「The Championship」
全日本キックボクシング連盟
2004年11月19日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:30
※オープニングファイト開始17:45
観衆=1,530人
▼メインイベント 全日本ウェルター級選手権試合3分5R
王者
△山内裕太郎(AJ)
ドロー 判定1−0 ※50−49、49−49、49−49
挑戦者・同級1位
△山本優弥(BOOCH BEAT)
1月4日以来の再戦。場内がシーンと水を打ったように静まる中、両者はローの蹴り合いを展開。軽くかパンチを出す山内に、山本はパンチを振ってロー、後半はパンチをまとめてポイントを奪いに行くが、山内は下がりながらよく見てブロックしていく。
2R、山本がローにあわせてのパンチ、自らもローを打って山内の打ち気を誘うが相手は乗ってこない。ならばと山本がローの連打に出ると、山内は組み付いてのヒザ&機を見てヒジを狙っていく。両者とも手数は少なめだ。
3R、山本が始めて攻勢を見せる。ローを空振りさせて強いローを当て、パンチのコンビネーションで前へ出る。得意のレバーブローには山内がヒジを返す。山内がローを打ってくるとパンチをまとめてバランスを崩し、アッパーを交えたコンビネーション。しかし、攻撃が一辺倒でパンチしか出ないため、セコンドからは「ローを蹴れ」とのアドバイスが飛ぶ。このラウンドは山本が優勢。
4R、山本がパンチからロー、山内がパンチでくるとローを合わせるなど上下へ攻撃を散らしていく。山内は強いローを入れてパンチへ繋ぎ、山本の勢いを殺すかのようにジワジワと攻める。山本は電光掲示板の残り時間をチラチラと見るなど、スタミナ切れの様子。
5Rには山内が勝負に出た。山本が前へ出てくるのを誘ってパンチ、山本がパンチで前へ出ようとするとローと巧く闘っていく。ステップも使いながら、ヒット&ウェーの要領で自分の攻撃を巧みに当てる。山本がローでバランスを崩せば、一気にパンチで詰めて行ってローへつなぎ、またスッと離れるという具合だ。山本は最後、左右のフックをガムシャラに放ちながら前へ出たが、山内はクリーンヒットを許すことなく最終Rでポイントを奪った。
判定は一人が山内を支持したが、あとの二人はドロー。観客席からは手数の多さから山本の勝ちではないのか、との疑問の声も挙がっていたが、有効打があったのは山内のほうでありドロー裁定は打倒であろう。
●山内のコメント
「防衛できたのは嬉しいけど、ドローだし、自分としては30点。山本選手は気合いが入っていて、前回みたいにガムシャラに来るわけじゃなかった。変わった感じがしましたね。前回のパンチは効かなかったけど、今回は重くなっていた。やばいと思うようなパンチはなかったけど、ガードの上からもらった感じが重かった。前回は何も考えてなかったと思いますが、今回は駆け引きとか考えてきましたね。(山本との試合は)楽しくてしょうがない。試合中、凄く楽しかった。(再戦は)ぜひやりたいです。最初は見てしまった。(ドローになったのは)自分に決め手がないから。それが課題です」
●山本のコメント
「負けたと思います。いつも試合を楽しんでやるんですけど、山内選手とは楽しいというより、どうしようと思いながら進んでいく感じ。やられたらやり返したいんですけど、やり返せないんですよ。今までいろんな試合をやってきたけど、山内選手は距離感が一番分かっている人。前回と同じくらいやりにくかった。3Rは取ったと思ったんで、セコンドが足使って回れと言ってたんですけど…ダメですねぇ(笑)。試合全体を見て山内選手の勝ちでしょう。全部、やられた感じがした。ボディ打とうと思ったらヒジを合わせて来るし、強くなってましたね。ジャブも出してくるし。10年間、格闘技をやってきましたけど、今日は疲れました。もう1回チャンスをもらったのに、2度ある事は3度あるですから次は難しいですよね…。何回も勝つ夢と負ける夢を見たり、試合する前から疲れましたね。こっから這い上がれる選手とダメになる選手、二通りあると思う。藤原選手は頑張ってチャンピオンになって、凄いなと思った。自分がそうなったら頑張れるかなって思いました」
▼第6試合 全日本ライト級王座決定トーナメント 準決勝サドンデスマッチ
同級1位
○白鳥 忍(高橋道場)
KO 3R1分55秒
同級6位
●凱斗亮羽(S.V.G)
