シュートボクシング協会主催
「NEO ΟΡΘΡΟΖ Series.4th」
2006年7月7日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
※スターティングファイト17:30〜
▼メインイベント ファイナル 70kg契約 エキスパートクラス 3分5R
○緒形健一(シーザー/SB日本スーパーウェルター級王者)
判定3−0 ※50−46、50−47、40−46
●ライアン・ディアス(GIBSON K&P/KOTC&AFC王者)
1R、圧力を掛けていく緒形にローを蹴っていくライアン。緒形はローキックで追っていき、ライアンのパンチはしっかりとガードする。右ローから右の顔面前蹴りという連続攻撃を見せるライアン、右ストレートも放っていく。緒形がジャブとローで追いかけていって初回終了。
2R、圧力を掛けていく緒形は右ローキック。単発でフックを返してくるライアンのパンチをしっかりとブロックして、前へ出て行く。ジャブ二連発を当てて前へ。
3R、緒形の左ミドルをキャッチしたライアンがそのまま押し倒し、倒れ際にパンチを打つような素振り。左右のフックを出しながら下がるライアンを追いかける緒形。
ライアンは緒形がインファイトを仕掛けようとするとヒザを合わせる。コーナーへ詰める緒形だが、必殺の右は不発。しかし、レバーブローがクリーンヒットする。
4R、緒形の右フックに組み付くライアン。緒形は左ミドル、ライアンはフックとヒザ。コーナーまで追い詰める緒形だったが、ライアンのタックルで倒される。緒形の右ロー、コーナーへ詰めての左右の連打。ライアンも左右のフックとヒザを返してくる。が、緒形は組まれたところでボディを叩くとライアンが下がる。一気にラッシュをかける緒形、ライアンが前のめりになったところで顔面へヒザを蹴り上げた! ライアンがダウン。
5R、緒形が前に出て右フック、右のボディを狙う。苦し紛れのライアンはなんと膝十字を仕掛けて離さない。緒形はコーナーに追い詰めての右ボディストレート、右ロー。
組み付くラインアンのボディを叩くとライアンがグロッギー状態に。それでも、ライアンはパンチ浴びながらも耐えてアッパーやヒザを返す。ボディを叩く緒形にライアンは飛びヒザ蹴り、緒形がフックをまとめて打っていった所で時間切れとなった。
緒形が判定で勝利。「今日はちょっと不完全燃焼でしたが、11月へ1ミリでも前へ出れて嬉しく思います。S-cupで優勝できるように全身全霊をかけて頑張っていきます」とアピールした。
試合後には「慎重になりすぎました。沸く試合でポカするより、確実に勝った方が(S-cupへの)道が近いとかなと思って。最初は動けたんですが、途中から相手のリズムにはまってしまって、タイミングが違うのでやりづらかったです」と、今回はエキサイティングな試合よりも勝ちを重視したことを明かしている。
▼メインイベント 1st 70kg契約 エキスパートクラス 3分5R
○土井広之(シーザー/前SB世界ウェルター級王者)
判定3−0 ※50−48、49−48、50−48
●ブーヌン・サックホームシン(タイ/ラジャダムナン&WMCスーパーライト級2冠王者)
1R、ブーヌンの体に必要以上にタイオイルが塗られていたため、イエローカードが掲示されてからのスタート。土井は相手の左側へ周っていくが、タイ人は強烈な右ハイキック。ブーヌンはジャブを出しながらハイキック、左ミドル。
土井はインロー、ブーヌンがパンチで出てきたところで土井の首投げでシュートポイント1が入る! ブーヌンはパンチで前へ出て行きヒザ蹴り。組み付かれると投げを恐れて動きが止まるブーヌン。
2R、土井が組み付くとブーヌンが投げる。ブーヌンは左ミドルで攻めるも土井も左ローを返す。組み付いてバックに周ったブーヌンがなんとジャーマン狙い!
