シュートボクシング協会
「SHOOT BOXING WORLD TOUNAMENT S-cup 2006」
2006年11月3日(金・祝)東京・両国国技館
開場13:30 開始15:00
▼メインイベント S-cup2006準決勝 3分3R延長2R
○緒形健一(日本/シーザー)
判定 3−0 ※30−28、29−28、30−28
●アンディ・サワー(オランダ/シーザージム・オランダ/Team
Souwer)
※緒形がS-cup2006優勝
1R、緒形は細かくジャブとインローを出しながらサワーにプレッシャーをかける。サワーは前に出てくる緒形を前蹴りで突き放して距離を取る。左フックから右ローを蹴る緒形。サワーの右フックにはすぐに右を返し、そこから連打につなげる。するとここでサワーも打ち合いに応じて足を止めての乱打戦に!
左フックから右ローを出す緒形に左右の連打を浴びせるサワー。互いのパンチが激しく交錯する中、サワーの左フックをかわした緒形がそこにすかさず右ストレートをかぶせて、鮮やかに先制のダウンを奪う!
1Rの続きを見るような激しい打ち合いで幕を明けた2R。一旦、距離を取ると左右のローとミドルを蹴るサワー。いつもならここからジリジリと相手にプレッシャーをかけて前に出て行くのだが、この日の緒形はスピード感あるジャブを的確に突いて、サワーの前進を許さない。
逆に自分から前に出てサワーを後退させて、ジャブから右ローのコンビネーションを多用する緒形。下がりながらも右ローを蹴るサワーだったが、緒形はサワーの強烈なローを受けても必ずパンチを返し、決して後手には回らない。
するとラウンド終盤、互いに額をつけて打ち合う両者。ここでサワーは右フックを叩き込み、ガードを固める緒形に左ボディ、さらにがら空きになった顔面に左フックを返す。
完全にサワーの拳が緒形の顔面をとらえたかに見えたが、緒形は効いた素振りすら見せず、逆にすぐさま右ハイキックを返すなど、サワーと互角に打ち合っていく。
ここまで2戦を闘っているにも関わらず、小細工なしの真っ向勝負を繰り広げる二人に客席からは大声援! S-cup決勝戦に相応しい激闘に両国国技館はヒートアップする。
そして迎えた最終ラウンド。ここまでのポイントを挽回しようと猛然と前に出て行くサワーは、パンチから右ローにつなげる得意のコンビネーションで緒形に襲い掛かる。
しかし緒形はここでもしっかりとジャブを打って、サワーを押し返すとワンツーから右アッパー。さらにワンツーから右ローを打つ。
パンチだけでなくローも蹴り合う両者。しかしサワーの左右のローが効果を見せ始め、少しずつではあるが緒形の足が止まり始める。ここを勝負どころだと踏んだサワーは一気に攻め込み、左右のストレートから左ボディ。グイグイ前に出て、緒形の顔・ボディにパンチの連打を浴びせかける。緒形は何とかパンチを返しながら、必死にクリンチでサワーの反撃を阻止。客席からの緒形コールに後押しされるように、サワーの猛攻を最後まで凌ぎきった。
判定は1Rにダウンを奪い、最後までサワーの圧力に屈しなかった緒形! 準決勝で宍戸との同門対決を制し、決勝では現時点でSBの頂点に君臨するサワーにリベンジするという劇的な勝利で、緒形が悲願のS-cup初制覇を達成した。
▼セミファイナル エキスパートルール 3分5R
○及川知浩(日本/龍生塾)
TKO 3R49秒 ※ドクターストップ
●石川剛司(日本/シーザー)
▼第8試合 S-cup2006準決勝 3分3R延長1R
○アンディ・サワー(オランダ/シーザージム・オランダ/Team
Souwer)
判定 3−0 ※ 30−29、30−29、30−29
●ダニエル・ドーソン(オーストラリア/シュートボクシング・オーストラリア)
1R、左右のローを蹴るドーソン。距離を測るサワーに右ハイキック、前蹴りを出す。ドーソンの蹴りに対して、数発左のインローを蹴るサワーだったが、それ以上は手数が出ない。
逆にドーソンは左右のフックでサワーに顔面をガードさせて、そこにローキックを蹴る。右ローから右ミドル、さらにパンチの連打で前に出るドーソン。
時間が経つにつれ、ようやくエンジンのかかってきたサワーはワンツーフックから右ロー、ドーソンをロープに詰めて飛びヒザ蹴りを放つ。
