シュートボクシング協会
「NEO ΟΡΘΡΟΖ Series1st」
2006年2月9日(木)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:00
▼メインイベント 70kg契約 エキスパートクラスルール3分5R
○宍戸大樹(シーザー/SB日本ウェルター級王者)69.45kg
判定3−0 ※50−46、50―47、49―46
●アンドレイ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)68.3kg
ついに初来日を果たしたジダは、リングに上がるとヴァンダレイ・シウバと同様に片膝を上げてのムエタイの舞い。一方の宍戸は自信たっぷりの表情で入場し、客席にガッツポーズをして盛り上げる。
1R、宍戸の右ローに対してジダが左右フックで突進する。打ち方は綺麗ではないが、見るからに重そうなパンチを所構わず叩きつけ、場内をどよめかせた。宍戸が前に出て来るタイミングで左フックを引っ掛けて転倒させ、ジャンプしての二段蹴り。
ジダはボディにパンチを叩きつけ、アッパーからフック、そして飛びヒザ蹴りとアグレッシブに攻めていく。宍戸はこの攻撃をよく見てブロックしながら、左ハイから左ロー。ジダがバックキックを放つと宍戸もバックキックを返す。
2R、宍戸はサイドキックと前蹴りで距離を取りながら、左ハイキックから右ローへと繋いでいく。ジダはパンチを連打しての飛びヒザ蹴りを狙い、ローを空振りした宍戸のバックをとりながら後ろからのハイキック、さらに背中へ飛びついてスリーパーを狙う。しかし、ジダの奮戦もここまでだった。宍戸がバックキックを織り交ぜての右ローを集中砲火すると、ジダが膝を折る。左右フックや右アッパーで前に出るジダへ、宍戸は右ローを的確にヒットさせていく。
3R、ジャブから右ロー、バックキックから右ローと確実に効かせていく宍戸。ジダはローに合わせた右フック、宍戸の飛びヒザ蹴りに合わせた右フックで客席を沸かせるが、宍戸がローから狙ったフロントチョークには自分から膝を付いて逃げる。宍戸はジダのパンチを避けてロー、顔面への前蹴りを放ち、カニバサミも仕掛ける。左右のパンチで追って行く宍戸だが、ジダの粘りに詰めきる事ができない。
4R、ゴングが鳴ってもマウスピースがなかなかはめられない宍戸に、倒せない事の焦りと苛立ちを感じる。左右フックをブンブンと振り回すジダへ、宍戸は右ローの四連発。パンチにも右ローを合わせてくる宍戸に、ジダは苦し紛れのタックルを繰り出す。
ジダが組み付いてくると、宍戸はヒザ蹴りと肩パンチを入れて攻撃の手を休めない。ラウンド終了間際にはジダをコーナーへ詰め、右ストレート、左ミドル、ヒザ蹴りから首投げ、パンチ連打にバックキックと猛攻を加える。
5R、ジダはパンチで前に出るが、宍戸は右の上段後ろ廻し蹴りをジダの首に引っ掛けて倒し、右ローから左ミドル。ジダの右フックには右ハイキックをカウンターで入れ、フロンとチョークを狙うがジダは自分から倒れこんでしまう。宍戸はバックブロー、組み付いてくるジダにアッパーを入れて倒しにかかったが、ジダも粘って判定決着となった。
ジダは「宍戸のテンポに引きずられてしまい、途中で立て直しかけたがスタミナがついてこなかった。負けていたのはスタミナとスピードだと特に感じました」と試合後に語っているが、この言葉はまさに宍戸の術中にハマってしまった事を意味する。手数足数を駆使して、動きを止めない宍戸のペースに知らず知らずつき合わされ、スタミナ切れとなって自滅するというのが、宍戸と対戦する選手の負けパターンなのである。
宍戸はリング上で「メインをやらせていただいたんですが、こういう結果になってしまいました。3月、またしっかりと練習してKOで勝ちたいと思います。今年もSBをよろしくお願いします」とマイクアピールした。
●宍戸のコメント
