「SHOOT BOXING 20th ANNIVERSARY SERIES」
シュートボクシング協会
2005年3月6日(日)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:00
▼エキスパートクラス 71kg契約3分5R
SB日本スーパーウェルター級王者
○緒形健一(シーザー/172p/70・9s)
KO 2R1分44秒 ※3ノックダウン
WAKC.USウェルター級王者
●シェイン・ウィガンド(RING OF FIRE)
当初対戦を予定していたルーク“HULK”カウディーロからシェイン・ウィガンドに対戦相手が急遽代わり、「相手がサウスポーという事を知らないで」試合に臨んだ緒形。1Rの序盤はやや戸惑った感じはあったものの、メインの試合をキッチリとKOで飾った。
1R、緒形はフットワークを駆使してリング上を大きく回る。ジャブ、そして左フックを多用する。これは相手にパンチが見えているかどうかを確かめていたようだ。セコンドの土井から「相手はサウスポーだから、右ミドルを使って!」とのアドバイスが飛ぶと、緒形は声に従って右ミドルを次々とクリーンヒットさせていく。(緒10-9シ、10-10、10-9)
後半になるとパワーを増した感のあるローキックと、ここぞという場面で右ストレートを放ち調子の良さを窺わせる緒形。レスリング出身だというウィガンドが投げの体勢に入ると、ヒザ蹴りで防いで逆に首相撲から相手の体勢を崩してマットに転がす。
2R、相手の力量を見切った緒形は一気にラッシュを仕掛ける。パワフルなローで切り込み、右ストレートからの連打を決めてダメ押しの右フックで最初のダウンを奪うと、2度目もローキックでウィガンドをロープに詰めての右フックでダウンさせる。最後はハイキックを狙ったが、ウィガンドが掴んできたため同じ右フックでトドメを刺した。
「本日は寒い中、ありがとうございました。最近はフラストレーション溜まる事が多くて、K-1にも出なくて良かったと思ってます。内容も最悪だし、判定も酷くて。本物を見たければ、ぜひSBに来てください」と、緒形は公開練習時のコメントに続いて吼える。「昨年はS-cupで10年かけてやってきたものが、1分30秒で終わりました。でも、まだまだですので、また上を目指していきます。あと、土井が最近元気ないので、またよろしくお願いします。SBの20周年、大爆発させるように頑張っていきます」と、エースらしく締め括った。
●緒形のコメント
相手はパンチが見えてないのが1R見て分かったので、2Rで倒しに行った。多分レスリングをやってたので、組んできたら力あるかと思ったけど、大した事なかった。自分、相手がサウスポーだって知らなかったんですよ。やりづらかった。右だったらもっと早く終わってたと思う。本当はアッパーで倒したかったんですけど。
(セミは)かなり盛り上がってた。いい試合だったと思います。今日の僕は相手云々は言えない。ただ宍戸VS菊地に負けない試合をしよう、気持ちよくお客さんに帰ってもらおうと、それだけ考えていました。(二人の在は)危機感はある。あの二人は凄い集中力と技術を持っている。あの二人はK-1に出しても負けない。そのレベルに来てる。脅威です。でも、もし二人が僕とやりたいなら、いつでもやってやるという気持ちを持ってます。避けてたら競技が大きくならない。
MAXは内容が酷かった。あの判定はない。(強く言ってるのは)文句じゃなく、みんなが思っている事を言っているだけ。マスコミもそう思っているんでしょう? 出ている選手は言えないだろうから、僕が代わりに言ってるんです。あんな事はやっちゃいけない。みんなが思ってるから、我慢できなかった。
次の試合は6月です。S-cupを武道館でやるという話もあるので、てっぺんを目指したい。(フラストレーションは)全く晴らせないですね、ゼロです。
▼SB日本ウェルター王級座決定戦 67kg契約3分5R
S-cup2004準優勝、前日本Sライト級王者
○宍戸大樹(シーザー/174p/66・95s)
判定3-0 ※50-49、50-49、50-47
同級2位
●菊地浩一(寝屋川/175p/66・85s)