サワーの右ローに右ストレートを合わせたドーソンは、そのままサワーをロープに詰めて左右の連打を打ち込む。しかしサワーはバランスを崩すことなく、すぐに距離を取って離れる。
2R、ジリジリと前に出て行くサワー。それに負けじとドーソンも左右のフックで前に出れば、サワーはそれをガードして左フックを返す。ワンツーから右ローを蹴るドーソン。サワーと距離が詰まると投げを放つ。サワーは前に出るプレッシャーをかけ続け、強烈な左ボディを打ち込む。
サワーは左ボディから顔面にフックを返し、そこから飛びヒザ蹴り。今度は左ボディから右ローと、徐々に得意のコンビネーションを出し始める。さらにサワーは先に投げを仕掛けたドーソンに負けじとばかりに、ドーソンをかんぬきに捉えてのスープレックス。これは失敗したものの、1回戦同様に試合が進むにつれ、サワーのエンジンがかかり始めた。
そして3R、これまで以上に前に出て圧力をかけるサワーは、ドーソンがコーナーを背負うと左フックから右ハイキック。ドーソンの前蹴りを体をずらしてよけながら右ストレートを打ち込む。
「もっと来い!」とサワーを挑発するドーソンだったが、サワーの猛攻の前に反撃の糸口を掴めない。逆にサワーはより一層攻撃の手を強めて、パンチのフェイントから右ハイキック。
左ボディでドーソンのスタミナを削り、今度は左ハイキックと飛びヒザ蹴りを見せて、左右のストレートを打ち込む。
必死に組み付いてディフェンスするドーソン。サワーはそれを突き放すと「守ってばかりじゃなくて打って来いよ」とばかりに、手を下げて顔を突き出して挑発するなど、完全に最終ラウンドを支配した。試合は判定となったものの、結果はフルマークでサワー。これで決勝はサワーVS緒形という組み合わせに!
▼第7試合 S-cup2006準決勝 3分3R延長1R
○緒形健一(日本/シーザー)
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
●宍戸大樹(日本/シーザー)
1R、左右に動く宍戸は、細かくジャブをついて右ローと左ミドルを蹴る。緒形が前に出てくるところに左フックから右ミドルを蹴る宍戸。対する緒形は強烈な右ローを飛ばす。
緊張感が張り詰めたまま、ジリジリと前に出て距離を詰める緒形は軽くジャブを突いてワンツー。宍戸はその打ち終わりにパンチをまとめてローまでつなげる。
2R、ジャブを皮切りにローとパンチを交互に繰り出していく宍戸。しかし左フックの相打ちになると、一気に宍戸の動きが止まる。
右ローを蹴り合う両者。距離が詰まり組み合いになると、宍戸が変形のカニバサミを繰り出す。常に圧力をかけて前に出る緒形は、単発ながら強烈な右ローと右ストレートを打ち込む。
緒形の攻撃をガードを固めてディフェンスしていた宍戸だったが、残り30秒、緒形の左右のストレートを受けるとそのまま後退。緒形は宍戸のボディにヒザ蹴りを突き刺し、宍戸の右アッパーに右フックを打ち下ろす。
明らかにダメージの見える宍戸は何とか足を使って逃げようとするものの、緒形はコーナー際から宍戸を逃がさず左右の連打。終了間際には強烈な右のパンチを叩き込み、宍戸がコーナーにもたれるようにラウンド終了のゴングを待つ。宍戸はダメージからか、その場からすぐには動くことができなかった。
3R、緒形を前蹴りで突き放し、すぐに二段蹴りとバックキックを放つ宍戸。緒形は右フックで飛び込んで左アッパー、宍戸は右ボディストレートからローを返す。するとここで緒形が強烈な右ロー!
この一発で宍戸がバランスを崩す。すかさず右ローを連打する緒形。宍戸は組み付いてそれをしのごうとするものの、緒形はそれを突き飛ばすように宍戸をマットに叩きつける。
立ち上がった宍戸はバックブローから左ミドル、ヒザ蹴りを突き刺す。さらに連打で緒形を後退させて再びバックブローを打ち込む。
緒形はその宍戸を掴まえて首相撲からのヒザ蹴りを打つ。それを振りほどきワンツーで前に出る宍戸。緒形はそこに丁寧に左ジャブを当てて右ストレート、左ボディを皮切りにパンチの連打を浴びせる。
そして残り30秒のアナウンスがされると、両者足を止めて壮絶な打ち合い。大歓声に包まれた中、試合終了のゴングが鳴らされた。判定はフルマークで緒形! 宍戸との同門対決を制した緒形が、悲願のS-cup制覇に王手をかけた!
