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【新日本キック】松本がTKOで3度目の防衛に成功「来年は他団体出る」

2004/12/03



「SOUL IN THE RING U」

新日本キックボクシング協会
2004年12月12日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00

▼第16試合 メインイベント 日本ミドル級選手権試合3分5R
王者
○松本哉朗(藤本)
TKO 3R終了時 ※ドクターストップ
同級1位
●阿佐美義文(治政館)
※松本が3度目の防衛に成功。

 1年ぶりの後楽園での試合となる松本。今年は6月にタイでTKO勝利しているが、2月のK-1 MAXと11月のTITANSではTOMOに敗れている。勝敗をイーブンにして、笑って年を越せるか。対する阿佐美は武田幸三と同門だけあって、筋骨隆々の体とパンチ&ローの闘い方は武田を髣髴させる選手。今年の戦績は2勝2KO1分である。

 1R、右ストレートから入って左右フック、ショートアッパーまで繋げていく松本。ローでも揺さぶりをかけて圧倒する。2R、ローの蹴り合い。阿佐美がパンチで入ってこようとすると、松本はもぐりこむような体勢からショートアッパーを放つ。ストレートで距離を詰めて左右フック、ガードを固めさせておいて下からショートアッパーを突き上げる。もぐりこもうとした阿佐美に松本が組み付き、バッティングにより阿佐美の頭頂部付近がカット。ドクターチェック後、松本は縦ヒジで入って傷口を狙い撃ちする。

 3R、右ストレートから左ヒジの連打を見せる松本。阿佐美がパンチで攻め入ろうとするとヒジを合わせ、右ストレートから入り込んでの左右フック、ショートアッパーで圧倒する。しかし終盤、阿佐美の右がカウンターでヒットし、松本は後退する逆転劇に。阿佐美はパンチで追っていくが、クリーンヒットを奪えなかった。

 松本の圧倒的な攻勢から試合の流れが変わった3R、続く4Rはどうなるかと思われたが、インターバル中に松本のパンチによって阿佐美が鼻骨骨折していた事が発覚し、ドクターストップがかかった。

「阿佐美選手は凄い根性がある。普通なら倒れているパンチが何度も入ったのに、倒れなかった。4R、5Rは死ぬ気で行こうと思っていました」と、健闘した挑戦者を称える松本。腰に戻ってきたベルトを見て、ホッと一息だ。「ベルトが守れてよかった。いろんな団体があるけど、コレを持っているのが最低条件じゃないですか。来年はいろんなところに出て、結果を出したい」と松本は、来年は外への闘いを挑みたいと宣言。

 その標的として、12月23日にラジャダムナンスタジアムのミドル級王座決定戦に臨むHAYATOの名を挙げた。「ラジャにもミドル級王座が出来たので、僕も挑戦したい。HAYATO選手が先ですけど、勝ったほうに挑戦したい。来年はK-1、IKUSAいろんな団体に上がりたい。自分のところのチャンピオンだけだったら、所詮は井の中の蛙。外へ出て結果を残したい」。今回、もしベルトを失ったら引退しようと思っていたという松本。しかし、ベルトはまだ自分の腰にある。「歳も30に行っちゃったので(笑)。これもまだやれって事だと思うので、納得するまでやります」と決意も新たに締め括った。


▼第15試合 メインイベント 日本ライト級3分3R
同級王者
○石井宏樹(藤本)
判定3−0 ※三者とも30−28
同級1位
●高 修満(伊原)

 今年、急成長を遂げて石井を苦しめた事もある朴龍、上位ランカーのマサルを連覇してランキング1位にまで登りつめた高。今回はノンタイトルながら、不動の王者・石井と対戦するビッグチャンスを得た。一方の石井は試合数も多かったが引き分けも多く、年内最終戦をキッチリと終わらせたいところだ。

 1R、上下にフェイントをかけながら、ローとストレートを狙う石井。高はそのフェイントに惑いながらも、前へ出てヒジの連打、ハイキックを浴びせていく。2R、石井は高のパンチに右ストレートを小気味よくカウンターヒットさせ、パンチのコンビネーションとローで上下に揺さぶる。高もヒジで攻めるが、後半は石井のコンビネーションが冴えて一方的な展開に。石井は高の前進に合わせての右フックを炸裂させ、打ち合いに持ち込んでもう一度右フック。高の蹴り足をキャッチし、ボディストレートを何度も決める。

 3R、石井のコンビネーションがますます冴え渡る。フックからロー、ボディからロー、ミドルから右ストレートと上・中・下に激しく揺さぶりをかけ、的確にローとパンチを当てていく。高も前へ出ようとするが、カウンターで左フックをもらってしまう。石井は高が蹴ってくれば右のボディストレート、上にパンチを振ってローと高を翻弄し、高が一発出す間にパンチからローへと繋げていく。