S-cup準優勝者と12勝無敗。SBの近い将来を担う新星同士が早くも激突! 試合前から大きな注目を集めた好カードは、予想以上の大熱闘となった。
1R開始直後から、両選手へのそれぞれのコールが会場内に響き渡る。お互いにローと前蹴りを蹴り合うが、ミドルも交えて距離を取るのは宍戸。前へ出て行く菊地は左ストレートから、これまであまり見せなかった左ハイキックへと繋げる。宍戸はジャブと前蹴りで菊地のローを牽制しながら、ヒジ&ヒザで攻めて行く。(三者とも10-10)
2R、宍戸はローキックを多用。バックブローからハイキックのコンビネーション、ところどころにバックキックを混ぜて撹乱していく。ローキックで崩してハイを振るなど、上・中・下に多種多様な攻撃を散らしていく得意の戦法だ。菊地も負けじとバックブローを返し、ハイ&ローキックを出していくが、このラウンドは手数で宍戸が上回った。(宍10-10菊、10-10、10-9)
3R、左ミドルを軸にヒジ、パンチ、ハイキックと次々と攻撃を繰り出す宍戸。バックキックを三連発! 菊地は実直に前に出て、ローとパンチ。左ストレートで宍戸をコーナーへ追い込む場面もあったが、宍戸はスタンディング・チョークで切り替えす。(10-10、10-10、10-9)
4R、勝負を掛けた菊地が前に出る。左ストレートを主軸に得意のローキック。宍戸がやや下がる場面もあったが、ハイキックを放って逆襲。パンチで逆に前へ出ると、菊地も左ストレートで応酬し、凄まじい打ち合いに。打ち合いの中でも攻撃の変化を行う宍戸は、突如スタンディング・アームロックに菊地を捕らえるが、もつれ合ったところでゴング。この試合のベストラウンドに、歓声と悲鳴が巻き起こった。(三者とも10-10)
5R、パンチ、ヒジ、バックブロー、ローと圧倒的な手数で押し切る宍戸。バックキックをクリーンヒットさせてボディを効かし、一気にヒザ蹴りで仕留めにかかる。劣勢に立たされた菊地はパンチで逆転を狙うが、宍戸がダメ押しのバックブローをヒットさせて試合終了。(三者とも10-9)最後のラッシュが生きて、宍戸が判定勝利を収めたが、ポイント差以上の差が両者にはまだあったと見えた。
「菊地選手は自分にとっては強敵でした。ホントに苦しい試合でしたけど、皆さんの声援が後押ししてくれました。今年SBが20年を迎えて、これからも激しい、素晴らしい試合が続いていくと思います。応援お願いします」と謙虚なマイクアピールを行った宍戸。
文字通りの大熱戦であり、大攻防戦だった。さらにキャリアを積んだ両者の闘いを、また見てみたい。新たなるライバルストーリーが、この日、その第一章を刻んだのである。
●シーザー武志会長のコメント
SBの魂を見た感じ。吉鷹×大江以来の、新しいSBのライバル対決が出来ると思う。実力は違うけど、菊地の気持ちが強かった。宍戸も受けになるとパンチをもらって退いちゃうからね。5Rがあっという間に終わった感じがした。菊地も初めて負けて、また大きくなれる。負けるとマイナス部分が見えてくるからね。宍戸も何度も負けて大きくなったんですよ。1R終わった時に“こんなもんか”って顔をしてたから、“バカヤロウ!”って言いました(笑)。今日、一つのドラマが生まれましたね」
▼エキスパートクラス 59kg契約3分5R
SB日本スーパーフェザー級2位
○歌川暁文(U.W.Fスネークピットジャパン/169p/59s)
判定3-0 ※三者とも49-46
SB日本フェザー級5位
●菊田光正(寝屋川/165cm/58・3s)
1R、菊田がストレートで打ちに行き、歌川にロープを背負わせたが、カウンターの右フックでガクッと腰を落とす。そこへ歌川が連打を決めていきなりダウンを奪う。歌川は飛びヒザ蹴りを連打して倒そうとするも、菊田がパンチで盛り返した。(三者とも10-8)
2R、お互いにボディを打ち合う。歌川はヒジを入れながらパンチを狙い、菊田はストレートで前へ出続けて距離を詰めようとする。歌川は蹴りがいつもより少なく、パンチで打ち合う場面が多い。歌川のボディを攻めてのヒジ、左右ストレートが当たっているが、菊田は怯まずに前へ出てパンチを当て返す。(歌10-10菊、10-10、10-9)
