11月3日(日)東京・ディファ有明にて、CHAOS実行委員会『CHAOS(ケイオス)−MADMAX〜混沌の中から覇者は生まれる〜』が開催された。
今大会ではミャンマーで千年の歴史を持つといわれる伝統格闘技「ミャンマーラウェイ」※の王者を含むトップファイター5人が来日し、日本を代表する空手王者と5対5の「決闘五番勝負」を行うことが決定していた。
※「ミャンマーラウェイ」とは素手に薄いバンテージだけを巻き、顔面パンチや蹴り、投げなど、ほとんど何でもありのルールの下で行われる戦いで同国の国技にもなっている。「ラ」は拳を意味し、「ウェイ」は戦いを意味する。
しかし、11月1日ミャンマー選手団が成田空港に到着するも、ミャンマーの国家情勢が変化したことにより、日本政府の政治的判断に基づき、入国管理局が帰国命令を発した。
よってミャンマー選手団は日本から送還されたため、今大会は欠場。 急遽、全国から集まった空手家同士によるラウェイ、空手公開他流試合6番勝負が行われることになった。
CHAOS MADMAX統括プロデューサーで和術慧舟會総帥の西良典氏は、空手王者とミャンマーラウェイ王者の5対5対抗戦が実現しなかったことを会場にいたお客さんに詫びると、「ミャンマー選手団が帰国してたった2日間でこれだけの空手家が集結してくれました。これから熱い闘いをご覧下さい」と大会あいさつを行った。
CHAOS実行委員会
「CHAOS(ケイオス)−MADMAX〜混沌の中から覇者は生まれる〜」
2006年11月3日(金)
東京・ディファ有明
開場17:00 開始18:00
<全試合結果>
▼第6試合 CHAOSルール 3分3R
○江口慶貞(無門会総本部)
KO 1R1分30秒
●高橋昌克(紫円塾)
無門会の江口は、同会の組手大会で現在9連勝中でエース的存在。一方の高橋は、IFTバーリートゥード選手権、FSAアブソリュート大会など過激な大会に挑戦し続けている。
1R開始早々、激しくパンチを交錯させる中、高橋の右フックが江口のテンプルにヒット。これで膝をついた江口はだったが、ダウンは取られずにレフェリーからスリップと判断される。
「あの一撃で目が覚めましたね」という江口はパンチのラッシュでダウンを奪い返した。左目を腫らした高橋は立ち上がり、試合再開。無門会のカウンター技である受即攻の間合いに入った江口はワンツーのコンビネーションを高橋の顔面にクリーンヒット! 江口がKO勝利を収めた。
試合後、リングに上がった「空手バカ一代」で有名な富樫宜資師範は「無門会の強さを改めて証明することが出来た」と江口の勝利を祝った。
次回3月開催予定の大会(日時場所は未定)では、この試合で勝った江口が馳晩成(闘道会U-A)と対戦する。
▼第5試合 アブソリュート特別マッチ 3分3R
○アリレザザンディ・アリアバディ(イラン/FSA拳真館イラン支部)
判定 ※優勢勝ち
●小川 豪(和術慧舟會)
アブソリュート特別マッチで行われるこの一戦。アブソリュート特別マッチとは、目突き、金的蹴り、素手の顔面パンチ、肘、頭突き、投げ、関節技ありと何でもありルール。目突きという危険な攻撃も認められているため、両者はゴーグルをはめていざ試合へ。
大振りのパンチを振るう小川に対し、アリアバディは回転系の足技で対抗する。中盤には見事に上段回転回し蹴りが小川のテンプルを捕らえ、小川はカット。強烈なアリアバディのパンチの前に、小川ははめていたゴーグルごと持っていかれリズムを乱してしまう。終始手数の多かったアリアバディが優勢勝ちした。
▼第4試合 CHAOSルール 3分3R
○内田和久(FSA拳真館)
KO 2R1分28秒
●P・K・サゼッシュ(インド/上地流下地流)
FSA拳真館のエース・内田はアグレッシブにパンチを見舞っていき、サゼッシュは開始早々に鼻血を出してしまった。何度もダウン気味に倒れるサゼッシュであったが、内田の足にしがみつき、戦闘意欲があることをアピール。 内田は最後にパンチラッシュでうるさいサゼッシュをKOで仕留めた。
▼第3試合 CHAOSルール 3分3R
○谷口 聡(理心塾)
TKO 1R0分18秒 ※ドクターストップ
●朝長俊輔(和術慧舟會)
ゴング開始と同時に谷口は強烈な左ロー。この攻撃で前かがみになった朝長に対し、続けざまに谷口は左ハイ。これが見事に朝長を捕らえた。
すぐに自分の左目頭が大幅にカットしていることに気づいた朝長は悔しそうにマットを叩いた。
▼第2試合 CHAOSルール 3分3R
○佐藤真之(FSA拳真館)
KO 2R1分26秒
●モハン・マハラジャン(ネパール/士道館士魂村上塾)
今年3月ラウェイに初挑戦するも、ミャンマーライト級王者の前に何もさせてもらえず敗退してしまった佐藤。その時の敗北の痛みを胸に、佐藤は気合の入った表情でリングイン。モハンのセコンドには同門のマグナム酒井がセコンドについた。
1R、距離を詰めてパンチを振り回してくるモハンを、佐藤は得意の足技で突き放す。
それでも前に出て来るモハン。佐藤は意地でパンチを打ち返す。首相撲に捕らえた佐藤は、「前回の試合で相手の攻撃で学んだ」という頭突きで応戦に出る。
2R、接近戦での激しい打ち合いの中、佐藤は渾身の左フック。モロにテンプルに食らったモハンはゆっくりと倒れこむようにダウン。女性陣の黄色い声援が飛ぶ中、佐藤がKO勝利を飾り、ラウェイルールに自信を深めた。
▼第1試合 CHAOSルール 3分3R
○植山NINJA三千直(理心塾)
KO 2R1分06秒
●山本武晴(和術慧舟會)
1R開始から両者は激しい打撃戦を繰り広げる。自分より長身の植山に対し、臆することなく前に出る山本だったが、右フックを食らいダウン!
立ち上がった山本は植山にしがみ付き何度もスープレックスを見舞っていく。2R、植山は山本をヘッドロックに捕らえながらパンチ攻撃と有効打を見舞っていく。最後に右フックをクリーンヒットさせた植山がKO勝利した。
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