「SUPREME-7 CHAMPION CARNIVAL 7階級タイトルマッチ」
マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟
2004年11月21日(日)東京・ディファ有明
開場15:00 本戦開始17:30
(オープニングファイト開始16:00)
▼MA日本ライト級選手権試合 3分5R
王者
○木村 允(土浦)
20勝(13KO)1敗2分
判定3-0 ※50-48、50-48、50-49
同級2位
●南雲裕一 (橋本)
8勝(4KO)4敗2分
※木村が3度目の防衛に成功。
エース木村が年内最終戦を勝利で飾り、虎の子のライト級王座を守った。1R、木村は強い左ローキック一本で勝負。南雲は早い左右のローを主軸に、不意を突くパンチ。木村は時折、得意のヒジを狙うが南雲に充分警戒され前蹴りで突き放される。南雲はよく動き、ローを飛ばしていく。
2Rも木村は徹底して左ロー。ジャブを突いてのロー、押してからのロー、右フックからのローとあらゆる手段で左ローを放っていく。南雲はステップを使ってロー&パンチ。木村はパンチをもらう場面もあり、ヒジを合わせようとするが不発に終わる。
3R、やっとパンチも出てきた木村。ストレートからローへと繋ぐ。それでも南雲の動きは止まらず、パンチからローで応戦。木村はヒジも出して、南雲の打ち終わりを狙って左ロー。さらに押しての左ロー。
4R、あくまでもロー一辺倒の木村に南雲はローとパンチを当て始める。フックがよく当たり、木村はバランスを崩す。木村はストレートを多用するも、パンチのコンビネーションは使わない。
5R、疲れが見える木村だが、それでもパンチからミドル、ハイキックを飛ばして強い左ローへと繋いでいく。手数足数で優る南雲はローからパンチをまとめて、木村が苦しくなって組み付く場面も見られた。
木村の判定勝利となったが、苦戦した感は否めない。木村は試合ごとにテーマを決め、それを確かめながら勝つというスタイルにしている。今回は左ローにテーマを定めたという事だろう。独特の価値観を持つだけに、今回の苦戦がそのまま評価に繋がるわけではないが、物足りなさを感じたのも事実だ。
「試合が組まれたら、誰とでもやります。ぶっ潰します! チャンピオンが今回、負けっぱなしだったので、自分がチャンピオンの面子を守ろうと思ってたんだけど、南雲選手も気合いが強かった。チャンピオンとしてのプライドはバリバリあったけど、これも強くなるためのひとつだと思ってます」と木村。2005年は試行錯誤の研究段階を終えて、“強いチャンピオン”の試合を見せて欲しい。
●木村のコメント
「南雲選手は倒すパンチを打ってなかったから、ローだけで勝とうと思った。自分で今日はローが走ってるのが分かったので。当たってたから倒れるかなと思ってたんですけど、俺のローも弱いから。サウスポーの相手とはあまり練習してないから、やりづらかったですけど、これも勉強だと思っていました。ヒジは警戒されているのは分かったけど、今回は拘ってなかったんですよ。若手の力が伸びてきて、若いモンには負けたくない、おじさんの気合いを見せたいですね。チャンピオンを張っている以上、チャンピオンとしてやらないといけない。チャンピオンは、そんなもんじゃ取れないというところを見せたいです。(他団体との闘いは)やれるなら誰とでもやりたいし、自分のレベルを上げたいし、俺もやりたい。乗り込んでいきたいですね。ムエタイにも借りを返さないと。負けたままでは終れませんから。(今年1年は)前回の新潟で負けたのが悔しかった。それが心残り。でも、気合いを入れなおすきっかけになりましたね。今回の勝ちを繋げて行きたいと思います」
▼MA日本スーパーライト級選手権試合 3分5R
ライト級1位
○水町 浩(士魂)
9勝(2KO)5敗4分
判定3-0 ※50-46、50-47、50-47
王者
●井上 哲(山木)
17勝(5KO)14敗10分
※水町が新王座に就く。
木村の保持するライト級王座に2度挑戦した水町が、一階級上げてベテランの井上に挑戦した。1R、井上は徹底してヒジを狙っていく。ミドルキックを交えながらも、水町がワンツーを打ってくるとヒジを合わせようとする。水町は組み付いてディフェンス、その繰り返しが続く。
2R、水町の左インローでバランスを崩す井上。水町はパンチから強いローで攻め立て、特に左インローが強くヒット。井上はヒジを狙うが、ローに何度もバランスを崩す。3R、井上はローやアッパーを打ち込んでから組み付く行為を繰り返す。水町の反撃を殺すためだが、水町はローを狙い撃ちしてワンツー、またはヒザ蹴りも混ぜる。井上は組み付き倒しが多い。