3R、菊田が左フックでグラつかせてのアッパーをヒットさせるが、全体的にラウンドの流れを支配していたのは歌川。ミドルが多く出て、右ローを効かせた。前蹴り、ヒザ蹴りも入れて菊田の手が止まる場面もあった。(三者とも9-10)
4R、パンチから右ロー、左ミドルから右ローとコンビネーションを繰り出す歌川。菊田はパンチ主体で前傾姿勢のため、ローをもらうと足がくの字に。菊田の手が止まり気味で、歌川がパンチからローに行く。(三者とも10-9)
5R、歌川が右フックでグラつかせる場面も。左ミドル、右ローをヒットさせて、菊田がパンチで来るとローを合わせる。自分からはヒジとミドルで攻め、パンチもまとめて入れてやはり右ローキックに繋げる。歌川はスタミナがかなりキツそうだったが、最後は根性を見せて押し切った。(10-9、10-9、10-10)
▼エキスパートクラス 58kg―60kgグローブハンディ契約3分5R
SB日本フェザー級4位
○石川剛司(シーザー/170p/58s)
判定3-0 ※50-45、50-44、50-44
●森本達也(日進会館/178p/60・7s)
7勝(6KO)無敗、31歳の遅れてきた新人・石川が苦しい試合を乗り切った。
1R、石川が前へ出て左右フックからの首投げでシュートポイント。その後も強烈な左右フックとヒジの連打でダウンを奪い、もう一度の首投げでシュートポイントを追加した。残りの時間もヒザ蹴りとフックのラッシュを仕掛けるが、仕留めるには至らなかった。(三者とも10-6)
2R、前のラッシュでスタミナ切れを起こした石川。それでも右ボディストレートから返しの左フックをヒットさせる。相手がパンチで来た時も、返しの左フックを確実に当てて行く。石川は苦しい状態ながら、セコンドの声をよく聞いてローキック、前蹴り、ミドルもヒットさせていく。(三者とも10-9)
3R、石川はすでにフラフラの状態になっていたが、それでも組み付いてヒザ蹴りを入れる。森本は右ストレート、ヒジで追い上げようとするも、石川は必死に組み付いてテイクダウンする。(三者とも10-10)
4R、組み付くことの多い石川だが、相手が打ちに出てくると打ち合いに応じて、前へ出て強力なパンチを当てて主導権を握る。森本は飛びヒザ蹴り、前蹴りと蹴りでは上回るも、パンチの打ち合いでは勢いで押されてしまう。(石10-10森、10-10、10-9)
5R、石川は苦しい状況ながらも打ち合いでは必ず勝つ。苦しさから組み付く場面も多いが、その中から首投げを決めてシュートポイントを追加。スタンディング・フロントチョーク、スタンディングの肩固めなど立ち関節技も狙っていくが、これは失敗。森本は飛びヒザ蹴りを連発して逆転をはかるが、石川は組み付いてのテイクダウンで逃げ切った。(10-10、10-9、10-9)
▼エキスパートクラス 68kg契約3分5R
SB日本スーパーウェルター級
○NIIZUMAX!(クロスポイント吉祥寺/171p/67・15s)
延長1回 判定3-0 ※三者とも10-8
SB日本ウェルター級5位
●関本 宏(寝屋川/170p/67・2s)
本戦は三者とも47-47でドロー。延長戦に入り、ラスト20秒のところでNIIZUMAX!がバックドロップ! これでシュートポイントが入り、NIIZUMAX!が勝利した。
▼エキスパートクラス 71kg−69kgグローブハンディ契約
SB日本ウェルター級
○金井健治(ライトニング/172p/68・15s)
判定3-0 ※50-46、50-46、50-45
SB日本ミドル級
●藪 英平(龍生塾/172p/71s)
▼フレッシュマンクラス 67kg契約3分3R
SB日本ウェルター級
○菱田剛気(RIKI)
KO 1R1分49秒
SB日本ウェルター級
●関戸一智(湘南)
▼フレッシュマンクラス 65kg契約3分3R
○デビル荒川(クロスポイント吉祥寺)
KO 2R2分40秒
SB日本スーパーライト級
●五味慎一朗(湘南)
▼フレッシュマンクラス 55kg契約3分3R
SB日本スーパーバンタム級
○池田拓磨(寝屋川)
延長1回 判定3-0 ※三者とも10-8
SB日本スーパーバンタム級
●大藪大志(シーザー)
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