ALL JAPAN KICKBOXING 2005
『SUPER FIGHT』
全日本キックボクシング連盟
2005年7月24日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:30(オープニングファイト17:45)
▽日本VS世界 5対5マッチ
▼第7試合 大将戦 日本VSオーストラリア 62.5kg契約 3分5R
○小林 聡(藤原ジム/WKA世界ムエタイ・ライト級王者)
TKO 3R1分45秒
●デビッド・リー・ホイ(オーストラリア)
2勝2敗と五分で迎えた対抗戦の大将戦。ベルトを巻いて入場したホイ。小林はなぜか「あんたが大将」を前奏に、いつもの「キッズ・リターン」のテーマに乗って、大きな手拍子に迎えられての入場。
1R、飛んでのパンチ、トリッキーな動きから潜り込んでのアッパーを見せるホイ。小林は左インローを放っていき、ホイのジャブに合わせて右ロー。相手の攻撃をしっかり両腕ブロック、右ローを返す小林。ジャブ、打ち合いにきたホイへ左フック、そして右ロー。小林が右ローを四発連打したところでゴング。
2R、いきなり小林が右ロー。サウスポーに構え、左ハイキックを見せる。長いリーチからアッパーを伸ばすホイ、小林をロープに詰めて左右のフック。小林は左ハイから右ロー、相手のパンチを誘って右フック、左ボディからボディを連打して一気にロープ際まで詰める。あからさまに嫌がるホイ。しかし、ここは一度退く小林。パンチを誘って左フック、右フックからレバーブロー、ボディへパンチを集めていく。
3R、小林はジャブから右ロー2発、右フックから左ボディ、そしてヒザ蹴り。ホイが左フックを放ってくると、右フックの鮮やかなカウンターでダウンを奪う! 小林は続いて左右の連打でロープへ詰め、レバーブローでダウンを追加。立ち上がったホイだったが、レフェリーが試合をストップした。
小林はマイクを握ると、「皆さんの納得いくようなアレじゃないかもしれないけど、俺は闘うために生まれてきたんだ! 誰が何と言おうと、行ける所まで突っ走るよ!」と絶叫した。
●小林のコメント
「相手のレベルはこれだけやってれば読めるんで。でも、相手はガッツありました。向こうはジャブが多くて、顔の一箇所にしか来ないので左に右を合わせようとしていた。最初のダウンをとるまで、パンチが堅かったですね。(新しいスタイルは)腰を落として、自分の気を落とすんですけど…まだ途中なんで。技術的なことは俺には聞かないで下さい(笑)。忘れた頃に完成しますよ。まあ、飽きずに見ていてください。
(外のリングに出ることは?)僕の耳にはまだ入ってきてない。そろそろいらなくなったので、外で使うって感じなのかな(笑)。1週間くらい休んで、先生と連盟と相談します。
とにかく俺は、突っ走るだけなんで。自分の行ける所まで。結果を出してすぐやめちゃう人もいれば、柔ちゃんみたいにオリンピック獲っても何連勝する人もいる。そういう人は選ばれた人間だと思っている。人の価値観はどうでもいい。俺らしくやります」
▼第6試合 副将 日本VSタイ フェザー級 3分5R
○ゲーオ・フェアテックス
(フェアテックス/タイ国プロムエタイ協会フェザー級王者/ルンピニースタジアム同級3位)
判定3-0 ※49-48、50-46、50-48
●山本元気(REX-JAPAN/全日本フェザー級王者)
ゲーオ陣営は入場曲に合わせて、腰をフリフリ踊りながらの入場。最後尾に位置する本人は戸惑い気味なのが笑いを誘う。一方の山本はガウンも着ないで早足での入場。ゲーオのワイクーに続き、試合開始だ。
1R、サウスポーに構えるゲーオ。山本は左ローを、ゲーオも右ローを飛ばしていく。その最中、ゲーオはいきなり左ハイをヒットさせる! 山本の右ストレートに空を切らして左ミドル。前蹴りで突き放し、近づいてくると左のストレート、さらにヒジが空を切り裂く。山本はボディストレート、軸足払いで転倒させる。ゲーオは山本の前足を狙った前蹴り。
2R、山本はジャブからボディストレート、連打でロープ際へ追い詰めていくが、ゲーオも打ち返す。山本の出鼻を挫くような右ジャブ、山本もジャブを出して右を伸ばしていくが、ゲーオはヘッドスリップでよけて左ミドル。前へ詰めていく山本は左右フックの連打、ゲーオは左ストレートを伸ばし、山本が打ってくると近距離での左ハイ、出鼻を挫くようなジャブを出していく。一瞬たりとも目が離せない、緊張感のある展開が続く。