1R、凱斗は変則キックを出しながらローを狙っていくが、白鳥の圧力に押され気味。白鳥に攻められてロープ伝いに逃げていくが、先回りされての左ハイでいきなりのダウンを奪われる。
2R、白鳥の圧力は殺傷本能をまとってさらに増していく。強打でどんどんコーナーへ追い詰め、ヒザ、パンチ、蹴りと攻撃の手を全く休めない。凱斗はバックキックやバックブローで応戦していくが、白鳥に追い回されている印象。
3R、白鳥は思い切ったパンチ、ヒザ、コーナーへ詰めてのヒジ、ローで圧倒する。凱斗も打ち返すが、白鳥の圧倒的な迫力の前に霞んでしまう。白鳥はコーナーへ詰めてボディへヒザ、前のめりになった凱斗のアゴへヒザを入れて最初のダウンを奪い、続いてロープ際でパンチを叩き込んで凱斗がバランスを崩したところへ、顔面に蹴りを入れて2度目のダウンを追加。最後はやはりコーナーへ追い詰めたところでボディからアゴへヒザを入れてトドメを刺した。圧倒的な強さだった。
▼第5試合 全日本ライト級王座決定トーナメント 準決勝サドンデスマッチ
同級3位
○サトルヴァシコバ(勇心館)
KO 2R0分31秒
同級2位
●吉本光志(AJ)
1R、サトルは自らローを蹴り、吉本がローを蹴るとすぐにローを返す。ミドルにも同じようにローを蹴り返し、パンチもワンツー・スリーまで出していく。ローとパンチのバランスがよく、吉本はやや守勢に回る。
2R、吉本が打ち合いに出る。前へ出てロー、パンチから組みに行こうとするが、サトルは組み付かせずにローを打ってからパンチへつなげ、吉本のパンチ&ローにはカウンターを合わせていく。吉本のヒザにサトルがヒザを返し、吉本が打ちに行こうとした瞬間、サトルの左ストレートが打ち抜いた! 横倒しに倒れる吉本。カウントが進むが、吉本は頭しか上がらず体が反応しない。レフェリーは10カウントを数えるまでもなく、サトルのKO勝ちを宣言した。
「吉本選手は全部凄いので、カウンターを全部取ろうと思ってました。ベルトは欲しいですね。(決勝の白鳥戦は)なんとなく勝機が見えてる。思い切り来る時は来るけど、僕にとってはそれがチャンスだと思う。(一度もダウンした事ないが)倒れない自信あります。しつこいのが怖いですけど」と、サトルは白鳥との決勝戦にも“自信あり”と不敵に宣言した。
▼第4試合 全日本バンタム級王座決定戦3分5R
同級1位
○藤原あらし(S.V.G)
KO 1R2分42秒
同級3位
●真後和彦(はまっこムエタイ)
一度は逃した王座を、藤原が再挑戦で手に入れた。1R、ミドルとパンチを振りながらローを的確に当てていく藤原。ヒザ、パンチと攻撃を散らして圧倒していく。藤原の勢いに下がってしまう真後はローをまともにもらい、左ローで続けざまにダウン、2度目のダウンでKOとなった。
藤原は「1年遅刻してすいません」と、平谷との王座決定戦で王座を逃した事を詫び、「やっとコレ(ベルト)が巻けて自信がつきました。ファンのみんなありがとう! 母さん、ありがとう」と客席に言い、天を指差して「お父さん、勝ったよ!」と報告。「これからもどんどん強い相手とやらないといけないと思うので…とにかく頑張ります!」と嬉しさが言葉で表現できないようだった。
▼第3
試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ
元1位、現ノーランカー
○箱崎浩康(AJKF)
判定2−0 ※30−29、30−30、30−29
同級8位
●三上洋一郎(S.V.G)
▼第2試合 全日本フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ
同級8位
○ラスカル・タカ(月心会)
KO 2R2分21秒
同級10位
●正 巳(勇心館)
▼第1試合 全日本ミドル級 3分3R
○佐藤皓彦(JMC横浜)
判定2−0 ※30−29、30−30、30−29
●平山貴一(和術慧舟會)
▼オープニングファイト第2試合 フェザー級3分3R
○森山直樹(はまっこムエタイ)
判定3−0 ※29−27、30−27、29−26
●宮本直幸(勇心館)
▼オープニングファイト第1試合 ウェルター級3分3R
○小塩大輝(JMC横浜)
KO 3R0分37秒
●荒井崇志(GOLDEN FIST)
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