級 5分2R
○郷野聡寛(パンクラスGRABAKA)
1R2分15秒 KO ※右ストレート
●栗原強(team ROKEN)
[試合展開]
格下の栗原に対して郷野は終始、余裕の横綱相撲。ノーガードからステップインしての左フック、ローにカウンターの右ストレートを合わせて、徐々に栗原の動きが止まる。最後は左フック、右ストレート、足元がおぼつかない栗原にとどめの右ストレートを突き刺した。栗原はあまりにもダメージが大きなため、しばらくピクリとも動けずタンカでリングを後にした。マイクを握った郷野は「4ヶ月前、みっともない試合をしてしまいました。そこで落胆した人がいたということを聞いて、期待してくれている人がいることが分かった。今度はそうならないよう、近いうちに、きっちりケツを拭きたいと思うんで、よろしくお願いします」と武士道への再出撃を宣言した。
▼第4試合 ミドル級 5分2R
○井上克也(RJW/central)
1R3分53秒 KO ※左ストレート
●佐藤光留(パンクラスGRABAKA)
[試合展開]
レスリングベースの井上だがこの日は打撃が冴え渡った。 まるでボクサーのような整ったフォームのワンツーを連発。佐藤の出入りに合わせてうまく距離を取り、的確にパンチを当てる。最後は左ストレートが綺麗に顎を打ち抜き、佐藤がマットに散った。デビュー戦こそ直前のオファーで石川に敗れたものの、その後は順調に2連勝。今年、井上は要チェックだ。
▼第3試合 ウェルター級 5分2R
○大石幸史(パンクラスGRABAKA)
TKO 2R4分13秒 ※レフェリーストップ
●倉持昌和(team ROKEN)
[試合展開]
大石が序盤から倉持を圧倒。ノーガードからの右ストレートが何発もヒットし、倉持は苦し紛れのタックルを繰り返す悪循環に陥る。2Rには飛び膝もヒットさせた大石。2階から見ても分かるように大きく顔を晴らした倉持を見て、レフェリーが試合を止めた。
▼第2試合 フェザー級 5分2R
○亀田雅史(総合格闘技道場コブラ会)
1R3分52秒 反則勝ち
●砂辺光久(HYBRID
WRESTLING 武∞限)
[試合展開]
バックマウントを奪われた砂辺が、立ち上がった状態からそのまま亀田を後ろに叩き落す。しかしこの際に砂辺の後頭部が亀田の顎に入り、試合が一時中断。亀田の回復を待ったが、試合続行は不可能と判断され、亀田の反則勝ちという形に終わった。
▼第1試合 スーパーヘビー級 5分2R
−折橋謙(チームPOD)
1R4分18秒 KO→ コミッショナー預かり
−IRO関(パンクラスMEGATON)
[試合展開]
パンクラス史上、稀に見る大乱闘劇が起こった。
原因は折原のレフェリーストップ後の加撃行為。これによりエキサイトした高森、ヤノタクがマットに上がって折橋に詰め寄る。折原のセコンドの所やスタッフが必死に両陣営を分けて事なきをえたものの、これにより折原の勝ちは消滅、結果はコミッショッナー扱いとなった。
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