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【全日本キック】佐藤が大将戦で完勝も3-2で日本敗れる

2004/07/24


「SUPER FIGHTER〜MAXIMUM〜」

全日本キックボクシング連盟
2004年7月24日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:30 
※オープニングファイトは17:30開始

<日本VS世界 5対5>

▼第8試合 大将戦 70s契約3分5R
WPKC世界ムエタイ・スーパーウェルター級&WKA世界ムエタイ・ウェルター級王者
佐藤嘉洋(名古屋J・Kファクトリー/69.9s)
KO 3R1分37秒 ※右ローキック
WAKO-PRO世界ムエタイ・スーパーウェルター級王者
ピーター・クルーク(イギリス/69.7s)


 1R、右ロー&左インローを確実に当てていく佐藤に対し、クルークは長いリーチから左右のストレートで応戦。佐藤はコーナーへ詰めて左フック、さらに首ヒザに捕らえてヒザへ繋げていく。離れては左ロー、右ストレートから左テンカオと落ち着いた磐石の攻め。クルークも一発があるだけに怖いが、佐藤はクリーンヒットを許さない。クルークの左太腿はすでに真っ赤だ。

 2R、ワンツーから左ローやパンチからロー、パンチからヒザとコンビネーションを繋いでいく佐藤。クルークはなんとしてもワンツーを合わせようとする。そこへ佐藤の右ストレートがヒット、佐藤はローとテンカオへ繋げていく。
 3R、左右・外内のローキックの集中砲火を浴びせる佐藤。その中で、左ローが強く効果を発揮、コーナーへもたれかかったクルークに左インロー、右ローを浴びせるとクルークは突然、レフェリーに何事かをアピール。一方的に打たれたクルークにダウンカウントが数えられると、クルークは首を左右に振る。戦意喪失だ。佐藤のTKO勝利が決まった。

「コンバンワ! どうですか?少しは強くなったでしょう。この1年、オランダ、イタリア、タイで世界を見てきたけど、世界には強いヤツがまだまだいっぱいいます。世界中の強いヤツを片っ端からぶっ飛ばして、時々は負けるかもしれないけど(笑)、いつかはみんなが認める世界一の男になりたいと思います」と佐藤。小比類巻、新田明臣に勝ったクルークからの、全く危なげない勝利。派手さはないが、確実に強い男がここにいる!

 そして、試合後に佐藤は「ブアカーオと闘いたい」とアピール。いま最も、MAX参戦が望まれているこの男の出番はあるのか? 要注目である。


▼第7試合 副将戦 70s契約3分5R
WMC世界スーパーミドル級&WPKL世界ミドル級王者
パジョンスック・SKVジム(タイ)
判定3-0 ※50-47、50-48、50-47
WPMF世界ミドル級王者
清水貴彦(GOLDEN FIST)



 足を使ってリング上を大きく旋回する清水に対し、パジョンスックは中央でどっしりと構えて「コイコイ」と手を振って挑発。ガードの上からでも清水をグラつかせる、強力な左ハイを放っていく。パジョンスックの左ハイが唸りを上げるたびにどよめく館内。だが、清水は飛び込み様の右アッパーでパジョンスックの右目上を切り裂いた。清水は飛び込み様の右ストレートを放つが、これはかわされバックに回ったパジョンスックはなんとバックドロップ気味の投げを繰り出した。

 2R、清水は飛び込み右アッパー、飛びヒザ蹴りとトリッキーな技で攻めるが、パジョンスックは左ミドル、ローと強い蹴りを返し、またもバックドロップをやろうとするなど余裕しゃくしゃく。

 3R、パジョンスックは首相撲に清水を捕らえ、ヒザ蹴りからの投げを何度も繰り返す。これは清水が首投げのような体勢で、首相撲から背を向けて逃げようとしていたからだ。また、清水はリング上を大きなサークルを描いて回るだけ、パンチを出してはくっつくという行為を繰り返し、逃げているとしか見えなかった。

 4R、清水は組みついての右ヒジを繰り出すも、パジョンスックは左ハイから右ヒジ、さらに左ハイ。これで清水は右目下をカットしてしまう。清水は為す術なく、ヘッドロックで首相撲から回避するのが精一杯。それをパジョンスックは軽々と投げ捨てていく。