しかし、土井は足を絡ませてこれを防御する。前に出るのはブーヌンだが、土井は下がりながらも確実にローを当てていく。ブーヌンは首ヒザから左ストレート! ブーヌンの左ストレートでロープを背負った土井もワンツーを返す。
3R、土井の左ローが強烈にヒット! ブーヌンは左右のパンチを放って前へ出て行き、土井のバックを奪って投げ捨てるが、これはシュートポイントにならず。
土井もすぐに首投げを返したが、これもシュートにはならない。下がりながらも左ローを当てていく土井。ブーヌンのヒザに右フックをカウンターさせ、ブーヌンが前に出てきたところで首投げ炸裂!
2度目のシュートポイントを奪う。ムキになるブーヌンはフックを出しながら前に出て行き、土井も左ロー。
4R、ブーヌンの左ミドルに胴廻し回転蹴りをカウンターで当てようとする土井。土井のパンチにブーヌンの動きが止まるが、ブーヌンも左ストレートを打ち返す。タイ人が組み付いてくると投げを打つ土井。さらにはカニバサミも狙う。土井の左ロー、ブーヌンはパンチ。土井の左ストレートに組み付くブーヌンはヒザ蹴りを執拗に繰り出す。
5R開始と同時に土井の左ハイキックがヒット! ブーヌンも左ストレート、右のボディストレートで土井を追い回す。組み付いてヒザを狙ってくるブーヌンを首投げで倒していく土井。
組み際に土井の左ストレートがヒット、続く連打に止まるブーヌン。しかし、ブーヌンもパンチで前に出て、組み付くが土井がアームロック狙い。
組みヒザを狙うブーヌンと首投げでの返しを狙う土井というSBらしい攻防が繰り広げられるが、土井にイエローカードが掲示された。最後は土井にブーヌンが組み付いてヒザ蹴りを放ったところでゴング。
判定3−0で土井が勝利を収めた。所々でSBらしい攻防が見られ、バランスを重要視するムエタイを2度も投げた(ブーヌンはそれ以外の投げを耐えていた)など土井を評価するべき場面は多かったが、観客のどこかに「ムエタイに投げで勝つのは当たり前」という雰囲気が漂っていたのも事実。SBの攻防や技術を観客が理解するのはまだ時間がかかりそうだ。
また、ひとつ苦言を呈するならば“立ち技バーリトゥード”を名乗るならヒジを禁止するのはどうなのだろうか? 特にVSムエタイとなればムエタイにとってヒジは最も重要な武器のひとつである。SBなら投げを禁じられるようなものであり、それがこの試合のスリリングさを失わせていたようにも思えた。
▼第7試合 68kg契約 エキスパートクラス 3分5R
○菊地浩一(寝屋川/SBウェルター級3位)
判定2−0 ※50−48、48-48、49−48
●“SHINOBU”ツグト・アマラ(TEAM
HARD CORE/元・全日本キックボクシング連盟ライト級王者)
1R、サウスポーに構える菊地へ左ミドルを放つアマラ。菊地は左ローキックを狙い撃ちしていく。菊地の脇に潜り込むようにしたアマラへ、菊地がフロントチョーク! しかし、アマラが転んだためブレイクに。菊地は左ロー、アマラが前へ出て来ると前蹴り。この前蹴りのタイミングがよく、アマラは踏み込む事が出来なかった。
2R、菊地が左ミドルから左ロー。アマラは菊地の蹴り足を掴んで右ミドル。パンチで圧力を掛けていくアマラだが、菊地はコーナーを背負いながらも左ローを連発する。
アマラがガードを固める菊地の顔面にパンチを集めて右ロー。このパターンがはまる。アマラはボディを打ってのローキック、胴廻し回転蹴りも放っていくが、主軸は右ローだ。
3R、菊地が細かいパンチから左ロー、アマラの蹴り足を取って左ロー。アマラが右のボディフックから顔面への右フック、これで菊地が下がるとあまたがパンチで詰めていく。
右のボディと右フック。組み付く菊地。ガッチリ組んでのヒザ蹴りを狙うアマラだが、菊地の投げを警戒して腰が引けている。離れると右アッパーを狙うアマラ。菊地の左ストレートが入る。両者とも手数は出ているのだが、噛み合わない展開にどうにも客席は沸かない。
4R、右アッパーから右ミドルをヒットするアマラ。細かくパンチを打っていく菊地に、ビッグパンチを狙っていくアマラ。菊地の右アッパーからの左フックとショートのパンチが当たる。
アマラのパンチにはしっかりと両腕を閉じてのブロックでヒットを許さず、すぐに細かい連打で応戦。アマラは前へ出て連打を繰り出していくも、クリーンヒットは奪えなかった。
5R、アマラのバックを奪った菊地がバックドロップ。これはシュートポイントにならず。しかし次の瞬間、ミドルキックを放ったアマラの蹴り足を掴んだ菊地の左ストレートがカウンターでヒット! プッシュ気味に倒れてアマラがダウン!
