NJKF「X-DUEL IX 〜終わりなき決戦〜」
2004年11月23日(火・祝)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始17:15
▼メインイベント NKBライト級タイトルマッチ3分5R
同級2位
○桜井洋平(GANGA)
KO 1R2分34秒 ※3ノックダウン
王者
●飯田誠一(町田金子)
※桜井が第三代王座に就く。
5月に王座に就いた飯田の初防衛戦は、いきなり最強の挑戦者を迎える事に。飯田は2003年以降、日本人相手に不敗を誇る。桜井はこの試合に勝てば、バンタム、フェザーに続きNKB三冠王。元々はバンタム級にも拘らず、182pの長身を誇り、飯田より11pも高い。現在NJKFのエース的存在であり、ベルトダッシュに期待がかかる。
1R、左フックからの右ハイで先制したさくらいは、ジャブから左ハイ、さらに首相撲からのヒザ蹴りで猛ラッシュを仕掛ける。この時、桜井は「組んだ時、相手がすぐにボディをカバーしたのでヒザで行けると思った」という冷静さ。国際式ボクシング仕込みの飯田のボディブローにも臆す事無く、組んでのヒザで再びラッシュ。三度目の首ヒザのラッシュでさっそくダウンを奪う。
飯田はフックを強振するが、桜井は左フックから組み付くとまたもヒザ蹴りの連打でダウンを奪い、最後も右ヒザを飯田のガードの上から叩き込んでKO。圧倒的な強さで三階級制覇を達成した。
「最近、腰回りが寂しかったので、これでちょうどよかった」とベルト獲得を喜ぶ桜井。「(自分の)身体はデカクなってない。相手はちょっとデカイけど、身長は低いのでパンチが当たる距離で闘えるかなって思っていた。ヒザで行ったのは作戦じゃなくて、瞬間的に切り替えた。自分が攻撃を出してないのに、向こうが来なかったのですんなり中に入れましたね。首相撲はまったく練習してなかったです(笑)」。
しかし、「ガードしてたけど、キツイのが一発来た。前の高津戦もそうだったけど、向かい合った時に体の圧力を感じましたね」とライト級にはまだ慣れていない事も口にする。「あと3戦欲しい。2戦とも1Rで勝っているので、疲れた経験がないので競り合いをしてみたい。正直、まだライト級の自信はないです。吹っ切れて攻撃したのと、競り合ってやったのとでは違うから。まだ実になっていない」と課題を口にした。
それでも、「ライトで闘ってみたい他団体の選手は二人いる」と発言。「石井選手と大月選手。やっぱり二人がライト級では目立っているので。ライトに上げたので、僕も彼らと並んで(名前を)言われるようになりたい。早くK-1でライト級を作って欲しいですね。K-1でならやれるだろうから」と今後の目標を語った。ライト級での洋平伝説は、まだ始まったばかりである。
▼セミファイナル NKBウェルター級王座決定戦3分5R
同級5位
○石黒竜也(東京北星)
KO 1R2分47秒 ※3ノックダウン
同級3位
●小野寺亮(神武館)
※石黒が第三代王座に就く。
前王者・木浪シャーク利幸が除名され、当初は笛吹丈太郎と小野寺で王座決定戦が争われる予定だったが、笛吹の負傷欠場により5位の石黒にビッグチャンスが訪れた。石黒はここまで6勝(5KO)1敗の好成績を収めており、そのほとんどが1・2RでKOのハードパンチャー。王座獲得の可能性は充分にある。対する小野寺は32歳。ベルトを巻けるラストチャンスでもあり、負けられない。
