TBS/FEG
「K-1 WORLD MAX 2006〜世界一決定トーナメント開幕戦〜」
2006年4月5日(水)東京・国立代々木競技場第一体育館
開場16:00 開始17:30
▼メインイベント K-1 WORLD
MAX 2006 世界一決定トーナメント 1回戦 3分3R延長1R
○魔裟斗(日本/シルバーウルフ/K-1 WORLD
MAX 2003王者)70.0kg
TKO 2R1分56秒 ※タオル投入
●レミギウス・モリカビュチス(リトアニア/リングスリトアニア/ZST-GP2王者)67.0kg
魔裟斗の入場に場内から大歓声が沸き起こり、客席にはなんと細木和子さんの姿も。魔裟斗はリングに上がると眼光鋭く、ガッツポーズで声援に応える。
1R、サウスポーに構えるレミギウスに左ミドル、ローキックを飛ばす魔裟斗。静かな立ち上がりは、やはりレミギウスによってかき乱された。蹴りを出しながら前に出たレミギウスは飛びヒザ蹴りを仕掛け、一気にパンチの雨あられ。この猛攻に魔裟斗が揺らぎ、場内は悲鳴に包まれる。
突き放す魔裟斗、ラッシュを仕掛けるレミギウス。いつ倒れてもおかしくない、レミギウスの兇器のようなヒザ、蹴り、パンチが乱れ飛ぶが、魔裟斗は飛ぶレミギウスをプッシングでかわす。パンチで迫るレミギウスに魔裟斗が右のカウンター。左フック、右フックで追撃する魔裟斗だが、それでも前に出るレミギウス。
魔裟斗がジャブ、スピードの鈍ったレミギウスに魔裟斗の右ストレート。フックで前に出るレミギウスは右フックをヒットさせるも、直後に魔裟斗の右カウンター。魔裟斗はテンカオで前に出て攻めたかと思えば、ジャブを出しながら後ろに下がり、レミーガが追ってくると右ストレート、左ストレートから右アッパーとパンチのコンビネーションを当てる。満員10,800人の大歓声と悲鳴が響き渡った。
最高にスリリングな第1Rが終わり2R、魔裟斗は右ミドル、レミーガはパンチで勢いよく前に出る。魔裟斗はジャブを出しながら下がり、レミギウスが追ってくると左フックから右ストレート。レミギウスも右アッパーから左フック、魔裟斗はヒザで前へ出て左右の連打だ。
レミギウスも連打を返して魔裟斗が下がる。魔裟斗はローキック、左フック、一気にパンチで詰めるがレミーガも左フックを打ち返す。魔裟斗の前蹴りにレミギウスがボディを押さえた。その隙を魔裟斗は見逃さず、一気にボディブローで畳み掛け、ロープに詰めて滅多打ち。ここでセコンドからタオルが投入され、魔裟斗が大熱戦を制した。
●魔裟斗のコメント
「今日は倒せるものと最初から思っていた。出る前のVTRを見たら行かざるを得なかったですね(笑)。コレで行かなかったらカッコ悪すぎ。最初から行くつもりだったけど、あれが最後の一押しをしてくれた。最初に左をもらいましたよ。でも、想定どおり。俺の予想を上回ってくるのを予想していたから。俺が最初の出だしでああなるのは前もあったでしょ。
レミギウスの攻撃は最初の1分くらいで全部見切った。1Rが終わった時点で勝てると思った。カウンターで出てきたら打つという。(相手の動きが落ちていくのは)分かった。2分過ぎくらいじゃないですか。最後もダウンで止まったかと思った。前蹴りが効いたんですよ。まずその前にヒザでボディが効いて、前蹴り、それでパンチですね。
攻めている時はイケイケだけど、ああいう場面になるとあいつは気持ちが弱いのは分かっていた。試合前からそう思ってましたね。心を折ってやったって感じですか。
今日は久しぶりに荒々しい試合をしようと思ってました。前のような試合をするくらいなら引退した方がいい。昔、ヘビー級のクソみたいな試合って言ってた俺が、クソみたいな試合をしていた。だから今日は、覚悟を決めてたんですよ。俺の中では崖っぷちだった。批判している試合と同じ事を俺がやってたわけだから、ヘタな試合、面白くない試合をやるくらいならやらない方がいい。俺が4〜5年前に批判していた事を俺がやってたんだから。