猛然と襲い掛かるアマラは右アッパー、ヒザ、左フックで菊地をロープに釘付けにする。アマラの右アッパーと右ロー、菊地も細かくパンチを打ち返して行く。アマラのフックが空を切る。アマラは薙ぎ倒すようなフックを浴びせていくも、菊地はガードして堪える。アマラの逆襲は実らず判定となった。圧倒的不利を予想された菊地が大金星を奪っている。
▼第6試合 72kg契約 エキスパートクラス 3分5R
○大野 崇(正道会館/ISKA世界ミドル級王者)
判定3−0 ※50−45、50−47、50−47
●ヤン・デンデレ(シーザージムオランダTEAM
SOWER/WPKLベルギーミドル級王者)
1R、サウスポーの大野は右のジャブを出しながら前へ出て行く。ローを出しながら左ストレートを狙っていく大野。ヤンは右のボディからヒザへ繋げていくが、手数は少ない。大野の右アッパーで大きくアゴを挙げられたヤンは、ローでバランスを崩させてのアッパーを返していく。
2R、右のローと左のミドルをヒットさせる大野。左ハイキックも放ち、ヤンがアッパーで潜り込んでくると左の顔面ヒザ。大野の左ローでガクッとなったヤンは左右フックで脅かすも、大野がステップを使うと付いて来れない。
追って来るヤンに大野の左ハイキック。ヤンは右ボディストレート、バックキックでローを狙うなどするも、大野のローにバランスを崩し気味。ヤンはビッグパンチを狙いすぎて空振りが多く、蹴りの威力も感じられない。
3R、前に出て来るヤンに大野は左ロー、右アッパー、左テンカオ。右フックを打ってきたヤンに左フックを合わせてすぐに離れる。大野が前へ出て左フックから右アッパー、奥足への左ローから左ハイキック!
