シュートボクシング協会主催
「NEO ΟΡΘΡΟΖ Series.5th」
2006年9月23日(土・祝)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:00
※スターティングファイト17:30〜
▼メインイベント 2nd 70kg契約 3分5R
○緒形健一(シーザー/SB日本スーパーウェルター級王者)
判定 3-0 ※50-49、50-48、50-48
●大野 崇(unit-K/ISKA世界ミドル級王者)
1R、サウスポーの大野はジャブを突きながら左ミドルを二連発。大きくサークリングしてワンツー、左ハイを狙っていく。緒形がパンチの間合いを詰めようとすると、大野はすぐにサークリングで距離をとる。緒形の右アッパーからストレート、ロープに詰めての連打が決まるも大野はすぐにステップを使って離れていく。そして、大きくサークリングしてのワンツー、ロー。大野がなかなか緒形を入らせない。緒形がローを放つとパンチを合わせて連打。相打ちの緒形の左フックで大野のアゴが跳ね上がるも、大野は冷静に回っていく。コーナーへ詰めたところで緒形が右フック。
2R、ジャブを突く大野に緒形は右ミドル。緒形の蹴りに大野はアッパーを合わせようとする。緒形が一気に前へ詰めようとすると、大野は飛びヒザ蹴り。しかし、緒形はロープに詰めると一気にパンチのラッシュ! 連打を浴びた大野は下がり、緒形が前に出て来ると飛びヒザ蹴りを合わせる。しかし、コーナーへ詰めた緒形のヒザ蹴りがボディに効いた! そのまま左右のストレート連打。大野は離れて顔面へ前蹴り、緒形が前に出て来ると飛びヒザ蹴り。緒形の右フックで後退した大野はカモンゼスチャー。前に出る緒形だが、大野も飛びヒザ蹴りと左ストレート。
3R、ジャブを伸ばす大野に左ローを返す緒形。大野は飛びヒザ蹴り、ボディからフックと多彩な技を繰り出す。緒形は前に出て行くも大野は手を出し続けて緒形を近寄らせない。緒形にコーナーへ詰められても、すぐに脱出する大野。ラスト1分、緒形は左右のストレートで大野をロープに詰める。緒形の右ミドル、下がる大野もアッパーからフック、そして飛びヒザ蹴り! 緒形の右ストレートがヒットすると大野は立ち止まって「もっと打って来い!」とゼスチャーし、両者は足を止めて壮絶に打ち合う! ゴングが鳴ると、どちらからともなくハイタッチ! 凄まじい打ち合いと意地と意地の張り合いに、場内は大いに沸く。
4R、ジャブを使って右へ回っていく大野。緒形がローを蹴っていくと、大野がパンチで畳み込む。さらに変則的な左ハイから左ロー。圧力をかける緒形は大野を追い詰めていくも、大野はジャブとミドル、緒形が近づくと飛びヒザ蹴りで緒形をパンチの距離に入らせない。緒形は右ミドル、左ロー。ジャブを使って回る大野。緒形は右フックで飛び込み、コーナーで連打を見舞っていくが大野は避けながらパンチを返していく。
5R、緒形が大野を押し倒す。大野のパンチに緒形が右ミドル。パンチを浴びた緒形が胴タックルから投げを放つ。大野の前蹴りに右フックを合わせた緒形は足払いで大野を倒した。前に出る緒形はローキック、大野はジャブ。緒形の連打に大野も連打を返したが、緒形が左フックをヒットさせて一気にラッシュ! 右フックでも大野をグラつかせる! ロープでメッタ打ちになる大野だが、足を使って脱出した。大野のドクターチェック後、一気に打ち合う両者。右フックに大野が下がる。ラストには足を止めた両者のパンチが激しく交錯! 緒形の右ストレートが二発ヒット! 割れんばかりの大歓声の中、終了のゴングが鳴った。
判定は緒形! S-cup出場へ大きく前進した。「大野選手は絶対に負けないという気持ちが伝わってきて、素晴らしい選手でした。機会があれば同級生なので、もう一度やりたいです。最終目標のS-cupまであと一月と10日。限られた時間ですが、次の1秒1秒を全身全霊で頑張っていくので、ぜひS-cupを見に来て下さい」マイクでアピールする緒形の顔は所々が大きく腫れあがり、左足も引きずっていた。一方の大野も両まぶたが切れ、顔中が腫れあがり“大激闘”を物語っていた。
菊地VS土井、緒形VS大野の日本人対決によるS-cup最終予選は、期待をはるかに上回る大激闘で幕を閉じた。次はいよいよ11月のS-cupだ!
