サステイン
『プロフェッショナル修斗公式戦 15th Anniversary』
2004年12月14日(火) 東京・国立代々木競技場第2体育館
開場・17:00 開始・18:00
<試合結果>
▼メインイベント 世界ウェルター級チャンピオンシップ 5分3R
○川尻達也(Team TOPS/1位)
2R3分10秒 TKO ※グラウンドでのパンチ 川尻が第8代世界ウェルター級王者に
●ヴィトー・"シャオリン"・ヒベイロ(ブラジル/ノヴァ・ウニオン/王者)
<試合展開>
1R、川尻は左のインローを飛ばして、シャオリンに組み付かれない距離を取る。そしてスタンドの間合いを計ると、一気にワンツーで前に出ていく。ロープ際の差し合いになると、シャオリンは川尻の左腕を抱えながら、川尻のバランスを崩して横に倒そうとする。しかし川尻は空いている右手をマットに着き、テイクダウンを許さない。結局、シャオリンがコーナーに押し込んだ状態でブレイクとなる。再開後、シャオリンは川尻の右ストレートに合わせて両足タックル。川尻が右腕を差し込んで、タックルを潰そうとする動きに合わせて、そのまま後ろにつく。スタンドの状態でッバックに付いたシャオリンは川尻の足をかけたり、持ち上げてテイクダウンをこころみるが、川尻は倒されてもすぐに起き上がり、グラウンドの展開を作らせない。バックからのテイクダウンを諦めたシャオリンが、四つ組でロープに押し込むと、川尻はボディに膝蹴り。さらに体を離して首相撲から膝蹴りを叩き込む。
2R、川尻は右のアウトロー。さらに左ハイキックを見せ、シャオリンに組み付くチャンスを与えない。1R同様、左のインローも当たる川尻は、パンチの攻防になると左フック、右ストレートがヒット。下がるシャオリンをパンチの連打で追いかけると、遂に右ストレートでダウンを奪う。明らかにダメージの見えるシャオリンに対し、川尻はパンチだけでなく左ミドル。腕を上げたまま、顔が下がっているシャオリンにパンチの連打を浴びせる。タックルに入ったシャオリンだったが、テイクダウンするパワーは残ってなく、引き込むようにハーフガードを取る。何とか足を利かせて、ディフェンスしようとするシャオリン。しかし川尻は上からパウンドを連発。動きの止まったシャオリンを見て、レフェリーが試合を止めた。
長期政権を予感させたシャオリンから完璧な勝利を奪った川尻は「これは夢じゃないですよね?みなさんからパワーをもらいました。尊敬するマッハさんの言葉なんですけど、打・投・極だったら修斗が一番です」と、リング上で喜びを爆発させた。
2004年の締めくくりであり、15周年記念大会となる今大会では、新たに二人の日本人王者が誕生。その他の試合でもクオリティの高い一本、KO勝利が続出し、これからの修斗の歴史に残る大会となるだろう。
川尻達也のコメント
「慣れてない蹴りを出しちゃって、左足がちょっと痛いです。1Rにバックを取られた時に、向こうは『倒そうと倒そう』と焦ってましたね。2年前は力強さも感じたんですけど。だからもうやらせてました。1Rの終わりに膝が入って、あれが効いていたと思います。2Rになってスタミナがなくなったのは分かりましたし、『これは行けるな』って。シャオリンに打撃はないんで、ディフェンス0・オフェンス100で攻めてたら、ちょっとパンチもらっちゃいました(笑)。あそこで終わらせなかったら、負けていたかもしれないです。キッチリ決める時に決めないと勝てないですからね。僕の基本はマッハさんで、マッハさんみたいになりたくて、階級は違えど修斗のベルトを巻きたいと思っていました。マッハさんの教えを忘れずにやってきて、それをリングで見せることが出来たと思います。このベルトを防衛していきたいです。チャンスがあればプロモーターと相談して、修斗以外のリングでも戦ってみたいと思います。修斗の素晴らしさ、修斗の強さをアピールしていきたいですし、後楽園ホールや代々木にたくさんお客さんを連れて来ることも、チャンピオンとしての使命だと思っています」
▼セミファイナル 世界ミドル級タイトルマッチ 5分3R
○菊地昭(K'z FACTORY/1位)
3R判定 3-0 ※30-29、30-28、30-27
●ジェイク・シールズ(シーザー・グレイシー柔術アカデミー/王者)
<試合展開>
