「NEW YEAR KICK FESTIVAL 2006」
全日本キックボクシング連盟
2006年1月4日(水)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:30
※17:30よりオープニングファイトあり
▼第7試合 全日本フェザー級タイトルマッチ 3分5R
○山本真弘(藤原/同級2位)
判定2-0 ※50-50、50-49、50-49
●山本元気(DEION/王者)
※山本真弘が第22代全日本フェザー級王座に就く。
1R、元気が前蹴り、両選手のローが交錯する。元気はジャブを突きながら、ローを蹴っていく。右ストレートを華麗にかわす真弘が右ローから右ハイ、ローを蹴って左へ回っていく。足を使ってリング上に大きなサークルを描く真弘は奇襲の飛びヒザ蹴り。さらには組み付いてサバ折りも狙っていく。
元気の左ミドル、真弘のワンツー。真弘はハイキックを狙い、元気はロー。真弘のローに右ストレートを合わせる元気。元気は顔面へフェイントして右のボディストレート。左右に動く真弘、ジリジリと詰める元気。真弘は元気の右ストレートをよく見てかわしていく。緊張感のある1Rが終了。
2R、左の高い蹴りを放っていく真弘に元気がパンチをまとめて行くが、真弘もうまくかわす。元気の右を真弘がかわして左フックを返す。インローを放っては距離をとる真弘。元気は空振りさせられる場面が多い。インローを蹴って元気のバランスを崩し、サッと離れる真弘。元気の右はダッキングとウィービングでかわし続ける。左右に動き、元気がパンチを出そうと踏ん張るとインローで崩す真弘。元気の左フックに真弘が左フックをカウンター。元気は空振りが多く、真弘のディフェンスの巧さが目立つ。
3R、右ローを入れていく真弘は飛び込みざまの左ストレートをヒットさせる。打ち込みに行く元気だが、真弘を捕らえきれない。真弘がロー、左ストレートをクリーンヒットさせるが、元気の左ミドルが2度クリーンヒット。真弘の動きが止まり始める。真弘は左のハタキから左ストレート、元気は左ミドル。左ミドルをもう一発。真弘は顔面への前蹴り、サイドキックとステップで距離をとる。両者のパンチが空振り、元気がボディを打つと真弘も左フックを返す。元気が詰めてパンチを放っていくも、真弘はウィービングとステップを駆使して触らせない。
4R、元気の右ミドル、ローにカウンターの右フック。真弘は肩でフェイントをかけてパンチを出すが、潜り込むところに元気のショートパンチをまとめてもらう。真弘は左ジャブ、前蹴り、ロー。元気は詰めていくがワンツーはかわされる。元気はロープに詰めてボディストレート、返しの顔面。潜り込んでくるところに左右のショートパンチ。真弘は足を使うが、入ると迎え撃たれる。真弘がバックキックを見せたところでこのRは終了。藤原敏男会長が真弘のコーナーへ駆け上がる。
5R、真弘が思い切った左を当てる。元気も返すが当たらない。真弘のローに元気が右のフック。それでも真弘は止まらずに右ミドル、元気も右ミドルを返し、左フック。真弘が飛び込むところに左右フックをまとめるも、真弘も左ハイを返す。細かくパンチを当てていく真弘に、ヒジから右ミドルの元気。両者のパンチが空を切る。元気は前蹴りから右を放っていくがやはり不発。真弘の左フックに左右のフックを返す真弘。真弘の手数が上回る! 真弘がミドルから動いて左フックをヒットさせたところで試合終了。
判定は一人がドローだったが、2-0で真弘が勝利。フェザー級の絶対王者候補だった元気を徹底したアウトボクシングで陥落させた。「剛」の王者に対して「柔」の方法を採った、真弘の作戦勝ちといえるだろう。
真弘は「応援ありがとうございました。内容は納得いかなかったんですけど、次はいい試合をしますので応援よろしくお願いします」と、超満員の観客に挨拶した。
▼第6試合 全日本スーパーフェザー級王座決定戦 3分5R延長1R
○石川直生(青春塾/同級3位)
TKO 1R終了時
●前田尚紀(藤原/同級1位)
※石川が第2代全日本スーパーフェザー級王座に就く。
石川の入場に声援が沸き起こる。前田はいつものように、うつむきながらの淡々とした入場。リング上では石川がリング中央に仁王立ち、前田を睨みつける。石川の両ヒジには「殺」の文字が書かれている。
