DETERMINATION《決心》7
「KICK GUTS2005」
マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟
2005年8月14日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始17:15
▼ダブルメインイベント UKF世界ライトミドル級選手権試合
3分5R
UKF世界ライトミドル級王者
△ディビット(真樹ジム沖縄)
ドロー 判定1−0 ※50−50、50−49、50−50
挑戦者・J-NETWORKウェルター級王者
△我龍真吾(ファイティングマスター)
※ディビットが王座防衛に成功。
1R、両者がフックからローのコンビネーションを交互に決める。我龍はワンツーのクリーンヒットを皮切りに一気にディビットを追い詰めていく。下がるディビットをパンチでドンドン追って行く我龍に、ディビットはリング上を走るように逃げる。後半には右ローキックを当ててミドルも決めるが、我龍のパンチに下がる展開は変わらない。
2R、我龍がワンツー、フックで追っていくが、ディビットもローを起点に逆襲に転じる。ディビットも前へ出てワンツー、ローを効かせて我龍の動きを止めた。
3R、我龍がパンチで前へ出て行けば、ディビットはワンツー、ローで押し戻す。ディビットはバックブロー、ハイキックも繰り出す。我龍はパンチで追って行くが、1Rほどの追い足はない。ディビットが強いワンツーを返す場面も。我龍は顔面前蹴りを2度クリーンヒットさせ、下がるディビットへパンチの乱打。
4R、疲れの見える我龍だが、それでもパンチで飛び込んでいく。ディビットは圧力をかけてくる我龍を押し返してのローを多用。我龍は顔面前蹴りからワンツーの連打、パンチで切り込んでいく。
5R、ディビットは下がりながらのミドル、我龍はパンチを振るって前へ出て行く。ディビットをロープに押し込んでのレバーブロー、ワンツー、フックと死力を振り絞っての乱打戦。我龍の大応援団から歓声が沸きあがり、後楽園ホールは大盛り上がり。ディビットもローを返していって、最終ラウンドが終了した。
判定は50−50のドローで「エーッ」という声が起こり、50−49でディビットに1ポイントが告げられると我龍のセコンドが怒りを露に、そして最後のジャッジ50−50でドローの裁定が下ると、場内に怒声が響き渡った。
「倒せなかったんで僕の負けです。こんなしょぼいヤツを倒せなかったんで。次、必ず倒します」と我龍。続いてディビットがマイクを持ち、「我龍選手、お疲れさんでした。1年くらい試合をやってないので…」と言ったところで、裁定に納得のいかない観客から椅子が投げ込まれたり、野次が飛ぶ。
好試合だったが、すっきりしない結末が水をさしてしまった。
ジャッジの一人は「我龍は手数を出していたが、前へ出ているだけ。ダメージはディビットの方がとっていた」と説明している。
●我龍のコメント
「俺はローとボディじゃ倒れない。ローはポイントにならないと思う。バランスを崩したけれど、効いてたわけじゃない。今日は280人くらい呼んでたんで、俺が悪い。こんなに来てくれたんだから、頑張らないといけないと根性入れていったんですけど。
どこの団体にも、倒さないと勝てないつもりでリングに上がってます。俺に勝てば、地元の団体もおいしい、アウェイだろうが判定で勝てばおいしいですからね。倒せなければ俺の負けですよ。どの団体に上がっても俺は倒しに行く。5Rになったら行くと決めている。常にそのプレッシャーは感じてリングに上がってます。僕が負けたら、J-NETWORKにも傷がつきますから、ウェルター級王者の肩書きを汚さないように一生懸命やってます。
倒せるんじゃないかってところはあった。ただ、首相撲でいなされたり、かわされたりした。ミドルとローで来るのは彼の得意技なので、予測はしてた。でも、ローでは絶対に倒れない自信があったから。ローを蹴られたら蹴り返せで。左ミドルでは倒れるわけがないから。作戦通りにはいったんですけど、逃げ足が速かったですね(笑)。何回か走って追いかけましたから。なんでリングを走ってるんだろうって思いました。
本当は9月から12月まで予定が入ってたんですけど、9月は一旦空けて10〜12月はやります。年間12試合はやります。今年中にベルトを三本とりたかったんですけど、キツかったですね。倒せなかったら俺の負け、ドローになっただけいいかなって。キックボクサーである以上、KOには拘ってます。お客さんは判定の泥試合を見に来ているわけじゃないですから。もし判定で勝ってたとしても、倒せなくてすいませんって謝ったと思う。倒せなかった自分が悪いんです」
▼ダブルメインイベント ライト級国際交流戦 ショーダウンマッチ
全日本ライト級王者
○白鳥 忍(高橋)
判定3−0 ※30−27、30−27、30−26
国際式ボクシング前韓国ライト級1位&世界キック連盟同級王者
●ホン・ヒョーシク(韓国)
ホンはパンチにキレを感じさせるものの、白鳥のハイキック、ローキック、ミドルキック、バックキックに手を出す事ができない。それでも打ち合いに行くと、逆に白鳥の強打が当たる。
2R、白鳥はパンチで打ち合いに行くも、ホンはパンチ、前蹴り。白鳥はパンチを混ぜながら、右ロー、バックスピンキック、踵落としと大技を連発。ラウンド終了間際には、得意の右ストレートからの右ショートアッパー、直後の右ストレートでダウンを奪った。