(決勝トーナメントでも荒々しく行くか?)トーナメントは微妙だけど…3試合闘うから。トーナメントは今までの経験上、1回はKOで勝たないと優勝は難しいというのがあって、今日は倒すのが課題でもあったんですよ。KOすると自分の気持ちも乗ってくるんで。だから、今日は倒さないと、と思っていた。倒すと乗りますからね。いいパンチでKOに繋げられたんじゃないかなと思う。
正直、この7人と3試合闘うのは厳しいなと思うけど、頑張りますよ。みんなボロボロになると思う。次の6月30日は正念場、過酷ですよ。ホントにそう思いますよ。
(日本人は)カードを見て勝つかなと思っていた。1ヵ月くらい休みます。走ったりはするけど、今月はのんびりしてもいいかなと思います」
▼第6試合 K-1 WORLD MAX 2006 世界一決定トーナメント 1回戦 3分3R延長1R
○ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム/K-1
WORLD MAX 2004王者)69.1kg
本戦0-0 ※29-29、29-29、29-29
延長R 判定2-1 ※10-9、9-10、10-9
●ヴァージル・カラコダ(南アフリカ/スティーブズジム)69.1kg
自分のテーマ曲を歌いながら、華麗なステップで踊りながら入場するカラコダは、客席に愛想を振りまいて場内を盛り上げる。ブアカーオは弓矢を射るポーズを見せ、口を真一文字に結んでの入場。キリリと引き締まった表情に自信を窺わせる。
1R、パンチで突っ込むカラコダにテンカオを突き刺し、左ミドルで突き放すブアカーオ。カラコダのパンチを巧みなディフェンスで寸前にかわす。ワンツーをかわし、ハイキックを入れるブアカーオ。カラコダが接近してくるとヒザを突き刺し、パンチを入れる。カラコダのフックやアッパーは空を切る、対してブアカーオのヒザは次々と突き刺さっていく。下がるカラコダ。ブアカーオが左ミドルを連打し、右ストレートをクリーンヒットさせたところでラウンド終了。
2R、カラコダが入ってくると左手を伸ばして制し、左ミドルを叩き込むブアカーオ。カラコダはパンチを放っていくが、ブアカーオは体を密着させてのヒザ。カラコダの突進をかわし、振り向き様にハイキック。巧みにカラコダのパンチをかわし、自分のパンチと左ミドル、接近するとヒザをボディに突き刺すブアカーオ。
寸前でパンチを避けるため危なく見えるが、ブアカーオはカラコダのパンチが完璧に見えている。カラコダのジャブが当たっても、すぐに左ミドルを返し、追撃されないように体を密着させてヒザ蹴り。しかし、ラウンド終了間際にカラコダが左フック、ロープ際での右フックをヒットさせる。ブアカーオの表情から精彩が消える。
3R、テンカオ、左ミドル、カラコダのパンチをかわしての左ミドルと翻弄するブアカーオ。カラコダはショルダーアタックからフックを振るうが、やはり当たらない。カラコダの右フックがヒットすると、ブアカーオは左ミドルの連打。クリンチの多いブアカーオに注意が与えられる。ジャブで前に出るカラコダ、ブアカーオはクリンチを繰り返す。カラコダはボディへパンチを放ち、左ミドルを繰り出すカラコダにストレートを繰り出していき、ブアカーオはクリンチするのが精一杯。
判定は三者とも29-29で本戦ドロー。決着は延長戦へ持ち越された。
左ミドルとテンカオを放つブアカーオ、しかし、パンチで打ち合いに行ったところでカラコダのフックがヒット! ブアカーオは打ち合いに行くが、クリンチが多い。カラコダのフックを空振りさせて、必死にパンチを打ち返していくブアカーオ。右アッパーを突き上げ、左ストレートを打つブアカーオに、カラコダも左右のフック。ブアカーオはクリンチで逃げ、ブレイクされる前にパンチで行く。カラコダの右ストレート、左フックがヒットし、クリンチに逃げるブアカーオ。カラコダがパンチで前へ出る! 後半はほとんどブアカーオの手が出なかった。
