パンクラス主催
「PANCRASE 2006 BLOW TOUR」
2006年10月1日(日)大阪・梅田ステラホール
開場15:00 開始16:30
▼第6試合 メインイベント ライトヘビー級戦 5分3R
△近藤有己(パンクラスism/第3代ライトヘビー級王者)
判定 1‐0 ※30‐30、30‐29、30‐30
△ジョン・フランソワ・レノグ(フランス、フリー)※初参戦
近藤有己が約4年半ぶりにパンクラス大阪大会に参戦。打撃力に定評のあるジョン・フランソワ・レノグを迎え撃った。
1R、まずは片足タックルでテイクダウンを狙った近藤だが、レノグの腰が重く失敗。「テイクダウンするには相性の悪い選手」と判断した近藤は、これ以降、打撃で勝負を仕掛ける。左ローや右フックで前に出る近藤に対し、後ずさりしながらカウンターパンチで迎撃。両者ともに決め手を欠く展開で1Rが終了。
2R、プレッシャーをかけ続ける近藤に対し、レノグが下がりながらカウンターを合わせるという図式は変わらず。後半、レノグの右フックでやや近藤がバランスを崩す場面があったが、決定打とはならなかった。
3R、セコンドの指示で前蹴り、ローキックを積み重ねていく近藤。一方、レノグの左ストレートも近藤の顔を捕らえ始める。勝負どころと見たレノグがラッシュを仕掛けるが、逆に近藤の右フックを浴び劣勢に。すかさず近藤がテイクダウンを奪い、アキレス腱固めに移行した。
だが、近藤の体がロープの外に出たためブレイク。スタンドからの再開となる。ふたたびタックルを仕掛けた近藤だが、レノグの圧力に潰される形でグラウンドに。最後はレノグがジャンプしての踏みつけを放ったところでタイムアップ。判定は近藤が1ポイント獲得のドローとなった。以下両者のコメント。
近藤「試合中には気付かなかったですけど、相手の距離でやってしまいました。自分が本来持っていた、回転のいいパンチが打てなくなってきてますね。悪い癖ばかりが出ている。全部、単発で終わってしまった。どうやったら以前の姿を取り戻せるのか。まだ、ちょっと気付けないですね。すごく悔しいです。自分に腹が立つし、情けないですね。
今まで見えていたことが、見えなくなってしまった感じです。打撃戦になったのは、1Rの最初にタックルに行ったときに、腰の強さを感じて自分とは相性が合わないなと思ったからです。それで打ち合ったら手応えがあったんで、打撃でいきました。とりあえず今後は12月のism興行に出場することを目指して、やっていきたいですね」
レノグ「グラウンドになっては不利だと分かっていたので下がりながら、タックルが来ても素早く逃げられるように戦った。格闘技歴は、ベトナムで20年くらいボータウトという格闘技をやっていた。それを99年までやっていて、それ以降は総合の試合をやっている。
でも練習では打撃をやる比率の方が多いね。まあ引き分けという結果で気分がいいというわけではないけど、いい試合ができたので嬉しく思っているよ」
▼第5試合 セミファイナル フェザー級 5分2R
○藤原大地(パンクラス稲垣組)
反則 1R4分43秒 ※ローブロー
●平安孝行(大道塾山口支部/2004&2006年、北斗旗体力別選手権軽量級優勝)※初参戦
“稲垣組の特攻隊長”藤原大地が、約2年半ぶりに復帰。大道塾の北斗旗で実績を残す平安孝行と対戦した。
1R、まずはシャープな右フックで前に出る平安。だが直後に藤原がカウンターの左フックをヒットさせ、一気に主導権を握ることに成功する。左フックで尻餅をついた平安に対し、藤原は笑みを浮かべながらパウンド。
平安がポジションを返すも、藤原は下から三角絞め、オモプラッタなどで積極的に攻め返していった。このあと猪木・アリ状態が続いたためブレイク。スタンドからの再開となったが、ここでアクシデントが発生。藤原が右ローを放とうとした瞬間に、平安の前蹴りが股間を直撃。脂汗を流す藤原を見て、ドクターが試合をストップした。
