DEEP事務局
「DEEP 25 IMPACT」
2006年8月4日(金)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:30
▼第9試合 5分3R
○桜井隆多(R-BLOOD)
一本 1R4分46秒 ※腕ひしぎ十字固め
●プロフェッサーX(チームBoon!)
1R、いきなり突進した桜井は、サウスポーのプロフェッサーXにインローを蹴ると、後退するプロフェッサーXにジャブを当てる。両足タックルからのテイクダウンは阻止されたものの、桜井はプロフェッサーXの左ストレートの打ち終わりに右ストレートを当てると、飛び付くように腕十字へ。
これを失敗しても、すぐに下からヒールホールドを狙うなど、桜井は序盤からアグレッシブな動きを連発し、場内を一気にヒートアップさせる。
しかしここからプロフェッサーXが逆襲を始める。桜井のヒールホールドをディフェンスすると、長い腕を生かして桜井の顔面に鉄槌を連打。それでも足を離さない桜井の顔面にカカト落しを見舞う。
するとここで桜井が鼻から大量の出血。さらに右の目の下も腫れており、ドクターチェックが入る。2月の長南戦を思わせる場面だったが、試合は再開となる。
試合に戻った桜井だが、ダメージは明らかで、何とか前に出て行くものの、プロフェッサーXは前進する桜井に右フック。さらに落ち着いて距離を取ると、離れた間合いから左ストレートを打ち込む。
しかし桜井は振り回すようなパンチを打ち、左ストレートをもらいながらも前に出て、タックルでプロフェッサーXからテイクダウンを奪った。
インサイドから左フックと右の鉄槌を落とす桜井。そして自分の膝でプロフェッサーXのガードを割って再びヒールホールドを仕掛けるが、先ほどと同じように逆にプロフェッサーXの鉄槌の連打を浴びてしまう。
完全に動きが止まり、プロフェッサーXに追撃のサッカーボールキックを許してしまった桜井だったが、プロフェッサーXの蹴り足を取って、気迫を全面に押し出した動きでテイクダウン。
すると一気にサイドからマウントとポジションを変えて腕十字へ! ピンチから一転、チャンスを得た桜井は、なかなかタップしないプロフェッサーXの左ヒジを渾身の力で捻じ曲げ、残り3秒のところで大逆転の一本勝ちを収めた。
▼第8試合 DEEP女子ライト級(48kg以下)王者決定戦 5分2R(延長なし、マストシステム)
○渡辺久江(フリー/TBS女子総合格闘技最強女王決定トーナメント優勝)
KO 1R3分53秒 ※右ストレート
●しなしさとこ(フリー/スマックガールフライ級女王)
試合前から異常な盛り上がりを見せた女子格闘技究極の一戦。渡辺のファンから大量の紙テープが投げ込まれると、しなし応援団からはさらに大量の紙テープが投げ込まれ、盛り上がりは最高潮に達した。
1R、いきなり前に出るしなしに渡辺が強烈な前蹴り。この一発で渡辺はしなしの体を吹っ飛ばす。試合がスタンドでの再開となると渡辺は右ハイキック。さらに腕を伸ばして首投げの態勢に入ろうとするしなしに、渡辺はパンチを当てていく。
なかなか寝技に持ち込めないしなしだったが、渡辺の左ミドルを取ってテイクダウン。ようやく得意の寝技に持ち込めたと思ったのだが、クローズガードを取る渡辺をパスガードできず、逆にしなしが肘でガードを割ろうとしたところに、渡辺が下から三角絞め。しなしが頭を抜こうとすれば、オモプラッタに移行するなど、意外にも渡辺が寝技でしなしを攻め立てる。
さらに渡辺はしなしの一本背負いで投げられながらも、しなしの腕を取ったまま腕十字固めへ! 何と渡辺がしなしから関節技でキャッチを奪ったのだ。苦しそうな表情を浮かべるしなしだが、ここは必死に腕を引き抜いてタップはしない。
しかしスタンドでの再開となると、ズルズルと下がってしまうしなし。するとそこに渡辺の左フックからの右ストレートがしなしの顎を打ち抜き、しなしはそのままマットに大の字。
女子格闘技史上に残るような壮絶なKO決着、さらにキックベースの渡辺が柔道・サンボベースのしなしを関節技で攻め込むという内容でこの一戦は幕を閉じた。
▼第7試合 5分3R
○中尾受太郎(フリー/DEEPウェルター級王者)
TKO 2R2分08秒 ※レフェリーストップ
●窪田幸生(フリー)