判定は2-1のスプリットデシジョンでブアカーオ! まさに薄氷を踏むようなギリギリの勝利でブアカーオが何とか勝ちを拾った。
▼第5試合 K-1
WORLD MAX 2006 世界一決定トーナメント 1回戦 3分3R延長1R
○アルバート・クラウス(オランダ/ブーリーズジム/K-1
WORLD MAX 2002王者)69.7kg
判定3-0 ※30-29、30-29、30-28
●アリ・グンヤー(トルコ/アルフィッド)69.5kg
歴代のチャンピオンを全員倒している唯一の男、初代王者のクラウス。対するは4年前、クラウスがMAX初代王者になった年にクラウスを破っているアリ。「クラウスをK-1の舞台から引き摺り下ろしてやる」(アリ)「今度は完膚なきまでに叩きのめす」(クラウス)と舌戦も激しく展開した。
優雅に踊りながら花道を進むアリ。目を瞑り、まるでトランス状態にあるようだ。クラウスはシャドーボクシングを繰り返しながら、リベンジに気合い十分の表情。
1R、クラウスは距離を詰めて左右のショートパンチを当てていく。アリは大振りのフックからロー。ワンツーでアリにブロックさせ、ボディを狙うクラウス。アリはクラウスのパンチに合わせてローと前蹴り。どんどん距離を詰めていくクラウスはパンチを放っていくも、アリはしっかりとブロックしている。ローを蹴ってくるアリに連打を叩き込んだクラウスだったが、ほとんどガードの上からだった。
2R、サウスポーに構えを変えたアリが蹴り技で前に出る。ロー、前蹴り、バックキック。クラウスがストレートを放つと、ハイキック。クラウスはアリのパンチ連打はしっかりと防御して左フックを返す。アリは頭部と腹にバックキック二連発、クラウスが接近するとヒザ蹴りを突き刺す。圧力を掛けて前に出るクラウスのパンチと、アリのヒザ&ミドルキックが相打ちになる場面が多い。
3R、クラウスが前に出るが、アリのパンチをもらって一瞬動きが止まる。しかし、クラウスはすぐにフックを返していき、アリをロープに詰めてボディブロー。クラウスのワンツー、アリのローとヒザ。アリは体を丸めるようにしてクラウスのパンチを防御し、逆にフックを返していく。先に攻めるクラウス、防御して返すアリ。クラウスが追いかけていき、アリをロープに詰めて連打を見舞った。接戦ではあったが、終始攻め続けたクラウスが判定で勝利している。
▼第4試合 K-1
WORLD MAX 2006 世界一決定トーナメント 1回戦 3分3R延長1R
○小比類巻貴之(日本/チーム・ドラゴン/K-1 WORLD MAX2004日本代表決定トーナメント優勝)70.0kg
KO 3R2分46秒 ※3ノックダウン
●イム・チビン(韓国/ソウルテウン/K-1 WORLDMAX2006アジアトーナメント優勝)69.8kg
1R、ローを蹴って回り込むイムに対し、コヒは鋭くジャブを突く。ゆったりとした動きのイムだが、コヒが蹴りを出すと鋭いステップインからパンチを繰り出す。ワンツーでコヒを下がらせるイム。コヒはイムの蹴り足を取ってローキック、もう一度蹴ってしまったため注意1が与えられる。コンパクトなワンツーを繰り出すイム、コヒの蹴りに飛び込んでの連打を繰り出す。コヒはパンチこそもらわないものの、攻めあぐねる。
2R、ワンツーで入っていくイムにローを蹴り返すコヒ。しかし、ローにイムがパンチで飛び込んでくるため、コヒは慎重にならざるをえない。ワンツーで攻めるイムは右のストレートをヒットさせる。コヒもローを返すが、スピードでイムが上回る。終盤になってようやくコヒが右ローキックで前へ出たが、イムの右ストレートが顔面を襲う。
3R、パンチで一気に前へ出るイム! 苦しくなったコヒはホールディング、蹴り足を掴んで2度の攻撃で注意が与えられる。そして両者にホールディングの警告。イムの連打に下がるコヒ。が、イムの左ミドルをしっかりとブロックし、強烈な右ローを連打! これでイムがダウン!
