パンクラス「PANCRASE 2004
BRAVE TOUR」
2004年11月26日(金)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:30
▼メインイベント ライトヘビー級5分3R
同級8位
○グスタボ・シム(グレイシー・バッハ・コンバットチーム)
一本 3R1分20秒 ヒールホールド
●山宮恵一郎(パンクラスGRABAKA)
1R、シムは凄まじいプレッシャーをかけて、足を使って回る山宮を追いかけていく。シムのローキックは重く、破壊音が場内に響き渡り、どよめきが起きる。山宮はシムの大振りフックを空振りさせてテイクダウンに行くが、上になったのはシム。ハーフから抱え込む山宮に、シムはボディと顔面を打ち分けてのパンチを入れていった。必至に耐える山宮。
2R、山宮がボディへのストレート、距離を取って踏み込み、細かい連打を入れていくが、離れ際にシムの右ハイキックがヒット! 両手を広げて“効いてないよ”とアピールする山宮に、グイグイとプレッシャーを賭けてローを放っていくシム。タックルに入る山宮だが、シムは差し返して逆にテイクダウンを奪う巧さを見せ、ガードをとる山宮にパンチを浴びせていく。山宮の顔が真っ赤に染まる。
3R、シムは左ローを強く打ち込み、山宮はカウンターを狙いながら打ち気を誘ってタックル、ついにテイクダウンに成功した。ドッと沸く館内。しかし次の瞬間、パウンドを落とそうと上体を起こしたところで、シムが電光石火のヒールホールド! 瞬時にしてタップする山宮。鮮やか過ぎるシムのフィニッシュだった。
尾崎社長はシムの継続参戦を望み、本人もその気である事から、シムがライトヘビー級戦線に参入していく事は確実だ。この日の恐るべき強さから、近藤、菊田、郷野と対戦する日もそう遠くないだろう。また一人、強豪がパンクラスに加わった。
●シムのコメント
「今回が自分が相手よりも一番だったという事。遠くから来ているので、一番にならないといけないという思いでいっぱいだった。グレイシーバッハに移籍して正解だったね。スタンドで決めたかったが、あそこで山宮に隙があったので極めた。ローキックは14歳から練習しているので、それを活かす様にしている。自分はチャンピオンになる事が夢。一生闘っていく決心をしているので、パンクラスで試合が出来たら光栄だ。チャンピオンと闘いたいが、まだ道のりは長いと思うので段階をおって挑戦したい。(佐々木との再戦は)もちろん、その機会があれば。前回のドローが、また闘わねばならないということであれば、また闘う」
▼セミファイナル ライトヘビー級5分3R
7位
○佐々木有生(パンクラスGRABAKA)
判定3-0 ※30-29、30-29、30-29
●白井裕矢(アンプラグド国分寺)
1R、勢いよくパンチで攻めて行く白井はハイキックにまで繋げる。佐々木はテイクダウンを奪い、サイドからマウントに移行するが、白井はシザースで佐々木の上体を反らせて足関節技に行く。これを防いだ佐々木だが、上を奪われパウンド、ローキックを浴びる。佐々木は足を取って足関に行き、これは失敗するも立ち上がる。白井はここぞとパンチでラッシュ、佐々木は打たれるが組み合ってテイクダウンを奪い、そのままマウントに。しかし、またも白井はシザースからのスイープに成功し、上になってパンチ、ローキック。
2R、組み付きに行く佐々木に対し、白井はパンチで脱出。だが、白井のパンチが大振りになってしまい、佐々木がバックを奪う。コーナーで膠着したためブレイク。白井はなおもパンチで切り込んでいき、佐々木はこれにミドル、ローキックを合わせ、タックルでテイクダウン。パウンドを落とし、白井が下から足関を狙ってきたところで立ち上がり、顔面蹴りを見舞う。さらにサッカーボールキックを三連打。
3R、足を使って白井のパンチをよけながら、ローとミドルを入れていく佐々木。白井はパンチで突っ込むが、その度にローとミドルを合わせられる。佐々木は右ストレートも放つ。白井の左フックが何度かヒットするも、佐々木もすぐに右ストレートを返して相殺。白井は大振りになって行き、ますます佐々木のローとミドルが入りやすくなっていった。3Rをうまく立ち回った佐々木が判定で勝利を収めた。
▼第6試合 ミドル級5分2R
1位
○竹内出(SKアブソリュート)
TKO 1R終了時 ドクターストップ
●梁 正基(STAND)
梁は左肩に大きなテーピングを施して登場。竹内はミニスカ看護婦コスプレ3人と、レースクィーン姿のイヅルガールズを引き連れての入場だ。
1R、梁のストレートに合わせて竹内がタックル。そのままコーナーへ押し込んでいく。梁は何度もロープを掴む仕草をするなど様子がおかしい。一旦ブレイクとなり、竹内がパンチからのタックル。梁はまたコーナーで耐えるが、両足を掬って竹内がテイクダウンに成功。竹内はサイドに回ってニーインザベリーからパンチを落とし、マウントに移行する。ここはブリッジで返した梁だが、竹内はすぐにバックへ回る。
