「8・20 一撃」
主催・一撃実行委員会
後援・国際空手道連盟 極真会館
2005年8月20日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館
開場15:00 開始16:00
▼第8試合 一撃キックルール3分3R
○アレキサンダー・ピチュクノフ(極真会館ロシア)
KO 1R2分53秒 ※右上段後ろ廻し蹴り
●ヒリワ・テ・ランギ(ティースタイボクシングジム)
ニュージーランドのプロケージファイト&バーリトゥード・チャンピオン、ISKAプロフェッショナル・スーパーヘビー級チャンピオンなどの肩書きを持つランギは2003年のK-1ニュージーランド大会で準優勝を飾っている。戦績は38勝(20KO)27敗1分。
ボクシングの経験もあるハードパンチャーという事で、キックルールはまだ4戦目のピチュクノフを苦しめるかと思われたが…。
ピチュクノフはパンチをほとんど使わず、蹴り技でランギを寄せ付けない。ハイキック、踵落としがランギの顔面をかすめ、前傾姿勢で重心の乗っている前足へローキック。これでランギの足取りが重くなり、意識が下に向かった刹那、ピチュクノフの華麗な上段後ろ廻し蹴り!
ランギはスウェーでこれを避けようとしたが、ピチュクノフの長い足はグーンと伸びて踵がランギのアゴにクリーンヒット。文字通り一撃でランギをマットに沈めた。
「ちょっと疲れました。彼のパンチは重たかった。最後の後ろ廻し蹴りは私の意志というよりも、神様からの意思でしょう」と言うピチュクノフだが、余裕を感じさせる表情。「9月23日のK-1で私の試合があります。誰とやるかは決まっていません。キックはまだ2年で空手は12年間やってますから、もっとキックの練習をしないといけないですね」と、フィリォ、グラウベ、ニコラスに続いてのK-1出撃を宣言した。
「目標は高く持っています。しかし、ここでは言えません。言うよりも、これから起こる事を見てください。私が宿命を受けていたら素晴らしい事が待っているし、宿命を受けてなかったら勝てないでしょう」と、ピチュクノフはロシア人らしく慎重なコメントを残した。
▼第7試合 一撃空手ルール2分3R
△田中健太郎(極真会館)
引き分け 判定1−0 ※30−29、30−30、30−30
△レチ・クルバノフ(極真会館ロシア)
2年後の世界大会を占う一戦として、注目を浴びた空手ワンマッチ。全日本王者となり、日本のエースに就いた田中健太郎が、ロシア最強の男レチ・クルバノフと対戦した。
序盤から速い突きを連打して、下段廻し蹴りに繋げていく田中。積極的に前へ出て、突きを当てていく。一方のレチも突きと下段を返していくが、手数が少ない。
2Rには必殺の高速後ろ廻し蹴りを何度か放つレチだが、田中はガードしてヒットを許さない。ならばとレチは縦回転の胴廻し回転蹴りを放つも、田中はガッチリとガード。
3Rになっても田中の手数は衰えず、突きを出してどんどん前へ出る。下段廻し蹴りを放つと、レチも下段を返す。田中が手数と積極性で優ったかに思えたが、有効だが奪えず判定は田中の1−0で引き分けとなった。
不利の予想を覆して、堂々たる闘いぶりを見せた田中だったが…試合後のレチから意外な言葉が飛び出した。
「全ては2年後の世界大会の中にある。今日はお互いにスパイし合ったようなもの。その答えが明らかになるのは2年後だよ。今日はいつもと違う自分を試しただけ。100%の力は世界大会で出す。世界大会では、全く自分を出すよ」
今日の試合は田中の実力を知るための試合だった、と言わんばかりのレチ。上段蹴りも狙うつもりはなく、田中と下段で蹴りあいたかったのだという。「田中は足を蹴るのが好きな選手なので、俺もお返しにやってやろうと思っていた。どっちが強いかを決めたかった、下段の蹴り合いに興味があったんだ。今の段階で自分がどれだけやれるのかを、試してみたかっただけ」と、まるで練習にでも来たと言わんばかり。レチには2年後の世界大会しか見えていなかったのだ。
▼第6試合 一撃キックルール3分3R
△ピーター・ボンドラチェック(バカルディー)
判定0−0 ※29−29、29−29、29−29
△バスラック・デュスコ(セルビア・モンテネグロ)
K-1でお馴染みのボンドラチェックは、左右フックで前へ出るが蹴りにカウンターを合わされて思うように攻める事ができない。バスラックもカウンターの一発だけで連打が利かず、噛み合わない試合展開となった。
▼第5試合 一撃キックルール3分3R
△佐藤 匠(極真会館)