▼第6試合 S-cup2006リザーブマッチ1 3分3R延長1R
○土井広之(日本/シーザー)
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
●キム・ジュン(韓国/泰康會館)
▼第5試合 S-cup2006リザーブマッチ1 3分3R延長1R
○ライアン・シムソン(オランダ/バゾーストジム)
判定 2−0 ※30−28、30−30、30−29
●菊地浩一(日本/寝屋川)
▼第4試合 S-cup2006 1回戦 3分3R延長1R
○アンディ・サワー(オランダ/シーザージム・オランダ/Team
Souwer)
判定 3−0 ※28−27、28−26、28−27
●マルフィオ・カノレッティ(ブラジル/シッチ・マスター・ロニー)
1R、まずは互いに軽くローを蹴る静かな立ち上がり。カノレッティがパンチの連打をまとめれば、サワーも合わせ鏡のようにパンチを返す。
するとパンチの打ち合いになったところで、カノレッティが右フックを当ててサワーから先制のダウンを奪う。思わぬダウンを喫したサワーだったが、逆にこの一発で目が覚めたのか、ダウンを奪われてからは怒涛のラッシュ!
持ち前の突進力でカノレッティをロープに詰めると、得意の左ボディからのコンビネーション、飛びヒザ蹴りを狙っていく。
そして2R開始直後、カノレッティをロープに詰めたサワーは、パンチの連打から最後は右フックでダウンを奪う。タフなカノレッティはガードを固めてサワーの攻撃をしのぐものの、一方的にサワーのパンチとヒザ蹴りを受け続ける。
何とかローを蹴って距離をとるカノレッティ。しかしサワーはじりじりと間合いを詰めて、強烈な左ボディからパンチと右ローへつなぐ。組み付こうとするカノレッティを突き放し、その後もサワーはパンチとローを交えた華麗なコンビネーションで圧倒する。
3R、カノレッティのローを受けながらも、嵐のようなパンチのラッシュを繰り返すサワー。2Rに引き続き、二段蹴りや飛びヒザ蹴りを織り交ぜながら、顔面とボディ、そして足に攻撃を散らしてカノレッティを一方的に攻め込む。
終盤、勝ちを確信したサワーは攻め手を休め、カノレッティを前蹴りで突き放す。最後はノーガードでカノレッティを挑発する余裕も見せたサワー。終わってみればダウンを奪われたシーン以外は終始カノレッティを圧倒し、前人未踏のS-cup3連覇へ向けて幸先のいいスタートを切った。
▼第3試合 S-cup2006 1回戦 3分3R延長1R
○ダニエル・ドーソン(オーストラリア/シュートボクシング・オーストラリア)
判定 3−0 ※30−29、30−28、30−27
●ヴァージル・カラコダ(南アフリカ/スティーブズジム)
1R、カラコダと真っ向からボクシング勝負に挑むドーソンは、カラコダを上回るハンドスピードと回転力のある連打でカラコダを攻め込む。
カラコダにロープを背負わせ、ディフェンスをブロック一辺倒にさせるとボディ→顔面にダブルのフック、右ストレートでカラコダの足を止める。
その後、ドーソンはパンチで前に出るカラコダに前蹴り・ヒザ蹴りを突き刺し、カラコダに反撃の隙を与えない。
2R、ドーソンはそのキックボクシングスキルでカラコダを翻弄。カラコダがパンチで距離を詰めれば組みヒザ蹴りにとらえ、距離が開けばローとミドルを蹴る。
ラウンド終盤にはドーソンの変則的な左の二段蹴りでカラコダが尻餅。レフェリーはダウンをこそ宣告しなかったものの、ドーソンの蹴りでカラコダの顔は完全に跳ね上がっており、カラコダのダメージは火を見るよりも明らかだ。
3Rに入るとやや逃げ切りモードとなったドーソンは、クリンチを繰り返しカラコダの攻撃を封じる。残り30秒過ぎ、カラコダが必死の形相で連打を繰り出すものの、ドーソンはそれを上手く受け流し、1・2Rのポイントを守りきる形で準決勝へ駒を進めた。
▼第2試合 S-cup20061回戦 3分3R延長1R
○緒形健一(日本/シーザー)
KO 2R1分14秒 ※2ノックダウン
●ダマッシオ・ペイジ(アメリカ/ジャクソンズ・ファイティング・アカデミー)
1R、いきなりパンチの連打で前に出るペイジ。緒形はそれをブロックし、ペイジの体を突き放してジャブを突く。そして近距離での打ち合いになると、緒形が左のボディアッパーを突き上げて先制のダウンを奪う。
このまま試合を終わらせようと一気に前に出る緒形だったが、そこにペイジのカウンターの右フックがクリーンヒット! 何とこの一発で緒形がマットに倒れ、ダウンを喫してしまう。
KO勝利の予感から一転、まさかの逆転KO負けの危機を迎えた緒形。ペイジはここぞとばかりに一気呵成に前に出て、フォームはめちゃくちゃながらもその拳を振り回す。
ペイジのパンチが緒形のガードを叩く度に会場からは悲鳴も上がったが、緒形はしっかりとペイジのパンチをブロックすると左ミドル、左の膝蹴り。終了間際には膝蹴りの連打でペイジをダウン寸前に追い込む。
2R、完全にペースを取り戻した緒形はペイジのパンチにカウンターの左を当てると、そのままペイジをコーナーに詰めてパンチで滅多打ち。
1Rに続き再び左ボディでダウンを奪う。ここから緒形はボディに照準を絞って左右の連打。最後は3度目の左ボディを突き刺し、ペイジをマットに沈めた。この結果、準決勝で緒形と宍戸の日本人対決が実現することになった!