1R、中尾はいきなりの飛びヒザ蹴りの奇襲! 間髪いれずに左ストレートで飛び込むと、スタンドの状態のまま窪田のバックに付く。
対する窪田も上手くロープやコーナーに体を預け、テイクダウンを阻止する。そしてスタンドでの再開となると、右フックを放ち、中尾のタックルを切るとヒザ蹴りを打っていく。
左のローを飛ばす中尾は窪田の左ストレートに合わせてタックルを狙うも、窪田は距離を取ってテイクダウンを許さない。
しかし中尾は離れた間合いから右フックから左ストレートを当て、窪田の左フックに合わせて両差しで組み付いてテイクダウンを奪う。そしてインサイドガードになると、手数こそ少ないものの、強烈な左ストレートと鉄槌を落としていった。
2R、中尾をコーナーに詰めてパンチを振り回す窪田だったが、中尾はタイミングよく組み付くと、テイクダウンを奪い、上のポジションから左ストレート。サイドポジションを奪うものの、窪田は反転してタックルに切り替えし立ち上がる。
グラウンドからは逃げられた中尾だったが、スタンドの展開になると左ストレートから右フックを当てると、崩れ落ちる窪田にサッカーボールキックを連打したところで、レフェリーが試合をストップ。スタンド、グラウンド共に落ち着いた試合運びを見せた中尾がベテランらしい勝利を飾った。
試合後、マイクを持った中尾はDEEPウェルター級王者としての意気込みを語ると共に、「お呼びがかかれば、そちらの方でも頑張ります」とPRIDE武士道への再出撃をアピールした。
▼第6試合 日本対ブラジル2対2対抗戦 5分3R
○フレジソン・パイシャオン(グレイシー・バッハ)
判定 2−0
●今成正和(TeamROKEN/DEEPフェザー級王者)
1R、今成は左ミドルを飛ばすと、首相撲からヒザ蹴りを連打。飛び付きガードで引き込みを狙うも、パイシャオンは引き込まれない。
何度目かのトライの後、引き込みに成功した今成は、パイシャオンの顔面を蹴り上げ。下から足を引っ掛けて足関節を狙うが、パイシャオンはすぐに離れてディフェンスする。
足を振ってパスガードを狙うパイシャオンに今成はオモプラッタから、顔面にかかと落とし。しかしパイシャオンは、今成の足首を持って体を丸め込むと、パスガードしてマウントポジションへ。
パイシャオンは今成の動きに体を起こし、密着させながらパンチを落とす。さらにパイシャオンは今成の首をのど輪にしてパンチを打ち、腕十字を狙いながら今成の顔面があいたところに鉄槌を落とすなど、えげつない攻撃も見せる。
2R、今成は左インロー。パイシャオンも右ローを返す。ロープに押し込まれた今成は、飛び付き技を狙うが失敗してしまう。イノキ・アリ状態から、今成の足を振ってパスガードを狙うパイシャオンに対し、今成は下から足を絡めて足関節へ。
体を起こして立ち上がって逃げるパイシャオン。今成はパイシャオンの立ち上がり際に、顔面を蹴り上げ。ガードを取るパイシャオンに対して、すぐに顔面を踏み付ける。
この試合、初めてグラウンドで上のポジションを取った今成だが、パイシャオンはしっかりとクローズガードで今成の動きを止めてブレイクを待つ。
パイシャオンのパンチに合わせて組み付いた今成は鋭いヒザ蹴り。テイクダウンを許さずにコーナーでブレイクとなる。再開後、蹴り足を取ってテイクダウンを狙うパイシャオンに今成はヒザ蹴り。パイシャオンがバックキックをやると、今成もバックキックを返す。残り20秒を切ると、今成がカニバサミから足関節を狙うが不発に終わる。
3R開始早々にパイシャオンがテイクダウンを奪う。しかし今成は下からパイシャオンの左足をすくってヒールホールドへ。その流れの中でグラウンドで上を取った今成りはパンチを落としていくが、パイシャオンはそれをしっかりと避けて、今成の体をクローズガードに捕らえてブレイクを待つ。
右ローをパイシャオンにキャッチされた今成は、反り投げ気味にパイシャオンをテイクダウン。
クローズガードのパイシャオンに対して、今成は背筋を伸ばしてパンチを打っていくが、パイシャオンに頭を抱えられてしまいダメージを与えるようなパンチを打てない。クローズガードを膝で割って足関節を狙うが極めることが出来ずにブレクとなる。
再開後、今成は右フックを打ち、パイシャオンのタックルに左ミドル。テイクダウンを奪われた今成は、すぐに下から三角絞め、そして後転しながらの足関節。そのままグラウンドで上のポジションを取り返すと、足関節は極まらないと判断したのか、顔面への踏み付けとパウンドで攻める。
