「PANCRASE 2004 BRAVE TOUR」
パンクラス
2004年9月24日(日)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:00
▼メインイベント スーパーヘビー級 5分2R
○高森啓吾(パンクラスMEGATON)
KO 1R0分49秒 ※スタンドのパンチ
●アンソニー・"辰治"・ネツラー(Team
Boon!)
1R、観客の期待通り、真っ向から殴りあった両者。ボクシング特訓の成果を見せると言っていた高森だったが、大振りの左フックを連発する。あまりにも振りかぶりすぎているため、自分のパンチの勢いで尻餅をつく場面も。ネツラーは突進してくる高森をノド輪で突き放して左右のパンチを返すが、高森の圧力に負けてしまい後ろに下がってしまう。そして高森の右フックがクリーンヒット。崩れ落ちるネツラーに覆いかぶさるようにハーフからパンチを落す。何とか立ち上がろうとしたネツラーに高森はサッカーボールキック、そのままネツラーを追いかけて最後は左フックでマットに沈めた。
49秒という秒殺勝利だったが試合後、高森は反省しきり。「過去最低の試合でした。練習が足りないんじゃないですか。もしウォーターマンと再戦してもまたやられるだけです」と表情を曇らせた。
▼セミファイナル ウェルター級 5分3R
△北岡 悟(パンクラスism)
ドロー 判定1−0 ※29−28、29−29、29−29
△ヒース・シムズ(チーム・クエスト)
1R、右のパンチからタックルを狙う北岡だが、間合いが遠いため、簡単にシムズに切られてしまう。そこから北岡が自ら後ろに手転がり、シムズを寝技に誘うが、もちろんシムズはこれに付き合わない。この展開がしばし続いたが、ラウンド中盤、ようやく北岡が寝技に持ち込む事に成功する。腰を浮かしてパンチを打つシムズに対して北岡は自ら背中を見せるようにして足関節狙い。更にシムズの右手を捉えるとそのまま「く」の字に折り曲げてコムロックの態勢に。自分の足でシムズの体を引き離し極めにかかる北岡。「バキッと音が鳴った」というものの、タップを奪うまでには至らない。
2R、右ハイキックから片足タックルに入った北岡はシムズの左足を抱え込んだまま足を外掛けにして足関節へ。一度は抜けてハーフガードになるものの、再びヒールホールドを仕掛けて、シムズの回転に合わせてスイープに成功する。インサイドから担ぎパスを狙った北岡はそれが無理と見るや今度はアキレス腱固めにトライ。しかしこれはすっぽ抜けてしまい、シムズに立たれてしまう。その後もタックルから引き込みを狙う北岡に対し、シムズはインサイドからパンチを落すという展開が続く。
3R、パンチで前に出るシムズに対して北岡は後ろに下がるようにタックル。しかしテイクダウン出来ずスタンドに戻る。片足タックルから引き込んで足関節を狙う北岡だが、さすがにシムズのその動きを読んで、北岡の体を潰してパンチを落す。北岡はガードから得意のギロチン、それをフェイントにアームロックを仕掛けるが、逆に自分の体が半身になってしまいシムズのパンチを浴びることに。最後はイノキアリ状態からシムズがパンチを振り落としたところで試合が終わった。
ジャッジは1Rの北岡のコムロックのキャッチが評価され、北岡に1票入ってのドロー。しかし明らかにパウンドによるダメージが大きかったのは北岡。「ドローでラッキーだった」という言葉通り、判定直後、シムズの手を上げて観客にアピールした。
▼第6試合 ライトヘビー級 5分3R
○佐々木有生(パンクラスGRABAKA)
一本 2R3分13秒 ※三角絞め
●バック・メリディス(チーム・クエスト)
選手の負傷により2転3転した対戦カードだったが佐々木が、メリディスを寄せ付けなかった。
