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【シュートボクシング】宍戸、チャンプアックをKO!サワーも勝利

2004/11/05



シュートボクシング協会
「∞ーS〜infinity-s〜Vol.5」

2004年11月5日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00


▼メインイベント2 3分5R
S-cup2002&2004覇者
アンディ・サワー(リンホージム)
KO 5R2分12秒 ※レバーブロー
WMC世界ウェルター級王者
クンタップ・ウィラサクレック(タイ)

 S-cup2004覇者のサワーが、思わぬ苦戦を強いられた。対戦相手が突如、前日に変更となったためアメリカン・ファイター相手の対策を練っていたにも関わらず、ムエタイと対戦する事になって戸惑いがあったからだ。それがモロに試合に現れてしまった。
 1Rから攻めたのはサワー。ローを軸に、左右のパンチでプレッシャーをかけていく。しかし、2Rからは首相撲に捕まってしまいパンチの距離が取れず、またコンビネーションも殺されてしまうためいいところがない。クンタップはひたすら首相撲を繰り返し、アンディが構わず入ってくるとテンカオを合わせる。
 3R、ここまでアンディは、プレッシャーで相手をコーナーへ追い込んでいく得意の動きが全く出来ていなかった。ロープ伝いに動き、近づいてくれば前蹴り、強引に入ってくればテンカオ、接近しても首相撲と巧みに守るクンタップを、追い詰める事が出来なかったのだ。つまり、サワー本来の闘い方が出来ていない事を意味する。
 しかし4R、左フック&アッパー、右フック&アッパーで強引に切り込んでいくサワーが、徐々にクリーンヒットの数を増やしていく。クンタップは足払いでサワーをコカしたり、首相撲で何とか耐える。サワーの右フックで大きくグラつき、サワーのパンチで気を失いそうになりながらも組み付くというタフさ。
 5R、勝負に出たサワーはようやくレバーブローをクリーンヒットさせ、右フックから左アッパー、パンチのコンビネーションを次々と当ててクンタップを何度もグラつかせる。最後はフックを当ててコーナーへ追い込み、左右の連打で顔面にパンチを集めておいてのレバーブロー。サワー必殺のパターンがようやく決まり、タフなクンタップもついに10カウントを聞いた。
 サワーは「今日はバカな事をやってしまった。普段だったら、もっと早くKOできてたと思う」と反省しきりだった。そして、再度の挑戦をアピールした宍戸に対しては、「もちろん誰とでも闘う。宍戸は試合をする度に成長していると思う」としたが、リン会長は「体重が軽いのでアンディとやったら厳しいよ。テクニカルではあるが、彼はパワーがないからね」と、“まだ相手にならない”と評価を下した。


▼メインイベント1 3分5R
S-cup2004準優勝、SB日本Sライト級王者
宍戸大樹(シーザー)
KO 4R2分15秒 ※右ローキック
WMTC世界Sウェルター級王者
チャンプアック・チョーセパサート(ISS)

 1R、左右のローを放ってロープ伝いに左へ回る宍戸、チャンプアックはそれを追うようにして徹底的にボディ攻め。宍戸は飛びヒザからバックブローを見せるが、チャンプアックはすぐに距離を詰めてパンチで攻める。
 2R、サウスポーに構えをチェンジした宍戸は右ロー、前進を誘っての胴廻し回転蹴り、さらにバックキックを放つも組み付かれ、チャンプアックにヒザを入れられる。しかし、ここでも動きが止まらないのが宍戸の真骨頂だ。ジャブを突いてバックブロー、アッパーを連打してチャンプアックを下がらせる。チャンプアックはおどけるように顔を傾けて笑い、「効いてないよ」とばかりのポーズ。
 3R、宍戸は投げに行くと見せてのアームロック狙い、これは防がれたが、バックキックから組んでの右フック&アッパー、右ローからワンツー&アッパーとコンビネーションで攻める。右ローキック二連発からバックキック、さらに前蹴りと攻撃箇所を一転に絞らず上・中・下に揺さぶっていく。
 4R、宍戸はローを軸にパンチのコンビネーションで攻める。前蹴りからの左フック、チャンプアックがパンチを嫌がって下がり始めると、左右の連打で一気にロープ際へと詰めていく。そして、ショートの連打が決まったところで、逃げようとしたチャンプアックが痛めていた足首をさらに痛め、ローのダメージもあって転倒! そのまま足の激痛に悶絶し、宍戸のKO勝利が宣せられた。
「今日は胸を張ってマイクをやらせていただきます」と宍戸。相手の負傷がらみとはいえ、ダメージを与えてチャンプアックから日本人初の勝利をもぎとったのは金星に値する。「自分はS-cupでアンディに負けましたが、次にアンディと組んでもらえるまで絶対に負けません!」と力強く宣言した。



▼エキスパートクラス 3分5R
SB日本ウェルター級3位
菊地浩一(寝屋川)
再延長判定 3-0 ※10-9、10-9、10-8
BBTVウェルター級2位
ゲンナロン・ウィラサクレック(ウィラサクレック)