インターバルでドクターが梁の肩をチェックし、インターバルの時間が終わってもチェックが続く。梁は「やるから!」と主張したが、ドクターから左肩関節の脱臼または亜脱臼の疑いがあると診断され、ストップがかかってしまった。
「総帥、どうぞ」と松本天心にマイクを渡す竹内。松本は「次はぜひ、竹内をタイトルマッチに挑戦させていただきたい」とアピールし、竹内も「お願いします」と王者マーコートへの挑戦を表明した。
これを受けて、尾崎社長は「いまミドル級は下から上がってきている選手もいるので、その選手と竹内をやらせたい。その1試合をはさんで、タイトルマッチをやらせたい」と語った。
▼第5試合 ミドル級5分2R
同級9位
○渋谷修身(パンクラスism)
判定3-0 ※三者とも20-19
●花澤大介13(総合格闘技道場コブラ会)
1R、テイクダウンに成功した花澤が抑え込みにかかり、渋谷はスイープを狙うが展開が生まれずにそのままラウンド終了。2Rも花澤が胴タックル、渋谷をコーナーに押し込んでいくがなかなか倒せない。渋谷は突き放してのパンチを狙うも花澤はしつこく組み付き、最終的にテイクダウンを奪った。花澤はそのまま抑え込み、単発でパンチを放つ。渋谷は返すことが出来ず時間が過ぎていき、判定となった。
花澤は「ウェルター級に転向して、空位の王座に自分も挑戦したいです」とマイクアピール。
▼第4試合 ミドル級5分2R
○久松勇二(和術慧舟會TIGER PLACE)
判定3-0 ※三者とも20-19
●佐藤光留(パンクラスism)
珍しく入場パフォーマンスをしない久松に対し、佐藤はいつものようにマスクを被ってマントを翻して走りながら入場。1R、両者ともジャブとローを出しながらフックのタイミングを狙う。スピードのあるパンチを出す佐藤に、久松はミドルキックで応戦。久松がバックを奪うと佐藤はアームロックで体勢を入れ替えてテイクダウン、すぐに膝十字をとりにいくが、これは返される。
2R、佐藤がパンチを狙っていったが、久松がテイクダウン。久松は鉄槌を落として佐藤を流血させ、サイドにパスにして腕十字に行ったが切り返されて上を奪われる。パンチを落としていく佐藤だが、久松はすぐに上を奪い返して抑え込みに行くも、決め手がなく終了のゴング。久松がわずかにポイントリードしてパンクラス初勝利を収めた。
久松は「パンクラスに参戦して4年、8戦目にして初勝利を得る事が出来ました。もう久松は終わったという声もありますが、久松の逆襲はここから始まるので期待してください!」とマイクでアピールした。
▼第3試合 ウェルター級 5分2R
○アライケンジ(パンクラスism)
KO 2R3分33分 ※左ハイキック
●野沢洋之(STAND)
1R、野沢が勢いよくコーナーを飛び出し、タックルを仕掛けるもアライがヒザで迎え撃つ。アライは長いリーチを活かしたパンチで積極的に攻め、野沢にヒザを着かせ、タックルに来たところをまたもヒザでかち上げる。しかし、勢いに乗ってパンチで打ち合いを挑んだところ、逆にカウンターをもらって膝を折る場面も。野沢はすぐにタックルに行くが、アライはこれを堪えて逆にテイクダウン。パウンドを落とすアライ、下から蹴り上げる野沢と応酬が続き、スタンドに戻ると野沢がパンチのラッシュをかけたところでラウンド終了。
2R、両者ともジャブで距離を取りながらストレートで踏み込んでいく。激しい打ち合いが続く中、両者にローブローによる注意が与えられる。そしてにらみ合いの最中、野沢がタックルのフェイントをかけて身体を戻した瞬間に、アライの左ハイキックが伸びた! 一発で後方に吹っ飛ぶ野沢。レフェリーは即、試合をストップした。
▼第2試合 無差別級5分2R
○折橋 謙(チームPOD)
TKO 2R4分2秒 レフェリーストップ
※ネガティブファイト
●太子郎(パンクラスMEGATON)
1R、パンチで突進する太子郎が一方的に追いまくるが、スリップしたところで折橋にバックに付かれてパンチを浴びる。折橋はサッカーボールキックで太子郎を何度も蹴り上げてスタンドへ。折橋はパンチから右ローを連打、太子郎もパンチで応戦するがすでにスピードがなく、ローを蹴られまくる。
2R、太子郎がまたしてもパンチで前へ出るが、折橋のパンチ&右ローに押されて完全にスタミナ切れ。スリップして倒れてもロープを掴まないと立てないなど、消極的な太子郎に注意が与えられる。太子郎は奮起してパンチで前へ出るが、すぐにローで棒立ちとなってしまい、試合中に膝に手を置いて中腰になってしまうほどバテバテの状態に。イエローカードが掲示されると、再び突進して折橋をコーナーへ追い詰めるが、アッパーを立て続けにもらって後退。折橋のパンチ&ローで棒立ち状態になってしまい、レフェリーが試合をストップした。
廣戸審判部長は「選手のモラルの問題。太子郎選手は攻め疲れしたら、グラウンドに行って休めばいいだけの事。選手が試合を成立させる能力の問題でしょう」とバッサリ切り捨てた。
▼第1試合 ウェルター級5分2R
○石毛大蔵(SKアブソリュート)
一本 1R4分22秒 ※グラウンドパンチ
●小池秀信(チームGRABAKA)
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