「相手以前に今回は自分に負けました。詰め切れないのは自分の甘さ、反省しています。ジダはパンチが強かったし、突進力もありました。一発一発が危険でしたが、全体としては自分に納得がいってません。今回の試合が決まってから、自惚れとか自信過剰になった部分があって、そういった悪いものが全部出てしまった。自分に負けたのだと思います。元々、天狗になりやすい性格なので、自分が周りの声に対して自惚れてました。会長にもズバリと指摘されました。
公開練習で見せたトリッキーな動きは、フェイクだと思っていたので1Rは様子を見て行きながらプレッシャーをかけて行ったつもりだったんですけど、真っ直ぐに下がってしまったりしました。ローも闇雲に蹴っていたのでカットされていましたね。土井さんだったら、すぐに詰めて勝負は決まっていたと思います。まだ先輩には及びません。
3月、5月、7月に向けて自分が進む道は甘くない事を実感しました。気持ちを入れ替えて練習に取り組みます。全てS-cupへ繋がる道だと思っています。今年は全ての大会に出るつもりです。変に余裕を持たないで、これまでのように崖っぷちに自分を追い込んで練習し、一戦一戦やりたいと思います」
▼セミファイナル 68kg契約 エキスパートクラスルール3分5R(ヒジあり)
○土井広之(シーザー/前SB世界ウェルター級王者)
KO 1R1分44秒 ※左ロー
●ダスティン・ジョンソン(アメリカ/Team
Voodoo)
ダスティンはスコットランドの民族衣装風であるチェックのスカートを履いて入場。リングに上がるとリング中央に仁王立ち、入場してくる土井へ鋭い視線を向ける。一方の土井は客席に何度も拳を突き上げ、観客を煽る。
1R、ダスティンはいきなりの飛びヒザ蹴りを放つ奇襲攻撃、続いてハイキック。土井はそれをよく見て軽々とかわすと、左ローキック。この一発で揺らぐダスティンはパンチで前に出る。ダスティンの左フックをかわして土井は左フック、そして左ローを叩き込むとダスティンは大きくグラつく。土井は鮮やかな首投げでシュートポイントを奪うと、続く左ローでダウンを奪う。何とか立ち上がったダスティンだったが、左ハイからの左ローで土井のKO勝ちが決まった。
快勝を収めた土井は、「今日は緒形の相手がアクシデントでキャンセルになってしまいマシが、緒形の気持ちを背負って闘ったつもりです。(シーザー)会長、SBは僕ら若いヤツが引っ張っていきます!」とマイクアピールした。
▼第7試合 70kg契約 エキスパートクラスルール3分5R
緒形健一(シーザー/SB日本スーパーウェルター級王者)
※エドゥアルド急病のため中止
ジョニー・エドゥアルド(ブラジル/ボクセ・タイ/チーム・ミノタウロ)
↓
▼第7試合 エキジビションマッチ3分1R
緒形健一(シーザー/SB日本スーパーウェルター級王者)
※エキジビションのため判定なし
アンディ・サワー(オランダ/S-cup02・04覇者、K-1
WORLD MAX2005世界大会覇者)
緒形の対戦相手ジョニー・エドウアルドは、計量後に宿泊先のホテルで倒れて救急車で病院に運ばれ、意識消失発作と診断された。第4試合終了後の19:27まで協議されたが、欠場が決定した。
第6試合終了後、アンディ・サワーがリングに上がって挨拶。
「僕は今度、K-1MAXに出場する事が決まりました。当然、S-CUPとMAXでは優勝するつもりです。そこでの試合でベストを尽くしたいと思っています。精一杯頑張ってベストを尽くすので皆様のサポートと応援をよろしくお願いします」とファンにアピールすると、「今日は緒形選手の相手が体調不良で試合がなくなってしまったので、どうですか? エキジビションマッチという事で緒形選手と!」と突然の申し出に場内は拍手喝采。「それではこれから着替えます」と、急遽、緒形とのエキジビションマッチが決定した。
エキジビションマッチでは、最後にサワーがダウンするサービスを見せて会場は盛り上がった。
緒形は「今日のために必至に練習してきたので、試合が出来なくて残念です。でも、この気持ちは今年のS-cupへ向けて、前回僕が忘れてきたものを取りに行きます。そしてまた、アンディと、1度やられているので絶対に拳を交えて、その時は今度は僕が倒したいと思います!」とS-cup制覇と打倒アンディ・サワーを宣言した。
