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【K-1 MAX】小比類巻、決勝で新田にKO勝ちでV2

2005/02/23



FEG&TBS「K-1 WORLD MAX2005 日本代表決定トーナメント」
2005年2月23日(水)東京・有明コロシアム
開場17:00 開始18:00
観衆=10,723人(超満員札止め)

▼メインイベント 日本代表決定トーナメント 決勝戦3分3R(延長2R)
○小比類巻貴之(日本/チーム・ドラゴン)
KO 1R0分36秒 ※右顔面前蹴り
●新田明臣(日本/バンゲリングベイ)

 小比類巻がデビュー6戦目で、初敗北を喫したのが新田である。J-NETWORKの旗揚げ戦、メインイベントで団体のエースとして、当時・全日本キックボクシング連盟ミドル級王者だった新田を迎え撃った小比類巻は、新田のローキックで初のKO負けを喫している。両者はそれ以来友人となり、一緒に食事をする仲にもなっていた。

 その両者が時を経て、最高峰の舞台で再び顔を合わせた。

 向かい合う両者、小比類巻はやはり長身を活かした闘い方をするべく右の前蹴りを放つ。そして再び向かい合い、小比類巻が新田を押すように両手を伸ばしたところで、新田がこれに反応して右ストレート。しかし、これはコヒが前蹴りを放つための反動をつけるための動作だった。コヒの前蹴りは新田のアゴをかすめるように足先が当たり、この一発で新田は体が痺れてしまった。アゴの先端を捕らえたため、脳が揺れてしまったのだ。

 全身で喜びを表現するコヒ。最後は見事なKO勝利で、過去の敗北の清算をした。

「今日は本当に強い8人の中で勝つ事が出来て、みんなのおかげで勝てました。今日は本当に運が良かったのと、みんなの応援のおかげで勝つ事が出来ました。全ての選手を尊敬しているし、もっともっと、もっともっと強くなりたいんで、これからも応援してください」とマイクでファンにお礼を言った。

●小比類巻のコメント
「とりあえずホッとしてます。全選手レベルが上がって、強い選手も出てきて、自分のブロックは本当に強いヤツばかりなので、やっかいなとこに来たと思っていました。(1回戦は)本戦で勝ったと思いました。(延長戦は)まあ…でも、本戦で勝ってたから。(ブーイングは聞こえましたか)聞こえたから、みんなそう思ってんだと思って、相手とトレーナーに“すいません”と言いました。でも、勝ちは勝ちなんで。次の事ばかり考えてました。相手は自分を倒す事しか考えてなかったので、強かったし、やりにくかった。
 1回戦は全然ダメでした。1回戦は自分の動きを見て、動きが出来ていなかったので、2回戦からは動きを意識して、その動きを意識してました。あと、会場に入ってすぐアップしたので、アップする時間がちょっと足りなかったかな。
 新田選手は自分が6戦目で、初めてKO負けして以来の長い付き合いで、友だちとしてもご飯食べたりとか、いい仲だったので決勝は新田選手か…とちょっと思いました。決勝で闘えたのは嬉しかったです。計量と会見が終わった後で、新田選手は“コヒがどん底に落ちて、みんなから見放されていたのに、今ではみんなから優勝候補と言われている。それを見たから、現役をやってこれた”といってくれました。決勝で闘えて嬉しかったし、6戦目で負けた時に、“落ち込むな。まだまだ先は厳しいぞ”と言われました。勝てて恩返しだと思います。(リング上で新田が)気持ちよく、痺れて立てなかったよ。優勝したんだから、今日は笑えよ”って言ってくれました。
(入場で持ってた旗は)ファンと全国の応援してくれる仲間が書いてくれたので、みんなの気持ちを旗に背負って勝ちました。
(最後の前蹴りは)一瞬、頭の中でローで来るな、前蹴りで止めようと思ったんですけど、一瞬、右の顔面が頭に浮かんでそれを出したら当たりました」

▼第9試合 スーパーファイト 3分3R(延長1R)
○アルバート・クラウス(オランダ/ブーリーズジム)
判定2-1 ※28-29、28・5-29、28・5-29
●ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム)









▼第8試合 スーパーファイト 総合格闘技特別ルール3分3R ※寝技30秒
○宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
一本 1R1分59秒 腕費ひしぎ逆十字固め
●セルカン・イルマッツ(トルコ/チーム・ソラック)








▼第7試合 日本代表決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○新田明臣(日本/バンゲリングベイ)
判定3-0 ※29-28、29-26、30-26・5
●村浜武洋(日本/大阪プロレス)













▼第6試合 日本代表決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○小比類巻貴之(日本/チーム・ドラゴン)
KO 2R1分13秒 ※2ノックダウン
●小次郎(日本/フリー)
















