全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2005
「CROSS FIRE」
2005年8月13日(土)東京・後楽園ホール
開場PM5:00 本戦開始PM6:30
オープニングファイト開始PM5:15
▼メインイベント CROSS BOUT 全日本キック対NJKF 58kg契約キックルール3分5R
○前田尚紀(藤原/全日本フェザー級1位)
KO 2R2分31秒 ※右フック
●岩井伸洋(OGUNI/NJKFフェザー級王者)
前田はいつもどおり序盤から動き回り、強い右ローと右ストレートを出してパワフルに攻める。岩井はジャブを突いてミドルキックで距離をとろうとするも、前田の突進を抑える事が出来ない。ステップとヘッドスリップを使って標的を定めさせず、自分は上下へと攻撃を散らしていく前田。岩井が打ち気になったところでカウンターの右ストレートをヒットさせてダウンを奪った。
2R、前田が猛攻を仕掛ける。フックからパンチをまとめて叩き込み、ローキックへとつなげる。岩井も打ち合いに行き、両者のパンチが激しく交錯。しかし、パワーと手数に優るのは前田の方。パンチの打ち合いの中にもローを混ぜ、上下に振り分け、しかもそのどれもが重い。
岩井が打ち合いに乗ってきたところへ前田の左がカウンターで炸裂し、岩井はまたもダウン。かなりのダメージが感じられたが、試合は再開されて前田が一気に畳み掛け、最後は右フックでKO。前田は珍しく倒れた岩井の前に仁王立ち、見下ろすようにして「立ってくるなら来いよ」とばかりに睨み付けた。
NJKF王者に完勝の内容だったが、前田は「自分のペースで最後までやれなかった。練習の成果はまだ30%くらいしか出せていない。タイトル挑戦? まだまだ全然。納得のいく動きになっていないので、無理だと思いますけど」と自分にダメ出し。「自分の動きを修正したいです。少し…いや全部です」と、さすが“闘う修行僧”というコメントを残した。
●前田のコメント
「強かったです。気持ちが強いのがよく分かりました。気持ちが強いと聞いていたので、その通りだと思いました。(全日本キックの看板を背負う気持ちは?)いえ、まったく。たまたま上の人たちが出られなかったから、上に持ってきてもらっただけです。たまたま勝ちを拾っただけで、勝ったとは思っていません。1Rのダウンはフラッシュダウンでした。(見下ろしていたのは)立ってきたらここぞとばかりに攻めようと思っていただけです。(珍しく感情的に見えたのは)流れですね。相手は気持ちが強くてガッツのある選手でした。やってる最中は無我夢中でした。相手のジャブは全然気になりませんでした。セコンドからは自分のペースでやれと言われたのに、最後まで自分のペースでやれなかったと思います」
▼第8試合 CROSS
BOUT 全日本キック対NJKF 67.5kg契約サドンデスマッチ
○湟川満正(AJ/全日本ウェルター級3位)
TKO 3R0分54秒 ※タオル投入
●加藤 健(OGUNI/NJKFウェルター級4位)
激化する全日本キック対NJKFの対抗戦がメインとセミに組まれた。
1R、加藤は長いリーチからのワンツー。湟川はそのパンチに合わせて右ロー。これが早くも効き始め、加藤の足がくの字に曲がる。加藤は積極的にワンツーで前へ出ようとするが、その度にローを合わせられてしまう。
2R、湟川の右ローが鋭く決まり始める。加藤はパンチを狙って行きたいがローに阻まれ、湟川もパンチからローへとつないでいく。加藤は組み付いて、何とかこのラウンドを凌いだ。
3R、組み付いてくる加藤を引き離し、湟川は右ローで畳み掛ける。この連打で加藤はダウン、立ち上がるもコーナーに寄りかかって立つのがやっと。再開後、加藤はやはり組み付きに行くも、右ローで2度目のダウン。セコンドからタオルが投入された。