しかしパイシャオンのガードを崩すまでには至らず。パイシャオンが柔術テクニックを駆使した攻めで今成を下した。
▼第5試合 日本対ブラジル2対2対抗戦 5分3R
○ホアン・ジュカオン・カルネイロ(ブラジリアン・トップチーム)
判定 3−0
●石井大輔(フリー)
久しぶりの日本マット復帰となった石井は、セコンドに美濃輪育久、横井博考を引き連れて、映画「キッズリターン」のテーマで入場。
1R、ジャブを打ちながらパンチで前に出る石井は、ジュカオンをコーナーに詰めると右フック! ジュカオンはタックルでテイクダウンを狙うも、石井はそれを切ってジュカオンが引き込むようにガードポジションへ。石井はパンチを落としながら立ち上がり、スタンドを要求する。
スタンドでの展開になると、石井は先ほどと同じように、ジュカオンをコーナーに積めると左ストレート。ジュカオンは四つ組みからテイクダウン、立ち上がろうとする石井の足を取ってしつこくテイクダウンを狙うが、石井は簡単には倒れない。
離れ際のパンチからタックルを仕掛けるジュカオン。石井はそれを突き放すと、ジュカオンのタックルに左アッパーを合わせて、ジュカオンのタックルを切る。ジュカオンは石井が前に出て来るところに左フックを合わせ、タックルでテイクダウン。石井の股の間に手を入れてパスガードすると、起き上がろうとする石井に得意のスピニングチョークへ。
しかし石井もすぐに体を起こして頭を抜くとイノキ・アリ状態からパンチを落とす。スタンドになるとジュカオンが右ストレートからタックル。それを切られたジュカオンは自らガードポジションで引き込む。
2R、パンチのプレッシャーをかける石井にジュカオンはカウンターのタックル。石井はジュカオンの体を突き放し立ち上がるものの、ジュカオンはすぐに石井のバックに付く。石井の片足を高々と持ち上げてテイクダウンを奪うジュカオン。しかし石井は上手くコーナーを使い立ち上がると、左ストレート。ジュカオンもすぐに右ストレートを返していく。ジュカオンの右アッパーに石井は右フック。ジュカオンは石井のパンチに合わせてタックルでテイクダウンを奪う。
しかしここでも石井はコーナーを使って立ち上がり、ジュカオンをコーナーに押し込むと逆にテイクダウンを奪う。ハーフガードからパンチを落とす石井に対して、ジュカオンは体を抜いてタックルで立ち上がる。右アッパーを突き上げる石井。ジュカオンは組み付いて両差しからテイクダウンを奪うが、残り時間が少なくジュカオンに有効な攻撃はない。
3R、重心を落とし石井は左右のストレートで飛び込む。ジュカオンは構えの低い石井のガードの間に右アッパー。石井がパンチで飛び込んできたところを捕まえると、テイクダウンを奪う。その後もジュカオンがテイクダウンを奪い、石井がすぐに立ち上がるという展開が続く。
残り30秒、渾身のタックルでテイクダウンを奪った石井は、ジュカオンの頭をコーナーに詰めてパンチの連打。しかしジュカオンもタックルで切り返し、ジュカオンがタックルに入った態勢で試合終了。
テイクダウンだけでなく、要所要所で的確にパンチを当て、判定をモノにしたジュカオン。試合後、マイクを握ると、過去に敗れている長南に対し対戦を要求した。さらにその後、石井が「これからは指導者として世界王者を育てたい」と、リング上で突然の引退を宣言。大会終了後の囲み取材で、DEEP佐伯代表は「あれだけ出来るのに辞めるのはもったいない。引き止める」と語っており、今後の石井の去就に注目が集まる。
▼第4試合 5分2R
△長谷川秀彦(SKアブソリュート)
ドロー 判定 1−1
△雷暗暴(雷道場)
1R 長谷川のタックルを受け止めた雷暗はがぶってグラウンドへ。そのまま上のポジションを奪った雷暗はパウンドを落とす。いったん離れる両者。
チャンスと見た長谷川はパンチのラッシュで雷暗をコーナーに追い込んだ。防戦一方となってしまった雷暗はサンドバックと化してしまった。しかし詰めが甘く雷暗を仕留めることが出来ない。またしてもグランドの展開になり、上を取った雷暗はパウンドを長谷川の顔面に落とし続ける。
