フジテレビ/FEG
「K-1 WORLD GP 2005 in TOKYO決勝戦」
2005年11月19日(土)東京・東京ドーム
開場14:30 開始17:00
▼第1試合 K-1 WORLD GP 2005
決勝トーナメント 一回戦 3分3R延長1R
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●チェ・ホンマン(韓国/フリー)
前人未到の三連覇を狙い、レミーが第1試合に登場。
1R、リング中央に構えるホンマンの周りをレミーが回る。レミーは右ロー、ホンマンはジャブで牽制。レミーが左フックから右ロー、ホンマンは左右の連打でレミーをコーナーに追い詰めるが、レミーはしっかりとガードして脱出。レミーの右ローに、パンチで突進するホンマン。しかし、レミーはしっかりと両腕を閉じてブロックし、右ローを蹴り返す。
2R、レミーが左ローから右ロー。間合いを取ってジャンピング・ハイキックを仕掛けるが、これは不発。右ボディブローから右ロー、すかさずもう一発右ロー。ホンマンはワンツーを打ち返すも、レミーはブロックしてまたローだ。ホンマンが連打にくると右ロー、回ってもう一度右ロー。ホンマンはレミーの蹴り足を取って連打で前に出るが、前進に合わせたレミーの右ローで躓くように前のめりになった。
3R、出会い頭にレミーの右ハイキック! しかし、構わずホンマンは突進して首ヒザ。ブレイク後はレミーがローを当てていく。レミーの右フック、ホンマンは連打で前に出る。しかし、レミーは落ち着いてブロックすると右ロー。ホンマンの左に合わせて右ローを蹴ると、ホンマンが大きくバランスを崩す。右へ周りながら、右ローを連発するレミー。ホンマンはパンチを当てようとするも、ローを蹴られて手が出ない。レミーの右ローにグラついたホンマンだが、すぐに連打で前へ出てレミーをコーナーへ追い詰めたところでゴングが鳴った。
▼第2試合 K-1 WORLD
GP 2005 決勝トーナメント 一回戦 3分3R延長1R
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
判定3-0 ※三者とも30-26
●レイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォー ファイトアカデミー)
K-1で8戦全勝、10kgの減量を行って今大会に臨むシュルト。対するはK-1きっての人気ファイターで無冠の帝王セフォーだ。セフォーは坊主頭になって登場。
1R、前蹴りとハイキックで牽制するシュルト。セフォーは思い切ったフックを放って懐へ入っていく。シュルトのパンチを掻い潜り、フックを放っていくセフォー。しかし、シュルトのヒザが軽々とセフォーの顔面を襲い、ジャブが突き刺される。セフォーはガードしながらローを返し、シュルトは何どもヒザ蹴りでセフォーの頭部を襲っていく。ノーガードで左右に動くセフォー、シュルトはジャブを出して詰めていくが、セフォーは右フックを返す。
2R、前蹴りでセフォーにロープを背負わせるシュルト。セフォーはシュルトのジャブに右のクロスを2度合わせる。セフォーがバックキックを放ったところで、シュルトが後ろから捕まえてヒザ蹴りの強襲! セフォーは思い切った右フックを振って反撃して行くも、シュルトのヒザ蹴りが思わぬ方向から飛んでくるからやりにくそうだ。シュルトにロープ際に追い詰められ、左ハイ、ヒザ蹴りを食うセフォー。コイコイと挑発するセフォーは、シュルトがロープに詰めてくると左フックで反撃したが、これは空を切った。
3R、左右のフックからボディへと攻めていくセフォーに、シュルトは覆いかぶさるようなヒザ蹴り。コーナーへ詰めて連打、前蹴り、ヒザと攻めるも、セフォーもフックを返していく。シュルトの右ローにグラつくセフォー。シュルトの左ジャブに合わせて。連打を決めていくシュルトは、コーナー際へ追い込んでセフォーの頭部へヒザ蹴り二連打を決めたところでスタンディグダウンが告げられた! セフォーは突進するも、シュルトの前蹴りに阻まれてしまった。
