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【全日本キック】大月、小林を3Rで豪快KO!試合後にまたも引退示唆

2005/01/04


「SURVIVOR」

全日本キックボクシング連盟
2005年1月4日(火)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:30
観衆=2,100人(超満員札止め=主催者発表)

▼メインイベント WPKC世界ムエタイライト級選手権試合3分5R 62s契約(ヒジあり)
挑戦者
○大月晴明(AJ)
KO 3R2分31秒 ※3ノックダウン
王者
●小林 聡(藤原)
※大月が新王座に就く。小林は初防衛に失敗。

 いよいよ実現の時を迎えた全日本ライト級日本人頂上決戦。先に入場した大月はリング上でシャドーボクシングを行い、射るような目つきで小林の入場を見つめる。両者とも国家吹奏の間中、身体を動かして落ち着かない様子。大月が両グローブを叩き付けて威嚇するようにすると、小林も負けじとグローブを打ち鳴らす。藤原敏男会長は、小林に「今日は焦るな」とだけ言い残してセコンドから離れた。

 1R、どっしりと構えた小林は待ちの姿勢。大月は前蹴りから飛び込んでのパンチ、小林がそれにフック、ローを合わせるようにする。何度か飛び込んだ大月だが、小林が追ってこないのを見ると右手を前に伸ばして距離をとる。ラウンドが終了すると、小林はガッツポーズだ。

 2R、自分から出ずに大月が飛び込んでくるのを待って、左フックを合わせる小林。大月はロー、前蹴りを多用。小林は悠然と構えて、パンチを空振りさせてフックを返していくが深追いはしない。大月の打ち終わりを待っての右ロー。このラウンドも、小林はガッツポーズ。


 3R、大月が右フックで飛び込んでくれば、小林も右フック、右ローを返す。大月は右ローを多用し、右ローをフェイントしての身体ごとぶつけるような右フックを思い切り振りぬく! これを喰った小林はダウン! 一気呵成に攻めて行く大月。小林もローで応戦するが、大月は左右フックをブンブンと振り回し、左ハイキックで小林を下がらせてロープに詰めると右フック、小林はこれで2度目のダウンを喫する。「落ち着いて、耐えて!」のセコンドの声に、振り向いて頷く小林。しかし、大月は右フックで小林にロープを背負わせると滅多打ち! レフェリーが両者の間に割って入って試合をストップした。

「応援に来てくれた方、ありがとうございます。今回、正直、勝てるとは思っていなかったので先の事は考えてなかったので…これからも全日本キックは面白いと思うので、他団体がいいという人も全日本キックに応援お願いします」と大月はマイクアピールした。

●大月のコメント
勝っても負けても引退しようと思っていた
「1回目のダウンはローに行くと見せかけて、スイッチしてから右を入れた。ローが効いてたからあれが当たった。作戦通り。(小林の)ローはまともにもらってないので効いていない。(向き合った瞬間)並じゃない。右フックを打たれた時も、見えてたから効かなかったけどアゴに入ってたら倒れてた。世界レベルの人。プレッシャーもキツかった。気持ち的にはリングの中が怖かったので、早く降りたいと集中力が途切れそうになっていました。早く試合から開放されたいというのが大きかった。正直、怖かった。この試合で辞めようと思っていました。引退しようと思ってました。勝っても負けても、この先どうなるか分からない。怪我もあるし、やる前から辞めようと思っていた。今は終わったばかりで嬉しいので、この先の事は分かりません。(勝って)嬉しいです。昔から知ってた小林さんと同じリングに上がって、しかも勝つ事が出来たから感動でいっぱいです。(引退は)目標がないのもそうですし、モチベーションが上がらない。(白鳥の挑戦表明は)どうですかね。今やったら、勝つ自信ないですから。モチベーションが上がらないし、やる気が出ない。彼は強いです。俺なんかより、他団体に強い選手がいっぱいいるのでやってほしい。白鳥には勝てない。俺より強い。見れば分かるんです。
(痛めていた右ヒジは)空振りしたら痺れちゃうくらい痛い。練習でも右は使わないようにしていました。フックなら打てるんですけど、ストレートは出来ません。(小林が2度立ってきた事は)立嶋選手とやった時もそうでしたが、キックに命を賭けてる人は立ってくる。俺は時間を見ながら丁寧に倒す、フェイントにも反応しなかったので丁寧に当てるように心がけました。(怪我は)左ヒザは昔から、あと左の腰と右のヒジ。(今後の事は)まだちょっと分からない。トレーナーとも話をして…山本元気が辞めさせてくれない。俺と一緒にタイ人にボコボコにやられよう、って言われて(笑)。あいつが俺を励ましてくれるんです」

●小林のコメント
ダメージは全然ない、ストップは不本意
「(印象は)別にない。レフェリーが止めるから…まだ全然ですよ。(ダメージは)全然、ないですよ。(止められたのが不本意?)そうです。ダメージ全然ないですよ。だって、勝手に止めるんだもん。大月は間合いを取るのが巧い。それは分かってた事。特に何もない。ダウンもいいとこに入ったから、ダウンしたんじゃないですか。俺の人生、これで終わりじゃない。やられたらやり返すのが当たり前。そうじゃなかったら、何のために勝負してるのか…。(勝ち逃げは許さない?)そういう気持ちをなくしたら、ね。穴があったら入れたい、いや、入りたいです」

●宮田広報のコメント
「(大月の引退発言)いつものように、説得に入ります。(モチベーションを)上げるように努力します。彼はそういう事を言うので、気にしないで下さい。引退はしませんから。それに、いま決めるような事じゃありませんからね」




