R.I.S.E.プロモーション
「R.I.S.E.\」
2004年9月26日(日)東京・ゴールドジムサウス東京ANNEX
開場16:00 開始16:30
伊藤隆、山口元気、内田康弘ら名キックボクサーたちが新しいキックボクシングの形として、旗揚げした新立ち技格闘技「R.I.S.E.」(ライズ)。今大会には九州・福岡を拠点とする実力者軍団リアルディールから三名が出場、全員がKO勝ちするという圧倒的な強さを発揮した。特に井手は昨年のRISE最強トーナメントDoAを制した阿部を下し、今年のDoAトーナメント優勝に名乗りを挙げている。ヘビー級のエース青柳も勝利し、名物の“青柳ダンス”を披露した。
▼メインイベント
ヘビー級 3分3R
○青柳雅英(アイアンアックス)5勝2KO3敗1分
判定3−0 ※30−28、30−28、30−27
元J-NETWORKヘビー級王者
●長谷川康也(アクティブJ)5勝3KO7敗
1R、青柳は前蹴りとジャブからのローで攻めるが、両者とも積極的な攻撃はそれほど見られず、長谷川もカウンター狙いか手数がほとんど出ない。2R、長谷川がジャブからローを出すが、やはり見ている方が多い。セコンドからは「自分から行って!」と攻撃を即す声が飛ぶ。青柳はローを蹴りながら、時折ハイキックも狙い、パンチで長谷川の頭が下がるとヒザ蹴り、フックとジャブを多用する。左フックからのローも入り、青柳が手数とアグレッシブで圧倒の感。
3R、前へ出るのはやはり青柳。右ロー、右ストレート、ヒザ蹴りと攻め、長谷川の頭が下がるとすぐにヒザで顔面を襲う。長谷川もフックを打ちかするが、青柳も打ち返し、後半は両者バテバテになって手が出なくなるが、青柳が必死に攻めて飛びヒザ蹴りまで繰り出し、判定勝利をモノにした。試合後は、もはや名物となったtrfのEZ
DO DANCEにのって、ポールダンサーも真っ青のセクシー(?)な“青柳ダンス”を披露した。
▼セミファイナル
70kg契約 3分3R
○井手泰晴(リアルディール)15勝11KO1敗
KO 2R2分37秒 ※3ノックダウン
2003DoAトーナメント優勝
●阿部 勝(クロスポイント)7勝4KO3敗1分
昨年のDoAトーナメント覇者が敗れる波乱! 激闘が予想された試合だが、予想以上の大激戦となった。1R、井手はリアルディールのほとんどの選手がそうであるように、回転が速く的確なパンチのコンビネーションで打って出る。阿部もこれに応戦し、激しく足を止めて打ち合う両雄。しかし、井出の左フックが炸裂し、阿部は上半身がリングから飛び出るほどのダウンを喫する。その後も両者は激しく打ち合いを展開し、安部は左ミドルで流れを変えようとするが、井手のパンチの回転力が優る。
2R、左ローを立て続けにヒットさせて井手がダウンを先取、阿部はミドル、ワンツーで応戦するも左ローで再びダウン。最後も左ローの連打でダウンを奪い、井手が鮮やかなKO勝利。「DoAトーナメント、もらった!」と井手は早くも12・19ディファ有明で開催が決定した『DEAD
OR ALIVEトーナメント』優勝を宣言、伊藤隆プロデューサーもその場で井手の出場を決定した。
▼第5試合
70kg契約 3分3R
○裕 樹(リアルディール)18勝17KO3敗1分
KO 2R0分42秒 ※3ノックダウン
●剣(フリー)5勝3KO3敗
21歳にして21戦を消化し、17勝の内16がKO勝ちという裕樹。シュートボクシング後楽園大会で宍戸や菊池と大激戦を展開したのも、まだ記憶に新しい。妖気的な雰囲気を漂わせる剣に対して、裕樹は不敵な笑みを浮かべて顔を覗きこむようにして挑発する。
1R、裕樹がパワー&スピードあるフックとローのコンビネーションを見せれば、剣もストレートとローで攻め合う。裕樹は剣の蹴りをキッチリとブロックしてローキック。左右ローを蹴り分けて、その両方を効かせていく。ローを強打した後に、フックを入れる事も忘れない。
2R、裕樹はダッシュしてパンチの連打を決めてから、右ローを強打! これでダウンを奪い、次は左ローからの右ローでダウンを追加、最後も右ローを強打してKO勝ちした。「見たかぁ!これが本物のローじゃあ!」とリング上で叫ぶ裕樹。これでリアルディール勢は共にKOで2勝目を上げた。
▼第4試合
70kg契約 3分3R
○CRAZY884(スクランブル渋谷)6勝1KO2敗1分
判定3−0 ※三者とも28−27
●川端健司(チームドラゴン)※デビュー戦