 5R、左フックから右アッパーに出る清水を、パジョンスックが首相撲に捕らえてヒザから投げ。清水がまともに組み合うつもりがないため、苛立っているようだ。徹底した首ヒザと投げを繰り返し、打撃の攻防らしいところがほとんど見られなかった。

 判定は3-0でパジョンスック。しかし勝者は、不満そうに首を横に振っていた。


▼第6試合 中堅戦 67s契約3分5R
2000ヨーロッパ・オブ・ザ・イヤー
ジャン・スカボロスキー(フランス/67.5s)
KO 2R1分55秒 ※3ノックダウン
WPMF世界ウェルター級王者
ルンピニースタジアム・ウェルター級1位
加藤督朗(PHOENIX/69.9s)

 リングインした加藤はスカボロスキーの目前でファイティングポーズをとって挑発、スカボロスキーはニヤリと笑う。ジャブで距離を取るスカボロスキー、加藤は左ハイから組み付いてヒジを狙う。加藤の前蹴りとスカボロスキーのジャブが相打ち、加藤は前蹴りで尻餅をつかせる。しかし、スカボロスキーは表情ひとつ変えずにジャブを突き続き、加藤はロープ際まで追い詰めていく。ここで加藤が右アッパーで前へ出ようとしたが、そこでスカボロスキーの右フックがカウンターで炸裂! 前のめりに崩れ落ちる加藤。ダメージは深刻そうだったが、ゴングに救われた。

 2R、開始直後の出会い頭にスカボロスキーの左フックが加藤の右目を直撃! ダウンを喫する加藤。立ち上がった加藤は一気に前へ出てロー&パンチで勝負に出るも、右目が見えないためか攻撃が雑だ。スカボロスキーは首相撲で投げ捨てる。加藤の目のドクターチェック直後、今度はスカボロスキーのブアカーオのような左顔面前蹴りがヒット、吹っ飛ぶようにして2度目のダウンを奪われる加藤。立ち上がった加藤は必死の形相で左ハイキックからの連打で攻めたが、今度は右の顔面前蹴りを直撃され、最後のダウンを喫した。


▼第5試合 次鋒戦 67s契約3分5R
ISKAコモンウェルズ・ムエタイ・ウェルター級王者
ティム・トーマス(ジャマイカ)
TKO 4R0分36秒
 ※ドクターストップ
全日本ウェルター級王者
山内裕太郎(AJ)

 1Rはお見合いと牽制に終始、2Rになるとトーマスがいきなりラッシュを仕掛けた。パンチと右ロー、首相撲に捕らえての右ヒジ連打といきなりしシフトアップ。山内はコーナーに詰められたが、前蹴りで突き放すと逆に右ヒジを振るって行く。そして右ロー。

 3R、トーマスは組みついてのヒジ&ヒザ、山内は前蹴りとヒザ。実にまったりとした展開が続く。しかし4R、山内の右ロー連打をもらったトーマスが、ガッチリと首相撲を極めて山内の顔面へヒザ蹴りを二発! これで山内の頬がバックリと裂けたた、ドクターストップの判断が下った。日本VS世界は1-1で振り出しに戻った。


▼第4試合 先鋒戦 70s契約3分5R
全日本ウェルター級1位
山本優弥(BOOCH BEAT/66.6s)
判定3-0 ※50-49、50-48、49-48
WPKCイタリア・ムエタイ・スーパーウェルター級王者
ミケール・サンチ(イタリア=68・6s)

 1R、ミケールの快音を発する右ローのスピードに場内がどよめく。山本はパンチからローへ繋げていく常套コンビネーション。山本はパンチからハイキック、右フックから左ロングフックと様々なコンビネーションを繰り出していく。右ストレートから左フックをクリーンヒットさせ、ミケールが打ち気になるとべろを出してノーガードで挑発。

 2R、独特の低い軌道から繰り出す右ローで攻めるミケール。しかし、打ち合いには乗らず山本を首相撲に捕らえて右の縦ヒジ。山本は右ハイキック、踵落とし、右バックハンドブローと大技を出すが当たらない。

 3R、さば折りで倒すなどかく乱戦法を出す山本、左レバーブローも効果的に当てていくが、勝負を賭けたフックやストレートは空振りが目立つ。

 4R、ミケールが左ヒジからボディにヒザを入れると、山本は一瞬、腹を抑えて動きが止まる。山本は左フックからローを中心にローを当てていき、左ヒジのカウンターでミケールを耳から出血させた。