▼第5試合 スーパーファイト K-1ルール 3分3R(延長1R)
○ファリッド・ヴィヨム(フランス/フェニックス・ムエタイ)
延長1R 判定3-0 10-9、10-8・5、10-9
●輝 浪(日本/フリー)
















▼第4試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R(延長1R)
○村浜武洋(日本/大阪プロレス)
KO 3R1分15秒 ※左ハイキック
●HAYATO(日本/FUTURE_TRIBE)

 1R、HAYATOは右ロー、顔面前蹴り、組みヒザを使って村浜にインファイトを許さない。村浜はジャブから連打に出ようとするも、HAYATOは右ミドルを合わせて連打を許さない。HAYATOは村浜のローに得意の右ストレートをカウンター、下がる村浜を左ミドルで追っていき、ロープに詰まって逃げ場を失ったところでもう一度ストレート! 村浜からダウンを奪った。その後もHAYATOはヒザ、顔面前蹴り、離れ際のハイキックと身長差を活かして闘う。

 2R、ステップを使って回る村浜はジャブから右ストレート。懐に入っていくが、HAYATOに前蹴りでストッピングされる。左ミドルを巧みに使い、村浜との距離を保つHAYATO。村浜が入ってくるところへ右フックを合わせ、追って行っての右アッパー。しかし、右ストレートをかわした村浜は右フック! これでHAYATOの体が泳ぎ、村浜は一気にラッシュを仕掛けた。これがこの試合の流れを変えた。

 村浜は右ストレート、左フックをクリーンヒットさせての連打。右ストレートで下がらせてロープに釘付けにする連打を見舞う。HAYATOはこれらをクリンチで防ぐ。

 3R、ジャブを出しながら前へ出る村浜。右クロスから連打を浴びせ、HAYATOはクリンチでこれを凌ぐ。ブレイク後、村浜は右フックからの連打、HAYATOがガードを固めるとまさかの左ハイキック! カウント内に立ち上がったHAYATOだが、レフェリーが状態を確かめて試合続行不可能と判断し、村浜が逆転KO勝ちを収めた。









▼第3試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R(延長1R)
○武田幸三(日本/治政館)
KO 3R0分39秒 ※右ローキック
●宮田和幸(日本/フリー)

 急遽出場が決まった宮田は、ステップを使ってリング上を大きく回る。武田が追ってくると、昨年の小比類巻のように一旦下がってからの飛びヒザ蹴りを放つが、これは不発。武田が右ローを放つと、場内がドッと沸く。宮田のワンツーに合わせて、右ローを蹴る武田。宮田はバックブローも仕掛けるが、武田はしっかりブロックして右ロー。

 2R、前へ出る宮田だが、武田の右ローを何度も受ける。ここで宮田は胴タックルまで繰り出す、よほど苦しいのだろう。再び飛びヒザ蹴りを繰り出すが、やはり不発。武田の右ローが唸りをあげる。

 3R、宮田の右ストレートに右ローを合わせた武田は、前へ出て右ローを飛ばす。パンチで前へ出てくる宮田に左フックのカウンター、右ストレートをフォローして、逃げる宮田を追って行っての右ローで遂にダウンを奪う。立ち上がった宮田に、武田は左フック、右アッパー、そして右ロー! 宮田をKOに葬った。














▼第2試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R(延長1R)
○小次郎(日本/スクランブル渋谷)
判定3-0 ※29・5-28・5、30-29、
●TOMO(日本/正道会館)

 1R、小次郎はいきなりの右ストレート。その後は右ローキックを狙い撃ち! TOMOはそのローにパンチ、ハイキックを合わせていこうとするがなかなか巧くいかない。それでも右フックをヒットさせたTOMOは、小次郎をロープにまで追っていくが捕らえきることが出来ず。TOMOは右ストレートから右ハイのコンビネーション、小次郎右ロー二連発に左ローを返すが、これはローブローとなってしまった。

 2R、小次郎はワンツーでやはり先手をとる。TOMOは右ローから距離を詰めてテンカオ。小次郎はワンツーでコーナーへ追い詰めていく。フック系の小次郎に対して、TOMOはパンチを内側と外側から当てて行く。小次郎は組み付いてきたTOMOを柔道仕込みの投げで宙を舞わせる。

 3R、小次郎は右ローを徹底して連打。左フックと右ストレートで詰めていき、プレッシャーを与えていく。前へ出る小次郎は、TOMOをコーナーへ詰めてフックの連打。右ローを織り交ぜながら、左フック、アッパーとパンチでどんどんとTOMOを追っていった。

 判定で小次郎の勝利。小次郎は走って、花道を引き上げていった。


▼第1試合 日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R(延長1R)
○小比類巻貴之(日本/チーム・ドラゴン)
延長1R 判定2-1 ※10-9・5、9・5-10、10-9・5
●安廣一哉(日本/正道会館)