逆転を狙ってイムがワンツーで前へ出るが、コヒは捕まえてのヒザ蹴り、そしてジャブとロー。突っ込んでくるイムにローキックのカウンターで2度目のダウンを奪う! コヒはパンチで前へ出るイムにローを当て、逆に前へ出て奥足への右ローキック! 弾かれるように吹っ飛び、倒れたイム! コヒが豪快なKO勝ちで決勝トーナメント進出を決めた。
▼第3試合 K-1
WORLD MAX 2006 世界一決定トーナメント 1回戦 3分3R延長1R
○佐藤嘉洋(日本/フルキャスト/K-1 WORLD
MAX 2006日本代表決定トーナメント優勝)70.0kg
判定3-0 30-28、30-29、30-28
●マイク・ザンビディス(ギリシャ/メガジム/WOKA世界王者)
1R、両者はかなりの身長差。ザンビディスはパンチを出しながらインファイトを仕掛けようとするが、佐藤はヒザ蹴りと右ローキック。佐藤は待つ事無く、ザンビディスにテンカオを突き刺し、ジャブ&ロー。ローキックを繰り出しながら前へ出る佐藤、ザンビディスもローを蹴っていくが、パンチは当たらない。
佐藤がワンツーからロー、順調に攻めるが、そこに落とし穴が待っていた。ザンビディスの左フックが火を噴き、ガクンと腰を落とす佐藤。一気に左右のフックを浴びせていくザンビディス。そこでゴングが鳴った。
2R、佐藤は執拗な右ロー、近づくとヒザ蹴り。伸び上がるようにパンチを出してくるザンビディスに、ヒザ蹴りとローキックを放つ。左ローも蹴る佐藤、ザンビディスも左右のフックをヒットさせるが、佐藤のローでザンビディスは転倒。捕まえてヒザ蹴り、離して奥足へのローキック。この二段構えの攻めにザンビディスは後退させられる。
3R、ジリジリと前へ出る佐藤。左右のローキックを蹴り、ザンビディスがパンチで入ってくるとヒザ蹴り。ザンビディスもフックをヒットさせるが、佐藤のロー&ヒザの数が上回る。離れてローキックと前蹴り、近づくとカウンターのヒザと自分から行くヒザ。
ザンビディスのパンチも入っているが、足を殺されているため威力が半減しているようだ。佐藤のローにザンビディスの体が揺らぐ。佐藤のヒザ蹴りとザンビディスのフックが交互にヒットするが、前へ出る佐藤の攻めの姿勢が目立つ。ザンビディスも足を真っ赤にしながら倒れる事無く、最後まで闘い抜いた。
判定は3-0で佐藤の勝利。まずは一人、決勝戦へ日本人が進出した。
「とても強い選手と闘えて光栄です。一人勝ったので、今日は判定でしたけど、絶対に世界大会優勝します。もっともっと練習して強くなるんで、また僕の事を応援して下さい」とマイクでアピールした佐藤。堅実な攻めに優勝の期待がかかる。
▼第2試合 K-1
WORLD MAX 2006 世界一決定トーナメント 1回戦 3分3R延長1R
○ドラゴ(アルメニア/イッツショータイム)69.7kg
判定3-0 ※30-27、30-27、30-28
●オーレ・ローセン(デンマーク/Untamed)69.8kg
1R、両者とも一発当たれば倒れるという強打を繰り出していく。オーレはワンツーからロー&ミドルでプレッシャーをかけ、前へ出て行く。ドラゴは手数が少なく、オーレの連打をブロックして止まってしまう場面が目立つ。
オーレはドラゴを足払いで転倒させ、飛びヒザ蹴りを仕掛けて行く。ドラゴも右フックを振っていくが、オーレの手数に防御を余儀なくされる。ガンガン前へ出るオーレ。しかしゴング間際、ドラゴの伸びる右ストレートがヒット、すぐに右ハイキックをフォローする。
2R、オーレはすでに口を大きく開けている。1Rのラッシュで疲れたか。オーレは左ミドル、前へ出てくるドラゴに右フックをヒットさせる。しかし、ドラゴの右ストレートでオーレが大きく下がり、ドラゴがパンチのラッシュでスタンディングダウンを奪う!