▼メインイベント 1st エキスパートクラスルール 70kg契約 3分5R
○菊地浩一(寝屋川/SB日本ウェルター級2位)
判定 3-0 ※48-47、48-46、48-46
●土井広之(シーザー/前SB世界ウェルター級王者)
1R、菊地がローで前に出て左右フック、もう一度ロー。土井もローを蹴り返すと、菊地がすぐにローを返す。左フックから菊地がパンチのコンビネーションを放つと、土井がガードを固めて守りに。菊地が一気にパンチで攻める。土井は右ローで応戦、土井のフックに菊地もフックを返し、快音を発する左ロー。菊地がフックで入っていくと土井も右フックを合わせ、菊地の左ローに右ローを返す。菊地がアッパーを含むパンチのコンビからロー、そしてすぐに左フック。ガードを固めて防戦一方の土井! 菊地がパンチのラッシュ! レフェリーが見すぎてゴングを聞き逃す場面も。
2R、菊地は左フック、左ストレートを当てて前に出てラッシュ、しかし、右フックで倒したのは土井! 菊地は再び前に出るも、右フックで土井が再びグラつかせる。土井の首投げは失敗。土井はボディから右フック、菊地もパンチを出すが雑になっている。右フックを狙い撃ちしていく土井、菊地が再び左フックを放って前に出て行くが、かわす土井に余裕が感じられる。菊地の左ローをキャッチしてストレートを合わす土井。菊地も前に出て土井にロープを背負わせ左フックをヒットさせる。
3R、コーナーへ詰めてパンチで土井をメッタ打ちにする菊地。アッパーとストレート、頭を下げた土井の顔面をヒザで突き上げる。さらに左ローを二連発、菊地が前に出る。左ストレートで追い詰められる土井。菊地が左ロー連発から左フック、そして左ロー、右アッパー。ガードを固めて丸まる土井。それでもローを返すが、菊地のパンチは止まらない。右フックから左ローのコンビ、そしてヒザ蹴り。土井もローを放つが、菊地のラッシュは止まらない。左ローで土井の体が揺れる! ヒザ蹴りで土井を一方的に攻める菊地!
4R、土井の前蹴りが顔面へヒット! 一気に襲い掛かる菊地。ヒザ蹴りで追い込み、左ストレート。右ボディから右フック、左ロー、アッパーに土井のアゴが跳ね上がる。土井は足払いで菊地を倒して流れを変えようとするが、菊地が左ローと右フックで前へ。右ボディから右アッパー、左ストレート。前に出続ける菊地に土井は防戦一方。左ローで膝が折れる! 右フックから左ローを飛ばす土井だったが、菊地のラッシュに押されてしまう。
5R、今度は土井がパンチで前に出る! ストレートを連打してロー、しかし、菊地がパンチで押し返して左ローを連打。土井は右フックに賭けるが、菊地の左ストレートに下がらせられ、連打をもらってしまう。
菊地の左ロー連打に土井の体が大きく揺れる! そこへ菊地のヒザ蹴り。コーナーへ詰めて菊池がパンチ連打、ボディへのヒザ蹴りから顔面へのヒザ蹴り! コーナーに釘付けとなる土井。菊地は驚異的なスタミナで手を出し続け、左ローから左右のパンチ、そして左ロー。土井はガードを固めて下がるのみ。ロープに押し付けて菊地がパンチの連打! 土井は棒立ちとなってゴングを聞いた。
フルラウンド動き続ける驚異的なスタミナを見せ、土井を押し切った菊地。その猛攻に耐え、ローで倒れることだけは拒んだ土井。激しい試合で場内の大歓声は止むことがなかった。判定は菊地が勝利、実力で世代交代を達成したが、素晴らしい試合をした両者に大きな拍手が送られた。
▼第6試合 森谷吉博引退試合 エキスパートクラス特別ルール 57kg契約 3分3R
○森谷吉博(シーザー/SB日本スーパーバンタム級王者)
判定 3-0 ※30-26、30-27、30-28
●マイク・ボードウィン(アメリカ)
森谷が大好きだった元リングスの古田リングアナウンサーのコールで、両選手が入場。森谷は黒いロングガウンで登場し、四方に深々と礼。白い紙テープがリングに舞い散る。セコンドにはアンディ・サワーの姿が。
1R、サウスポーのマイクはワンツー、森谷はよく見て右ロー。マイクの長いリーチから繰り出される左ストレートはよく伸びるが、ローには無防備だ。「1分経過!」リングス張りに古田リングアナの大声が響き渡る。右アッパーを突き上げてくるマイクに森谷は前蹴り、ローを出して前に出る。「残り時間1分!」コーナーに詰めた森谷が右ローを連打、マイクが前に出て来ると顔面へ前蹴りを突き刺す。森谷が左ローから右フックを浴びせたところでラウンド終了。
