9月17日(日)タイ・ラジャダムナンスタジアムにて行なわれた「スッグ・ラジャダムナン・チューチャルン・タイティーヴィー」に、全日本キックボクシング連盟から山本元気(DEION)、大輝(JMC横浜)が参戦した。
まず第3試合に元気が登場。ワンロップ戦の死闘から、3カ月ぶりのリングがタイとなった元気は、当日に試合順が変わるなど、計量の時点からピリピリしたムードを漂わしていたが、それが試合に影響する形となった。
対戦相手のグーピーは50戦42勝の戦績を持つ19歳のパンチャータイプで、噛み合う展開になると思われたのが…
1R、序盤からパンチで倒しに行こうとする元気だったが、動きが固く単調で有効打はない。逆にグーピーがタイミングよくジャブを当てて、左ミドルで距離を取り殴り合いにはならない。元気も試合が進むに連れ、右ローとボディに攻撃を散らしていくが、ラウンド終盤にグーピーの右ヒジを食らいダウンを喫してしまう。
何とか立ち上がった元気だったが、すぐさまグーピーの右ストレートを浴びると、大きくバランスを崩す。ダウンはとられなかったもののダメージは大きく、ヒジを受けた左頬は腫れ上がった。
2Rになると、ようやくセコンドの指示通りに動き始める元気。しかし1Rにポイントを奪っているグーピーはカウンター狙いにシフトチェンジし、元気が距離を詰めたところを、右ヒジで元気の左前頭部を切り裂き、2R分2分18秒、グーピーがTKO勝利を収めた。
「早い段階で倒しにいこうと思って力みすぎた。動きも固かった」と元気。結果もさることながら、カノンスックやワンロップ戦で見せた“頭を使った殴り合い”は影をひそめる試合内容だった。
一方、試合前から、終始リラックスムードだった大輝は、1Rから伸びのある右ミドルでダーチャイノーイと互角以上に蹴り合い、2Rには右ハイキックでダーチャイノーイをぐらつかせ、パンチの連打につなぎ、スタンディングダウンを奪う。
しかし3Rに入るとダーチャイノーイは徹底して、左ミドルと首相撲に固執。大輝もダメージこそはないものの、ムエタイの見方をすればダーチャイノーイがポイントを挽回する展開となった。
そして勝負の5R、大輝はここでも右ミドルを突破口に右ストレートを当てると、後退するダーチャイノーイをロープに詰め、パンチで滅多打ちに。ダーチャイノーイの動きが止まったところでレフェリーが試合を止め、5R1分49秒、大輝が見事なTKO勝利を収めた。
試合後、大輝は「組んでくるのは分かっていたから、右を蹴っていこうと考えていた。やっぱり蹴っていかないとダメ。」と話し、JMC寺岡会長は「ムエタイの引き出しの多さに対抗する引き出しが必要。大輝のオールマイティな部分が良かった」と試合を振り返った。
今後について「強豪との試合が続いて、精神的に消化しきれない部分があった。しばらく休みたい」と休養宣言が飛び出した元気に対し、大輝はラジャのプロモーターのアンモー氏から「来月のランキングに入る可能性がある。これから2、3試合タイでチャンスを与えたいし、それをクリアすれば、ラジャで王者にも挑戦させたい」と高評価。試合結果は当然のこと、日本人の明暗がくっきり分かれた大会となった。
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JAPAN KICKBOXING2006
MUAY THAI CHALLENGE
「スッグ・ラジャダムナン・チューチャルン・タイティーヴィー」
2006年9月17日(日) タイ・ラジャダムナンスタジアム
▼128ポンド契約 ムエタイルール 3分5R
○グーピー・ウォー.スティラー(タイ)
TKO 2R2分18秒 ※ドクターストップ
●山本元気(DEION GYM/全日本フェザー級1位・前同級王者)
▼150ポンド契約 ムエタイルール 3分5R
○大 輝(JMC横浜GYM/全日本ウェルター級王者)
TKO 5R1分49秒 ※レフェリーストップ
●ダーオチャイノーイ・シッニラン(タイ)
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