パンクラス「第2回 プロアマキャッチレスリングトーナメント」
2005年1月30日(日)東京・P'sLAB東京
試合開始13:30
(前列左から)60kg未満優勝の三浦、70kg未満優勝の久田、80kg未満優勝の太田、100kg未満優勝の佐藤
(後列左から)60kg未満準優勝の片山、70kg未満準優勝の村田、80kg未満準優勝の北岡、100kg未満準優勝の内藤
▽100kg未満級
▼決勝
○佐藤光留(パンクラス光留塾ism)
判定 2−1
●内藤征弥(和術慧舟會A-3)
<試合展開>
北岡の敗戦を受け、佐藤は何としてでもism2連敗だけは阻止したいところ。その気合の表れか、開始早々、内藤を綺麗に投げ飛ばし、いきなりサイドポジションを奪う。下になった内藤は後転するように、自分の足を佐藤の腕に引っ掛けて脱出。腹固めのように押さえ込む。佐藤はそのまま立ち上がり、再びテイクダウン。ガードから仕掛ける内藤にアンクルホールドを狙う。
頭を抱えてディフェンスしようとする内藤に対し、佐藤は何度も体を回転させて、足関節を狙い続ける。しかし遂に足から手が離れ、内藤にバックを許してしまう。絶好のチャンスを掴んだ内藤だが、佐藤のディフェンスが固く、チョークスリーパーの形にはなるものの、キャッチを奪うまでには至らない。逆にこれを凌いだ佐藤は三度アンクルホールド。渾身の力で絞り上げるが、内藤も落ち着いてディフェンス。逆に亀の状態の佐藤に腕十字を仕掛けたところで、時間切れとなった。
微妙な判定となったが、常に足関節を狙い続けた佐藤のアグレッシブさに軍配。スプリットながらismの牙城を守った。
▼準決勝
○佐藤光留(パンクラス光留塾ism)
判定 3−0
●伊勢ごう(曽輪道場)
<試合展開>
スタンドレスリングで後ろを取られた佐藤はそこからアームロック。しかし自分の体がロープの外に出てしまい、ブレイクとなる。再開後は伊勢の頭を落とすように、がぶりを狙う佐藤。しかし伊勢が綺麗な払い腰で佐藤を投げ飛ばす。亀の状態になった佐藤は前転してアンクル・ホールドを狙うが、伊勢は体重をかけて押しつぶしディフェンスする。
さらにスタンドに戻ると、再び佐藤を後方に投げてテイクダウン。しかし佐藤もすぐに体を返して足関節を仕掛け、伊勢に攻めさせない。逆に佐藤は四つの状態から外掛けでテイクダウン。バックを奪い、チョークスリーパーを狙う。レスリングでこそ優位に立てなかったものの、関節技を狙い続けた佐藤が伊勢を下した。
▼準決勝
○内藤征弥(和術慧舟會A-3)
一本 4分38秒 ※チョークスリーパー
●太田光一(山田道場)
<試合展開>
引き込む内藤に対して、太田はパスを狙わずアキレス腱固め。内藤は太田の頭を抱えるように、ディフェンスし、逆にバックポジションを奪う。両足をフックし、チョークを狙う内藤だがなかなか太田のディフェンスを崩せない。チョークからフェイスロックを狙ったところでブレイクとなる。しかし再開後、太田のタックルをがぶった内藤は再びバックへ。今度はしっかりチョークスリーパーを極めた。
▽80kg未満級
▼決勝
○太田洋平(和術慧舟會A-3)
判定 3−0
●北岡 悟(パンクラスism)
<試合展開>
プロ選手が多数参戦し、最激戦区を勝ち残ったのは前回覇者の北岡と、過去にパンクラスマットに参戦の経験のある太田となった。二人はかつて対戦経験(コンテンダーズ内でのORGルール)があり、その時は太田が判定で敗れている。
ここまであまりテイクダウンを狙いにいかなかった太田だが、この試合は積極的に脇を差して、北岡をコーナーに詰めていく。しかし最初にタックルを決めたのは北岡。太田がガードを取る形でグラウンドとなった。