▼第7試合 CROSS
BOUT 全日本キック対J-NETWORK 70kg契約サドンデスマッチ
○山内哲也(アクティブJ/J−NETWORKミドル級王者)
延長1R 判定3−0 ※10−9、10−9、10−9
●千葉友浩(TEAM−1/全日本ウェルター級4位)
全日本キックの圧勝に終わった団体対抗戦だが、その中で気を吐いたのがJ-NETWORK勢だった。藤原王子の勝利を受けて、ミドル級王者の山内が1階級下の千葉に意地を見せ付けた。
1R、山内はローを出して周りながら、千葉が蹴ってくるとストレートを合わせようとする。千葉は左ミドルを蹴ってパンチにつなぐ。山内はインに入っていってのパンチ連打を狙っていくが、千葉のミドル、パンチに阻まれる。
2R、千葉が左ローを効かせて左ミドル、ハイキックと蹴りを散らして山内を寄せ付けないかに見えたが、ここで粘った山内が前へ出てパンチを出し続け、ミドル、フック、アッパーを当てていく。
3R、山内が驚異的なスタミナで手数を出して攻めまくる。千葉のミドルやローをもらっても前へ出続け、懐に入ってのフック連打とロー&ミドル。千葉もミドルで応戦するが、山内の猛追を止める事ができない。
判定は全員29−29で延長戦へ突入。千葉はすでにバテ気味だったが、山内のスタミナは全く衰える事を知らず、手数を出してどんどん前へ出てくる。千葉をコーナーへ追い詰めて連打を決める山内。千葉も左右フックを返すが、山内は構わず連打を入れていって止まらない。驚異的な手数にさらされた千葉は、ほぼ棒立ち状態となってゴングを聞いた。
▼第6試合 CROSS
BOUT 全日本キック対MA日本キック ウェルター級サドンデスマッチ
○大 輝(JMC横浜/全日本ウェルター級9位)
KO 2R1分21秒 ※右ローキック
●網島容一(山木/MA日本ウェルター級7位)
デビュー以来5勝(3KO)無敗のホープ、大輝が対抗戦に出陣。対する綱島は黒星が先行しているものの、4勝全てがKO勝ち。
1R、大輝がパンチから蹴りのコンビネーションで軽快に攻め込んでいくが、コンビネーションの途中にカウンターの右ストレートをもらい、ダウンを喫する波乱が勃発。綱島は手数こそ圧倒的に劣るも、一発の強さがあるようだ。しかし、大輝は体勢を立て直すとワンツーからロー、レバーブローを交えたコンビネーションと多彩な技を繰り出していく。
2R、コンビネーションに組み込まれている右ローで綱島の動きが止まる。大輝はパンチを上に集め、右ローを効かせての右アッパーでダウンを奪い返した。ここからは大輝の一方的なペース。そのままラッシュして右ローでダウンを追加し、ニヤリと笑いながら立ってきた綱島に左右フックをまとめて右ロー! もんどり打って倒れる綱島。大輝が6連勝を飾った。
▼第5試合 CROSS
BOUT 全日本キック対M-1 58kg契約サドンデスマッチ
○ラスカル・タカ(月心会/全日本フェザー級5位)
TKO 3R1分36秒 ※ドクターストップ
●赤羽秀一(ウィラサクレック・フェアティックジム/J-NETWORKフェザー級3位)
1R、ミドルキック中心の赤羽に、ラスカルはパンチで攻めていって左フックをヒットさせていく。赤羽もパンチを打っていくと、ラスカルが連打で迎え撃った。
2R、赤羽が戦法を変えてどんどん前へ出て行き、パンチを当てられてもパンチを返していく。さらに捕まえてヒザ。ラスカルも右ローと左右のフックで応戦するが、攻撃が軽いため赤羽に押される。
ところが3R、開始直後にラスカルのヒジが赤羽の左まぶたを切り裂いた! ドクターチェック後、試合が再開されると赤羽はパンチとヒザで勝負を賭ける。ラスカルは足を使って赤羽の突進から逃れ、逆にフックを当てていくと赤羽が再び流血。2度目のドクターチェックが入り、ここで試合がストップされた。
▼第4試合 CROSS
BOUT 全日本キック対MA日本キック 57kg契約サドンデスマッチ