2R 1Rと同様に長谷川のタックルをがぶった雷暗は上からパウンドを叩き落す。耐えた長谷川は立ち上がり打撃で攻撃の糸口を掴もうとするも、雷暗の執拗なタックルの前に寝かされてしまった。
中盤には長谷川の頭部に腫れが見られるためドクターチェックが入るも、問題はなかったために試合はすぐに再開した。
残り時間が僅かとなり、スタンドで打ち合いとなる両者。長谷川は最後の力を振り絞り、ストレートからボディへのヒザ蹴りを決めたが決定打とならないままに試合は終了。判定は1−1の両者ドローに終わった。
▼第3試合 5分2R
○山崎剛(GRABAKA)
判定 3−0
●杉内勇(TeamROKEN)
1R 杉内の打撃をかいくぐって山アは得意の寝技の展開に持ち込む。ここから山アの独壇場だ。
簡単にマウントポジションを奪うと腕ひしぎの体勢へ。腕が完全に伸びきるも杉内はギブアップせず耐え凌いだ。難を逃れた杉内は反転して上のポジションを取り、パウンドで反撃したところでゴング。
2R 低く構える山アに対して、杉内は杉内は下から蹴り上げる。しかし咄嗟に反応した山崎は片足タックルから教科書通りのマウントポジションを奪い、腕ひしぎを決める。これも完全に決まったのだが、耐える杉内は無理やりな形で自分の腕を引っこ抜いて脱出した。
ラウンド終了間際にも、腕ひしぎを完全に決めた山崎だったが、杉浦がそのまま耐える形でタイムオーバーのゴングが打ち鳴らされた。
ポジショニングの強さを見せつけ、終始攻め続けた山崎が判定勝ちした。
▼第2試合 5分2R
○アンソニー辰治ネツラー(チームBoon!)
KO 1R0分20秒
●マッスルヒラヌマ(clubEDO)
打撃を激しく交錯させる中、アンソニーの左フックがクリーンヒット! 片膝をつくマッスルヒラヌマっここでストップを食らっても仕方がなかった。
立ち上がり再度攻撃しようろしたところ、アンソニーのパンチがまたしても入り試合はストップした。
▼第1試合 5分2R
○キム・ドヒョン(CMA KPW)
判定 3−0
●岩見谷智之(高田道場)
1R、タックルを積極的に仕掛け寝技に持ち込みたい岩見谷だったが、キムはがぶり有利なポジションを奪っていく。
サイドポジションからバックマウントと流れるようにポジションを変えていき、その都度、キムは岩見谷に強烈なパウンドを落としていく。
2Rもタックルで勝負して積極的に攻撃してくる岩見谷に対し、キムはグラウンドで上になり、バックマウントやマウンドポジションからこつこつとパウンドを落としていく。判定勝利を収めた。
▼フューチャーファイト第4試合 5分2R 判定なし(時間切れドロー)
○堀 友彦(フリー)
TKO 1R4分55秒
●小見川和隆(マッハ道場)
序盤、両者はローの打ち合いからスタート。桜井“マッハ”速人をセコンドにつけた小見川が序盤ペースを握り、ガードポジションを取る堀に対し、パウンドの雨を降らせる。
何とかパスガードしたい小見川だったが、簡単にそうはさせてくれなかった。
ブレイク後、形勢が逆転してしまった。打撃を交錯させる中、グラウンドで上を取った堀はガードポジションの小見川の顔面にパウンドを打ち込み、そのままTKO勝ちした。
▼フューチャーファイト第3試合 5分2R 判定なし(時間切れドロー)
○小林 裕(U-FILE CAMP登戸)
KO 1R0分07秒
●佐藤 力(SKアブソリュート)
ゴングと同時にトリッキーな低い構えをとる佐藤の顔面に小林のサッカーボールキックがどんぴしゃり。
レフリーが慌てて止め、小林が秒殺勝利した。
▼フューチャーファイト第2試合 5分2R 判定なし(時間切れドロー)
○伊藤有起(A−スクエア)
一本 1R3分01秒 ※フロントチョーク
●LUIZ(禅道会横浜支部)
タックルでテイクダウンしてくる伊藤に対し、LUIZは下からオモプラッタを極める。
伊藤は冷静に対処しそれを外すと、上からパウンドを落とす。さらにフロントチュークを極め、伊藤がLUIZを絞め落とした。
▼フューチャーファイト第1試合 5分2R 判定なし(時間切れドロー)
○内山重行(GRABAKAジム)
TKO 2R2分09秒
●アンドレ・ニシノ(INFIGHT)
終始、グラウンドの展開で上を取り続けた内山が有利に試合を展開する。2Rに入り、がっちりニシノを押さえ込んだ内山は強烈なパウンドをニシノの顔面に叩き込みTKO勝ちした。
|