 2年前、両者は同じこの有明コロシアムで対決し、安廣が右ストレートでダウンを奪い、番狂わせを起こしている。空手衣に身を包み、井上陽水の「夢の中へ」へのテーマ曲に乗ってゆっくりと入場したのは安廣。小比類巻は多くのメッセージが書かれた旗に長い祈りを捧げてリングインした。

 1R、お互いにステップを踏みながら待つ。コヒは安廣が入ってくる瞬間を、安廣は飛び込むタイミングをだ。ステップバックを使ってパンチを当てさせないコヒは、前蹴り、下からアゴを突き上げるヒザをパンチに合わせていく。しかし、安廣はこの動きを見切ったか、ヒザが突き上げられるよりも早く右ロングフックをヒット! スリップダウンを喫するコヒ。立ち上がったところへ、安廣は一気にパンチのラッシュを決めていく。サウスポーに構え、蹴りをもらわないように左へ周りながらの右フックも決め、プレッシャーを与えて安廣が前へ出る。

 2R、安廣の右ローに返したコヒの右ローが急所にヒット。1分の休憩が安廣に与えられる。安廣は後ろ蹴り、コヒが入ってくるところに右ストレートを合わせる。コヒもハイキックの連打で前へ出て行き、ブアカーオのような顔面前蹴りを放つ。さらには左ジャブを多用し、自分の長いリーチを活かした闘い方を繰り広げる。安廣は飛び込み様の右フック、コヒは組み付くと離し際に右ハイキックを放ち、安廣をスリップダウンさせる。

 3R、顔面前蹴りと左ジャブを多用するコヒ。安廣がワンツー、フックで踏み込む事を許さない。しかし、コヒがヒザで前へ出てくると安廣もバックブローを繰り出すなど、それ以上のコヒの攻撃を許さないのだ。前蹴り、ジャブで離れて闘うコヒは、安廣が突っ込んでくると左フックを引っ掛けてバランスを崩させ、追っていくが左ジャブ以上の有効打を当てる事はできなかった。

 判定は30-30、29-29.5(コヒ)、29-29.5(コヒ)で規定により延長戦へ突入。安廣はここが勝負時と見て、右フックを振るって前へ出る。飛び込み様の右フック、右のパンチから回転胴廻し蹴りを放つ。これに対してコヒは3R同様、長いリーチの左ジャブを多用して距離を取るが、左ジャブの直後に安廣が右ストレートをカウンター! これがクリーンヒットし、コヒは組み付く。安廣は一気にパンチを出しながら前へ。コヒも右ハイを出していくが、安廣は飛び込みフックと胴回しを繰り返す。つまり、技の掛け逃げ狙いだ。完全にポイントを奪いに来た安廣に対して、コヒもジャブ以上の手立てがなく、終了のゴングを聞いた。

 判定は2-1でコヒ。場内には大ブーイングが鳴り響いた。


▼リザーブファイト K-1ルール 3分3R(延長1R)
○新田明臣(日本/バンゲリングベイ)
KO 2R2分10秒 ※2ノックダウン
●ASH-RA(※アシュラ 日本/TEAM X FORCE)

 1R、ASH-RAはグローブを合わせると同時に右ローキックという、ルーキーとは思えない大胆不敵な奇襲戦法。ボクシング仕込みのパンチで前へ出て行く。新田はそれを左ミドルで突き放し、間へ出てくるタイミングに合わせて右ローキック。パンチ主体のボクシングスタイル=クラウチングスタイルのASH-RAはカットが間に合わず、ローを蹴られる場面が多い。

 新田はパンチでASH-RAが入ってくると、捕らえてヒザ蹴りからパンチ、入ってくるところに合わせての左ミドル、右ローと翻弄していく。ローが効いてASH-RAが足をくの字に曲げ始めると、新田は自ら出て左フックから右ロー。グラつくASH-RAは組み付いていくが、新田は突き放して右ロー三連発。それでもASH-RAはパンチで前へ出ようとするが、やはり新田のロー&ヒザに捕まる。

 2R、開始と同時に顔面へ前蹴りを放つASH-RAの奇襲。新田をコーナーへ詰めて左フック、右ストレート、左アッパーの連打を決める。だが、そこまで。新田に再び右ローを蹴られると後退し、新田は右ローの連打。カットしないASH-RAは蹴られまくる。左フックからの右ローでバランスを崩しながらも、パンチで攻めようとしたASH-RAだが、新田は左アッパーでアゴを突き上げて、パンチの連打だから右ロー! 崩れ落ちるASH-RAにダウンが宣告された。

 立ち上がったASH-RAは玉砕戦法のパンチ連打に出るが、新田はそれをブロックして左フックを返し、顔面にフックを集めてからもう一度右ロー! 棒立ちとなっていたASH-RAの足を刈り、2度目のダウン。1年以上もMAX出場をアピールし続けた新田が、リザーバーの権利を獲得した。

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