NJKF/センチャイムエタイジム
「ADVANCE VI〜前進」
2006年7月2日(日)東京・ディファ有明
開場16:30 開始17:00
▼ダブルメインイベント第2試合 韓国・タイ国際戦 73kg契約3分5R
○センチャイ・ソーカムシン(タイ/ルンピニースタジアム・スーパーフェザー級チャンピオン&ラジャダムナンスタジアム同級1位)
KO 2R1分42秒
●イム・サンス(韓国/KOREA GP73kgチャンピオン)
本来、センチャイと対戦する予定だった石毛が2週間前に怪我をしたため欠場。石毛は右足にニーブレスを着けた状態で、松葉杖をつきながらリングへ。「早く怪我を治して打倒ムエタイでやっていきたい」と挨拶した。
そのため、パヂョンスックと対戦を予定していたゾイナー・ラスムスが怪我で欠場し、その代わりに呼ばれたイム・サンスが急遽、2日前にセンチャイと対戦することが決定(パヂョンスックの試合は中止)。
キムはKOREA GP 73kg級チャンピオンで、2006K-1
KHAN 釜山のリザーブマッチでも勝利している。身長は184cmで163cmのセンチャイとでは頭一つ分高い。さらに、体重は73kgでセンチャイは63kgと10kg差。体格もまったく違う。
1R、サウスポーに構えるセンチャイは、ゆったりとリズムをとって圧力をかけていく。キムは右ロー、すぐにセンチャイが左の顔面前蹴り。センチャイが右ローを放ち、キムのフックとローをかわして左ミドル。キムのミドルをかわすと、すぐにジャンプしてのヒジ!
キムが組み付くと首相撲で投げ捨てる。キムのハイキックをかわして左ミドル、キムが組んでくるとそのまま大きく投げ飛ばした。キムがガッチリと首相撲でロックしても、軽々と投げ捨てるセンチャイに場内からどよめきが挙がる。
2R、センチャイは左ミドル、キムが組み付くと胴を抱えて投げ飛ばす。金のパンチには左ミドルを合わせ、左のボディストレートからの右フックでキムをダウンさせる! 巨体が崩れ落ち、キムはうずくまったまま立ち上がることが出来ない。センチャイは闘牛士がお辞儀をするようなポーズでリングの上を一周、勝利をアピールした。
“最強”ムエタイ戦士の相手としては、あまりにも役不足だったキム。選手の負傷欠場が相次ぎ、不幸続出のイベントとなってしまったのが残念。打倒センチャイに名乗りを挙げる日本人選手に出て来てもらいたい。
●観戦に来ていた佐藤嘉洋のコメント
「センチャイは次元が違うという感じ。完璧なテクニックが見られなかったですね。次元が違う片鱗は見えましたけれども。10kg差があっても首相撲での崩しが全然違う。石毛選手との試合が見たかったですね。エキジビションにならなかったのがせめてもの救いです。
高橋選手とやったタイ人は、技術的にはそんなに凄いものはありませんが、荒いけれど強かったですね。自分のペースにしたら手が付けられないタイプ。1、2Rで高橋選手がペースを崩せば勝機もあったと思いますが、3Rに調子に乗せてしまって厳しいと思いました。でも、高橋選手も最後までよく頑張ったと思います。
レッガラー・鉄選手の試合を見ていて、やっぱりヒジと首相撲もいいな、と燃えるものがありました。また機会があれば僕もヒジと首相撲ありでやるつもりがあります」
●元NJKFフェザー級チャンピオン鈴木秀明のコメント
「マッチメイクが難しかったですね。センチャイはもったいないと思いました。大きい選手と小さい選手がやるのはナンセンス。相手の力量不足でしたね。ちゃんとしたセンチャイが見たかった。下に振ってから上を狙うパンチは良かったですけれど、技術の距離が会ってなかった。あそこまで大きい選手とはやったことがないからでしょう。
あと、バランスが凄いですね。相手が大きくても崩れないし、倒れても必ず上になっていましたから。