3R、序盤にパンチを当てられた白鳥があえてパンチで攻めていく。強い右ストレートから右ショートアッパー、さらに左フックの返しで圧倒して、膝蹴りへつなぐ。ミドルキック、ハイキックも混ぜながら多彩な技でホンを追い詰めていき、最後にはコーナーへ追い詰めてのパンチとヒザのラッシュ。パンチを返して粘るホンを倒しきる事はできなかったが、大差の判定勝ちを収めた。
▼MA日本フェザー級選手権試合3分5R
挑戦者・同級1位
○駿 太(谷山)
判定3−0 ※50−47、50−48、50−48
王者
●大高一郎(山木)
※駿太が第15代王座に就く。
神奈川県下一の暴走族の切り込み隊長をしていたという駿太は、暴走族仲間を大挙従えての入場。両者は1年前の6月にも対戦しており、その時は大高が判定勝ちしている。
1R、大高は得意の右ストレートを狙っていくが、駿太はミドルキックを軸にして組み付いていく。首相撲に対応できず、ヘッドロックで返す大高。ブレイクになっても一発当てたところですぐに駿太に組み付かれる。
2R、駿太が勢いよく切り込んでいく。左ミドルから組み付き、ヒジとヒザ。大高にパンチを打たせない作戦だ。大高は組み付き際に右フック、離れて右ローを繰り出すが、組まれてしまうため連打が出来ない。
3R、駿太が組み付いてヒジとヒザの波状攻撃。大高は右ロー、右フックを狙いたいが単発に終わり、組み付かれると攻撃が出ない。
4R、駿太が組み付いてのヒジとヒザで圧倒する。大高は手が出せない状態。駿太はラストに綺麗な形で左ミドルをヒットさせ、大高は組まれるとヘッドロック。
5R、やはり駿太は組み付いてのヒジとヒザ。大高は組まれ際にパンチを当てるも、組み倒されてしまう。大高の疲労が見た目にも明らかで、右ローが効いているにも関らず右フックに固執してしまったため攻勢に立てず終了のゴングを聞いた。
判定で11戦目にして王座を獲得、1年前の借りも返した駿太は「しょっぱい試合をしてしまいましたが、どうしてもチャンピオンになりたかったんですいません。しょっぱいですけど、また応援お願いします」と挨拶。最後は暴走族仲間に囲まれて、記念撮影していた。
▼MA日本 VS NJKFフライ級交流戦 52s契約3分5R
MA日本同級1位
○森田晃允(橋本)
判定3−0 ※50−48、50−49、50−48
NJKF同級王者
●高橋拓也(拳之会)
二人の小型爆弾が激しくぶつかり合う、大激闘となった!
1R、高橋は左右フックからロー、森田も強い左フックを返していく。高橋がパンチで詰めて行くと、森田もヒザとパンチで逆襲。
2R、両者が激しく打ち合う! 高橋は細かい連打で前へ出て行くが、森田はしっかりガードして強い左フックを返し、ヒザとローへつないでいく。高橋はそれならばとバックブロー、バックエルボーまで繰り出して手数で勝負。後半は疲れが見え始める。
3R、さらに激しく打ち合う両雄。高橋は連打で勝負、森田は左フックを当て、ミドルやローにつなげていく。森田の一発の強さが目立つが、高橋のバックキックに後退。それでもすぐに打ち返していき、フライ級とは思えない迫力のある試合展開が続く。
4R、高橋が手数で勝負を賭ける。バックエルボー、レバーブロー、フックを出して攻めれば、森田もフック、ロー、ヒザ蹴りで押し返す一進一退の攻防。場内もヒートアップし、歓声が鳴り止まない。
5R、手数に優る高橋だが、一発の重さがない上にクリーンヒットが少ない。それに対して森田は一発一発が重く、高橋の連打を一発の左フックで相殺してしまう。さらには高橋をパンチで仰け反らせ、右ストレート、左フックで高橋の動きを止め、右ストレートで吹っ飛ばした。しかし、高橋は自分のアゴに手を当て「打って来いよ!」と挑発。両者とも最後まで手を休める事なく、大激闘を展開した。終了のゴングが鳴ると、場内は割れんばかりの拍手と大歓声に包まれた。
判定勝利でNJKFの王者を撃破した森田は、「高橋選手は日本のフライ級で一番パンチが強かったと思うけど、俺が打ち勝ったので今日から俺がフライ級ナンバーワンのハードパンチャーってことで! 高橋選手は気持ちが強かった。年下なのに、見習うものがありました。MAのフライ級チャンピオンはビビッて逃げちゃってるんで興味ない。高橋選手に勝ったJ-NET王者の魂叶獅とやりたい! 日本一を決めましょう!」と、NJKF王者狩りに続いてJ-NET王者狩り(所属は全日本)を宣言。実現すれば、これもハードな名勝負となりそうだ。
▼MA日本ウェルター級王座次期挑戦者決定戦 Showdownマッチ3分3R(延長2分2Rまで)
MA日本スーパーライト級王者
○水町 浩(士魂)
KO 2R1分9秒 ※3ノックダウン
MA日本ウェルター級4位
●丸山元樹(マイウェイ)
※水町が11・6ディファで王者・白須康仁に挑戦決定
2Rに水町がレバーブローでダウンを奪い、ヒザ蹴りで2度のダウンを追加して圧勝した。水町は右ローと左フックのコンビネーション、左フックのカウンターと技がキレており、減量苦から開放された事がいい方向へ向かっているようだ。
▼スーパーフェザー級王座時期挑戦者決定戦 Showdownマッチ3分3R(延長2分2Rまで)
同級3位
○中西一覚(谷山)
判定3−0 ※30−27、30−26、30−27
同級1位
●泉 雄策(山木)
※中西が11・6ディファで王者・小石原勝に挑戦決定
中西が2Rに右フックでダウンを奪い、泉の追撃も左ミドルと組み付いてのヒザで振り切った。
|