下になった太田は戸井田戦でも見せた、足をすくって相手を横に転がすスイープ!これが見事決まり、そのままバックを奪う。さらに北岡の右腕を掴むと、前に落とされながらも腕十字へ。これは逃げられてしまい、マウントを許すものの、足を外掛けにして足関節を仕掛ける。ここで足関節の取り合いとなるが、両者極める事が出来ない。スタンドレスリングの勝負になっても、共にていくダウンを奪えず。判定はバックからの腕十字が評価され、太田がチャンピオンに輝いた。
試合後、太田は「こうやって結果を残せたんで、オファーいつでも待ってます」とパンクラス関係者にアピール。今後の動向に注目が集まる。
▼準決勝
○北岡 悟(パンクラスism)
一本 2分23秒 ※フロントチョーク
●芹澤健一(和術慧舟會駿河道場)
<試合展開>
1回戦をグラウンド・コブラで勝利し、客席を沸かせた芹澤。対する北岡も必殺のフロントチョーク、アキレス腱固めで1、2回戦を秒殺し、プロとしての貫禄を見せた。
試合は激しいレスリングの組み手争いからスタート。互いに上半身に崩しをかけるものの、簡単にはバランスが崩れない。試合中盤、芹澤は腕を手繰ってバックを狙う素振りを見せながらタックル。綺麗に片足タックルの態勢になったのだが、ここで北岡が必殺のフロントチョーク。芹澤は自分から引き込んで、ディフェンスしようとするが、最後はマウントを取られる形になり、ギブアップとなった。
▼準決勝
○太田洋平(和術慧舟會A-3)
判定 3−0
●戸井田カツヤ(和術慧舟會トイカツ道場)
<試合展開>
ここまで圧倒的な強さを見せて勝ち上がってきた両者。この試合は期待にたがわぬハイレベルな試合となった。
先に引き込んだのは太田。戸井田はすかさず飛び掛るように足関節を狙う。太田のディフェンスに合わせて、ヒールホールド、膝十字と狙いを変える。太田は一瞬、苦しそうな表情を浮かべるもののタップはしない。これを凌いだ太田は戸井田にサイドを取らせると、後転するように戸井田の胴に両足を絡ませ逆に足関節を狙う。戸井田はすぐに足を引き抜いてインサイドガードに収まり、バスターで太田を叩きつけるが、逆に太田が膝十字を仕掛ける。さらに太田は起き上がってバックへ。戸井田が前に振り落として腕十字を狙うと、下から足を戸井田の頭に絡ませ、横三角のような形となり立ち上がる。
スタンドになると太田は飛びつくようにガードを取り、戸井田の右足をすくいながら、
自分の左足で戸井田の体を刈るようにスイープ。戸井田の体が宙に浮くが、戸井田はその太田の足を取ってヒールホールド。これを外した太田も間髪入れずにアンクルホールド、アキレス腱固めと動きが止まらない。
しかし試合終盤、太田が戸井田からバックを奪い、立ったままチョークスリーパーへ。この状態で試合は終了した。判定は3−0で太田の勝利。目まぐるしく展開が変わる好勝負に会場からは拍手が起こった。
<70kg未満級>
▼決勝
○久田賢二(和術慧舟會東京本部)
一本 1分24秒 ※腕ひしぎ十字固め
●村田卓実(和術慧舟會A-3)
<試合展開>
テイクダウンを奪った久田が担ぎパスガードから、亀になった村田の後ろに付く。両足をフックして、チョークを狙う久田を前に振り落とそうとする村田。しかし逆に久田に腕を取られてしまう。最後は久田が村田の顔を足で刈り、腕十字で一本を取った。大会パンフレットに「主催者勝手に期待の復活」と紹介された久田。その期待に応える形で優勝を飾った。
▼準決勝
○村田卓実(和術慧舟會A-3)
不戦勝 ※阿部の負傷により