高橋選手の試合はゴチャゴチャでしたけれど、面白かった。相手がスタミナ切れしていたので、高橋選手が引き込んで自分のパンチを打った方が良かったですね。大技より正面から打ち合った方が良かったと思います。
ガオランは試合をする状態じゃないですね」
▼ダブルメインイベント第1試合 日本・タイ国際戦 72kg契約3分5R
○石黒竜也(東京北星/NJKFウェルター級2位)
KO 1R2分33秒
●ガオラン・カウイチット(タイ/元ムエタイ五冠王)
1R、いきなり襲い掛かった石黒! フックから組み付く。離れると左右のフックでボディと顔面を狙い、打ち終わるとすぐに組み付いて反撃を許さない。ガオランは左の下から突き上げるヒジ。フックで迫る石黒に右ローを狙い撃ちしていく。
石黒は右ミドルから左ヒザ蹴り、これがレバーに突き刺さり、ガオランの動きが途端に悪くなる。その隙を見逃さなかった石黒。左右のフックと蹴りで一気にラッシュを仕掛けると、ガオランが力なく膝を着く。明らかに様子がおかしく、レフェリーが試合を止めた。
ガオランは2004年4月17日にルンピニーで行われた加藤督朗戦で脱臼した右肩を再び脱臼していた。試合はその加藤戦以来だった。
石黒は「相手の目が慣れていない内に、グチャグチャ攻撃で行きました。俺の作戦に引っ掛かったことです」としてやったりの表情だった。
▼第10試合 日本・タイ国際戦 49.5kg契約3分5R
○ラッタナデェKTジム(タイ/ルンピニー&ラジャダムナンスタジアム・ミニフライ級1位)
判定 3−0 ※50−46、50−45、50−46
●高橋拓也(拳之会/NJKFフライ級1位)
1R、高橋が左ミドルからワンツー。ゴング直後から左右のフックで前に出て行く。その後も高橋は素早いステップインからショートの連打を浴びせていく。しかしラウンド中盤から、前に出てくる高橋に対してラッタナデェが前蹴りと右ヒジ。高橋が後退するとすかさず飛びヒザを放ち、組みの展開になると豪快に高橋をマットに転がす。
その後もラッタナデェは高橋にパンチに合わせて左のヒザ蹴り、そして右のヒジ打ち。高橋が少しでも下がれば飛びヒザで襲い掛かり、ジャンプしながらの右ハイキックまで見せる。高橋もバックヒジを繰り出す場面があったものの、徐々に攻撃の手数が減っていく。
2R、ラッタナデェは軸足払いで高橋の体を一回転させたのを皮切りに、距離が離れれば右ハイと右ミドル。高橋がパンチで前に出てくればスイッチして左のヒザ蹴りを突き刺す。少しでも高橋が下がる素振りを見せれば、飛びヒザとジャンプして振り下ろすようなヒジ打ちを見せる。ラッタナデェの圧倒的な攻撃力の前に高橋は防戦一方となる。
3Rに入るとラッタナデェの攻撃は更に勢いを増していく。強烈な右ハイキックを飛ばしたラッタナデェは、高橋のパンチを空振りさせると、そこに左右のヒジ。高橋が顔面のガードを固めると見るや、今度は右のボディストレートを叩き込む。
さらにボディだけでなく左右のミドルを蹴り込むラッタナデェ。高橋のガードをお構いなしに左右のヒジ、そして右のローキックを打つ。ラッタナデェは顔面、ボディ、足と、高橋がディフェンスできないところを的確に打ち分けていく。さらに飛びヒザ蹴りやジャンプヒジなど派手な大技を繰り出すため、高橋の劣勢がより一層際立った。
しかし4Rに入るとやや攻め疲れが見えるラッタナデェは、攻撃の圧力がトーンダウン。これまでのラウンドとは違い、ラッタナデェは距離を取って右ローと左ミドルを蹴るという戦法に切り替える。ここで高橋はラッタナデェの右ローを受けながらも左フックや右ストレートを繰り出し、ラッタナデェを後退させる。