藤原「体は大丈夫ですけど、心が痛いです(苦笑)。復帰戦なんで技術を全部出して勝ちたかったんですけどね。でも今までは一番落ち着いて試合ができたんで、その部分では合格点をあげたいなと思います。再戦? いや、一度試合すると仲良くなっちゃうタイプなんで。
今日も一回握手したんで、もう敵視できないですね。さっきも平安選手と話してたんですけど、再戦をお願いされたんで『嫌です』って答えておきました(笑)。まあ落ち着いて自分の技術を出せば、北斗旗のチャンピオンとかでも俺の方が上かなと。俺は強いんで、これからも負ける気はしないですね。あとは寝技もやりたいんで、ヤンキーだとか煽らないでください(笑)」
▼第4試合 ライト級戦 5分2R
○武重賢司(パンクラス稲垣組)
一本 2R2分38秒 ※アンクルホールド
●レッドスレイヤー・ガイ(総合格闘技夢想戦術)※初参戦
1R序盤、レッドがオーソドックスからサウスポーに切り替えながらの変則的な打撃で前に出る。カウンター狙いの武重は、前半は様子見で手数が少ない。だが左ボディストレートをヒットさせてからは、武重が徐々に前へ。武重が巻き返したところで1Rが終了。
2R、パンチでラッシュをかけるレッド。ロープに詰められた武重は、レッドに組み付きテイクダウンを狙う。その後、両者がもつれるようにグラウンドに。互いに足関節を取り合うなか、武重がアンクルホールを極め一本勝ちを収めた。
▼第3試合 フェザー級 5分2R
○藤本直治(パンクラス稲垣組/2004年度ネオブラッド・トーナメント フェザー級準優勝)
TKO 2R1分18秒 ※レフェリーストップ。
●宮城友一(REAL/第6回アマチュア・パンクラス60s未満級準優勝)※本戦初出場
1R、サウスポーの藤本に対し、宮城は右のインローを積み重ねる。タックルを狙う藤本だが、宮城は冷静にカット。本戦初参戦の宮城が優勢に試合を進める。タックルを切られる藤本は、自ら引き込みグラウンドに移行。局面打開を図る。
だが、立ち上がる際に宮城がバックを奪取。アームロックを狙う藤本だが、腕がすっぽ抜けバックマウントを取られてしまう。すぐにインサイドガードに戻した藤本だが、宮城は下から腕十字狙い。1Rは宮城ペースで終了。
2R、宮城の右ミドルをキャッチした藤本が、ようやくテイクダウンに成功。ハーフからアームロックを狙うと、これがズバリとはまり、藤本の体がマウント状態になったところでレフェリーが試合をストップした。
試合後マイクを握った藤本は「次、砂辺選手やりましょう」とアピール。宮城のセコンドに就いていた砂辺も「自分の後輩が負けたんで、自分が勝てば誰か(前田吉朗)出てくると思うんで、それを待ちます」と、この申し出を快諾。対戦の気運が高まった。
▼第2試合 パンクラスアテナ 56s未満契約戦 3分3R
○中井りん(修斗道場 四国)※初参戦
TKO 1R1分25秒 ※ドクターストップ
●伊藤あすか(パンクラス稲垣組)
1R、まずは中井がカウンターの右ストレートでペースを握る。片足タックルからグラウンドに移行したい伊藤だが、中井が距離を取りそれを許さない。
それならと果敢に打撃戦に応じた伊藤だが、中井の右フックで鼻から出血。ドクターチェックのすえ、中井のTKO勝利となった。
伊藤はこれで2連敗。このスランプを今後はどう切り抜けるか?
▼第1試合 ライト級戦 5分2R
○昇侍(K.I.B.A)※本戦初出場
KO 1R0分3秒 ※飛びヒザ蹴り
●宮崎裕治(総合格闘技道場コブラ会)
3月の梅田大会でリング下に転落、試合続行不能というアクシデントに見舞われた宮崎が今大会で復帰。7月の「DEMOLITION」で、バスターによる失神KO勝ちを収めている昇侍と対戦した。
試合は宮崎が得意の寝技で昇侍をグラウンドに引きずり込むかと思われたが、試合開始と同時にダッシュした昇侍が飛びヒザ蹴りを一閃。モロにアゴに食らった宮崎が失神し、昇侍が戦慄の超秒殺KO勝利を飾った。
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