▼第3試合 K-1 WORLD
GP 2005 決勝トーナメント 一回戦 3分3R延長1R
○ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ)
延長1回 判定3-0 ※三者とも10-9
●ジェロム・レ・バンナ(フランス/レ・バンナ エクストリーム・チーム)
愛娘ヴィクトリアちゃんがリングサイドで見守る中、バンナはリング上で大きくジャンプ。
1R、バンナの左ハイとアーツの右ローが交錯。アーツのワンツーに左ストレートを返すバンナ。アーツは高い蹴りを放ち、リングを大きく回っていく。バンナは何度か詰めようとするも、アーツを捕らえきることが出来ない。逆にアーツが右ストレート。バンナが入ってくると、ヒザ蹴りを突き上げ、右ミドルを入れる。しかし、アーツの右フックにバンナの右フックがカウンターでヒットするとアーツは大きくグラつく。詰めて行こうとするバンナだったが、アーツはステップを使ってサッと離れていった。
2R、アーツはジャブから左ロー。バンナは左ミドル、左ローキック。バンナはジャブからアーツをコーナーへ追い詰め、左右の連打。しかし、アーツのクリンチに捕まってチャンスを生かせない。同じシーンがもう一度。バンナはボディから左ストレート、アーツはすっかり防戦一方に。バンナのプレッシャーに後退を繰り返す。それでも、バンナが前に出てくるとテンカオを突き刺し、右ミドルを返していく。
3R、アーツはジャブからワンツー、右ミドル。バンナが入ってくるとテンカオだ。バンナもこの試合で多用している左ミドル。バンナはワンツーで思い切って入っていくも、アーツの足を捕らえきれない。逆に入って行ったところでアッパーとヒザをもらう。組み付き、ヒザを入れるアーツ。両者フックの応酬、バンナが入ってきたところへアーツが右ストレートを突き刺し、ヒザへ繋ぐ。バンナの左ストレートはかわして右ロー、バンナの右フックには右アッパーのカウンター。それでも入ってくるとヒザ蹴り。アーツが巧さを見せてこのラウンドを終了した。
ジャッジは三者とも29-29でドロー、延長戦へ突入。アーツは左右のミドルを放ってアーツを入らせず、右ストレートを狙っていく。アーツの右ミドル、ジャブ、バンナが入ろうとすると右ストレート。バンナが下がればヒザ蹴りと、イン&アウトを巧みに使い分ける。バンナは突進して行くも、なかなかパンチを当てる事ができない。すぐにクリンチか首ヒザに捕まってしまうのだ。思い切って右フックを振ったバンナに、アーツが右フック。離れて右ミドル、右ストレート、近づいてヒザ蹴り。バンナは思い切って入っていこうとするも、アーツのミドルとヒザ蹴りで迎え撃たれて万事休す。アーツが豊富な経験を活かし、テクニックでパワーを封じ込んだ。
▼第4試合 K-1 WORLD
GP 2005 決勝トーナメント 一回戦 3分3R延長1R
○武蔵(日本/正道会館)
延長1回 判定3-0 ※三者とも10-9
●ルスラン・カラエフ(ロシア/マルプロジム)
アマチュアで125KOを誇るカラエフは、「武蔵の戦い方は美しくない」と言い切る。武蔵にとっては初めてと言っていいほど、スピードで優る相手との闘いとなった。
1R、カラエフがいきなりジャンピング・ハイキック! 打ち合いとなり武蔵が倒れ、ダウンが宣告されるがすぐに訂正される。カラエフが突っ込んだところでバッティングとなったのだ。カラエフがフックとミドルのコンビネーションで攻める。カラエフのハイキックが空を切る! カラエフはパンチとハイキックのコンビネーションが速く、前蹴りで武蔵を吹っ飛ばす。しかし、武蔵はカラエフの速いハイキックからの右アッパーをかわすと奥足へ左ローキック!