1R、メリディスいきなり左のジャブから右のオーバーフックで飛び込んでいく。これに対して佐々木は距離を取り、メリディスの右ミドルに合わせてローを返していく。メリディスは右のミドルから両足タックルでテイクダウンを奪うものの、佐々木は下から右脇を差して左手首を持ってアームロック狙い。メリディスは自分の頭を佐々木の胸の前に持ってきてそれをディフェンスする。すると佐々木はメリディスの右脇にスペースを作ると足を投げ出して三角絞めへ。メリディスが足のクラッチを振って、頭を抜こうとした瞬間、今度は左腕にオモプラッタを狙うが、立ち上がられてしまう。しかしスタンドに戻るとメリディスの右足への左インローが当たり始め、メリディスは距離を詰めることができなくなる。
2R、佐々木の左ローを取ってテイクダウンを狙ったメリディスだったが、佐々木はそれを切るとガブッた状態からパンチ。メリディスの立ち上がり際を狙って膝蹴りを狙うが、これは空を切る。しかし完全に試合は佐々木ペース。左のインローだけでなく右のアウトローも当たり、メリディスの右足は真っ赤に腫れ上がる。それでも佐々木の膝蹴りを掴んだメリディスは両足タックルでテイクダウン。グラウンドでは上を取ることに成功する。佐々木はメリディスの右手首を持ってアームロックの形になると、そのまま上に絞り上げるように腕を伸ばしながらスイープ。そのまま上四方で押さえ込み腕十字へ!一度はメリディスに腕を抜かれて立たれてしまうも、すぐに三角絞めに移行しタップを奪った。
▼第5
試合 スーパーヘビー級 5分2R
○アレックス・ロバーツ(KJK/Justiceマネージメント)
判定2−1 ※20−19、19−20、19−18
●謙 吾(パンクラスism)
1R、出会い頭からパンチを打ち合う両雄だが、ロバーツのワンツーが先にヒット。すかさず首相撲からヒザ蹴りで謙吾をグラつかせ、引き込もうとした謙吾にパウンドの雨を降らせる。謙吾はリバーサルに成功し、ロバーツの下からの肩固めを外して、ハーフガードをパスしてサイド→マウント→腕十字へ行くがすぐに逃げられてしまう。立ち上がったロバーツはヒザ蹴り、謙吾はテイクダウンを狙って怪力に振り回されるも倒す事に成功。ハーフのロバーツにパンチを入れて、ストレートアームバーを狙うがロバーツも下からのパンチで抵抗した。
2R、打ち合いに出た謙吾だが、ロバーツの右ヒザがアゴを直撃。それでも打ち合いに行く謙吾に、ロバーツのヒザ蹴りが再び決まる。ロバーツは組みに来た謙吾を投げるが、謙吾も立ち上がってタックルに。謙吾は右フックをヒットさせるも、ロバーツがヒザ蹴りをボディに入れて右アッパー、さらにストレート。もう両者ともフラフラの状態。それでも謙吾は、もつれ合うように倒れて上を取り、パンチを出しながらストレートアームバー、さらにV2アームロックを狙ったが決まらず。ロバーツが下からフロントチョークを狙ったところで終了となった。判定はスプリットで、打撃の有効打が多かったロバーツの勝利に。
▼第4
試合 ウェルター級 5分3R
○井上克也(RJW/central)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−25
同級6位
●和田拓也(SKアブソリュート)
ウェルター級第一戦となる井上が和田を破り、ランキング入りを決めた。積極的に攻めたのは和田だった。右ハイキックからパンチ、タックルと攻め、猛然と右のパンチを出しながら突進。井上が左ストレートを放つとタックル、倒せないと見るやヒザ蹴り。和田は右フックの怒涛の連打で、井上に襲い掛かる。しかし、井上はテイクダウンを奪うと、サイドから片足を和田の首にかけてのアームロック。外されるとパンチ、またアームロックを仕掛けると揺さぶっていく。
2R、やはり右フックで追っていく和田。下がる井上に、右ハイキックからの右ミドルをヒットさせる。井上も負けじと左フックをヒットさせ、コーナーへ詰めてテイクダウン。再びサイドから片足を首にかけてのV2アームロックを狙い、和田に暴れられると鉄槌の連打を顔面に落とす。残り10秒ではニーインザベリーからパウンドを連打。