1R、菊地がシールズのパンチに合わせてタックル。先にテイクダウンを奪う。下になったシールズの反転して立ち上がろうとする動きに合わせて、菊地はバックを狙う。しかしシールズもすぐに腰を上げて両足タックル。そのまま体をあずけてテイクダウンを狙う。しかし菊地もそれを許さずブレイク。再開後、シールズのタックルを切った菊地がそのままバックを奪う。後ろからパンチを入れ、チョークを狙う菊地。かなり長いこの態勢が続くが、ラウンド終盤、シールズは体を横にずらし、ブリッジする要領でインサイドガードに戻す。
2R、先にテイクダウンを奪ったのは菊地。シールズの膝を押して、足を越すようにパスを仕掛ける。シールズは下から足をこじ入れようとするが、菊地が再びバックを奪う。有利なポジションを取ったはずの菊地だったが、シールズは1Rと同じ動きでポジションを入れ替え、インサイドからパンチを落す。
3R、菊地は右ストレート、左フックと打撃でも積極的に前に出て行く。さらに片足タックルからバックについてテイクダウン。この試合3度目のバックポジションを奪う。しかしシールズは慌てず、すぐにポジションを戻してインサイドへ。パスを狙いながらパンチを落すものの、菊地の必死のディフェンスを崩すことが出来ず、ブレイク。再開後、菊地が渾身のタックルでテイクダウン。これで集中力が切れたのか、シールズは簡単にポジションを許してしまう。一方、菊地は最後まで動きを止めず、パンチを打ち続けた。判定はフルマークで菊地。リベンジに成功すると共に、約3年ぶりにミドル級のベルトを日本に取り戻した。
▼第5試合 ライト級 5分3R
○アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター/世界王者)
1R3分34秒 ギロチンチョーク
●門脇英基(WKシューターズスクール/世界10位・環太平洋8位)
<試合展開>
1R、リーチのある門脇の懐に中々は入れなかったノゲイラだが、一瞬の隙をついて高速タックルでテイクダウン。下から両脇を抱えてスイープを狙う門脇に対してギロチン!門脇は自ら下になって凌ぐものの、キャッチが宣告される。何とか頭を抜いてインサイドに戻した門脇だったが、ノゲイラはすぐに逆の腕でギロチンにトライ。ガッチリと足をクラッチし、一気に絞り上げた。
▼第4試合 ライト級 5分3R
○ギルバート・メレンデス(シーザー・グレイシー・アカデミー)
3R判定 29-28、30-28、30-28
●高谷裕之(格闘結社田中塾/世界ライト級1位)
<試合展開>
パルバーの代打出場となったメレンデスが金星を挙げた。高谷のパンチに対してカウンターのタックルを連発。グラウンドで押さえ込むまでには至らないものの、何度かテイクダウンを奪いかける。終盤、左のガードが下がったところに高谷の右フックが入る場面もあったものの、逆に右ストレートでダウンを奪う。これは完全なフラッシュダウンで、高谷にダメージはなかったものの、その後はタックルで高谷の攻撃をかわし、勝利を手にした。
▼第3試合 環太平洋ライト級王座決定トーナメント準決勝 5分3R
○佐藤ルミナ(K'z FACTORY/世界9位・環太平洋7位)
2R1分21秒 KO ※右フック
●戸井田カツヤ(和術慧舟會トイカツ道場/世界8位・環太平洋6位)
<試合展開>
下からスイープ、関節技を仕掛ける戸井田に対して、ルミナはセコンドについた植松の指示通り、バランスを保ちながらパンチを落としていく。そして2R、スタンドでルミナが右フック一閃!これが戸井田の顎をとらえ、戸井田はマットに大の字。そのまま立ち上がることが出来ず、ルミナが衝撃のKO勝利を収め、環太平洋王座決定トーナメント決勝にコマを進めた。
▼第2試合 67kg契約 5分3R
○石川真(PUREBRED大宮/世界7位・環太平洋5位)
3R40秒 TKO ※カットによるドクターストップ
●阿部裕幸(AACC/世界5位・環太平洋4位)
<試合展開>
1Rに右ストレート、右のオーバーフックで2度のダウンを奪った阿部だったが、その後は失速。石川が徐々に持ち直し、左右のフックで阿部を攻め立てる。一進一退の攻防が続いていたが、3R序盤に阿部が目じりをカット。試合続行不可能となった。
▼第1試合 フライ級 5分2R
○藤井恵(AACC)
1R1分43秒 腕ひしぎ十字固め
●ナディア・ヴァン・デル・ウェル(オランダ/タツジンドージョー)
<試合展開>
結果的に54kg契約となったこの試合。しかし藤井は体格差を感じさせず、タックルでテイクダウンを奪うと、頭を跨ぐように奥の腕を極めた。
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