 5R、バックキック、胴廻し回転蹴りと大技を連発する山本だが、やはり当たらない。正確性と連打に繋がらない山本にフラストレーションが集っていく。ミケールは右ヒジの一発狙いで行くが、これも当たらない。両者とも苦しそうな表情で、このラウンドは単発に終わった。全体的にアグレッシブに攻めた山本が3-0で勝利を収めたが、以前のスタイルが崩れたように見えたのと遊びすぎが目立ち、今後に不安を感じさせた。


▼第3試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ
金沢久幸(TEAM-1)
KO 3R1分22秒 ※右ストレート
宝樹まもる(勇心館)

 金沢に凄い数のテープが投げられるが、宝樹はそれをリング下に蹴り落とす。宝樹は両手を揃えての諸手パンチで金沢を押すと、得意のパンチで一気に前へ出る。金沢は左ローに右ストレートをカウンターで合わせる。2R、やはりパンチで攻める宝樹に金沢はバックハンドブロー、サウスポーに構えて右フック連打、そして右フック→右ハイからの連打でダウンを奪う。フラフラと立ち上がる宝樹に、金沢は右フックでダウンを追加し、トドメの飛びヒザに行ったがここでゴング。3R、余裕すら出てきた金沢は宝樹にパンチを打たせ、離れ際の右ハイキック。そして右ストレート、右アッパーでダウンを奪い、宝樹が立ち上がったところへ飛び込み様の右ストレート! グニャリと倒れる宝樹。金沢はKOで7戦ぶりの勝利を飾った。



▼第2試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ
湟川満正(AJパブリック)
KO 3R0分17秒 ※レフェリーストップ
林 亜欧(S.V.G)

 1R、長いリーチを活かしたパンチでプレッシャーをかけていった湟川だが、右ストレートのカウンターをもらっていきなりのダウン。湟川が挽回しようと右ローを中心にパンチで攻め返したため、林はチャンスを逃した。2R、林は左ミドルを決めてボディへダメージを与える。しかし、湟川も左フック→右アッパー→左右連打で襲い掛かって林をぐらつかせる。林は左ミドルからパンチで前へ出ようとしたが、そこへ湟川の縦ヒジがカウンターでヒット。流血する林。3R、湟川は一気に勝負を決めようと右の顔面前蹴りから左右ストレート&左ロー。これで大きくバランスを崩してコーナーへ詰まった林に、湟川がラッシュを決めたところでレフェリーが試合をストップした。


▼第1試合 68kg契約 3分3R
金 統光(藤原ジム)
KO 3R1分39秒 ※右ローキックで3ダウン
箱崎雄三(TEAM-1)

 1R、パンチ&ローで前へ出る金に、箱崎はノーガードで挑発。打ち気に流行る金へ、箱崎はカウンターの右フックでダウンを奪う。観客席へ向かってコマネチポーズを決める箱崎。立ち上がった金をヒザ蹴りに捕まえ、右フックから左右連打、そしてヒザ蹴りで2度目のダウンを奪う。しかし2R、なおも突進する金に箱崎はまたしてもノーガードで挑発するが、連打をもらいパンチ&右ローを受けっぱなし。ついに右ローでダウンを奪われる。3Rも金は右ローとパンチのコンビネーション。箱崎は一方的に打たれ蹴られ、右ローで三度のダウンを喫して逆転KO負けとなった。楽しい展開のオープニングに場内は盛り上がった。

▼オープニングファイト第3試合 ミドル級 3分3R
白川裕規(S.V.G.)
KO 1R2分30秒
モネ・ハビエル(ペルー/峯心会)

▼オープニングファイト第2試合 82kg契約 3分3R
コンボイ山下(超越塾)
KO 3R2分10秒
大野ヨシト(勇心館)

▼オープニングファイト第1試合 フェザー級 3分3R
遠藤智史(AJ)
判定2−0 ※30−30、29−28、30−28
ウルフ原田(DRAGON GYM)


【関連リンク】
≫全日本キック公式サイト
 

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■ 2005/07/10【全日本キック】ミャンマーとの対抗戦は1勝2敗1分け
 

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