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【DEEP】本命・中尾が中村を破り初代ウェルター級王者に!

2004/10/24


DEEP事務局 「DEEP 16th IMPACT」
2004年10月30日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00

大激闘!決勝はDEEP史上に残る名勝負に!
粘りに粘る中村を中尾が気合いで退ける

▼第8試合 DEEPウェルター級トーナメント決勝5分3R
中尾受太郎(フリー)
TKO 3R3分16秒 ※タオル投入
中村大介(U-FILE CAMP.com)

 1R、中村が右ミドルで先制するが、中尾はそのままタックル。サイドに組み付き、コーナーへ押し付ける。中村は片ヒザを中尾に押し付けてディフェンスるが、中尾は残る片足をすくってテイクダウン。しかし、下になった中村はすぐに掟破りの三角絞めを仕掛けていく。自分の得意技を逆にやられた中尾だが、冷静に中村の両足を担ぐとサイドへパスし、背中へヒザ蹴り。ハーフに戻した中村はまたも三角を狙いに行くが、同じように中尾はサイドへパス。パウンドを落とすと中村が亀になり、中尾はすぐにバックマウントを奪いに行くも、タイミングを合わせて身体を返した中村が上になる。中尾はすぐに三角狙い、中村も脇を絞ってディフェンスし、パウンドを落としていく。そして、アキレス腱固めに行くが中尾に立ち上がられ、パウンドを浴びる結果となる。中尾がサイドにつき、鉄槌を落としながら腕十字を狙っていくが、ここでゴング。
 2R、中尾が左ストレートから組み付き、持ち上げてのテイクダウン。中村は下からのアームロックを狙う。身体を浴びせるようにしてパスを仕掛けてく中尾、中村はまたもタイミングを合わせて上になるが、これはトラップだった。すぐに中尾の両足が三角の体勢に。しかし、中村は上体を反らして外し、パウンド。中尾は再び三角を狙っていくが、中村は足を潜ってパスに成功。すぐにハーフに戻され、アームロックを仕掛けるとリバーサルを許してしまう。中尾は左のパンチを落とし、サイドにパスして鉄槌から腕十字仕掛ける。と、中村は回転して逃げて逆に下からの十字。中尾はこれを外してサイドからパウンド、中村が踵で中尾の頭を蹴って抗うと、中尾の頭頂部から激しい流血が見られる。これに気を取られたか、中尾が十字を仕掛けに行くと、中村は身体を翻して、何と逆に腕十字の体勢に入る。まるで、UWFの攻防を見ているかのような、鮮やかな返し技だった。両手をクラッチして耐える中尾。ここでゴング。中村の大健闘に、場内から拍手が起こる。
 3R、飛びヒザ蹴りの奇襲を仕掛ける中村だが、これは中尾に押し返されてマットに倒れこむ。そこへ中尾がジャンピング・スタンプ。それを中村がアキレス腱固めに切り返す! 中尾はすぐに立ち上がるが、今度は中村が下からの腕十字! これを逃れた中尾がバックマウントとなる。次から次へと繰り出される中村の技と、中尾の返し技に場内が沸く。DEEP史上、最高潮ともいえる盛り上がりだ。中尾はパンチを入れながらサイドへ移行、鉄槌を浴びせて腕十字狙い。これが決まらないと見るやマウントを取りに行き、ニーオンザベリーへ移行。エビで逃げる中村は立つ事に成功するが、中尾はそのままバックへ飛びつき、中村の両膝裏を蹴ってグラウンドに引きずり込み、スリーパーホールド!
 中村の顔が苦痛にゆがみ、決まったかに思われたが、中村は片膝でバンバンとマットを蹴って勢いをつけて身体を回転。マウントに戻す。場内は大熱狂! しかし、中村の奮闘もここまでだった。中尾はそのままパウンドを連打し、一方的に殴り続ける。ここでセコンドの田村潔司がタオルを投入し、激闘にピリオドが打たれた。
「総合を始めてから初の栄冠。やっとベルト取れたってのが本当に嬉しい」と、荒い息でマイクを握る中尾。「本当は(抽選で)中村選手を指名しようと思ってたんですけど、いま闘ってみて指名しないで良かったと思いました(笑)。なかなかいい選手、強かったです」と本心を打ち明けた。「これでベルトも取ってハクが付いたと思うので、武士道さんに声がかかればやっていきたい。いろんなところに挑戦して行きたいと思います!」と、改めてPRIDE武士道参戦に名乗りを挙げた。
「(中村は)トーナメントで一番強かった! こいつどこまでスタミナがあるんだと途中で思った。マジで強かった」と、中尾は初戴冠で興奮気味に通路を歩いていた。