1R、ローで一気に突っ込む前田! コーナーへ押し込んでいくと石川がヒザ。ブレイク後、石川は組み付くと前田をロープへ押し付けてヒザ。前田のインローにバランスを崩す石川だが、すぐにヒザ蹴りで逆襲。続いてヒジを振っていくが、前田の左右フックに逆襲される。どんどんヒザで攻めていく石川、これには前田が下がる。しかし、前田はローキックから左右フック、石川はヒザ蹴りと激しい打ち合いが展開される。前田の額にはヒジでへこんだ様な跡が残り、石川のヒザに前田のボディが鈍い音をたてる。前田の左右フックに石川は右ヒジ、すぐに組んでのヒザ、ヒジ、と凄まじい波状攻撃。前蹴り、ヒザのラッシュで前田を一気に追い込んでいくが、前田は押し返してのローから左右フック。両者の交互のラッシュに場内が大いに沸く。
しかし、1R終了後にドクターが前田をチェックすると前田の額が陥没骨折していた事が判明! ドクターストップがかかり、前田は不服そうな表情でリングを降りていった。
あっさりと勝利を手にした石川は、「分かりづらかったと思うんですけど、僕の右ヒジはぼっこり腫れて、前田の額もへこんでいて…言葉が巧くでないけど、久しぶりに見に着てくれた父ちゃんと母ちゃんに感謝。今回はインパクトがなかったかもしれないけど、もっと倒す試合をして全日本キックのエースになれるように頑張ります」と、観客の声援に応えた。
▼第5試合 全日本ライト級王座決定戦 3分5R延長1R
○サトルヴァシコバ(勇心館/同級1位)
KO 2R2分30秒 ※左ストレート
●吉本光志(AJジム/同級2位)
※サトルヴァシコバが第16代全日本ライト級王座に就く。
金髪のヴァシコバはいつものようには踊らずに入場、リングインすると四方へ向かって押忍と十字を切る。吉本はそのヴァシコバに背を向け、鋭い視線を観客席に向けている。
1R、ヴァシコバが左ハイで先制、吉本もローを返す。吉本の左ミドルにローを返すヴァシコバ。吉本は左へ回りながらローを狙っていくが、ヴァシコバはパンチとローで吉本をコーナーへ詰めていく。ヴァシコバが左ローから左ストレート、続けて左ローを連打。吉本のミドルにヴァシコバが左ストレートを合わせる。吉本のパンチに左ストレートをカウンター、これで吉本の腰が落ちる! ラッシュをかけるヴァシコバ、吉本も打ち返して何とか凌いだ。
2R、ジャブからローを出すヴァシコバ。吉本は下がって左ミドル、右ストレートを返すが、ヴァシコバも左ストレートをまとめ打ち。吉本の左ローと左ミドル、ヴァシコバは軸足払いで転がして、吉本が足を止めてショートでパンチを打ってきたところでバックハンドブロー! 吉本ダウン! 一気に詰めるヴァシコバ。左ストレートを中心にテンカオ、ローを入れ右フックで吉本の腰が落ちる。一気にまとめるヴァシコバ。吉本は左ミドルを返すが、ヴァシコバの猛攻が続く。ロープを背負った吉本の右アッパーが入った直後、ヴァシコバの左ストレートがズバッとヒット! これで2度目のダウン。カウントが入るが、レフェリーがここでストップ! ヴァシコバが見事なKO勝ちを収めた。
吉本は1Rからパンチが見えてない感じで、ヴァシコバの右にも戸惑いを見せていた。また、回り込んで吉本にコーナーを背負わせるヴァシコバのプレッシャーのかけ方の巧さ、打たれると足が止まった状態で打ち返す吉本にカウンターを入れる冷静さなど、全ての面でヴァシコバが上回った。
「たった今、ライト級のチャンピオンになったサトルヴァシコバです。緊張してドキドキしてたんですけど、嬉しくてしょうがないです。皆さんのお陰です。本当に。家に帰ってもこの気持ちは変わりません!」とヴァシコバ。ファンにお礼を言った。
▼第4試合 JAPAN
VS THAI ウェルター級 サドンデスマッチ3分3R延長1R
○湟川満正(AJ/同級3位)
判定2-0 30-29、30-30、30-29
●ウィラチャート・ウィラサクレック(タイ)
1R、江口が左ローで先制、思い切ったパンチやハイキックも放っていくがタイ人は動じない。湟川の動きをよく見て左フック、右ヒジを返していく。ストレートからローで詰めていく湟川。パンチで前に出るタイ人を右アッパーで突き上げる。タイ人はノーガードで挑発、ジャンプしてのヒジを見せるが、直後に湟川が顔面への前蹴りを炸裂させ、右ストレートもヒットさせる。湟川の積極性が目立つ。
