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【新日本キック】武田、弱タイ人に物足りないKO勝ち

2005/05/29



「SLEDGE HAMMER」

新日本キックボクシング協会
2005年5月29日(日) 東京・後楽園ホール
開場・16:45 開始・17:00


▼トリプルメインイベント 70kg契約 3分3R
○武田幸三(治政館)
KO 1R0分33秒 ※右ローキック
●フェートパヤック・サックタウィン(タイ/ラジャダムナン・Sウェルター級9位)

 トリプルメインの大トリに登場した武田。フェートパヤックに開始早々から強烈な右ローキックを放っていく。大きくバランスを崩し、体が泳ぐフェートパヤック。左インローから武田が矢継ぎ早に右ローを叩き込んでいくと、フェートパヤックは早くもダウン。そのまま立ち上がる事が出来ず、武田が物足りないKO勝利を収めた。

 両手を広げて無念さをアピールする武田は、「自分なりに一生懸命練習してきたんですが…申し訳なく思っています。8月にTITANSで世界タイトルマッチをやりますので、K-1の選手もいっぱい上がってくるので協会VSK-1みたいになります。協会にもいい選手がいっぱいいますので、よろしくお願いします」と、KO勝ちにも関わらずファンに謝罪した。

 敗れたフェートパヤックは、ヒ骨骨折の疑いがあるという事で病院へ運ばれる予定だったが、「大丈夫」と言い残して病院へ行かずシャワーを浴びて帰ってしまったという。フェートパヤック自身は「自分で蹴った時に足を痛めた」と漏らしていたという。

●武田の試合後のコメント
「(MAXで負傷した)右足はもう大丈夫です。次の試合でお客さんが喜ぶ試合をして、挽回したいです。HERO'Sからオファーが来ました。個人的には凄く出たいんですが、自分は協会の人間だし、まだK-1で勝っていないので。リングに上がる前は、選手は一番不安になるので、明日どうなるか分からないからカミさんと子供の事を直前まで考えてました。ローキックは全部フルスイング、折ろうと思って蹴っているので、一発目から手応えがありました」





▼トリプルメインイベント フェザー級 3分3R
○菊地剛介(伊原/日本フェザー級王者)
判定3-0 ※30-26、30-26、30-26
●梁 韓龍(韓国/前韓国フェザー級王者)


 1Rから思い切ったワンツーを放ってくる梁は、パンチ力がある事を感じさせる。それに対して菊地は蹴り込みの深い右ローキックで奥足を狙う。梁の蹴り足をキャッチしてはマットに投げつけてスタミナを奪い、右フックでダウンを奪った。




 2R、両者とも相手の蹴り足をキャッチしては投げ、組み合っては投げと投げ合いを展開。菊地は自らの左ローで左のスネから出血が見られる。梁もワンツーを強打してくるため、油断のならない菊地。右ローを効かせてこのラウンドを終了した。

 3R、他の試合同様に新しいキャンバスが滑りやすく、両選手ともツルツルと滑ってバランスを失い、レフェリーまでもが滑る。菊地はがに股になって滑るのを防ぎつつ、ローで崩してのパンチ。右ストレートからの左フックをヒットさせ、組んでは投げ倒す。終了間際には左フックでダウンを奪い、カウント途中でゴング。菊地が大差で圧勝した。


▼トリプルメインイベント ライト級 3分3R
△石井宏樹(藤本/日本ライト級王者)
判定0-1 ※30-30、29-30、30-30
△デンターサイ・ギャットウィワット(タイ/ラジャダムナン・ライト級10位)

 ラジャのランキング入りを賭けた一戦。ここで勝って、スッキリと8・23代々木での『TITANS 2』でのラジャ王座挑戦を決めたい石井であったが…。

 1R、左フックからの右ストレートを始め、ローで崩してスピードのあるコンビネーション・パンチを繰り出す石井。デンターサイのハイキックをスウェーバックでかわし、軸足へローキック。

 2R、離れては不利と見たか、デンターサイは組みヒザで勝負をかける。石井は右ストレート→左フック→右アッパーと軽快にコンビネーションを決めるも、タイ人がすぐに組み付いてくるためダメージを負わせるまでに至らない。デンターサイはロープ際でヒジを繰り出し、石井は攻めあぐねる。

 3R、やはり組んでくるデンターサイに、石井もしっかりと組んで組み負けない。接近してくるデンターサイへ2度バックブローを狙ったが不発。石井が打ち合いに行くも、右のカウンターをもらってアゴが跳ね上がる。石井はすぐに組んでのヒジで追撃を許さず、ラストにはミドルに合わせた左フックでデンターサイをグラつかせた。しかし、結果はドローとなった。




第11試合 バンタム級 3分3R
○蘇我英樹(市原/バンタム級3位)
判定3-0 ※27-26、28-27、27-26
●深津飛成(伊原/フライ級1位)

 今大会のベストバウトともいえる激しい打撃戦が繰り広げられた。バンタムに階級を上げた深津が、バンタム級トップランカーの蘇我に挑んだ一戦である。

 1R、両者とも新しいキャンバスを張ったリングがツルツルと滑り、いかにも闘いにくそう。今大会ではこのツルツルの新キャンバスに全選手が手こずった。蘇我が打ち合いに行ったところで、ロープを背負った深津も打ち合いに応じようとしたが、深津の左に曽我が左を合わせてダウンを先取。

 飛びヒザ蹴りを繰り出すなど、一気に仕留めに行った蘇我だったが、今度は深津が左のカウンターでダウンを奪い返す。深津はローから左右のフック、蘇我もパンチを返して激しく打ち合う。1R終了のゴングが鳴ると、両者は立ち止まって睨み合う。

 2R、開始早々から激しい打撃戦が繰り広げられ、蘇我のローからの左フックで深津が2度目のダウン。深津の左目下が大きく腫れがって行く。しかし、深津も左ローキックを効かせて逆襲に転じ、場内は大歓声に包まれていく。

 3R、それまでローキック一辺倒だった深津が右フックを大きく振り回すと、蘇我がスリップ気味のダウンを喫する。フラッシュダウンで蘇我はすぐに立ち上がり、飛びヒザ蹴りや左右フック。両者はキャンバスに足を滑らせながらも激しい打ち合いを展開し、最終のゴングを聞いた。判定は完全なるダウンを2度奪った蘇我を支持、敗れた深津も潔く勝者を祝福した。


第10試合 フェザー級 3分3R
○岡田武士(トーエル/バンタム級1位)
KO 1R1分13秒 ※右ミドルキック
●大刀国秀(藤/フェザー級2位)

 岡田がローとパンチで積極的に前へ出て、大刀がミドルを蹴るという展開だったが、岡田がパンチから右ミドルをキレイに決めると「ビシッ!」という乾いた音が鳴り響き、大刀はもんどりうってダウン。悶絶して倒れたため、レフェリーがすぐに試合をストップした。

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