3R、ジャブから左ストレートを伸ばすゲーオ、山本も右ストレートを打ち返す。ゲーオの右ジャブで山本の左目辺りが腫れる。左の蹴りでプレッシャーを与えるゲーオ、山本は飛び込んでの右フックをヒットさせる。パンチで追っていく山本だが、捕まえきる事が出来ない。山本はワンツーから左ミドル、しかし、すぐにゲーオが左ハイ。山本がフェイントをかけて右フック、ゲーオも左ストレートを打ち返す。
4R、連打で来る山本に左フック、さらに左ストレートを打ち返すゲーオ。ゲーオも打ち合いに応じて、山本のアッパー、左フックが当たり始める。ゲーオもヒジで返す。打ち合いに応じるゲーオに山本のパンチが当たる。焦りの表情を見せるゲーオ。山本はステップインしての右アッパーから左右フック。ゲーオは首相撲に捕らえて山本の動きを封じる。リング中央でヒジの相打ち! しかし、右目上が切れたのは山本の方。前へ出る山本にゲーオは左ハイ、前蹴り。ワンツーをヒットさせ、山本のパンチは避けていく。
5R、詰める山本にゲーオの左ミドル、連打を決めようとする山本だが、空振りが目立つ。ゲーオは山本のミドルキックをキャッチして、足首を引くようにしてバランスを崩しての左ミドル! ここで2度目のドクターチェック。再開後、左ストレートを伸ばすゲーオ、飛び込んでの山本の右がヒットするも、後が続かない。詰めていく山本、かわして蹴るゲーオ。連打を決めたい山本だったが、パンチは空を切り続ける。ロープを背負ったゲーオはパンチで詰める山本へバックヒジ! ステップを使って前蹴り、逃げに入ったゲーオを山本が捕らえる事は出来なかった。
●山本のコメント
「強かったです。パンチを当てさせてもらえなかった。4Rに倒しに来たので、本気になってくれたのかなと思うから、最低目標は達成できた。いい訳ができないくらいやられて負けましたね。ボロ負けでした。今の俺の力じゃ勝てないですけど、1年後にゲーオとやらせてもらえるなら、どれだけ成長したかを見るのが楽しみ。全部レベルアップしないと勝てないですね。比べ物にならない。俺なんか、やらせてもらえただけでも光栄です。
4Rの攻めはキツかった。こいつ、本気になったって思いました。でも俺のパンチで面食らってたし、そういう意味では手応えもあった。俺のパンチにビビッてた。それだけが成果です。
俺は最後まで抵抗してやるつもりだった。5R、出たかったんだけど、相手が巧くて突っ込みきれなかった。効いた攻撃はないですけど、巧かった。かわしてすぐ蹴ってくるし、攻撃してもすぐ蹴り返してくるし、ちょっとでも俺が下がったらドンドン来るから休めない。ちょっと俺が休もうとすると、すぐに蹴ってくる。俺の蹴りが当たったのはビックリしたけど。チャンスはなかった。
今日は作戦もクソもない、セコンドには作戦ナシって言いました。思い切り蹴って、殴るだけでした。悔しいですね。でも、同じヤツともう1回やりたい。今の俺じゃダメだけど、1年後にもう1回やってみたい」
▼第5試合 中堅戦 日本VSイギリス ライト級 3分5R
○リアム・ハリソン(バッドカンパニー/WAKO-PRO世界ライト級王者)
KO 2R2分9秒
●増田博正(スクランブル渋谷/元・全日本&J-NETWORKフェザー級王者)
1R、増田が右ローと左インローを狙い撃ち、ハリソンもパンチとハイキックを狙っていくが、増田は落ち着いて捌いていく。
2R、増田がいい感じで攻めていたが、ハリソンはハイを連発。しっかりカットしていた増田が左ミドルを放ったところで、左へ周りながらハリソンが蹴り足をキャッチして強烈な左フック! 一発で増田をマットに沈めた。
▼第4試合 次鋒戦 日本VSスイス 67kg契約 3分5R
○山内裕太郎(AJジム/全日本ウェルター級王者)
KO 4R1分23秒
●ミルコ・カーン(FIGHT CLUB ZURICH/WKNスイス・ムエタイ・ウェルター級王者)
1R、ミルコがゴングと同時に猛ダッシュ、強力なパンチを叩き込み、ハイキックを繰り出していく。最初のパンチで右目を塞がれた山内だったが、ラッシュをかけるミルコのパンチに耐えて、ローを返していく。前半のラッシュのせいで後半バテ気味になったミルコへ、山内は右ストレートとローで前へ出る。