●中尾のコメント
「ベルト初めてなので、区切りのいいものを取るのは気持ちがいい。(ベルトは)大きいのがカッコいい、昔のプロレスみたいで。青木選手が一番の難敵だと思ってたので、勝ったら星野選手が順当に上がってくると思ったので、これはおいしいと思ってました、正直。でも、中村選手の実力が分かってなかった。1回戦でパンチでKO勝ちしてるのも、出会い頭でもらっちゃったんだろぐらいに思ってた。やってみたら本当に強かったです。決勝の方が全然疲れました。
 途中、凄い血が流れたんで、止められるのが心配になった。踵が当たって痛くはなかったんですけど。中村選手で驚いたのは、一番はスタミナ。ハートの強さもあった。パンチの回転も良かった。あとは次から次へといろんな事をやってくるので、自分が考える間がなかった。休むところがなかった。上とって軽く一本だと思ってたけど、凄くしつこくて逃げたら逃げたで上から殴ってくるし。その内、疲れるだろうと思ったらいつまでもバテない。俺も強引に行くんじゃなくて、少しずつ追い詰めていこうと思った。最後は気合いで仕留めました。
 青木選手はガチガチに攻めてきたので、すぐブレイクになるし、倒して立たされで焦ってるのが分かった。これなら取られないと試合中に思った。打撃は最近、キレが良くなった気がしてたので。三角は警戒されてダメですね。中村選手も汗がべっとりだったので、こりゃダメだと思って。相手の呼吸を読んで、感じるままに動いたんですよ。元々、スロースターターなので2試合目のほうが動きがいいかも。でも、疲れました。勝ったのは全てKO・一本なので、自分としてはこの記録を伸ばしていきたい」

●中村のコメント
「1回戦から中尾選手とやって見たいと思っていました。自分がどれだけ通用するか。やっぱり強かったです。上からのパンチがちょっと効いてたと思うんですけど。あと十字も。切れなかったけど、あれは得意のパターンなので、あれが通用して形には入ったのが良かった。あと(中尾の)三角は一回も形にならなかったので良かった。田村さんが今回はつきっきりで指導してくれたので、結果を残したかったんです。ちょっと悔しい。試合が良かったと言ってくれました。まだまだだと思う。もっと実力をつけていい試合がしたいです」


僅か20秒でしなしが勝利、無敗記録を更新

▼第7試合 DEEP女子ルール 48s契約5分2R
しなしさとこ(フリー)
一本 1R0分20秒 ※腕ひしぎ十字固め
スパンニパ・チュティパンヨ(タイ)

 97年に15歳でムエタイ・デビュー、03年アマチュアムエタイ・オールタイランド48s級優勝、04年アマチュアムエタイ・チョンブリ大会48s級優勝、同年カレッジゲーム48s級優勝、通算戦績15勝3敗2分というスパンニパ。女子ムエタイでは国内に敵なしという触れ込みだったが…。
 スパンニパのセコンドは、モンコンを外すと何と自分の首に掛けた。ムエタイではモンコンはお守りとして大事にされ、頭から外したモンコンは守り神としてコーナーポストに掛けるのが常識。モンコンは自分の頭よりも下に置いてはいけないのだ。そんな常識も知らないムエタイとは…。などと思っていたら、しなしはスパンニパのパンチをかわしてタックル。テイクダウンを奪い、マウントになってそのまま腕十字を極めた。


アンソニーはカレオに何もさせずKO勝ち

▼第6試合 DEEPルール フリーウェイト5分3R
アンソニー・辰治・ネツラー(TEAM Boon!)
KO 1R2分10秒 ※右ストレート
鈴木カレオ(フリー)

 元・大相撲の力士、南富健三の四股名で1989年11月場所で初土俵。95年5月場所では7戦全勝で三段目優勝を飾り、最高位は西幕下筆頭で97年7月場所で引退したカレオ。その後、ハワイで総合格闘技に転向し、4戦4勝の内3試合はギブアップ勝ちしているという。
 ジャブで牽制するアンソニーに、カレオはフックをフェイントして組み付くが突き放される。アンソニーは左ローを単発で放っていき、すでに効いた様子のカレオ。フックで突進するも首ヒザに捕らえられ、またローを浴びる。アンソニーのセコンドに付いた金原弘光が、「ロー効いてるから、そろそろ右が当たるよ」とアドバイスした直後、アンソニーの右ストレートがカレオを打ち抜いた。カレオは技らしい技を何も出さないまま、あっさりとマットに沈んだ。
 タイツに海賊マークを入れたアンソニーは、「おい、みなさん!海賊は強いぞ!」とアピールした。