4R、井上はクリンチと投げが多くなってきたところに、苦しみを感じさせる。水町は左右フック、パンチのコンビネーションからロー、ヒザを確実に当てていく。ハイキックもヒットさせるが、井上の組み付きが多いため単発に終わる事が多い。
5R、必死に組み付き、浴びせ倒していく井上。水町はクリンチで単発に終わらせられるが、左右フック、顔面前蹴り、ローを当てていく。井上はもはや気力のみで組み付いているという感じだ。
判定は大差を付けて水町が勝利。世代交代に井上は、潔く水町を称えた。
▼MA日本スーパーフェザー級選手権試合 3分5R
同級3位
○小石原勝(習志野)
14勝(5KO)9敗3分
判定2-0 ※50-49、49-49、50-49
王者
●山田健博(東金)
14勝(10KO)9敗2分
※小石原が新王座に就く。
1R、山田が右ローをもらって後手に回る。小石原はロー、ハイキックで揺さぶりをかけるが両者とも手数は少なめ。2R、小石原がミドル、ロー、ヒザと足技で攻める。山田はまだ手数が少なく、後半は右ストレートのヒットを皮切りに、小石原のヒザやミドルに合わせてパンチを入れていく。
3R、山田は圧力をかけて前へ出るが、小石原の左ハイがかすり形勢逆転。小石原は一気に詰めていく。パンチとローの連打で攻め、ローを的確にヒットさせる。4Rは山田がパンチからの強い右ローで押し始める。小石原は組みヒザにいくが、山田が組際を狙ってアッパーを決めた。このラウンドは山田が優勢。
最終R、小石原は左ミドルと組みヒザで勝負に出る。山田はパンチからロー、特に組際を狙ってのアッパーが有効に入る。小石原は前半の攻めでバテ気味、山田が突き放してアッパー、ストレートを含むパンチのコンビネーションで攻めるが、小石原も組み付いてディフェンスした。
前半のポイントを守って王座奪取した小石原は、「最後は守りに入ったけど、勝ててよかった」と胸をなでおろした。
▼MA日本フェザー級選手権試合 3分5R
同級1位
○大高一郎(山木)
8勝(2KO)4敗4分
判定3-0 ※48-47、49-48、49-48
王者
●小林秀紀(マイウエイ)
6勝(1KO)6敗6分
※大高が新王座に就く。
大高がパンチのコンビネーションで攻めると、小林はパンチから最後に必ずローを入れる。2Rには小林が巧さを見せて、前蹴り、ミドル、組みヒザで大高のパンチの距離を殺していくだけでなく、コンビネーションの最後に必ずローを入れる。大高はパンチ中心の攻めでハイキックも狙っていくが、小林のローをもらいすぎ。
3R、小林は大高の攻撃をディフェンスして、切り返しにレバーブローから左フックのシャトルブローを多用。これが面白いようにヒットする。さらに、大高がこれに気を取られると左ローを効かせ、またシャトルブローを叩き込んでいくと一方的な展開に。しかし、後半は小林がバテ気味。
4R、王者・小林に落とし穴が待っていた。レバーブローへ行った時に、左フックを被せられてダウンを喫してしまったのだ。これで形成は一気に逆転。ここぞとばかりに大高はパンチで攻めて行く。小林はローと前蹴りで応戦するが、完全に大高のほうに勢いがある。
5R、一気に勝負に出た大高はラッシュを仕掛けるが、仕留めることが出来ない。小林は前蹴りとハイキックを使って距離を取り、重い左ローを効かせて行く。大高はスタミナ切れで、小林はレバーブローを使って攻め込んでいくが、大高も最後まで粘りダウンのポイントを守りきって判定で勝利した。
「小林選手は元同じジムで前の先輩だったので、試合も悩んだんですけど、ベルトは俺のものなんでこれから強くなっていきます。まだ小林選手を越えたとは思わないですが、とりあえずベルトは俺のものなんで」と大高。ベルトに相応しい男かどうかは、今後の活躍によって決まるだろう。
▼MA日本バンタム級選手権試合 3分5R
同級1位
○高橋拓也(習志野)
12勝(3KO)7敗2分
判定2-1 ※50-49、49-50、50-48
王者
●アトム山田(武勇会)
10勝(4KO)6敗5分
※高橋が新王座に就く。
1Rは両者とも堅めで、高橋がロー、アトムがパンチを使って攻める。高橋はパンチにヒジを合わせようとし、アトムも離れ際にヒジを繰り出す。2R、アトムが遠目の間合いからのローと飛び込んでのパンチを多用し、そこから連打へ繋げる。バックキック、バックブローも繰り出し、遠目の間合いからの攻撃を使う。高橋は飛び込みに合わせてのテンカオ、ヒザで反撃。
3Rには両者が打ち合いに出る。高橋はパンチを誘ってのヒジ狙い。アトムはバックハンドで下がらせて連打に行くが、やはりヒジが飛んでくる。4Rには蹴り合いを展開し、アトムは飛んでのパンチで攻めるが後半はスタミナ切れ。高橋にパンチからのヒジを狙われ、アトムのクリンチが多くなる。