これでバッタリとヤンが倒れてダウン。大野はもう一度左ハイキック、パンチのラッシュからワンテンポおいて、左ローキック。左の顔面ヒザから左ハイ、ヤンはパンチで前に出ていくもクリーンヒットが奪えない。
4R、左右のフックから左ローを飛ばす大野。右フックをヒットさせ、ヤンがフックで前に出て来ると左ストレート。
組み付いた大野は大外刈りを仕掛けるも、逆に投げ返されたがシュートにはならず。ヤンはフックとアッパー、左右のボディでどんどん前に出て行く。打たれた大野だが、左ローで逆襲。
右ローから左ハイをまたもヒットさせる。大野の前足へコツコツと右ローを入れていくヤン。
5R、大野のワンツー、左ロー。右ボディストレートから左フックで前に出るヤン。大野はヤンのローに左ストレートを合わせ、左ローを放つもこれはローブローに。
大野がテンカオからアッパーで前に出ると、ヤンもアッパーを返す。大野の左右フックとテンカオを浴びて後退するヤン。大野も決め手に欠けて判定までもつれ込んだ。
▼第5試合 60kg契約 エキスパート特別 3分3R
○歌川暁文(U.W.F.スネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級2位)
判定3−0 ※三者とも30−23
●梅下湧暉(湘南/元全日本フェザー級1位)
1R、梅下がいきなり突っ込んでの左ローを打ち込むが、かわした歌川が右フックを放つと虚を疲れた梅下がダウン。歌川は左ミドルからパンチのコンビネーション、ロープに追い込んでいって顔面へのヒザ蹴りを見舞う。梅下は自分のリズムを取り戻そうと前蹴りで突き放しにかかるが、歌川は右ミドルを蹴ってアッパー&フック。
2R、歌川が左ミドルからのボディ連打で追い込んでいき、左ミドル連打からの右フック。左ボディを狙い撃ちしたかと思えば、飛びヒザ蹴りをボディへ入れて右のボディブロー。梅下は首投げにトライするも失敗する。
3R、歌川がパンチで前に出る。左ミドル、右ストレートで追っていくと梅下が再び首投げも失敗。歌川は左ミドルから組み付くと豪快なバックドロップ! シュートポイント2ポイントが入った。歌川は梅下が組み付いてくると、もう一度豪快なバックドロップでシュートポイント2を追加したところでゴングが鳴った。
▼第4試合 56kg契約 エキスパート特別 3分3R
○漆谷康宏(和術慧舟會RJWセントラル/プロ修斗世界バンタム級3位)
延長1R 判定3−0 ※三者とも10−9
●ファントム進也(龍生塾)
※本戦は30−30、30−29(漆谷)、30−30
1R、サウスポーの漆谷が左ロー、ファントムも右ローをリターンする。漆谷の左ハイにファントムが左ロー、ファントムは漆谷の攻撃を待ってローを確実に返していく作戦のようだ。漆谷が左ローから右フックをヒットさせ、ローにはワンツーを合わせる。ファントムの左フックにも右フックを合わせ、ジャブとフットワークを多用してのアウトボクシングを展開していく漆谷。
2R、ジャブを出して距離を取り、ファントムが入ろうとすると右フックを合わせる漆谷。ファントムの右ストレートに漆谷がローを合わせるもこれはローブローに。再開後、漆谷が右ストレートからの左ハイキック、左フックを当てて一気に前へ出る。ファントムも右のクロスから前へ出て行くが、漆谷はステップとサークリングを駆使して距離をとってしまう。
3R、漆谷が右フックを当てながらステップとサークリングのアウトボクシング。ファントムが組み付いてくると、体を浴びせ倒すようにして倒れ際になんと肩パンチを見舞っていく。漆谷は左ミドルから右フック、アウトボクシングと連打を上手く使い分けていったが、下がり際にファントムの右フックで大きく仰け反る。同じ場面が2度続き、漆谷は飛びヒザから左ハイを繰り出したが、判定は一人が漆谷の勝利を支持するもドローに。
延長戦、ファントムが左フックで前に出て、漆谷は右フックを当ててサークルを描きながら左ハイキック。漆谷は左ローを二発、ファントムが左右フックで前に出ると、下がりながらジャブと右フック、さらに左ローを当てて判定勝ちを収めた。
▼第3試合 55kg契約 エキスパート特別 3分3R
○えなりのりゆき(シーザー/SB日本スーパーバンタム級4位)
延長1R 判定3−0 ※10−8、10−9、10−9
●大原清和(レグルス池袋/J-NETWORKバンタム級2位)
※本戦は30−30、30−29(えなり)、30−30
▼第2試合 ヘビー級 フレッシュマンクラス 3分3R
○岩下雅大(龍生塾)
判定3−0 ※30−23、30−24、30−24
●濱田純史(チームドラゴン)
▼第1試合 67kg契約 フレッシュマンクラス 3分3R
○関戸一智(湘南)
判定3−0 ※三者とも30−29
●野畑圭介(風吹)
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