天空事務局
女子キックボクシング「天空 New Beginning〜女の夢 全て託して舞い上がれ〜」
2006年3月4日(土)東京・新宿FACE
開場17:00 開始18:00
▼メインイベント キックボクシング 52kg契約 国際戦3分5R
○森本華世(極真会館千葉県北支部/24歳) 1勝1分
判定 3−0 ※48−47、49−47、50−47
●ゲンカーム・ルークチャオポーカム(タイ/タイ北部チャンピオン/16歳) 19勝10敗2分
1Rから森本がパンチで突進、ゲンカームは組んでのヒザ蹴りを繰り出して行くが、森本が激しく抵抗するため両者は揉み合って倒れる場面が多い。距離が開くとゲンカームは左ミドル、これに構わず森本が前に出てパンチを浴びせ、組み合いというよりも取っ組み合いと表現した方がピッタリの乱戦となる。勢いあまってゲンカームがロープの外に飛び出してしまう場面も。
2Rには森本の上段前蹴りと右ストレートが顔面にヒット、勢いをつけて体ごと前に出て来る森本に対して、ゲンカームは蹴りの距離がつかめず取っ組み合いに。気迫を全面に出す森本は、もつれ合って倒れてもゲンカームの頭を殴り続ける。ゲンカームが首相撲に持ち込んでも、森本はパンチを出し続けてコーナーに押し込んでいくため、ゲンカームは自分の技が出せずやりにくそう。
3R、どんどん前へ出てなりふり構わずにパンチを出して行く森本。手数を出しながら前へ出て、体ごとコーナーへ押し込んでいく様はまさに極真ラッシュ! 距離が取れず首相撲にもならないゲンカームは困り気味だ。森本が自分のペースで試合を進めていく。組み付き、ねじ伏せてパンチを出す森本に、ゲンカームは組み付くのが精一杯。
4R、激しくもつれ合う両雄。しかし、ここへ来て森本の動きが鈍り始める。ゲンカームのフックが森本を捕らえるようになり、両者の間に距離が出来始めた。前に出る極真特有の圧力がなければ、森本の技術は底が知れている。ゲンカームはパンチで攻めていくが、森本は組み付いて難を逃れる。
5R、息を吹き返した森本がワンツーを主体に再び前へ出る。圧力をかけてゲンカームを下がらせ、連打から組み付かれてもヒザ、パンチと攻撃の手を休めない。ゲンカームもフックを飛ばしてくるが、森本は最後の力を振り絞っての極真ラッシュ!
組み合いになってもねじ伏せるようにしてヒザを出させない。そしてラスト15秒を切ったところで、森本のワンツーがゲンカームにヒット。ゲンカームの頭がロープの外に出ても、連打を止めない森本。不利な体勢で一方的に打たれたゲンカームにスタンディングダウンが宣せられ、勝負は決した。
●森本のコメント
「とにかく退かないで前へ出る事だけ考えていました。蹴りで来るのは分かっていたから前へ詰めて、パンチを出して行こうと。相手どうこうではなく、自分が前へ出る事だけを考えてやりました。自分の気持ちだけですね。技術面で練習の成果を出せたかどうかは分からないけれど、気持ちの面では出せたと思います。
パンチは練習してきました。ダウンは狙っていたパンチじゃなく、パンチを打っていた中でとってくれたんだと思います。もうちょっとパンチをまとめられたら…と思います。蹴りは相手の土俵なのでパンチ重視でやってきました。まだ通過点だと思いますが、自信にはなりました。向こうの方がキャリアは上なので、気持ちしかないと思って出し切ろうと思っていましたね。技術的にはダメでしょう。基本はワンツー。それしかないですから。
空手とキックの両立は無理だと思うので、考えてみたいと思います。(いま何が一番したいか?)お菓子が食べたいです(笑)」
●神風杏子・競技統括のコメント
「考えてみれば彼女はまだ2戦目なんですよね。本人には言わなかったんですけど、相手は6歳の時からムエタイをやっていたから、気持ちで行くしかないと。気持ちが大事だと言っておきました。私も現役の時に行かないで後悔した試合がいっぱいあったので、後悔しないようにと。でも、実戦でやるのはそう出来ない事です。メインは結果も内容も問われるのに、よくやったと思います。ホッとしました。次にお客さんがまた来てくれれば今日の大会は成功だったと思います。私的には一安心しました。
100点じゃないけれど、興行的には合格点でいいと思います。課題はいっぱいあります。森本は試合や練習に対する姿勢が真面目で、この選手がいなかったら私は会場にさえ来ていなかったと思います。今日で彼女の方向性は決まったと思います。後は見たお客さんが評価を決めて下さい」
▼セミファイナル キックボクシング 49kg契約3分5R
○山田純琴(y-park/22歳) 4勝2KO2敗=右
KO 1R2分22秒
●渡辺愛望(実践空手道翔武会/16歳) 2勝4敗=左
1R、勢いよく攻め込んだのは16歳の渡辺。パンチと前蹴りで一気に攻めていく。しかし、山田が深く潜り込むような体勢からのパンチで攻め、ローにパンチを合わせていくと渡辺が下がる。山田はレバーブローを効かせると一気にパンチで前へ出て行き、左フックで最初のダウンを奪う。この時点で渡辺は腹を抑える。山田は左右フックで2度目のダウンを奪うと、前蹴りで必死に抵抗する渡辺にボディブローを連打。渡辺が防戦一方になったところで試合は止められた。