1R、いきなりの打ち合いを挑んだ川端が、右フックでダウンを先取。その後も打ち合いに出て、左右フック、ストレートを浴びせて884をコーナーに度々追い詰める。しかし、884は足を使って逃げ、川端は度々のラッシュで早くもバテ気味となった。2R、川端の左に左ストレートをタイミングよく合わせて、ダウンを奪い返す884。川端は待ちの姿勢でパンチ、左ミドルを合わせていくが、スタミナ切れは隠せない。884がヒザ、ボディブローとボディに狙いを定め、さらにスタミナを奪っていく。
3R、884は勢いよく攻め、川端も必死に打ち返す。川端は左フックから飛びヒザ蹴りを繰り出したが、再び884のボディ攻めにあってしまう。884が攻め切って、逆転勝利を飾った。ペース配分を誤ったデビュー戦の川端と、ダウンを奪われてもボディ攻撃に切り替えて冷静に闘った884のキャリアの差が出た。
▼第3試合
70kg契約 3分3R
○龍 二(リアルディール)15勝11KO3敗
KO 1R2分38秒 ※ヒザ蹴り
●佐藤龍男(東京R&S専門学校ジャスティス)2勝1KO3敗
佐藤の前蹴りから左右フックを序盤は見ていた龍二だが、一旦、攻撃に転じると凄まじいスピードと正確さのパンチ・コンビネーションを放つ。右クロスを面白いように当てていき、アッパー、右ストレートで佐藤をロープ際まで吹っ飛ばす。そのままパンチで倒しきるかと思いきや、顔面に連打を集めてからのヒザ蹴りでダウンを奪い、最後はガッチリと首相撲に捕らえてのヒザで勝負を決めた。
▼第2試合
70kg契約 3分3R
○高江達二(アイアンアックス)1勝
判定3−0 ※30−27、30−27、30−29
●田中龍星(チームドラゴン)2勝2KO1敗
ノータッチでトップロープを飛び越え、颯爽と登場した田中。しかし、試合が始まると観客の目を釘付けにしたのは高江のほうだった。マイク・ザンビディスや村浜武洋を髣髴させるような速い回転のフックで突っ込み、連打を当てる。田中もロー、ミドル、ヒザで応戦するが、勢いは高江が圧倒的に優る。
2R、潜り込んでのオーバーハンドフックで攻める高江。田中は前足重心の高江にローを放っていき、パンチとローの相打ちが続くが、高江がドンドンとフックで攻めて行く。たまらずクリンチを多用してしまった田中にイエローカードが掲示される。
3R、高江の勢いは止まらず、フックとアッパーのラッシュ。田中はクリンチが多くレッドカードが掲示されてしまう。高江のオーバーハンドフックからのアッパー、フック、ミドルの怒涛の連打は最後まで衰えることなく、判定勝利を得た。会場からは「あれで本当にデビュー戦かよ…」と驚きの声が挙がっていた。
▼第1試合
49.5kg契約 3分3R
○石山絵理(RED DEVIL KIS'S)4勝2KO
判定3−0
●岡田敦子(蹴健道)2勝1敗1分
1Rから石山がダッシュ、左のパンチから連打を決めていく。岡田も蹴りで応戦するが、石山は自分が打ち終わると組み付いて太ももへのヒザ蹴りを繰り出す。2Rも勢いがあるのは石山。猛然とパンチを入れては下がり、岡田が入ってくると左ミドルを合わせる。岡田も反撃するが、組んでのヒザ蹴りを入れられ蹴りが出せない。3R、前方回転しながらの浴びせ蹴りも繰り出す石山。右ミドルもタイミングよく当て、バックブローも繰り出す。石山は手数が多いため、大きく口をあけて息をするが、岡田のローに対してパンチを返すなど最後まで攻撃の手を休めなかった。
<伊藤隆プロデューサーの総括>
高江、川端は新人のデビュー戦とは思えない強さを発揮しましたね。来年はトップクラスが入れ替わりますよ。彼らのレベルの高さには驚きました。ライズはアマチュア大会もやっていて、そこでいっぱい試合のキャリアを積んでいますから、今までのデビュー戦とは違いますね。
リアルディールは東京で試合するのをチャンスだと思ってやってますから、その結果いい試合をやってくれます。基本的にはパンチ&ローキックだけなんですけど、倒せるローを持ってますから強いですよ。井手選手はDoAトーナメント出場をいま決めました。
川端選手はデビュー戦でペース配分が分からなかったけど、試合数をこなせば絶対に強くなります。今日は高江、田中、川端選手が良かったですね。内容的にアグレッシブで、まさしくライズという試合をやってくれました。青柳選手も踊ってくれたし、いつも感動しているんですけど、今日は特に感動した大会でした。
次回10・31も新人選手が出ますが、ライズは早くも世代交代しそうですね。まさしく、デッド・オア・アライブの闘いが展開されると思います。ライズが目指していたものが出てきて、非常に今後が楽しみです。
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