3R、和田は右ミドル二連打、井上はパンチから組み付くがコーナーで膠着したためブレイクに。和田は右のパンチ連打を出して突進するが、井上が組み付いて胴タックルからテイクダウン。サイドになって肩固めの体勢に入り、これを逃げられると股に腕を入れて持ち上げ、リフトアップから叩き落す。さらにもう一度持ち上げ、頭からマットへ叩きつける“和製カレリン”の異名どおりの豪快な投げ技を繰り出した。井上が大差をつけての判定勝利で、ウェルター級侵攻作戦に弾みをつけた。
▼第3試合 ミドル級 5分2R
○三浦広光(パンクラスMEGATON-TOKIN)
判定2−0 ※20−19、20−20、20−19
同級7位
●中西裕一(フリー)
1R、開始と同時に両者は激しく打ち合う。三浦の右フックをかわして中西がタックル、しかし三浦は堪えて投げをうち、グラウンドへ。中西が立ち上がり、再び組み合うがコーナーでの膠着が続いた。
2R、やはり開始と同時にフックを打ち合う両者。中西がタックルに行くが、三浦が上になり、中腰からのパウンド。中西は股に手を入れてスイープを狙うが、ブレイクとなった。三浦の組み付き際に中西がパンチ三連打を当てるも組み付かれ、三浦は投げを狙うが不発。ならばと三浦はバックへ回ってスリーパーを狙ったが、ゴングとなった。両者組み合ってテイクダウンを取り合う展開が続き、動きのないまま終了。三浦が判定で、2戦目にして中西を破りランキング入りを決めた。
▼第2試合 ライトヘビー級 5分2R
○白井祐矢(アンプラグド国分寺)
判定2−0 ※19−17、19−19、19−18
●佐藤光芳(パンクラスGRABAKA)
巻き返しを図りたい佐藤と、2003全日本サンボ選手権90s優勝の白井。序盤はグラウンドの攻防となる。白井が組み付いて足払いでテイクダウンを奪えば、佐藤も両足タックルでテイクダウンを奪い返す。白井がフロントチョークを仕掛けるが、佐藤は外してサイドへ。パウンドの体勢に入ろうとすると、白井は下からの腕十字を仕掛ける。再び佐藤がテイクダウンに行くと、白井は縦四方の佐藤の首に両足を巻きつけてのセンタクバサミ。白井が立ち、佐藤がタックルでコーナーへ追い込むが、離れ際に白井の右ショートフックが炸裂!ダウン気味に倒れた佐藤へ、白井が上からパウンドを落とすが、ここでゴング。
2R、佐藤のタックルを切った白井が右ハイキック、さらに右ストレートで追い詰めていく。佐藤はタックルに行くが白井が切ってパウンド、顔面踏み潰し。それでも佐藤はバックへ回ってグラウンドに引きずり込もうとしたが、白井に立たれてスタンドに戻される。スタンドになると白井は右フック、右ストレートでどんどん佐藤を追い込む。しかし、ヒザ蹴りを金的に入れてしまいイエローカードが掲示された。右ストレートを決めて、打撃で完全に優位に立つ白井。終盤、佐藤も打ち合いに応じるが、白井が優勢を保った。
判定負けが告げられると、佐藤は後ろにバッタリと倒れ、そのまま座り込む。涙を拭うようなシーンもあり、悔しさが全面に溢れていた。
▼第1試合 ウェルター級 5分2R
△関 直喜(フリー)
ドロー 判定0−1 20−20、18−20 、20−20
△石毛大蔵(SKアブソリュート)
1Rから関のタックルVS石毛の打撃という展開。2R、組み付く関の顔面へ石毛が左ヒザ蹴り、これでガクッと腰を落とした関へサッカーボールキック。関がグラウンドになるとフットスタンプ、パウンド、ローキックと攻めるが関も必死のディフェンス。関は片足にしがみつくと、テイクダウンに成功する。石毛が立ち上がるとバックを取ってジャーマン、サイドから暴れる石毛をガッチリと抑えこむ。石毛が亀になるとバックからチョークを狙う関だが、これを石毛は突き放してパンチ。打撃では石毛に分があるも、関がタックルでテイクダウンして相殺してしまう。判定はドローとなった。 |