▼第6試合 極真マッチ(極真ルール)中量級2分3R
△有馬詩織(極真会館千葉県北支部/19歳) 秋季関東練成大会高校生女子の部準優勝=右
ドロー 判定 1−0 ※30−29、30−30、30−30
△福井 瞳(極真会館横浜東支部/23歳) 全日本女子空手道選手権大会65kg以下級準優勝=左
第5試合とはうって変わり、お互いに距離をとって見合う静かな立ち上がり。福井が下段廻し蹴りを多用して突きや上段蹴りへつなげ、有馬は相手の動きをよく見て突きの連打で前へ出て行く。
2R、上・中・下と蹴りを振り分けていく福井は、有馬が突きで接近戦を挑んでくるとヒザ蹴り。有馬も内股への下段廻し蹴りで福井のバランスを崩していく。
3R、福井が蹴りとヒザを織り交ぜていくと、有馬は下段を蹴って突きの連打。離れて闘いたい福井と、接近戦に持ち込みたい有馬の攻防となり、福井が手数で上回ったかに見えたが、有馬も強い突きと下段蹴りを返していたため引き分けとなった。
▼第5試合 極真マッチ(極真ルール)軽量級2分3R
○立川愛美(極真会館埼玉県東支部/17歳) 全日本女子空手道選手権大会50kg以下級準優勝=右
判定 2−0 ※30−30、30−28、30−29
●根本幸衣(極真会館千葉県北支部/17歳) 秋季関東大会優勝=左
1Rから黒帯の立川が豪快なラッシュを見せる。突きの連打で根本を押し込み、下段や中段への蹴りに繋げていく。時折、上段廻し蹴りも放つ。最初は押され気味だった根本は、接近戦を挑む立川にヒザ蹴り、突きで応戦。
2R、立川が上段前蹴りから前へ出て、突きと右下段廻し蹴りのラッシュ。根本は突きから下段、ヒザで打ち合いに挑むも立川の圧力と手数に押され気味だ。
3Rも攻めるのは立川。突きのラッシュで根本を押し込み、機を見て上段廻し蹴りも狙っていく。根本もヒザ蹴りと突きで真正面から打ち合いを展開したが、立川の圧力と手数、有効打が上回り2-0で判定勝ちした。スピーディーで手数の出た試合に、場内の観客も満足したようだった。
▼極真空手演武
岡本早代(極真会館千葉県北支部)
世界女子空手道選手権大会型の部3位
阿由葉朝子(極真会館千葉県北支部)
全日本女子空手道選手権大会型の部4位
▼第4試合 キックボクシング 58kg契約2分3R
○龍 子(菅原道場/20歳) 2勝=左1KO1敗
KO 1R2分05秒 ※右ハイキック
●HARUMI(SOD女子格闘技道場) 1敗1分=右
開始と同時にHARUMIは頭を下げながらパンチを打っていく。龍子は落ち着いて首相撲からヒザ蹴り。そして龍子は右ローキック連打を展開する。徐々にダメージを蓄積していったHARUMIは、顔をしかめながら体が“くの字”に。HARUMIのガードが下がったところを見逃さず、龍子はトドメの右ハイキック! 龍子がKO勝利を収めた。
▼第3試合 キックボクシング 56kg契約2分3R
○せ り(SOD女子格闘技道場/31歳) 3勝2敗=右
判定 2−0 ※30−29、29−29、30−28
●永島 梢(極真会館千葉県北支部/18歳) 1勝1敗=左
せりのセコンドには女子格闘家の高橋洋子がついた。永島は空手家らしく軽やかなステップを踏みながらローキック。せりは距離を詰め、一気にパンチラッシュ。1R終盤には両者ともパンチの打ち合いに出る。
2、3Rと首相撲からのヒザ蹴りで攻めるせり。永島は起死回生のバックスピンキックで勝負に出たが、クリーンヒットならず。終盤にはスタミナ切れで永島が失速してしまった。手数の多かったせりが判定勝利を収めた。
▼第2試合 キックボクシング フライ級2分3R
△ユウコ(多摩FG/31歳) 1勝1分=左
ドロー 判定 1−0 ※29−29、30−30、30−29
△CHIZU(菅原道場/25歳)1敗1分=右
1R、ローキックとストレートで圧力をかけるユウコに対し、CHIZUは的確にローを当てていく。一進一退の攻防だ。
2R、CHIZUはパンチラッシュ。クリンチで逃げたユウコは右ハイを返す。
3R、ユウコがローをはなったところに、CHIZUはカウンターで右ストレート! そのままの勢いでCHIZUがラッシュを仕掛けたところでゴング。接戦だったために、両者ドローという結果に終わった。
▼第1試合 キックボクシング 50kg契約2分3R
○KAYA(坂本/26歳) 1勝=右
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−27
●茂木久美子(OGUNI/26歳) 1敗=左
1R、KAYAは首相撲からのヒザ蹴りで優位に試合を進める。そしてワンツーからの右ハイキックを食らい、茂木はピンチ。
2Rもヒザ蹴りラッシュでKAYAの主導権で試合は運ばれる。茂木はミドルを負けじと返していった。
3R、KAYAはパンチラッシュで追い込み。茂木はダメージを蓄積していく。クリンチで逃げようとする茂木を突き放し、KAYAは右ストレート。そしてラッシュを仕掛けたところでゴング。
終始攻め続けたKAYAがデビュー戦を勝利で飾った。
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