▼第1試合 S-cup20061回戦 3分3R延長1R
○宍戸大樹(日本/シーザー)
延長判定 3−0 ※10−9、10−9、10−9
本戦判定 1−0 ※30−30、30−29、30−30
●ジョーダン・タイ(ニュージーランド/レイ・セフォーファイトアカデミー)
1R、タイは体の圧力を生かして前に出て、左右のフックとアッパーで宍戸を攻め込む。宍戸はタイのパンチをしっかりとブロックして、左ミドルとインローを蹴り分ける。
2連続のバックキックやバックブローなど回転技を織り交ぜる宍戸。しかしタイの前進は止まることなく、宍戸はロープを背負ってタイのパンチをディフェンスし、そこから反撃するという場面が目立つ。
2R、パンチのプレッシャーで前に出るタイに対して、宍戸は前蹴りと左ミドル。タイは宍戸のブロックの間を狙うように左フック、右アッパーを繰り返す。
宍戸は距離を取ろうと動きながらジャブと前蹴り、タイのパンチをディフェンスしてコツコツと右ローを返していく。手数では宍戸が上回るものの、タイも必ずディフェンスの後はパンチやミドルを返し、ほぼ差のつかない互角の展開が続く。
3R、宍戸は右ボディストレートから顔への左フック、そこから右ローまで返す。しかしタイにダメージは見られず、前に出て宍戸に左右のフックを浴びせる。タイの足を止めようと左ボディを打つ宍戸。これに対しタイは左フックを返す。距離を詰めるタイを突き放す宍戸は右ローと右ミドル。タイは右アッパーで飛び込んで、そこから左フックを打つ。
残り1分、宍戸のバックキックの打ち終わりにタイが左フックを当てて、宍戸が尻餅! 冷やりとした場面だったが、ダウンではなくスリップが宣告された。再開後、宍戸は右バックキックから左ミドルと攻撃をまとめる。終了間際にもバックキックを放った宍戸。しかしここで一瞬油断してしまったのか、タイに背中を向けた動きを止めてしまい、タイの強烈な左ハイキックを受けて尻餅をつく。
ラウンド終了のゴングが鳴り、宍戸もすぐに立ち上がったため、ダウンこそ免れたものの、非常に危険なシーンだった。戦前の予想通りに手数とスピードで攻めた宍戸と、前に出る圧力で強烈なパンチを返していったタイ。判定はジャッジ1名が宍戸に1ポイント差をつけたものの、残り2名は差をつけず延長戦へ突入する。
延長R、手数の多さで先に仕掛ける宍戸に対して、タイはしっかりとそれをブロックして確実に攻撃を返していく。パンチと蹴りのコンビネーションで攻める宍戸。宍戸のブロックの隙間を狙い、ボディと顔面にフックを打ち分けるタイ。
このラウンドも一進一退の攻防が続く。しかしついに宍戸の手数がタイの固いブロックを打ち破った。左フック、左アッパー、右フックと怒涛の連打をタイの顔面に集中させ、ダウンを奪うまでには至らないものの、一瞬タイが棒立ちとなる!
このまま一気に押し切ろうとする宍戸。ところがタイもすぐに蘇生し、左右のフックの連打で前に出て追撃を許さない。結局、ここから再び両者一歩も引かない打ち合いとなり、試合は終了。ラウンド中盤に山場を作った宍戸が何とか判定をモノにしたが、一回戦から4R戦い、タイを相手に真っ向から打ち合うなど、準決勝以降のスタミナのロスと蓄積するダメージが気がかりだ。
▼オープニングマッチ第2試合 3分3R
○尾崎圭司(日本/チームドラゴン)69.45kg
判定 2−0 ※29−29、29−28、29−28
●金井健治(日本/ライトニングジム)69.4kg
▼オープニングマッチ第1試合 3分3R
○阿部マサトシ(日本/AACC/修斗世界バンタム級3位)56.6kg
判定 2−0 ※30−29、29−29、30−29
●鈴木友則(日本/湘南ジム)55.85kg
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