▼第6試合 70kg契約 エキスパートクラスルール3分5R
○大野 崇(正道会館/ISKA世界ミドル級王者)70.15kg
KO 4R1分45秒 ※右ヒザ蹴り
●菊地浩一(寝屋川/SB日本ウェルター級1位)70.05kg
1R、サウスポーの両者。菊地の左ローと大野の左ミドルの応酬に。菊地は大野のパンチをかわしてパンチを当て、着実にローをヒットさせていく。菊地のローに右アッパーを合わせようとする大野。すると菊地はワンツーで飛び込み、左ローへ繋げる。大野の左に左のカウンター。大野も左ローを蹴り返すが、菊地は前へ出てパンチのカウンターとロー。大野はヒザ蹴りで応戦する。
2R、菊地がパンチで前に出るが、大野がよく見てフックとアッパーをヒットさせる。ジャブから左ストレートに繋げる菊地、下がりながらも左ローを返す大野。近づく菊地に大野の顔面前蹴りがヒット。菊地が前へ出て左ストレートのカウンターを2度ヒット、そのまま大野をロープへ釘付けにして連打を決める。ラッシュを仕掛ける菊地! しかし、大野も体勢を立て直してパンチからロー。攻め疲れて感のある菊地に大野の攻撃が当たる。
3R、菊地は大野のパンチをよく見て左のカウンターをヒットさせ、ローキックへと繋げる。一方的に打たれてしまった大野だが、飛びヒザ蹴りとローで反撃、菊地が前に出て来るとテンカオ。大野のローに菊地が揺らぎ始める。パンチで前に出て決めにいく菊地だが、大野のローと飛びヒザ蹴りに阻まれる。
4R、パンチで先へ先へと攻めていく菊地に、大野はテンカオ、ローを返していく。大野の左ローにバランスを崩す菊地。それでもパンチを振るって前に出て行く菊地だったが、ローが効いているため体が前のめり気味に。ここで大野がずっと狙っていたカウンターの顔面ヒザ蹴りが鮮やかにヒット! 菊地は前のめりにダウンし、そのままストップとなった。
▼第5試合 59kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R
○石川剛司(シーザー/SB日本フェザー級1位)58.85kg
判定3−0 ※30−27、30―27、30―27
●KAWASAKI(REAL DEAL/IKUSA
GP U60 2005第3位)58.8kg
1R、いきなり足を止めて打ち合う両雄! フックが交錯する。石川はミドルを蹴ってワンツーに繋ぎ、KAWASAKIは得意の乱戦に持ち込むためインファイトでのフック。石川は強いパンチを打っては投げを狙い、KAWASAKIはパンチを振るいながら突っ込んでいく。パンチでロープ際に追い詰めていくKAWASAKIだったが、右のフックをもらったところで投げられて石川にシュートポイントを許す。KAWASAKIも負けじとフロントチョークを繰り出すが、これはブレイクに。石川は早い連打をヒットさせ、再び投げを狙っていく。
2R、パンチで突っ込んでいくKAWASAKIを、石川もパンチで迎え撃つ。石川の思い切ったストレートとフックがヒットし、首投げも繰り出す。それでもKAWASAKIの前進は止まらない。組みに来たKAWASAKIに石川がスタンドの肩固め、しかし、これはKAWASAKIが倒れる事で防ぐ。石川がパンチ、KAWASAKIが組み付いてくると首投げで2度目のシュートポイント。
3R、やはり乱戦に持ち込もうとフックで前に出るKAWASAKI。石川は組み付くと投げを狙っていく。ストレートで前に出るKAWASAKIに、石川もパンチで応戦。KAWASAKIが組み付いてくると石川はバックドロップ気味の投げを見舞う。残り1分30秒、KAWASAKIの前進は止まらない。KAWASAKIがパンチで前に出て、石川がそれを迎え撃ち、組まれると投げを繰り出すという展開が続く。最後までパンチを振るって前に出たKAWASAKIだったが、2度のシュートポイントを奪い返す事はできなかった。
▼第4試合 68kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R
○尾崎圭司(チームドラゴン)
判定3−0 ※30−27、30―28、30―27