観客どっちらけ、無理やりタオル投入で入江勝つ

▼休憩中 キングダムエルガイツ特別試合キングダム・エルガイツ特別ルール
入江秀忠(キングダム・エルガイツ)
TKO 14分16秒 ※タオル投入
神王(※キム・ジン・オー/韓国/CMA-KOREA金道場)

 頭突き、ヒジ打ち、レフェリー無しという過激ルールで行われた試合だが、過激な部分はひとつもなかった。ゴング直後、入江はいきなりタックル。ロープに押し付けて長い時間をかけてサバ折り気味にテイクダウン、一瞬マウントを奪ったが、神王が身体を起こしたため入江はガブる。四点ヒザを入江が数発出したところで神王が立ち上がり、入江はコーナーへ押し付ける。5分経過。佐伯代表が苦笑いを浮かべて立ち上がる。どうやら試合をストップする様子だ。
 入江は再びテイクダウンすると、そのまま抑え込み。1分、2分、3分…何の動きもないまま時間だけが経過し、場内からは野次が飛ぶ。佐伯代表は韓国側に何事か話しに行き、14分経過のアナウンスがあった直後に韓国サイドにいた美濃輪からタオルが投入された。
 神王は不服そうな表情で立ち上がり、スタスタと控え室へ帰っていく。勝ち誇る入江には拍手のひとつも起きない。
 リングに上がった佐伯代表は、「みなさん、すいませんでした。休憩時間中だと思って許してください」と観客に謝罪。「神王も一生懸命に立とうとしたんですけど、お客さんの事を考えずに試合するヤツがいるので…普通のルールで再戦させますので許してください」と入江にチクリ。しかし、入江はマイクを持つと「だって、そういうルールだもん。このルールならこうなるもん。DEEPルールならなに言われてもいいけど、このルールだから勝ちにいったんじゃん」と開き直る。「このルールで時間無制限でやれば、こうなるもん。30分くらいで極めに行こうと思ってたんだよ」と言い訳する入江は、しつこくダン・スバーンがタップしてたと言い張り、「佐伯さんに何を言われようと、最後の勝負やりたいんだよ! 俺はこの星の一番になりてぇんだよ!」と叫んだ。佐伯代表が、「じゃあ、DEEPルールで神王と再戦してよ」と要求すると、「いいよ」と即答。12・18ディファ有明大会での再戦が決定した。


▼第5試合 ウェルター級トーナメント・リザーブマッチ
長岡弘樹(総合格闘技DOBUITA)
2R終了時 TKO
小野瀬哲也(フリー)
<試合展開>
 1R 、長岡のワンツーに合わせて小野瀬がタックルでテイクダウンを奪うと、密着する長岡の体を突き放してパンチを落す。下になった長岡はハーフの状態でガッチリと小野瀬の体を抱きかかえ頭を相手の胸につけパンチをディフェンスする。立ち上がり足を振ってパスしようとする小野瀬に果敢にタックルをしかける長岡だが、レスリングエリートの小野瀬からテイクダンを奪えない。逆にスタンドの状態で後ろについた小野瀬は持ち上げてテイクダウンすると遂にマウントポジションへ。しかしここでも長岡のディフェンスを崩せず何とマウントのままブレイクをかけられてしまう。次第に小野瀬のタックルを切るようになった長岡は頭を下げて突進してくる小野瀬に膝蹴りを当て始める。何とかコーナーまで押し込む小野瀬だがそこで動きが止まってしまいブレイク。徐々にスタミナを奪われていく。
 2R 、開始直後、長岡の右フック、膝蹴りをもらいながらもテイクダウンした小野瀬だったがここでもやはりグラウンドで動きが止まってしまいブレイク。遂にはタックルを切られて亀の状態のまま動きが止まってしまう。ここで長岡は一気にラッシュ。小野瀬の頭を押さえつけてパンチを連打する。そして小野瀬が引き込むように下になり、長岡がこの試合初めてグラウンドで上のポジションを取る。そしてバックマウントを奪うと小野瀬を前転させるように腕十字へ。これはロープに邪魔されてしまうも再びガがぶったまま鉄槌を落し、長岡優勢のままラウンドが終了する。するとインターバル中に小野瀬がレフェリーに試合続行が不可能とアピール。そのまま TKO となり長岡がリザーブマッチを制した。