2R、湟川は左ハイからパンチをまとめ、前へ出て左ミドルからワンツー。組み付くタイ人。湟川は飛び込みざまの右ストレートから左ハイ、体を左右に振ってローキック。しつこく組み始めるタイ人を前蹴りで突き放し、右ローキック。蹴り足を掴もうとするタイ人だが、キャッチできない。湟川のパンチで鼻血を出したタイ人はパンチで前に出るも、アッパーで迎え撃つ湟川。右アッパーから右ロー、さらにワンツーと快調に攻める。
3R、左ジャブからアッパーを突き上げる湟川、タイ人はたまらず組み付く。湟川は下がりながらパンチをヒットさせ、ローとミドルに繋げていく。しつこく組みに来るタイ人はヒザ、湟川はヒジを合わせようとするがうまくいかない。どんどん組み付くタイ人、湟川もパンチで応戦するがヒザをもらう。しつこい首ヒザで反撃を食った湟川だったが、前半のリードを守りきった。
▼第3試合 JAPAN
VS THAI 70kg契約 サドンデスマッチ3分3R延長1R
○ゲンナロン・ウィラサクレック(タイ/プロボクシング元WBF豪州ウェルター級王者)
判定3-0 30-29、30-27、30-29
●江口真吾(AJ/ミドル級2位)
1R、ゆったりとした構えのゲンナロンに、ローを飛ばしていく江口。ゲンナロンは打ち終わりを待って打ち下ろしの右フック。江口のローに合わせて右ストレート。左ローを受けて強い右フックを打ち下ろす。この攻撃で江口は警戒したか、組み付くシーンが多くなった。江口は組んでいくも首相撲で投げられる。パンチのゲンナロンに組み付く江口。ゲンナロンは組みつかれ際にボディを叩く。
2R、江口はローから組み付く。ゲンナロンに左フックを入れられて組み付くも投げられ、さらに組み付いて行くがコントロールされて転がされる。江口は組んでのヒザとヒジ、ローを蹴って組み付くも逆にヒジをもらう。組み付き際にゲンナロンの右ヒジ! ゲンナロンは離そうと左ミドル、回転ヒジ、江口がパンチを伸ばすと右ストレート。
3R、ミドルの蹴り合いから組み付く江口。ゲンナロンも左ミドル、ローで2度転倒させる。ゲンナロンの右ヒジがクリーンヒット! 江口はパンチから組み付くも組み負ける。セコンドの「組むな」という声を受けて、前蹴りやミドルを出す江口だが、右ヒジで迎え撃たれ、2度もクリーンヒットを許す。ゲンナロンは踊るように江口の突進をかわし、足払いや首相撲で転倒させた。勝敗は誰の眼から見ても明らかだった。
判定勝ちしたゲンナロンはサングラスをかけ、テーマ曲に合わせてダンスを披露した。
▼第2試合 CROSS
BOUT フェザー級 サドンデスマッチ3分3R延長1R
○赤羽秀一(ウィラサクレック・フェアテックス/J-NETWORK同級3位)
TKO 2R終了時
●正 巳(勇心館/同級5位)
1R、右へ回りながら攻める正巳。ローと左右のフックがまとめて入る。前半は打たれた赤羽だったが、後半は徹底して組みヒザ。
2Rになっても赤羽のヒザは止まらず、左テンカオが効いて正巳の動きが止まる。そこへパンチ&ロー、そしてヒザとまとめる赤羽。正巳が首相撲に対応できず、突き放さそうとするところで顔面にヒザがヒット、正巳の右目上がバックリ切れる。ドクターチェック後、試合が再開されるが赤羽が攻め立て、2R終了後のドクターチェックでストップがかかった。
▼第1試合 ウェルター級
サドンデスマッチ3分3R延長1R
○大 輝(JMC横浜GYM/同級9位)
TKO 2R終了時
●水野章二(湘南格闘クラブ)
1R、ローからの左右フックで先手をとった水野だが、距離をとったところで大輝が強い左ミドルとヒザ蹴りで反撃。左ミドルで動きを止め、返しの右ストレートをヒットさせる。
2Rになると大輝が右ローからの左フック、左フックから返しの右ストレートで水野の動きを止め、右ローでコーナーに詰めての右ボディストレートからのラッシュでスタンディングダウンを奪う。続いて右ハイキックで体を丸めてしまった水野に左ハイキックで2度目のダウンを追加、ゴングと同時に左フックを炸裂させ、水野は前のめりにダウンしたがゴング後だったためKOにはならず。
しかし、インターバル中にタオルが投入され、大輝が無傷の7連勝を飾った。
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