1R、いきなりのラッシュを仕掛けたのは石黒。左右のフックで小野寺をロープに追い詰め、右ハイからすぐに左ローを命中させる。その後もフック、ハイキック、ロー、ヒザ蹴りと攻撃を散らせての猛ラッシュ。小野寺が右フックで反撃すると、すぐに首相撲に捕らえてのヒザ蹴り。一旦、ブレイクがかかったが、石黒は再び猛チャージをかける。右ローから左フック、そして右ハイで小野寺をグラつかせ、ロープへ詰めての猛攻で右フックから顔面へのヒザを決めてダウンを奪う。
立ち上がった小野寺だが、すでにフラフラ。石黒はコーナーへ詰めてのワンツーからハイキックで2度目のダウンを追加し、最後もコーナーへ詰めてのワンツーからの右ハイでトドメを刺した。
石黒は、「1週間前に風邪を引いて、練習できなかったので早いラウンドで決めようと思っていた」と作戦通りだったことを明かし、「次は石毛さんとやりたいです」となぜか同門の石毛慎也を指名。さらには、熊のぷーさんのぬいぐるみにキスしたり抱いたりして撮影に応じていたかと思えば、そのぬいぐるみを踏みにじったりするワルノリ。リングを降りる頃には、すっかり観客の反感を買っていた。今後、ヒール王者として君臨しそうな予感を感じさせた。
▼第9試合 NKBライト級 ランキング戦3分5R(ソムチャーイ高津引退試合)
同級8位
○高野義章(健心塾)
判定3-0 ※49-47、50-47、50-46
同級3位
●ソムチャーイ高津(OGUNI)
前回の桜井洋平戦でKO負けを喫し、打たれ弱くなった自分を見て引退を決意した高津。この日、引退試合を迎えた。相手を務めるのは今年5月にも対戦し、1RTKO負けを喫している高野。
1R、右ミドルを飛ばしていく高津に対し、高野は右から左のフック。右ミドルを連発、時には右ハイへ変化させる高津。しかし、高野の左ストレートをモロに喰い、高津は大きく後退する。2R、足を使いながらジャブを突く高野に、高津は右ミドルを狙っていくが、右フックをヒットされる。高野はジャブ&ステップを使いながらパンチで攻める。
3R、パンチを打たれ続けた高津は組みに出る。しつこく組みついてのヒザ。高野に右フックで反撃を食らっても、なおも組みヒザに賭ける。4R、高津は前へ出るが高野の左ハイ、左フックを浴び、さらにワンツーからの左右フック連打で体が泳ぐ。絶体絶命の大ピンチに高津は組み付くが、高野の連打を浴びてもなお立ち続ける。
5R、高津の左ミドルに回りながらフックを当てていく高野。高津は最後の力を振り絞り、右ストレートを放ちながら前へ出る決死の反撃。その間にも、高野の左アッパーが炸裂する。高津はパンチをもらいながらも前に出続け、フックを打ち返す。右ヒジを振るい、打ち合ってラスト・ゴングを聞いた。
「ソムチャーイ高津は大した選手じゃなかったけど、沢山の人のご好意で立派な引退式をやっていただいてありがとうございました。選手としてのソムチャーイ高津は今日で終わりですが、今後はトレーナーとして選手の育成に全力を尽くしていきます」と挨拶。10カウントゴングと多くのファンに見送られ、リングを去っていった。
▼第8試合 NKBフェザー級 ランキング戦3分5R
同級3位
○大川眞人(大和)
ドロー 判定1-0 ※48-48、48-47、48-48
同級6位
●岩田 洋(八王子FSG)
1R、入り際に強い右ローを蹴る大川に対し、岩田は飛び込み様のヒジと組んでのヒザで応戦。2R、岩田は大川の左ヒジをかわして右ヒジ、パンチから強い右ロー。左右ストレートの連打でも岩田を下がらせていく。大川はパンチにローを合わせようとするも、空振りが目立つ。
3R、大川がパンチで前へ出た。レバーブローから右フック、これに打ち合いを望んだ岩田だったが、大川の右ストレートがカウンターでヒット! 岩田はダウンを喫する。ダウンを挽回しようと岩田はガムシャラに前へ出るが、大川の右ストレートからの右ハイでガクッと腰を折り、続くワンツーからの右ハイをガードの上からもらっても膝を折るという状態。しかし、大川もツメが甘くKOチャンスを逃してしまった。