●阿部裕文(チームP.O.D)
▼準決勝
○久田賢二(和術慧舟會東京本部)
判定 2−1
●鈴木康裕(SKアブソリュート)
<試合展開>
ここまでレスリング力を生かして勝ち上がってきた鈴木とガードからの寝技の上手さで勝ち上がってきた久田。この試合も鈴木が上、久田が下から攻めるという展開が続く。久田はしたから鈴木の腕を抱え込んで三角、腕十字を仕掛ける。これには鈴木も反応良く対応し、極めの形にまでは持って行かせない。久田は鈴木の体を足で跳ね上げながら、腕を手繰るようにスイープ。そのままバックを奪う。しかし鈴木もチョークは極めさせず、逆に前転し、アキレス腱固めで応戦。両者一進一退の攻防を繰り広げたが、関節技の仕掛けで優った久田が決勝への切符を手にした。
▽60kg未満級
▼決勝
○三浦昌朋(何気)
一本 2分12秒 ※チョークスリーパー
●片山 伸(T-Pleasure)
<試合展開>
先に引き込んだのは片山。しかし三浦もすぐに反応し、上からガッチリと上半身を押さえ込み、片山の動きを止める。ブレイク後、今度は三浦が引き込み。片山の右腕を持ちながら体を浮かすと、その腕を手繰ってバックへ。必死に片山も自分の頭を三浦の胸につけようと動くが、三浦は両足をフック。最後はチョークスリーパーでタップを奪った。
この日の三浦は3試合すべて、ガードからの手繰り→バックポジション→チョークスリーパーという流れで一本勝ち。コンバットレスリング準優勝&修斗グラップリング優勝のテクニックはパンクラスのリングでも冴え渡った。
▼準決勝
○三浦昌朋(何気)
一本 1分53秒 ※チョークスリーパー
●竹中 慎(P'sLAB東京)
<試合展開>
三浦は竹中の頭を抑えながら、足払いやタックルでプレッシャーをかける。そしていきなり飛び付き三角!これは失敗してしまうものの、ガードから竹中の左腕を掴んで、手繰り寄せるようにバックを奪い、チョークスリーパーを極めた。
▼準決勝
○片山 伸(T-Pleasure)
一本 3分19秒 ※三角絞め
●水洗裕一郎(X-TRIME柔術アカデミー)
<試合展開>
先に引き込んだ片山は水洗の右手を掴み、両足で腰を蹴って下からコントロール。頭を付けるようにパスガードを狙う水洗だが、片山との距離が遠く足を一本跨いでもすぐにガードに戻されてしまう。ここで片山は水洗の左腕を狙ってアームロック。
そのまま自分の後方に転がすようにスイープし、腕十字を仕掛ける。あとはクラッチを切るだけのところまで持っていた片山だったが、水洗も体を起こして極めさせない。下になった片山は再び水洗の手首を持ってコントロール。今度は水洗の体を前のめりにさせて三角絞め。これがガッチリと決まり、水洗からタップを奪った。
<試合結果>
▼−60s級
優 勝 三浦昌朋(何気)
準優勝 片山 伸(T-PLEASURE)
3 位 竹中 慎(ピーズラボ東京)
水洗裕一郎(X-TRIME柔術アカデミー)
▼−70s級
優 勝 久田賢二(和術慧舟會東京本部)
準優勝 村田卓実(和術慧舟會A-3)
3 位 阿部裕文(チームPOD)
鈴木康裕(SKアブソリュート)
▼−80s級
優 勝 太田洋平(和術慧舟會A-3)
準優勝 北岡 悟(パンクラスism)
3 位 戸井田カツヤ(和術慧舟會トイカツ道場)
芹澤健市(和術慧舟會駿河道場)
▼−100s級
優 勝 佐藤光留(パンクラスism)
準優勝 内藤征弥(和術慧舟會A-3)
3 位 伊勢ごう(曽輪道場)
太田光一(山田道場)
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