さらにしつこく蹴り続けてきた右ローで、ラッタナデェがややバランスを崩す場面も。ここで一気に攻め込みたかった高橋だったが、ラッタナデェは組みの攻防になると必ず高橋をマットに転がし、追撃を許さない。ラウンド終了のゴング後に高橋がパンチを当てると、ラッタナデェもレフェリーの制止を振り切るように右ミドルを飛ばす。
そして最終ラウンドになると、ラッタナデェは息を吹き返し攻勢に出る。高橋のパンチには左のヒザ蹴りを合わせ、組み付かれると高橋をマットに転がす。そして距離が出来れば左右のミドルを蹴る。高橋にとってチャンスとなるショートでの打ち合いも、ラッタナデェが右ヒジを多用し、結果的に攻撃しているのはラッタナデェだ。
それでも必死に攻める高橋はバックキックを見せたものの、クリーンヒットせず。パンフレットによれば現役ルンピニー&ラジャのミニフライ級1位と紹介されているラッタナデェが、判定のポイント同様にその強さを見せ付ける結果となった。
▼第9試合 日本・タイ国際戦 59.5kg契約3分5R
○ヨーユット(タイ/元ルンピニースタジアム・フェザー級4位)
TKO 2R0分55秒 ※ドクターストップ
●大川眞人(大和/NJKFフェザー級4位)
1R、右ミドルを蹴るヨーヒットに対し、大川は左のインローから右ストレートを打つ。右ミドルと前蹴りで大川を突き放すヨーヒット。左右のローを飛ばす大川だったが、ヨーヒットは距離が近づくと首相撲に捕らえてヒザ蹴り。大川が前に出て来ると、下がりながら左ミドルを飛ばす。
2R、前に出て右ロー、左フックを見せる大川。ヨーヒットは組んでヒザ蹴り、左の前蹴りで突き放すと、右ミドルから右ヒジ。これはガードした大川だったが、距離が詰まってパンチの展開になると、ヨーヒットの右ヒジが大川の頭部を切り裂き、ドクターストップとなった。
▼第8試合 日本・タイ国際戦 60kg契約3分5R
○ソンクラー(タイ/元ムエタイ二冠王)
KO 1R0分34秒 ※右フック
●中山宏美(OGUNI/NJKFライト級5位)
1R、右ローを飛ばし、前蹴りで距離を取る中川。ソンクラーをロープに詰めてパンチで飛び込んだところに、ソンクラーがカウンターの右フック。これが中川のアゴを打ち抜き、中川はその場に倒れこみ、ソンクラーがパンチによる秒殺勝利を収めた。
▼第7試合 ライト級 3分3R
○大和哲也(大和)
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
●ひでお(北流会君津)
▼第6試合 フェザー級 3分3R
○赤十字竜(キング)
判定 3−0 ※30−27、30−27、30−28
●小猿(健心塾)
▼第5試合 バンタム級 3分3R
○星 雄晴(町田金子)
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
●増田利之(E.S.G)
▼第4試合 ライト級 3分3R
○藤原彰二(立川KBA)
判定 3−0 ※30−27、30−27、29−26
●イーグル広田(インスパイヤード・M)
▼第3試合 フェザー級 3分3R
○レッガラー・鉄(東京北星)
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
●洋センチャイジム(センチャイムエタイ)
▼第2試合 ウェルター級 3分3R
○獅センチャイジム(センチャイムエタイ)
反則 1R1分12秒
●元樹(インスパイヤード・M)
▼第1試合 ウェルター級 3分3R
○巧センチャイジム(センチャイムエタイ)
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
●イエティー達朗(キング)
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