▼第6試合 全日本ライト級王座決定戦 3分5R
同級1位
○白鳥 忍(高橋道場)
判定3-0 ※50-48、50-47、50-46
同級2位
●サトルヴァシコバ(勇心館)
※白鳥が第15代王座に就く。

 1R、白鳥が右の蹴りを中心にロー&ミドルで攻める。サトルもパンチで前に出たが、左ストレートで攻めた直後、右ストレートをもらってダウンを喫する。2R、白鳥は接近してのヒザ。サトルの強みである打ち合いに持っていかない作戦。離れると思い切った右ストレートを打ち込み、左ミドルも切れている。サトルはローから左ストレートを狙い打ち、打ち合いに持っていこうとするが白鳥が巧みに外して逆に強いパンチを入れていく。

 3R、サトルは一転して左ローを集中砲火。バランスを崩して左ストレートを打ち込んでいく。白鳥は組みに行き、強い右ストレートも放つがサトルはしっかりとガードして左ローを返す。4R、ローが効いて徐々に手が出なくなる白鳥。強いパンチとパワーで押して、サトルを疲れさせる戦法に。サトルの動きが悪くなっていく。

 5R、パンチの距離で闘いたいサトルだが、白鳥は前蹴りで突き放して接近するとヒジ&ヒザ。サトルはパンチを出していくも距離を潰される。白鳥は徹底して組んでのヒジとヒザを入れ、最後にはパンチとローでラッシュを掛けてしっかりとまとめた。

 ついにベルトを巻いた白鳥は、「応援ありがとうございました。サトルヴァシコバは強かったです。今回いい試合出来ませんでした。次にいい試合をします。次はまだ決まっていませんが、大月選手とやりたい。ぜひやらせてください!」と、大月に改めて対戦を要求した。




▼第5試合 全日本ヘビー級王座挑戦者決定戦 サドンデスマッチ
○郷野聡寛(パンクラスGRABAKA)
判定3-0 ※30-25、30-25、30-25
●コンボイ山下(超越塾)

 1R、右のガードを下げた独特の構えからジャブ、フックを放ってはサッとパンチをかわしていく郷野。ジャブを突き刺し、回り込みながらフックを入れていく。ラウンド終了間際には、“総合格闘技の天才児”と呼ばれていた時代の得意技、見えない左ハイキックでダウンを奪った。

 2Rも郷野が山下を翻弄する。ステップとウィービングでパンチをかわし、もぐりこみながらのフック&アッパー。右ミドルをキャッチしての攻撃にはイエローカードが掲示されるが、終了間際には右ストレートをヒットさせる。

 3R、山下のローにヒザを曲げる郷野だが、ほとんど蹴らす事もない。郷野はもぐりこむような姿勢からフックとアッパーを放ち、山下が前へ出てくるとサッとサイドへ逃げる。ジャブで距離をとり、ダッキング、ウィービング、ステップを巧みに使ってパンチをかわし、面白いように単発ながらパンチを入れる郷野。追ってくるところに右ストレートからの左フックでダウンも奪い、最後は突き刺すような右ストレートで駄目押し。判定勝利を奪った。

 郷野への野次も飛ぶ中、「今日はキックファンの皆さん始めまして、パンクラスの郷野です。倒す予定だったけど、次は2月でも3月でもいいのでタイトルマッチやらせてもらえれば、キチッと倒します。宮田さん、あとで電話するので決めてください」とマイクアピールした。

 この発言を受けて、宮田広報は「チャンピオンの西田はスタンバイOK。2月でもいいと言っています。郷野選手が2月でもいいと言っているので、2月のマッチに入れてしまうかもしれません」と、2月に郷野の全日本ヘビー級王座挑戦が実現する可能性は高いと語った。また、郷野が「グローブの質が悪い。ウイニングかレィジェスにしろ」と文句をつけたことに関しては、「郷に入っては郷に従え」と一蹴した。


▼第4試合 全日本フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ
同級3位
○石川直生(青春塾)
KO 1R1分40秒 ※左ストレート
●森山直樹(はまっこムエタイジム)

 リングインすると霧を吹き、森山にも霧を吹きかける石川。ヒール度満点のキャラクターだ。ゴングが鳴ると、いきなり自らロープに飛んで反動を利用しての前蹴り。その後も前蹴りを連発し、組み付いてのヒザを突き刺すと早くもダウンを奪う。カウントが数えられている間、TVの解説席にいた山本元気を睨みつける。立った森山が打ちに来ると左のショートをカウンターして倒し、石川がKO勝ちを収めた。石川は山本を再び見てニヤリ。次はお前だとばかりに挑発していた。


▼第3試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ
同級9位
○金統光(藤原)
判定2-0 ※30-30、30-29、30-29
同級8位
●三上洋一郎(S.V.G)

▼第2試合 ウェルター級 3分3R
○小塩大輝(JMC横浜GYM)
判定3-0 ※30-26、30-26、30-26
●HIROAKI(峯心会)

▼第1試合 60kg契約 3分3R
○安川文健(AJ)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-27
●デンジャー高山(AJKF)

▼オープニングファイト第3試合 フェザー級 3分3R
○橋本誠典(DEION GYM)
判定3-0 ※30-29、30-29、30-28
●ウルフ原田(DRAGON GYM)

▼第2試合 バンタム級 3分3R
○前田浩喜(JMC横浜GYM)
判定3-0 ※30-26、30-26、30-26
●トシヒロ公正(藤原ジム)

▼第1試合 ライト級 3分3R
○寺崎直樹(青春塾)
判定2-0 ※30-30、30-29、30-29
●岩切博史(月心会)

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