9月19日(日)タイ・ルンピニースタジアムにて行なわれた「スッグ・フェアテックス」に、全日本キックボクシング連盟から遠藤智史(AJジム/全日本フェザー級7位)が参戦、デッドブゥアン・ソー.ブアンラット(タイ)と対戦した。
遠藤はメイン直後の第6試合に登場。1Rは互いに出方をうかがうように、ゆったりとしたぺースでローとミドルを蹴り合っていく。
しかし2R開始直後にデッドブゥアンの右ミドルで遠藤がバランスを崩すと、ここから試合の流れが激変。力の入ったミドルを蹴り合う展開となり、ここで遠藤がデッドブゥアンを後退させると伸びのある左ストレート! これがきれいにデッドブゥアンの顎を捉え、遠藤が先制のダウンを奪う。
再開後、明らかにダメージの残るデッドブゥアンに対し、遠藤は必死にパンチとヒザ蹴りでラッシュをかけるが、デッドブゥアンのガードを崩すことが出来ない。逆にダメージから回復したデッドブゥアンが3Rに猛攻。首相撲に持ち込み、離れ際に右ヒジを連打。これが遠藤の眉間を切り裂き、傷口からは大量の血が吹き出す。
何とか試合は続行となったものの、遠藤のTKO負けは時間の問題かと思われたのだが、ここから遠藤が根性を見せた。デッドブゥアンのヒジにひるむことなく、果敢にパンチで打ち合い、スタジアムからは大歓声が起こる。
4Rに入り徹底的に首相撲に固執するデッドブゥアン。これに苦しめられる遠藤だが、それでも心が折れることはなく、必死にヒザ蹴りを返し、組み際の左ストレートを狙っていく。
5Rはデッドブゥアンが右ミドルと首相撲の逃げ切り戦法をとったため、ポイントを挽回することが出来なかったが、遠藤は最後の最後までデッドブゥアンの攻撃にパンチのカウンターを狙い、前に出続けた。
結果は遠藤の判定負け。しかし判定内容を見ても分かるとおり、非常に僅差であり、キャリア10戦、初めてのタイでの試合ということを考えれば、今後につながる試合だったと言える。
試合後、AJジムの中島トレーナーとヌンサヤームコーチはそれぞれ「遠藤は練習で一番伸びている選手。技術的にはダメなところもあったけど、今日の気持ちの強さはかならず将来の糧になる」(中島)
「遠藤に必要なものは経験。1年後に期待していてほしい」(ヌンサヤーム)と、遠藤の将来性に強い期待を寄せた。
また今大会には日本でも馴染みのある選手が多数参戦。ワンロップ・ウィラサクレック(タイ)はウィラサクレック・フェアテックスとして出場し、前に出る圧力と強烈な左ミドルを駆使し判定勝利、山本元気と対戦経験のあるカノンスック・フェアテックス(タイ)は3Rに左ハイキックでKO勝ち、コムパヤック・フェアテックス(タイ)はメインイベントで判定負けを喫した。
ALL JAPAN KICKBOXING2006
MUAY THAI CHALLENGE
「スッグ・フェアテックス」
2006年9月19日(火) タイ・ルンピニースタジアム
▼第2試合
○カノンスック・フェアテックス(タイ)
KO 3R ※左ハイキック
●ドクマイパ・ウォー・ソングラパイ
▼第5試合
○マンサック・ナルパイ(タイ)
判定
●コムパヤック・フェアテックス(タイ)
▼第6試合 130ポンド契約 3分5R
○デッドブゥアン・ソー.ブアンラット(タイ)
判定3-0 ※47-46、48-46、48-47
●遠藤智史(AJジム/全日本フェザー級7位)
▼第7試合 117ポンド契約 3分5R
○ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/M-1バンタム級王者)
判定
●ムアンソン・ソー・プンパンムアン(タイ)
|