2R、武蔵が右ローから左フック。カラエフのハイキックをかわして左ストレート、右ロー。武蔵がプレッシャーを賭けて前に出ると、カラエフは左右のフックを振り回すも武蔵のローにガクッ。スピードのある手数が出るカラエフだが、武蔵はよく見てかわし、ローへと繋げていく。口を大きく開けるカラエフ。アッパーで迎え撃つも、武蔵のローには後退。カラエフは攻撃が雑になっていく。
3R、カラエフはバックキック、ハイキックを出して下がり、武蔵はローキックで追う。カラエフはアッパーを狙うが、武蔵のバランスは崩れない。武蔵はカラエフの単調なコンビネーションを見切り、ローを入れていく。そしてテンカオ! スピードがなくなってきた単調なコンビネーションのカラエフに対し、武蔵は右ローを当てていく。思い切ったパンチで突っ込むカラエフ、武蔵も打ち合いに応じるが、ヒット数ではカラエフが上回る! 悲鳴が挙がる場内! 勝敗は判定に委ねられたが、30-29、30-30、29-30と三者三様で延長戦へ。
延長戦、カラエフがパンチで打って出る。武蔵はローキック。武蔵は体ごと押してローキック、カラエフはパンチを出してくるも、ヒットは奪えない。逆に武蔵が左ミドル。追い詰める武蔵。カラエフも左右フックからアッパー、武蔵はそれをブロックして左ミドル。カラエフの蹴りが急所に入る。武蔵の左ローでカラエフが大きくバランスを崩す。カラエフが頭から突っ込んでくるため、バッティングとなって武蔵に30秒のインターバルが与えられた。再開後、左ミドルを連発する武蔵にカラエフがワンツー、さらにバックキック。打ち合いに行った武蔵だったが、カラエフが手数で上回る。
しかし、全体を支配していたのもローを効かせたのも武蔵。判定勝利を収めたが、今回も武蔵にとって長い一日となりそうだ。
▼第5試合 K-1 WORLD
GP 2005 決勝トーナメント リザーブファイト1 3分3R延長1R
○グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館)
判定3-0 ※30-27、30-28、30-28
●ゲーリー・グッドリッジ(トリニダードトバコ/フリー)
5・1ラスベガスGPの再戦。前回はグラウベが勝利している。
1R、勢いよくコーナーを飛び出したグッドリッジ。グラウベをコーナーへ追い詰めていくが、グラウベは前蹴りを出しながら脱出、逆にロープ際へ詰めてヒザ蹴りを連打して行く。すると、今度はグッドリッジが左右のボディ、グラウベがヒザ蹴り、グッドリッジが左右の連打と攻守が目まぐるしく入れ替わる。グラウベはローキックからハイキックを狙い、グッドリッジはボディから顔面のフックを狙う。グッドリッジが頭を下げるとヒザ蹴りを突き上げるグラウベ。
2R、グラウベは左ミドル、グッドリッジはアッパーからのフック、すかさずグラウベがハイキックを返し、飛びヒザ蹴りからボディ打ち、ローへ繋げていく。コーナーに詰まったグッドリッジにヒザ蹴りを入れるグラウベ。グラウベのボディ打ち、ローキック、ヒザでコーナーに詰まるグッドリッジ。グラウベの左ミドル、右の顔面前蹴りでグッドリッジの歯が折れた。グッドリッジはなりふり構わないフックの連打で前に出るが、鼻血が酷くなる。グラウベの前蹴りが再び顔面に入ったところでゴング。
3R、グラウベのローにグッドリッジは左右のフック。グラウベは押しながらのローでコーナーへ追い詰めていくが、グッドリッジがフックを振り回して押し返す。グラウベのローに体が泳ぐグッドリッジ。それでも前へ出てフックを狙っていく。ラスト10秒、グッドリッジが左右のフックで前へ出たところで時間切れ。今ひとつ盛り上がりに欠けた一戦は、グラウベが判定でグッドリッジを返り討ちにした。
▼第6試合 K-1 WORLD
GP 2005 決勝トーナメント リザーブファイト2 3分3R延長1R
○バダ・ハリ(オランダ/ショータイム)
KO 2R1分30秒 ※右バックキック
●ステファン・"ブリッツ"・レコ(クロアチア/ゴールデン・グローリー)
アーツ、レミーも「強い」と認める格闘王国オランダの後継者、弱冠20歳の“噂の悪童”が遂に初来日! 対するはK-1にカムバックしたレコ。両者は最近対戦し、レコがバックキック一発でKO勝利を収めている。ハリはこの大舞台でリベンジを果たし、噂どおりの実力を発揮する事が出来るか?