●関本 宏(寝屋川/SB日本スーパーウェルター級5位)
1R、ローの蹴り合いから関本がパンチで前に出て、尾崎のお株を奪うようなバックキックを繰り出す。さらに左右のフックで前に出て、尾崎を下がらせる。尾崎はストレートからロー、潜り込んでのアッパー。右ローを蹴ってからのパンチに繋げる。バックブローを見せてからローキック、関本が近寄ってくるとバックキックで下がらせる。右ローをしっかりと蹴ってからパンチへ繋げていく尾崎だが、関本はバックキックやバックブローなど尾崎のお株を奪うような攻撃を見せてから、フックをヒットさせていく。
2R、ミドルを蹴ってくる関本にパンチで前に出る尾崎。関本も負けじと連打を返していく。尾崎はパンチのコンビネーションから右ロー。関本のパンチを両腕ブロックで防御し、ローキックへと繋げていく。右ローを連打する尾崎。ノーガードで関本のパンチを誘い、ローキック。ジャブをもらって下がる尾崎だが、ローはしっかりと蹴り返す。尾崎はパンチをもらう場面が多い。
3R、尾崎が動いて前に出る。連打から右ロー、関本が打ち返してくるとヒザ蹴り、そして初公開のバックドロップで尾崎がシュートポイントを奪う。尾崎はフックからアッパー、関本がパンチで前に出て来るとやや押され気味に。尾崎はバックブローから左右フック、関本もバックキックを蹴り返し、投げを狙ったところで終了のゴングが鳴った。関本の固いブロックに阻まれてパンチが当たらなかったためか、逆にパンチをもらう場面も多く尾崎らしからぬ2006年のスタートとなった。
▼第3試合 59kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R
○ナグランチューンマーサM16(龍生塾/SB日本フェザー級3位)
判定3−0 ※30−28、29―28、29―27
●歌川暁文(UWFスネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級2位)
1R、サウスポーの歌川がローキック連打で先制。ナグランチューンはローに合わせてワンツーを狙っていく。下がるナグランチューンに歌川が右フック、パンチで前に出る歌川をナグランチューンがパンチで迎え撃ち、ワンツーをヒットさせる。歌川がローを蹴り返すがこれはローブローに。ナグランチューンの左フック、右アッパー、歌川のローに合わせたワンツー。終盤、一気に出たナグランチューンが連打を仕掛けて、歌川が打ち返そうと前に出てきたところへ右フックをジャストミート。そのまま前に倒れた歌川にダウンが宣告される。
2R、歌川がパンチで前に出る。ミドルとパンチのコンビネーションで攻め立て、ナグランチューンがパンチを返したところへ歌川の前蹴り。しかし、これもローブローとなってしまい歌川に減点1が課せられる。前へ出る歌川がロープへ詰めてフックからアッパー。前へ出てパンチを繰り出す歌川に押され、下がるナグランチューン。投げで体勢を立て直すとワンツーから首投げを狙うも不発。インファイトを仕掛けていくナグランチューンに歌川がパンチで前に出て押し気味に試合を進める。ナグランチューンは再び投げに行こうとしたが、やはり防がれてしまった。
3R、歌川がハイキック連打から前へ出て、ストレートに繋ぐ。歌川は飛び込みざまにヒジ、そして組んでのヒザ。ナグランチューンがワンツーを返すも、すぐに歌川が左ストレートをヒットさせる。両者足を止めての打ち合い、手数を出すのはナグランチューンだが、右アッパーと左フックをヒットさせるのは歌川だ。歌川はテンカオ、ハイキックも混ぜてラッシュを仕掛けるが、1Rのダウンと2Rの減点を覆すまでには至らなかった。
▼第2試合 ヘビー級 フレッシュマンクラスルール3分3R
○西脇恵一(チームドラゴン)
判定3−0 ※29−24、29―24、29―25
●岩下雅大(龍生塾)
▼第1試合 57kg契約 フレッシュマンクラスルール3分3R
○センカン大和(湘南)
KO 1R2分22秒
●岩崎晃久(大村)
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