2R、ミルコは1Rとはうってかわってドッシリと構えて山内の出方を見る。山内の蹴りをキャッチしてパンチを返そうとするミルコだったが、山内はローを当ててパンチへ繋げる。
3R、思い切った右のパンチで勝負に出るミルコ。山内はローでロープ際へ詰めて、ローの連打でダウンを奪う。立ち上がったミルコへまたもロー、そしてミルコのローに併せて蹴ったローで2度目のダウンを追加。ミルコも右の一発狙いで逆襲を図り、あと一歩のところでゴングが鳴った。
4R、山内は左ミドルから左右のロー。ミルコは蹴り足をキャッチしての右ストレート、思い切った右フックで逆転を狙うが、山内のロープへ詰めていっての左ミドル一閃! ミルコは悶絶して倒れた。
▼第3試合 先鋒戦 日本VS韓国 55kg契約サドンデスマッチ
○寺戸伸近(BOOCH BEAT/全日本バンタム級3位)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-27
●”オルチャン”クォン・ミンソク(韓国)
対抗戦の第1試合は、16歳の美少年クォン(ニックネームの「オル」は顔、「チャン」は一番の意)を寺戸が迎え撃つ。
1R、スピードのある連打からショートレンジでのハイキックを狙うクォン。スピードとキレを感じさせる攻撃だ。寺戸はそのパンチをかわしてのロー。ジャブからローといいタイミングで当てていく。
2R、スピードのある連打とハイキックで攻めるクォンだったが、寺戸のローを浴びて失速。寺戸は右のパンチをヒットさせると一気にダッシュ、フックの連打でクォンをロープ際に詰める。ここでパンチの打ち合いになるが、押しているのは寺戸。レバーブローから左フックのダブル、ローキックと攻めていく。
3R、ワンツースリーからローを蹴っていく寺戸に、クォンもパンチを返してハイキックを狙っていくが、ローを蹴られて足が揃う場面も。寺戸はボディ攻めからローへ行くも、後半はスタミナ切れ。コーナーに詰めてのボディストレートから左右フックを見せるも、次第にローキックだけになり、両者バテ気味で最終回のゴングを聞いた。
▼第2試合 日本VSペルー ミドル級 3分3R
○モネ・ハビエル(ペルー/峯心会)
判定3-0 ※29-27、29-28、29-28
●中園貴宏(S.V.G.)
1Rは中園が周りながらのローキック、モネが前へ出てくると前蹴りと巧く闘ったが、2Rの開始直後にモネの出会い頭の左飛びヒザ蹴りがクリーンヒット! 中園がダウンを喫する。
モネはストレート、首ヒザで仕留めにかかるが倒せず、後半になってスタミナ切れ。今度は中園が右ストレートをヒットさせる。モネも前傾姿勢になる中園へテンカオ。
3R、「ローを蹴れ」というセコンドの声を無視して、右ストレートで飛び込んでいく中園。モネは前かがみになったところへヒザを狙い打ちするが、手数が減ったため中園が飛び込みざまの右ストレート一本で攻め込んでいった。
▼第1試合 日本VS韓国 70kg契約 3分3R
○伊藤崇文(パンクラスism)
判定3-0 ※30-27、30-28、30-28
●ハイパー・キック・リー(韓国)
1R、ローを蹴っていく伊藤に対し、リーは高い蹴りを合わせていくがスピードがない。伊藤はリーの高い蹴りをよけてロー、パンチで攻めていく。
2R、パンチの打ち合いとなってリーが鼻から激しい出血。しかし、伊藤も前に出る事ができずに押し合いへし合いが続く。
3R、リーが蹴りとパンチで前へ出る。伊藤はワンツーをヒットさせて飛びヒザ蹴りを2発、打ち合いに行ってリーの右フックにグラつかされたが、すぐに飛びヒザを返してパンチで凌ぎきった。両者ともスタミナ切れでフラフラだった。
▽オープニングファイト
▼第3試合 ミドル級 3分3R
○白川裕規(S.V.G.)
不戦勝
●渡辺真治(CUC)
▼第2試合 ウェルター級 3分3R
○HIROAKI(峯心会)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-28
●荒井崇志(SOUL GARAGE)
▼第1試合 ウェルター級 3分3R
○小宮龍司(TEAM-1)
判定3-0 ※30-28、30-28、30-28
●佐藤龍男(大誠塾)
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