1R、レコが右ロー、ハリも右ローを返す。速いジャブからハイキックを繰り出すハリ、レコもジャブから距離を縮めてロー。ハリはハイとローを交互に狙い、踵落としまで放つ。レコが間合いを詰めようとしてきたら前蹴り、レコのバックキックはかわしてローを入れる。レコが前へ出てくるとミドルを合わせる。
2R、ジャブ&ローから右ストレートを狙うレコに、ハリはローと前蹴り。下がりながらもボディストレート。レコはボディを叩き、プレッシャーをかけていくが、ロープ際に下がったバドが長足を利しての右バックキック! 踵がモロにアゴヘ入り、レコはバッタリと倒れてそのまま動けなくなった。バドが衝撃的なK-1デビューを飾った。
<角田競技統括プロデューサーが事情説明>
「準決勝第二試合に出場予定だったピーター・アーツ選手が、先ほどの試合で右脇腹を骨折しております。アバラが少なくとも2本以上折れてますので、出場できません。ルールにより、第一リザーバーのグラウベ選手が優先順位第一位で勝ちあがります」
▼第7試合 K-1
WORLD GP 2005 決勝トーナメント 準決勝第1試合 3分3R延長1R
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
KO 1R2分8秒 ※2ノックダウン
●レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム)
1R、シュルトが前蹴りからレバーブロー、組み付こうとしたがこれは突き放される。前へ出てヒザ蹴りを放って行くシュルト。レミーはしっかりと両腕ブロック、右ローを返していく。が、シュルトはヒザ蹴りのプレッシャーをかけながらレバーブローとローキック、レミーは一方的に打たれてしまう。そして、シュルトの前蹴りにレミーがダウン!
レミーが立ち上がるとシュルトはハイキックから前蹴り、そしてヒザ。シュルトはコーナーに詰まったレミーの頭を抱え込むと、ヒザ蹴り! 続いて左のボディへのヒザ蹴り! レミーが崩れ落ち、KO! 三連覇の夢が潰えた。
▼第9試合 K-1 WORLD GP 2005
決勝トーナメント 準決勝第2試合 3分3R延長1R
○グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館)
KO 2R1分5秒 ※2ノックダウン
●武蔵(日本/正道会館)
1R、武蔵がジャブ、グラウベが前蹴りで距離を測る。グラウベはハイキック、ミドルキック、ローキックと打ち分けていく。武蔵はスウェーでかわしていき、自分のローを当てる。グラウベのパンチも軽くかわしてローキック。サウスポーに構える武蔵のガードの隙間を抜け、グラウベの右ストレートがヒット! なんと、武蔵がダウンを奪われた。
2R、グラウベが右ハイキックから前蹴り、武蔵は左ミドルと左ストレートを放っていくが、グラウベもワンツーから飛びヒザ蹴りで応戦。勢いに乗るグラウベは左ハイキックから左顔面前蹴りで武蔵にロープを背負わせると、左の飛びヒザ蹴り! この一発が見事に顔面を捉え、武蔵はバッタリと崩れ落ちた。武蔵、まさかの敗退! リザーバーから繰り上がったグラウベが決勝へ進出、元・大道塾のチャンピオンで現・正道会館のシュルトとの“空手対決”に臨む事になった。
▼第9試合 K-1
WORLD GP 2005 決勝トーナメント 決勝 3分3R延長2R
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
KO 1R0分48秒 ※左上段ヒザ蹴り
●グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館)
共に昨年のファイナリストをKOで降しての決勝進出、奇しくも開幕戦と同じカードという誰もが予想できなかった組み合わせとなった。
1R、前蹴りから近づいたシュルトに連打を浴びせるグラウベ。場内が一気に沸く。シュルトは再び前蹴りから近づき、ヒザ蹴りからフック。負けじとグラウベがパンチを打ちに行ったところで、シュルトが捕まえて左ヒザ蹴り! アゴへモロにもらったグラウベはバッタリと倒れ、ロープにもたれたまま動けずにKO負け! 史上最短記録の決勝KOで、シュルトが新王者に輝いた。グラウベは極真の大会で、自らが日本人を数多く倒してきた上段ヒザ蹴りで敗れるという、何とも皮肉な結果となった。
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