5R、高橋が打ち合いに出てストレートを2度ヒットさせ、果敢に打ち合いを挑むとアトムも打ちに出てフックを当てる。高橋は打ち合いの中でヒジを繰り出し、カットされたアトムは2度のドクターチェックを受けた。アトムも後半、ヒザを効かせたが2-1で高橋が新王者となった。
▼MA日本ヘビー級王座決定戦 3分5R
同級2位
○小林昭男(士魂)
4勝(2KO)3敗
判定2-1 ※50-49、49-50、50-48
同級1位
●神谷友和(橋本)
4勝(2KO)4敗1分
※小林が新王座に就く。
1R、左ミドルを多用して小林の利き腕を潰しに行き、小林が接近してくると組みヒザに捕らえる神谷。途中、打ち合いもあったが神谷は左インローからの左ミドル、そしてヒザと総合力で攻める。小林はパンチのタイミングを計るために待ちの体勢で、神谷のミドルに合わせてインローを返す。
2R、左ミドルの連打と前蹴りで、小林との打ち合いを避ける神谷。しかし、小林は強打を振るって手数は少ないが、インパクトのある攻撃を仕掛ける。神谷もミドルを当てるが、フックをもらってバランスを崩す場面も。3R、思い切ったフックを振り回す小林は、ミドルに対してのインローでも神谷のバランスを崩していく。神谷はマイペースのミドルと前蹴り。小林は一発の破壊力は保っているが、徐々にスタミナ切れの様子。
4Rには打たれながらも前へ出る小林。神谷は近づけばヒザで捕らえ、前蹴りとミドルで突き放そうとする。小林が勝負を仕掛けてフック連打、神谷の鼻から血が吹き出る。5Rは小林が蹴りへのカウンターに全てを賭け、フックが度々決まる場面も。神谷は前蹴り、ミドルで応戦するも、小林がどんどん前へ出て最後もパンチのラッシュを決めて、悲願の王座獲得を果たした。
▼MA日本フライ級王座決定戦 3分5R
同級3位
○小暮正祥(土浦)
5R 失格 ※3度の減点による
同級1位
●森田晃允(橋本)
9勝(4KO)4敗2分
※小暮が新王座に就く。
1R、森田がワンツー・ローで攻め、小暮はフットワークを使って回りながらローと連打を決める。激しく打ち合いを展開し、2Rには森田が前へ出てパンチのコンビネーションからロー、小暮は圧力で下がりながらもアッパーを含めたコンビネーションで応戦する。
スピーディーな展開とアグレッシブな両者に好試合の予感が漂ったが、3Rに予想外の出来事が。もつれあって倒れたところで、森田が小暮のボディにヒザを落とし、小暮が一時戦闘不能状態になってしまったのだ。これが悪質な反則とみなされ減点2となってしまった。再開後も、激しい打ち合いを展開する両者。足が止まった小暮はアッパーとボディアッパーを含めたコンビネーション、しかし、破壊力は森田が上回り、左右のフック、ヒジ、右ローと圧力をかけてドンドン攻める。
4Rも同様に追う森田。小暮は逃げる形だが、コンビネーションを打ち込んでいく。森田のローにバランスを崩しながらも、よく応戦する。そして5R、小暮はいきなりの打ち合いを挑む。勝負を賭けたパンチ連打に森田もラッシュで応戦する。ところが、小暮のクリンチの際、ブレイクがかかったところで森田はパンチを入れてしまう。これで減点3となり、規定により試合を優勢に進めていた森田が失格負けとなってしまった。
思わぬ形でのベルト奪取に、戸惑い気味の小暮。騒然となる場内に、「ブーイングは分かります。でも、やってる人間嬉しくないんで必ず再戦します。それまでベルトは預からせてください」と挨拶。土浦ジムの山本会長も「リマッチは望むところ。いつでもやる」と宣言した。
▼オープニングファイト ウェルター級Showdownマッチ
元フェザー級、スーパーライト級、ライト級王者
○山崎通明(東金)
31勝(11KO)15敗5分
KO 2R0分44秒 ※左ローキック
同級7位
●綱島容一(山木)
3勝(3KO)4敗2分
超ベテランの山崎が豪快に復活した。1R、左ミドルからパンチに繋げる山崎に対して、綱島はしっかりブロックして右ローを狙い撃ち。早くも効いてる様子の山崎だったが、中盤からは左右フックで切り込んでいく。綱島はやや手数が足りず、山崎の攻勢が目立つ。
2R、開始早々に山崎はダッシュを駆ける。ローに左右フックを浴びせてダウンを奪い、そのままラッシュを仕掛けてがら空きとなった足へ左ロー一閃! 見事、KOで復活戦を飾った。「2年ぶりにリングに帰ってきましたけれど、もう一度スーパーライト級王座に挑戦させてください! 誰も為しえなかった四階級制覇をやりたいんです。連盟の皆さん、お願いします!」と、タイトルマッチへの挑戦をアピールした。
▼オープニングファイト ミドル級Showdownマッチ
同級4位
○永田健一(マイウエイ)
12勝(5KO)14敗2分
判定2-0 ※29-28、29-29、29-28
同級3位
●森 脩(谷山)
4勝(2KO)5敗1分
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