▼第4試合 ウェルター級トーナメント準決勝
中尾受太郎(フリー)
1R4分26秒 KO
青木真也(パレストラ東京)
<試合展開>
  1R 、中尾の周りを回る青木は一気に距離を詰めて組み付くと外掛けでテイクダウンを奪い、サイドポジションを取る。しかし中尾も上半身を押してハーフに戻す。青木は頭を押さえてパンチ。さらにイノキ・アリ状態になると上から振り下ろすような鋭いパンチを落とす。中尾もすかさず三角絞めを狙うが青木はすぐに頭を抜いてディフェンスする。中尾がクローズガードになると青木はバスター。しかし動きが止まってしまいブレイクとなる。青木は左ハイからタックル。そのままコーナーまで押し込んで振り回すようにテイクダウンする。今度はすぐにガードを取る中尾。青木はこれを崩す事ができずブレイクがかかる。ここまで動きの少なかった中尾は得意の左ストレートから飛び込むと青木の引き込みに合わせてこの試合初めてグラウンドで上を取る。青木の足を担いでパスを狙う中尾だったがロープ付近のためブレイク。試合は三度スタンドの展開となる。するとここで青木の右フックが当たって一瞬腰が落ちる中尾。さらに青木が距離を詰めてパンチを打とうとしたところで今度は中尾の左ストレートがカウンターでヒット。そのまま前に倒れるような形で亀になった青木に中尾はここぞとばかりにパンチを落とす。そして最後はレフェリーが試合を止めた。




▼第3試合 ウェルター級トーナメント準決勝
中村大介(U-FILE CAMP.com)
1R4分34秒 KO
星野勇二(和術慧舟會GODS)
<試合展開>
 1R 、左右のパンチで前に出る星野に対して中村は下がりながらカウンターの右フック。しかし星野はそのままコーナーまで押し込んでいく。首相撲に捕らえる中村に対して星野は胴で腕をクラッチすると足をかけてテイクダウンを奪う。上半身を固めて足を跨ぐようにパスする星野。しかし中村もすぐに腕で星野の体を押してガードへ戻す。ここで動きが止まりブレイク。中村は左ジャブから右ミドル、さらに右ハイと果敢に打撃を出していく。星野のワンツーの打ち終わりを狙って中村は左右のフック。そして組み付かれると今度は前転しながら膝十字、ヒールホールドへ。苦しそうな表情を浮かべる星野だが中村の体を潰して足を抜いてディフェンスする。これに対して中村も亀の状態から前転してガードに戻し、再びブレイク。ガードを固める中村に対して星野はその間から右アッパー、左ストレートを打つ。中村は離れて右ハイキックさらにバックキックを放つがバランスが崩れてしまう。そこに飛び込んでいった星野だったが中村はすぐに体を起こして右フック一閃!これがもろに星野の顎を捉えそのままダウン。そこに中村がパンチを落とし KO 勝利を収めた。




▼第2試合 DEEPルール
クリスチアーノ上西(AXIS柔術アカデミー)
1R1分58秒 TKO ※マウントからのパンチ
濱田順平(CMA誠ジム)
<試合展開>
  1R 、濱田はクリスチアーノのパンチを捌いて右のロー。しかし右ミドル掴まれてテイクダウンを許してしまう。ここで何と濱田は下からヒールホールド。かなり極まっていたもののクリスチアーノは必死に回転してディフェンス、立ち上がって膝を抜いてインサイドガードになる。距離を取ってイノキ・アリ状態になったクリスチアーノは上から左右のストレートを振り落としてパスガード。すぐにマウントを取るとガードする濱田にパンチを連打する。最後は濱田がパンチを貰いながら亀になったところでレフェリーが試合を止めた。


▼第1試合 DEEPルール
佐藤隆平(総合格闘技R-GYM)
2R判定 2-0
高橋 渉(高田道場)
<試合展開>
 1R 、佐藤にテイクダウンを許し下になる展開が続いた高橋。一度はイノキ・アリ状態からタックルでテイクダウンしたものの、すぐに佐藤にスイープを許してしまいチャンスを生かすことができない。常にグラウンドで有利なポジションをキープする佐藤は何度も肩固めにトライするがハーフから足を抜けず、固めた状態が続く。しかし上になっている分、有利な佐藤はイノキ・アリから飛び込んでパンチを打つなど、このラウンドを確実にモノする。2R 、このラウンド、先にテイクダウンを奪ったのは高橋。佐藤の右ミドルをキャッチして首投げでサイドポジションを奪う。そして佐藤の動きに合わせてマウント、サイドとポジションを替えて関節技を狙っていく。しかし佐藤が背中を見せバックを取ろうとしたところで、前に振り落とされてしまいチャンスを逃す。ブレイク後、佐藤のワンツーに合わせて高橋はタックル。組んだ状態から投げを打つが潰されてしまいまた下のポジションになる。ハーフガードから後転してスイープ上四方で押さえ込むチャンスがあったものの腕十字は失敗。ポイントを挽回することが出来なかった。



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