試合が再開されるとドラゴはオーレの大振り左フックにコンパクトなフックを合わせ、変則的なバックスピンキックでオーレの首を刈る! ロープに詰めて一気に連打を浴びせるドラゴ。オーレもミドルキックで応戦し、ドラゴが詰めてくるとフックを放つ。
ドラゴは速くて伸びるローキック、強烈な右ストレートを連打して、オーレをロープ際に詰めてボディと顔面へパンチのラッシュ、さらにバックスピンキック! オーレもパンチで反撃し、世界最高レベルの闘いは最終ラウンドを迎えた。
3R、前へ出るオーレがジャブから前蹴りで前へ出る。ドラゴも踵落しを繰り出し、右ストレートを伸ばす。ミドルキック、右ストレートで前へ出るオーレ。ドラゴは手数が減ったが、よく伸びるワンツーには鋭さと重さ、速さがある。ダウンの失点を奪い返そうと前へ出るオーレ、ドラゴはパンチをブロックしてローキックとワンツー。オーレは逆転を狙って飛びヒザ蹴り、ラッシュを仕掛けるがドラゴを捕らえきる事が出来なかった。
▼第1試合 K-1
WORLD MAX 2006 世界一決定トーナメント 1回戦 3分3R延長1R
○アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング・オランダ/K-1
WORLD MAX 2005王者)69.8kg
本戦 判定1-1 ※30-30、30-29、29-30
延長R 判定2-1 ※10-9、10-9、10-9
●"SHINOBU"ツグト・アマラ(モンゴル/チーム・ハードコア/元全日本キックライト級王者)68.2kg
全日本キックボクシング連盟のライト級戦線でトップを張り続けた白鳥忍が、本名のツグト・アマラに戻してMAX初参戦。対するは昨年王者のアンディ・サワーだ。10kg近い増量をして臨むアマラは、技術で体格差を跳ね返す事が出来るのか?
1R、ハイキックから踵落としを繰り出していくアマラ。左のミドル、ハイキックをスピーディーに蹴る。サワーは左ローを数発、アマラは胴廻し回転蹴りの奇襲攻撃。前蹴りとジャブを多用して、サワーを近づけさせまいとするアマラだが、サワーはしっかと両腕閉じブロックでパンチを受け、レバーブローとローを放っていく。アマラは左右フックから潜り込むようなアッパーを突き上げ、さらにブロックするサワーの腕の上からパンチを叩きつけてサワーを後退させる。
2R、サワーが前へ出る。アマラの左に右フックを被せ、右のパンチを放つと必ずレバーブロー、ローキックで前へ出る。それに対し、アマラ手数で応戦だ。右ローキックでアマラを後退させるサワーだが、アマラもパンチを放って力強く前へ出る。打たれても前へ出るアマラに、サワーも応戦するが手数とスピードが違うためホールディングをして逃れてしまう。一発の重さはサワーがあるが、手数とスピード、前へ出る圧力はアマラが上回る。
3R、左右のフックを叩きつけ、左ハイキックを放つアマラ。さらに後ろ回し蹴り、多彩な蹴り技を繰り出して前へ出るアマラに場内から大歓声が沸き起こる。サワーはインファイトを仕掛けるアマラにヒザ蹴りを返し、前へ出て来るアマラにローを蹴るが、アマラは構わず前へ出て左右フック、アッパーを叩きつけていく。下がらされるサワー。アマラの左フックがヒットし、どんどん前へ出てパンチを放つアマラ。サワーもローキックとレバーブローを返していくが、アマラの前へ出る勢いとパンチに後退を余儀なくされる。
判定は30-30、30-29、29-30の三者三様でドロー、延長戦へ突入した。
アマラはハイキックを放ち、パンチを出して前へ出る。サワーは下がりながらローキック、ロープに詰まるとテンカオを繰り出す。しかし、アマラの手数は止まらない。蹴りから左右の連打、サワーも下がりながらフックを返すが、手数で押される。が、アマラの出足が鈍ると、サワーが右アッパーで突き上げた! パンチを出しながら前へ前へと出て行くアマラ、足がもつれてスリップ。足を止めての両者死力を尽くした打ち合いに、場内が大歓声に包まれる。
注目の判定は10-9、10-9、10-9で前年王者のアンディが辛くも勝ち上がった。
▼スーパーファイト 第2試合 3分3R延長1R
○TATSUJI(日本/アイアンアックス)70.0kg
判定3-0 ※30-26、30-26、30-26