 7戦全勝6KO、SBの超新星・菊地が挑む初の国際戦。1R、奥足に狙いを定めた菊地はローを放っていくが、ゲンナロンは強烈な左ミドルと右ボディブローで押していく。パワーの差は歴然で、ゲンナロンが前へ出て行く。菊地はパンチのコンビネーションをヒットさせるも、ゲンナロンの一発の破壊力で相殺されてしまう。
 2R、今度は菊地がボディへ狙いを定め、右ボディストレートをヒットさせていく。ゲンナロンはヒザで応戦し、ボディの殴り合いを展開。しかし、ゲンナロンの動きが明らかに鈍っていくのが分かる。余裕の笑みも消えた。菊地はショートのアッパー&ストレートの連打、これでゲンナロンが初めて下がる。ゲンナロンは下がりながらもカウンターのテンカオ、パンチをかわし様の右フック。
 3R、苦しい顔を浮かべるゲンナロンはテンカオ、ブアカーオばりの顔面前蹴りで菊地を近づけまいとする。菊地はショートのコンビネーション、遠間からの左ストレートをヒットさせてゲンナロンをのけ反らし、左ローへと繋げていく。4R、菊地は打ち合いに行き、ゲンナロンもこれに応える。右のパンチを思い切って叩きつけ、菊地が入ってくるところへテンカオを合わせて右ストレートへ繋ぐ。真っ直ぐ入ってしまう菊地が迎え撃たれる形となり、後手に回ってしまった。
 5Rには顔面への前蹴りを連発して、菊地に接近戦を許すまいとするゲンナロン。それに対して、菊地は左ストレートとワンツーをクリーンヒットさせる。ロープを背にしたゲンナロンへ右アッパーを三度入れたところで試合終了。しかし、判定は49-48でゲンナロンに一票入っ以外は、48-48、49-49でドロー。延長戦へ突入した。
 ゲンナロンは重い右フックを叩きつけ、菊地のコンビネーションの打ち終わりを待って右ストレート。下がりながらも右ミドルを何度もヒットさせ、菊地が入ってくると組んでのヒザ。菊地のパンチ・コンビネーションを空回りさせる形となったが、判定はシビアで1-1のドロー。最後の力を振り絞った形のゲンナロンにとって、不利な判定となってしまった。
 延長2回、いきなり両者は激しい打ち合いを展開。菊地のワンツーにゲンナロンが仰け反り、菊地の左ストレート、右フック、右アッパーが次々とヒットする。苦しいゲンナロンは、ここで反則のヒジを繰り出して注意1。再開後もアッパー、フックで打たれるゲンナロンはまたも苦し紛れのヒジを出してしまい、減点1が科せられた。最後は菊地がコーナーへ詰めての左ストレート、ゲンナロンの右フックを空振りさせて右ストレートからの左フックで追い込み、駄目押し。判定勝利ながら無敗記録を更新した。敗れたゲンナロンは、5Rまでのローのダメージで自力では歩けないほどであった。




▼エキスパートクラス 3分5R
SB日本ライトヘビー級3位
伊賀弘治(龍生塾)
1R終了時 セコンドからのタオル投入
スチュワート・フルトン(XXX)

 ひとまわり大きいフルトンが前蹴りとローで離れて闘おうとするが、伊賀は右ローを放ちながら上へのパンチの機会を窺う。右ローを多用し、伊賀は右ストレートを誘っての右クロス。フルトンもよく打ち返し、伊賀がローを多く蹴って1R終了。しかし、インターバル中にフルトンのセコンドからタオルが投入され、突然の試合終了となった。フルトンは右足の甲を負傷して、試合続行不可能だという。勝った伊賀は「これでヘビー級は卒業。ミドル級の王座が空いたので、ミドル級のタイトルを狙ってやろうと思います」と、ミドル級への転向、王座獲りを表明した。




▼エキスパートクラス 3分5R
SB日本フェザー級
石川剛司(シーザー)
5R判定 2-1 ※50-49、49-50、50-49
菊田光正(寝屋川)

 ここまで5勝5KO無敗で来た石川。前回のS-cupオープニングファイトでは立ち関節を極めて勝ち、SBの魅力を充分に発揮している。初のエキスパートクラスマッチという事で注目されたが…。石川は1、2Rと豪腕を振るって投げも狙い、試合を優勢に進めたが3Rになるとスタミナ切れの兆候が見え始める。パワーダウンしたところで菊田が前に出て、パンチの打ち合いを挑む。石川はパンチからヒザへ繋げていき、再三投げを狙うが全て防がれる。4、5Rと両者が足を止めての打ち合いが度々繰り広げられ、石川はそこから投げを狙っていくが、やはりディフェンスされて不発。石川は最後の力を振り絞り、菊田が入ってくるところへ右ローから右フック、足を止めての打ち合い。判定はスプリット、石川がアグレッシブの差で辛勝した。



▼フレッシュマンクラス 3分3R
タイガー石井(スクランブル渋谷) 
延長1回 判定3-0 ※三者とも10-8
SB日本スーパーバンタム級
今井教行(シーザー)

▼フレッシュマンクラス 3分3R
SB日本ウェルター級
金井健治(ライトニング)
TKO 1R1分17秒 ※腰投げにより試合続行不可能
SB日本スーパーライト級
五味慎一郎(湘南)

▼フレッシュマンクラス 3分3R
山口太賀(寝屋川)
判定3-0 ※三者とも30-28
SB日本スーパーウェルター級
太田義明(シーザー)

▼フレッシュマンクラス 3分3R
ナグラ―ンチュ・マーサ“M16”(龍生塾)
TKO 2R0分41秒 ※鼻骨骨折のためタオル投入
SB日本フェザー級
大藪大志(シーザー)
【関連リンク】
≫シュートボクシング公式サイト
 

≪その他の主な試合結果≫
■2004/11/04 【シュートボクシング】11.5 サワーの対戦相手が変更
■2004/10/28 【シュートボクシング】11・5全対戦カード決定、期待のホープ揃い踏み
■2004/10/05 【シュートボクシング】11.5 宍戸×チャンプアック決定!サワーも凱旋

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