4R、バックブローの応酬の後、岩田は一発狙いの大振りに。後半は組み合ってのヒザ蹴りの応酬となった。5R、右ローからの右ストレートとアッパーで攻める大川に、岩田はストレートの連打で猛然と追い詰めていくが、なぜか組み合ってしまう。何度目かの打ち合いの後、岩田が勝負をかけたストレート連打。打ち合いに応じた大川がミドルにいったところで、岩田の右ストレートがカウンターで炸裂! ダウンを奪い返した。その後も岩田はストレートの連打で前へ出るが、大川もストレートでよく打ち合った。判定はドロー。
▼第7試合 NKBバンタム級 ランキング戦3分5R
同級4位
○真 二(OGUNI)
KO 3R2分47秒 ※3ノックダウン
同級7位
●若林直人(岩瀬)
7月大会で中野智則に1RでKO勝ちした真二は、全身から自信が満ち溢れている。1Rから右ローで攻め続け、若林は足を使って逃げるのが精一杯。2Rの序盤は左ローの連打とパンチで反撃に転じた若林だったが、真二がパンチを上に集めての左ローでやはり後退。3Rにも若林は長いリーチを活かしてのパンチで前へ出て、ヒザ蹴りにつなぎ逆転を図るが、真二の右ローの集中砲火を浴びてダウン。真二は右ロー二連打で2度目のダウンを奪い、仕留め損ねることもなく右ローで3度目のダウンをカウントした。
▼第6試合 NKBライト級 ランキング戦3分5R
ノーランカー
○大出義昭(神武館)
KO 1R2分57秒 ※3ノックダウン
同級9位
●佐々木靖卓(OGUNI)
32歳の大出が凄まじいKO劇を演出した。最初は右ローを主体に攻める佐々木に、右ローからパンチを狙っていた大出。しかし、右フックがモロにアゴを捕らえると佐々木は棒立ち、一気に左フックでダウンを奪う。大出は右フックで再び佐々木を棒立ちにさせると、左フックでダウンを追加。左右フックの連打でスタンディングダウンを奪い、KO勝利を収めた。レフェリーのストップが遅く、危険な場面があった事も記しておきたい。
▼第5試合 NKBフェザー級3分5R
○国分省吾(OGUNI)
判定2-0 ※50-49、50-50、50-49
●戸部隆一(上州松井)
距離感が掴めていない戸部はローの空振りが多く、国分の組みヒザに捕まる。それならばとパンチで突っ込んでいくが、すぐに首相撲に捕まってしまうため連打が出来ない。国分は4Rにミドルとヒザ、戸部もパンチを決めるがやはり捕まってしまいヒザをもらう。5Rは国分が前へ出てパンチ、ミドル。さらに飛びヒザ蹴りを連発してアピールし、負けじとパンチを打ち返す戸部を突き放した。
▼第4試合 NKBライト級新人戦決勝 3分3R
○押炉花者(町田金子)
判定3-0 ※30-28、30-28、30-28
●ガンバ黒田(OGUNI)
※押炉花者(22=おろかもの)が2004年度ライト級新人王に輝く。
▼第3試合 NKBバンタム級新人戦決勝 3分3R
○西村 勝(ESG)
判定3-0 ※30-27、30-26、30-26
●鳥山愛之(大阪真門)
※西村(21)が2004年度フライ級新人王に輝く。
▼第2試合 NKBフライ級新人戦決勝 3分3R
○野口康裕(京都真門)
判定2-0 ※29-29、30-29、29-28
●大石 心(徳心会)
※野口(33)が2004年度フライ級新人王に輝く。
▼第1試合 57s契約3分3R
○星 雄晴(町田金子)
判定3-0 ※三者とも30-29
●榎本浩平(健心塾)
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