○正 巳(勇心館/全日本フェザー級7位)
KO 1R2分21秒 ※右フック
●田中信一(山木/元MA日本バンタム級王者)
1R、足を使ってよく動く正巳。ハードパンチが売り物の田中はジリジリとにじり寄ってパンチを放っていくが、正巳のスピードについていけない。逆に正巳はカウンターを当てていき、右ストレート、右フックで田中を翻弄。田中が右フックでグラついたところを逃さず、ロープへ詰めて一気にラッシュ。
正巳は一歩退くと、田中が前へ出てきたところへ、左に合わせての右フック! 田中は棒のように体を真っ直ぐにして倒れ、レフェリーがすかさず試合を止めた。
▼第3試合 CROSS
BOUT 全日本キック対J-NWTWORK ライト級サドンデスマッチ
○藤原王子(レグルス池袋/J−NETWORKライト級5位)
KO 3R2分42秒 ※左ハイキック
●上杉武信(藤原/全日本ライト級8位)
1R、トリッキーな動きをする上杉がパンチで藤原を追い回す。藤原はそれをかわしての右フックを何度もヒットさせ、勘のよさをうかがわせる。それでも上杉が藤原を2度コーナーへ追い込み、パンチの連打。左フックで突っ込み、連打を決めていった。
2R、藤原は完全にカウンター狙いに切り替えた。上杉が飛び込んでくると、カウンターのミドル、テンカオ。上杉の動きが止まるが、左フックを当てて藤原の動きを止めると再び攻め込んでいく。
3R、藤原はやはりカウンター狙いで、上杉が入ってくると絶妙のタイミングでミドル、テンカオを合わせていく。さらには左ストレートでもカウンターを奪い、パンチ&ローで攻め込んでいく。激しい蹴り合い、打ち合いが見られ、藤原が頭を下げて飛び込んでいこうとした瞬間、藤原の左ハイキックがカウンターでヒット! 一発で終わったと分かるタイミングで、藤原が全日本キックに一矢報いた。
▼第2試合 ヘビー級 3分3R
○コウイチ・ペタス(ザ・スピリット)
TKO 3R1分55秒 ※タオル投入
●須田 渉(鷹虎)
1R、須田が巨体を躍らせてパンチを振り回しながら襲い掛かる。コウイチは回り込みながらの右ローを連打。それに続くパンチはパワーに欠ける。逆に須田はフックに右ミドルも織り交ぜ、パワーを感じさせる。
2R、コウイチは須田のパンチを掻い潜り、強い右ローを何度もヒットさせる。須田の巨体がローでグラつき、須田は一発狙いになってきた。コウイチは左フックから右ロー、ハイキックも繰り出して上下に攻撃を散らし始めて効果的にローを当てていく。
3R、コウイチは左右のフックからロー、ローと見せてハイキックまで繰り出し、コンビネーションが冴え渡る。須田をコーナーへ追い詰め、フックの連打から右ロー、須田をコーナーに釘付けにして右ロー三連打。須田が崩れ落ちると、セコンドからタオルが投入された。コウイチはセコンドのニコラス・ペタスと抱き合って、勝利を喜んだ。
▼第1試合 ライトヘビー級 3分3R
△コンボイ山下(超越塾/全日本ヘビー級7位)
ドロー ※30−30、29−29、29−29
△入月健一(S.V.G.)
▼オープニングファイト第4試合 フェザー級 3分3R
△遠藤智史(AJ)
判定1−0 ※30−30、30−28、30−30
△岩切博史(月心会)
▼オープニングファイト第3試合 ミドル級 3分3R
○横澤浩史(S.V.G.)
判定3−0 ※三者とも30−28
●掛野並樹(藤原)
▼オープニングファイト第2試合 バンタム級 3分3R
○那須儀治(大誠塾)
KO 3R0分18秒
●塩谷 洋(超越塾)
▼オープニングファイト第1試合 フェザー級 3分3R
△太田秀俊(鷹虎)
判定0−0 ※30−30、29−29、30−30
△甲野裕也(S.V.G.)
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