 久しぶりに石井のテクニックがフル回転する内容で、トップコンテンダーと王者の大きな差を見せ付けた。




▼第14試合 セミファイナル 日本ライト級3分3R
同級2位
△マサル(トーエル)
ドロー
同級3位
△朴 龍(市原)

 ライト級上位ランカー同士の対戦は、全くの五分に終わった。1R、両者とも速い出入りを繰り返し、マサルはボディへのストレート、朴は左右のフックをそれぞれ決める。マサルが踏み込めば朴が打ちに来て、朴が踏み込めばマサルはローを返す。2R、マサルは朴のフックにカウンターの左ヒジ。これでガクッときた朴だが、すぐに左右フックとヒジを返す。マサルは朴の入り際にショートアッパーを突き上げていき、これが有効となるも後半は朴のフックが上回った。

 3R、前に出るマサルに対し、朴がフックの連打。マサルはパンチの勢いを止めるために組み付いてヒザ、ヒジの応酬が繰り広げられる。マサルのロー、朴のパンチが何度も交差し、予想通りの我慢比べとなったが、これも予想通りどちらも譲らずドローとなった。


▼第13試合 セミファイナル 日本フェザー級3分3R
同級3位
○森田亮二郎(藤本)
KO 3R0分39秒 ※右フック
同級5位
●風神和昌(野本塾)

 1R、速いジャブ&ローで勢いよく攻める森田。風神もパンチで前へ出る。蹴ると後ろへ下がる森田に、風神は左フックを飛ばして圧力をかけていく。2R、ローの蹴り合いから始まり、森田はローからパンチの打ち合いを挑むが、左フックの破壊力で風神が優る。打ち合いになると風神が圧力勝ち、森田のパンチは当たりが浅い。

 しかし3R、いきなりの打ち合いを挑んだ森田に風神も応じ、足を止めての打ち合いになるが、風神が左フックを空振り、返しの右フックを打とうとしたところで森田の右フックがカウンターでヒット! 壮絶な倒れ方をした風神に、レフェリーは即、森田のKO勝ちを宣した。


▼第12試合 日本ウェルター級3分3R
同級8位
○関ナオト(宇都宮尾田)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−28
同級10位
●清水政和(治政館)

 1R、関が右ローを度々ヒットさせ、早くも効いた様子。清水は前にジャンプするようにパンチを出していくが、関がワンツーからのロー、ジャブ&ローで左右のローを蹴り分けて当てていく。2R、関が徹底したロー攻撃。清水はパンチで前へ出てヒジに繋げるも、ローで足が揃ってしまう。それでも前へ出る清水。3R、右ローで何度も腰が砕けながらも、ヒジで逆転を狙う清水。関はパンチで倒しにかかるが清水も応戦、関がローを蹴っても驚異的なガッツを見せて判定まで持ち込んだ。


▼第11試合 日本ミドル級3分3R
同級4位
○青木克眞(トーエル)
KO 2R1分38秒 ※右ストレート
同級5位
●馬場 健(伊原)

 1R、青木は長いリーチを活かしてのパンチ、前へジャンプしてのパンチも繰り出す。馬場は右ローを狙い撃ち、青木がパンチで接近するとクリンチして連打を止める。2R、馬場の右ローの打ち終わりに合わせて放った青木の右ストレートがクリーンヒット、ダウンを奪う。一気呵成に攻める青木。左右のストレートで前へ出て、馬場も打ち返してローへ行くが、ガードが下がってしまいそこへ青木のパンチをもらってしまう。最後は青木の連打からの右ストレートがヒットし、馬場はバッタリと前のめりに倒れた。


▼第10試合 日本フェザー級3分3R
同級9位
△田辺祐樹(藤本)
ドロー 判定0−0 ※三者とも30−30
同級10位
△磯崎豊国(大分)

 1R、田辺がワンツーからロー、磯崎は前へ出てパンチを狙っていくが、両者とも手数は少なめ。2R、田辺はローに合わせてのパンチ狙い。しかし、下がるところで磯崎の左フックをもらいグラリ。田辺がガードをしっかりと意識すると、磯崎はレバーブローを多用してガードを下げさせようとする。3R、磯崎はパンチで前へ出て組み付いてのヒザ。田辺は下がりながらもミドル、ワンツーを飛ばしていく。終盤はパンチの打ち合いも見られるが、いまひとつ盛り上がりのないまま淡々と進み、ドローに終わった。

【関連リンク】
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