「2004北斗旗無差別オープントーナメント全日本空道選手権大会」
NPO法人国際空道連盟大道塾総本部
2004年11月27日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館
一般の部開始12:30
▼決勝戦 本戦3分・延長3分(2回まで)
2001重量級世界大会優勝
○藤松泰通(総本部/178p/82s/24歳)
延長1回 判定4-0
2003無差別7位
●五十嵐祐司(三沢/181cm/89s/32歳)
藤松の組手スタイルが大きく変わった。来年の世界大会超重量級での優勝を目指し、打ち合わないスタイルに変化したのだ。これまでのオーソドックスな構えから、両腕を中段に構え、前後に軽くステップを刻む。伝統派と日本拳法をミックスしたようなスタイルという感じだ。攻撃は左右のストレート中心で、これまでのようなフックはあまり使わない。本来なら得意とする寝技も極力使わず、立ち技で勝負した。
本戦、藤松の右ローに対して組み付いていく五十嵐だが、藤松が逆に倒して上になる。アキレス腱固めを狙うも、五十嵐が立ち上がって上になったところで時間切れ。スタンドに戻り、五十嵐が右ロー、右ハイを飛ばすと、藤松は前蹴りで押して右ボディストレートから組み付き倒す。藤松の寝技を充分に警戒している五十嵐は、ガードポジション+道衣を掴んでタイムアップを待った。藤松が右ストレートから首投げを見舞ったところで本戦終了。
規定により、有効が二つ以上ないため自動的に延長戦へ突入する。藤松のタックルを受け止めた五十嵐は、ボディと顔面にヒザ蹴り。一度離れて、再度組み付いてくる藤松をまたもヒザ蹴りで迎え撃つ。それでも藤松はテイクダウンしていくが、やはりガードと道衣掴みで寝技を封じられて時間切れとなった。五十嵐の左ストレートに、右のクロスカウンターを合わせる藤松。すぐに首投げでテイクダウンを奪ったが、やはり時間切れまでディフェンスされてしまった。スタンドに戻ると、五十嵐の右ローに藤松は左フックを返し、組み付いてくるところへ今度は右フック。五十嵐の投げを押し潰したところで延長戦が終了した。
判定は副審の旗が藤松に三本、ひとつの引き分けがあったが、主審は藤松を支持。頭蓋骨の怪我という重傷を克服し、藤松が2002年の初優勝から2年ぶりに無差別を制した。
●藤松のコメント
体力別にも出て新スタイルを完成させたい
近づいた瞬間に終わってしまうのが理想
「世界大会へ向けて組手のスタイルを変えたので、見ながらやってました。相手が慣れていないので通用しましたが、その分、技に甘えていましたね。技術に頼ってしまったのが反省点です。世界大会までもう1回(体力別)あるので、完成度を高めたい。パンチはもらわない自信がありました。そういう技術を練習しているんです。怪我が頭だったので、それで終わるという事はないと思っていましたが、今までどおりの組手をやっていたら同じ事になるので、それで新しいスタイルが見えたというのはあります。昔からの武道・武術のいいところを応用した技術なんですね。完成形の理想を言えば、近づいた瞬間に終わってしまうような、相手が抵抗できなくなるような強さなんです。外国と同じ事をやっても勝てないので。大きい相手でも関係ないスタイル。でも、今回は50点いけばいいほうの出来。また練習して体力別に出て、世界大会の超級に出ます」
●東孝塾長のコメント
前回の日本代表の力を100とすると
今回は60〜70に落ちるかもしれない
「藤松は立派。去年の怪我があるから、打ち合いをなるべく避けていく、直突き主体でポイントを稼いでいこうという発想はいい。それはそれでいいが、決勝のようにフックを入れていかないと外人相手には印象が薄くなってしまう。VS外人になると打ち合うのは怖いから、勝つ事を考えたらああいう考え方もいいけれども、一打一打を強くしないといけない。ラリーをする必要はないけれども、3、4連打は欲しいね。または体重の乗ったジャブとワンツー・スリーまで行って欲しい。他の選手に関しては不甲斐ないね。藤松が直突き主体でああいう構えなら、蹴りを使えばいい。極真がそうだった。伝統派の直突きに対して、左の廻し蹴りを使ったからみんな倒せたんだよ。今回の内容を見ると、前回の世界大会での日本代表の力を100とすると、今回は70。ヘタすると60くらいかもしれない。かなりやばいね」
▼準決勝 第1試合 本戦3分・延長3分(2回まで)
○五十嵐祐司(三沢/181cm/89s/32歳)
延長1回 判定5-0
●平塚洋二郎(那覇/178p/83s/22歳)
平塚の右ローにタックルを合わせる五十嵐、テイクダウンに成功するも両者が目まぐるしく上下を入れ替えて場外となる。スタンドに戻り、組み付こうとする五十嵐から逃げながら、左フックを当てる平塚。五十嵐は左右フックから組み付いて投げを見舞うがまたも場外。左ボディから組み付いても場外となってしまう。
有効が二つ以上ないために、延長戦へ突入。五十嵐は右ローから組み付いてテイクダウン。ハーフガードをとる平塚のボディへパンチを入れる。さらに、空いた顔面へパンチのキメで「効果」を奪った。五十嵐は右ローから左フック、組み付くと今度は平塚が投げを見舞うも場外へ。効果のポイントで五十嵐が優勢勝ちを収めた。
▼準決勝 第2試合 本戦3分・延長3分(2回まで)
○藤松泰通(総本部/178p/82s/24歳)
延長1回 判定4-0
●稲田卓也(横浜北/181cm/88s/32歳)
ノーガードで挑発する稲田に藤松の左のパンチが軽く当たると、稲田は右ロー。藤松はパンチを空振りするとそのまま胴タックル、テイクダウンして上になるが、稲田にハーフガードと帯をもたれてディフェンスされ時間切れに。稲田は右フック、藤松はタックルでテイクダウンし、稲田はしがみついてディフェンスするが、足を抜いた藤松がマウントに。しかし、そこで時間切れ。三度、藤松はタックルで稲田を倒すが本戦終了となった。
自動的に延長戦へ。ノーガードの稲田に藤松の左ジャブが二発ヒット、さらに飛び込んでの右フックを当てて組み付き、投げを見舞う。が、これは稲田が足を引っ掛けて防ぎ、逆にテイクダウン。藤松は下からの絞めを狙うが時間切れとなってしまう。稲田の右ローをキャッチした藤松はテイクダウンに成功し、稲田は下から殴って寝技を許さない。スタンドに戻り、藤松が前蹴りをフェイントにタックルでテイクダウンを奪ったところで終了。大きな差はないように見えたが、4-0で藤松が勝利した。
<大会結果>
優 勝 藤松泰通(総本部)
準優勝 五十嵐祐司(三沢)
三 位 平塚洋二郎(那覇)
四 位 稲田卓也(横浜北)
五 位 清水和磨(上田)
六 位 服部宏明(京都)
七 位 藤澤雄司(横浜北)
八 位 高橋 腕(新潟)
敢闘賞 平安孝行(全中国)
敢闘賞 青木政樹(浦和)
サブミッション賞 平塚洋二郎(那覇)
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