●ニック・ゴンザレス(アメリカ/バスケズアカデミー)68.9kg
1R、速いパンチを放って前へ出て行くTATSUJI。ニックはローキック、バックブローを放っていくが、TATSUJIのパンチの圧力とローキックに翻弄される。前へ出たニックは打ち合いで左フックをヒットさせるが、TATSUJIの右ローに後退していく。早くもこの右ローが効き始め、ニックは腰を折る。ローキックを皮切りに、左右フックで追い詰めていくTATSUJI。ニックがローを蹴ってくると、左右のストレートをカウンターでヒット、ニックの大振りの右フックにはコンパクトな左フックを当てていく。
2R、ジャブの打ち合いとなるが、TATSUJIは矢継ぎ早にパンチのコンビネーションからローキック。ニックはワンツーを返していくも、右フックをもらって後退。ニックが一発パンチを出すと、TATSUJIは三発返す。
TATSUJIが右ローから左右のフック、大振りのニックのフックに左フックを合わせていく。苦しさのあまり組み付くニック。TATSUJIは蹴りから速い左右の連打で前へ出る。ニックもパンチを返していくが、すぐに連打を返されるため組み付いてしまう。ラウンド終了のゴングが鳴ると、両者は睨み合いを展開。
3R、TATSUJIはやはりローキックから入っていく。ニックは前蹴り、変則的なバックキックを放っていき、これにTATSUJIがローを合わせると金的に入ってしまいTATSUJIに注意1が与えられた。足を止めて打ち合いに転じるニックだが、TATSUJIの連打に後退。苦し紛れにリフトアップする。
一気にパンチで攻めていくTATSUJI、左ボディーを叩き込むとアッパー&フック。ニックはクリンチを繰り返す。TATSUJIの右ストレートが当たると、やはり組み付くニック。コーナーへ詰めて左右のパンチを連打するTATSUJI、逃げるニックを追い回すが、ニックはタックルで逃れる。この行為にイエローカードが掲示された。
右アッパー、右フックでグラつかせ、左右の連打でラッシュをかけていくTATSUJIは、最後まで手を休める事無く攻めて行ったが、倒す事は出来ず判定に。三者とも30-26という大差をつけ、TATSUJIが勝利を収めた。
▼オープニングファイト 第1試合 3分3R延長1R
○木浪利幸(日本/フリー)69.75kg
判定3-0 ※30-27、30-28、29-28
●ソーレン・キング(オーストラリア/NTGジム)69.9kg
輝波から本名の木浪利幸に戻しての第一戦。対するはオーストラリアの新鋭ソーレン・キング。
1R、キングのローにワンツーを合わせる木浪。キングはジャブからロー、ミドルキック。木浪はそれらにパンチでカウンターを合わせながら、前へプレッシャーをかけて行く。キングのパンチをしっかりと受けて、ボディから顔面を狙っていく木浪。パンチのコンビネーションの後に、右ローをフォローする事も忘れない。
2R、ジャブを放つキングに対し、前へプレッシャーをかけてボディから顔面へとコンビネーションを放っていく木浪。キングも左右フックとミドルキックで応戦するが、木浪の圧力に下がり気味。キングがテンカオを出した直後、木浪の右ストレートでキングがダウン。木浪は倒そうと右を多用するが、やや大振り。逆にキングのパンチをもらってしまう。ならばと木浪は右ストレートに仰け反るキングに、右ローをフォローしていく。
3R、一気にラッシュをかけていく木浪。キングをロープに詰めて左右の連打だ。キングはジャブからロー&ミドルキック、木浪が近づいてくるとテンカオを合わせる。キングの長いリーチから繰り出される前蹴りと左右のストレートに、なかなか接近戦を挑む事が出来ない木浪。思い切って右ストレートを放ち、ボディへと繋いでいくもキングは距離をとって逃げる。木浪の左右ストレートに交代を繰り返すキング。前蹴り、ミドル、テンカオで木浪を突き放すのが精一杯だ。木浪はどんどん前へ出て、ロープ際にキングを追い詰めると左フックからの連打を加える。
最後まで倒しに行った木浪だが、勝敗は判定に。ダウンを奪った木浪が3-0で勝利を挙げ、3戦目にして嬉しい初勝利を飾った。
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