引き分け 判定1−0 ※30−29、29−29、29−29
△森口 竜(極真会館)
極真に久しぶりに現れた重量級の大型ホープ佐藤が、グローブマッチでは一日の長がある森口と互角以上に闘った。
森口はジャブからワンツーで飛び込んでいくが、佐藤はガッチリとガードして強烈なミドル、ロー、ヒザ蹴りを繰り出す。巨体を躍らせて勢いよく攻める佐藤に場内からどよめきが起こる。
佐藤は3Rになってもハイキックを繰り出すスタミナを見せ、後半失速した森口を攻め立てるがクリーンヒットは奪えず、ジャッジ1名が佐藤の勝利を指示したがドローとなった。
大会終了後、一撃実行委員会代表のフランシスコ・フィリォは、「佐藤が最も印象に残った。凄く攻撃性があって、パンチがとても強い。まだ荒削りだが、磨いていけばいい選手になる」と評した。
▼第4試合 一撃キックルール3分3R
○洪 太星(極真会館)
TKO 2R2分58秒
●ドミニク・アダム(極真会館カナダ)
以前からキック向きといわれていた洪がついにデビュー。ウェイト制大会にも出場したドミニクと対戦した。
ジャブを当てていくドミニクだが、パンチにパワーが感じられない。一方の洪は強いミドルキックをヒットさせていく。
途中、ドミニクのパンチを浴びてしまった洪だったが、ローキックで形勢逆転。ローを蹴りまくり、ドミニクの意識を下に向けさせたところで右ストレートを入れ、KO勝ちした。
▼第3試合 一撃キックルール3分3R
○ファビアーノ・ダ・シルバ(極真会館ブラジル)
KO 2R0分11秒 ※右フック
●藤田雅幸(極真会館)
お互いに強いパンチを狙い合った。しかし2R、開始と同時に突っ込んでいった藤田を受け止めたファビアーノが、狙い済ました右フック。首筋にもらった藤田はバッタリと倒れ、10カウントを聞いた。
▼第2試合 一撃総合ルール5分2R 73kg以下契約
○池田祥規(極真会館)
KO 2R0分24秒 ※ヒザ蹴り
●タスマニアン・デビル(セルビア・モンテネグロ)
池田のセコンドには、一緒に練習したという大道塾の加藤清尚、パンクラスの山田学が就く。極真の選手のセコンドに大道塾の選手が就くという、画期的な光景だ。
打撃からタスマニアンデビルがタックルでテイクダウン、サイドポジションからマウントを奪う。しかし、池田は慌てずにマウント返し、タスマニアンデビルは十字を取りに行くが失敗。
スタンドに戻ると、両社は足を止めてのパンチの打ち合い。タスマニアンデビルのフックが何度も池田を捉えるが、池田は下がらずに真っ向から打ち合いを挑む。タスマニアンデビルが組んでくると、レバーへパンチをコツコツと当てて、ヒザ蹴りを突き刺す。
2R、池田は組み付いてくるタスマニアンデビルにテンカオを突き刺し、さらに自分から飛び込んでの強烈なテンカオ! タスマニアンデビルは腹を抑えてうずくまり、池田が見事なKO勝利を収めた。
▼第1試合 一撃総合ルール5分2R 82kg以下契約
○瀬戸哲男(極真会館)
判定3−0 ※20−18、20−19、20−19
●ペドロ・イリエ(一撃アカデミーブラジル)
瀬戸は極真に籍を置きながらも、門馬秀貴率いる和術慧舟會A-3ジム所属としてJTCを始め各種のアマチュア総合格闘技大会に出場している。そのためか、リングに上がっても余裕を感じさせ、空手家というよりも総合格闘家そのものの佇まい。
一方のペドロ・イリエは極真ブラジル支部所属だが、ブラジル地区柔道トーナメント2003〜2005三連覇、01サンパウロ・サブミッション大会優勝、01サンパウロ柔術トーナメント準優勝の実績があるという。
タックルでテイクダウンを狙うペドロは、立ち上がろうとする瀬戸に下からの膝十字固めを狙っていく。しかし、下になる事が多く、猪木×アリ状態でのローキック、パウンドをもらう。瀬戸は余裕のある闘いぶりで、上のポジションをキープし続け、強いパウンドを打つ事は出来なかったものの判定勝利を収めて、極真の総合ルール1勝をもたらした。
▼オープニングファイト 一撃キックルール3分3R 72kg以下契約
○山本哲平(極真会館)
KO 3R1分13秒 ※左フック
●シャミル・ラカエフ(極真会館ロシア支部)
▼オープニングファイト 一撃キックルール3分3R 60kg以下契約
○平塚洋司(極真会館)
KO 1R1分16秒 ※右ストレート
●河村 勇(ファイティングスポーツクラブ大誠塾)
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