2R、マイクがワンツーで前に出る。森谷は体勢を崩しながらもローを蹴るが、勢いに押されてクリンチ。コーナーへ詰めた森谷が右ストレート、マイクは左ミドルで前に出る。それでも森谷は右ローを連打、ミドルに合わせての右ロー、さらに踏み込んで右ロー。マイクはコーナーへ追い詰められ、フックを振り回すが大振り。森谷がコーナーへ詰めて右ローから右ハイキック、マイクの左フックがヒットするが、森谷は前に出てローを蹴り続ける。左フックの相打ちは森谷が優る。
3R、森谷の右ローでコーナーに詰まるマイク。森谷の右ボディストレート、レバーから左フック。「森谷コール」が沸き起こるとマイクはそれに反発するように左フックを出してパンチで前へ。左ストレートで大きく後退する森谷! しかし、ワンツーで前に出て組み付き、首投げでシュートポイント! 「森谷コール」がさらに大きくなり、森谷は倒さんとパンチで前に出る。ボディへストレート、左フックでグラつかせ、ロープに押し付けてのアッパー! 最後にラッシュを掛けて場内を大いに沸かせ、森谷はラストファイトを終えた。判定は大差で森谷! 有終の美を飾った。
セレモニーでは佐藤ルミナ、桜井“マッハ”速人、小野寺力、ブラフマンのボーカル、ケミストリーのメンバーが花束を贈呈。最後には本人のお母さんが登場するビッグサプライズ。森谷は照れ笑いを浮かべて花束を受け取った。
そして、シーザー武志会長が登場すると、森谷は堪えきれずに男泣き。
シーザー会長も涙声で語りだす。 「今日はS-cuoの前で大変な試合なんですが、森谷の引退式で時間をとってしまいました。彼は僕の元に15年くらいいました。僕の弟子の中では最低な男で、練習は大嫌い、夜遊びは大好き、酒は大好き、女は好きだがその前に潰れる。もう辞めろと何度も言ったが、どんなことを言われても15年間、一生懸命付いてきてくれる若者は最近はいないと思います。お前は現役として最高に悔しいだろと聞いたら、はいそうですと彼は言いました。でも、これからは日本一のマネージャーを目指せと言いました。現役の時代にどれだけ活躍するかよりも、一生を通じて何が残せるかが大事だと思います。皆さんも、これから日本一のマネージャーを目指して頑張っていくと思うので、彼を応援よろしくお願いします」
10カウントゴングのセレモニー後、森谷がマイクを握った。
「本当に今日で引退ですが、みんなに感謝の気持ちを述べさせていただきたいと思います。まず。僕を産んでくれた親父や母ちゃん、辛いとき悲しいとき楽しいとき一緒に頑張ってくれたジムの仲間、そして何よりも僕をチャンピオンにまで育ててくれたシーザー会長に感謝したいと思います。今日で引退しますが、僕は僕が青春を賭けてきたSBを世界に羽ばたかせたいと思います。ありがとうございました!」と最後の挨拶を行い、リングから去っていった。
アンディ・サワーがリングに登場
「コンニチワ、ソーリー、コンバンワ。指を怪我してしまったため今日の試合には出られません。ごめんなさい。11月にS-cupがあり、そちらで試合をするのでよろしくお願いします。私がタイトルを持っているので、万全の態勢で三連覇を果たしたいと思います。11月のS-cupもよろしくお願いします。これからも全てのシュートボクサーを応援してあげてください」
▼第5試合 エキスパートクラス特別ルール 60kg契約 3分3R
○石川剛司(シーザージム/SB日本フェザー級1位)
KO 2R44秒 ※投げからの肩パンチ
●サッグサーコン・ルークマトゥリー(タイ/SKVアラビアジム/元ラジャダムナンバンタム級)
▼第4試合 エキスパートクラス特別ルール Sウェルター級3分3R
○山口太雅(寝屋川)
判定 3-0 ※30-29、30-29、30-28
●ケンシロウ(モンゴル/新東金ジム)※バダムガラフ・バルジンニカムから改名
▼第3試合 スターティングクラスルール 55kg契約 2分3R
○中森保孝(シーザー)
判定 3-0 ※30-26、30-28、30-27
●鈴木友則(湘南)
▼第2試合 スターティングクラスルール ヘビー級 2分3R
○岩下雅大(龍生塾)
判定 3-0 ※30-29、30-29、30-29
●井上俊介(フリー)
▼第1試合 スターティングクラスルール 65kg契約 2分3R
○中島弘貴(シュート・ボクセ・アカデミージャパン)
KO 2R1分20秒 ※ヒザ蹴り
●野畑圭介(風吹)
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