↑(左から)準優勝の清水、二連覇を達成した藤松、女子優勝の岡
11月12日(日)東京・ディファ有明にてNPO法人 国際空道連盟主催「2006北斗旗全日本空道無差別選手権大会」が行われ、第二回空道世界大会超重量級王者の藤松泰通(総本部)が優勝を果たした。
NPO法人 国際空道連盟
「2006北斗旗全日本空道無差別選手権大会」
2006年11月12日(日)東京・ディファ有明
開場10:00 開始11:00
<試合結果>
優勝 藤松泰通(総本部)
準優勝 清水和磨(総本部)
3位 笹沢一有(早稲田準支部)
4位 平塚洋二郎(九州本部)
5位 勝直光(早稲田準支部)
6位 前田陽介(渋谷支部)
7位 今里太二(築柴野支部)
8位 稲田卓也(横浜北支部)
※女子選抜大会の優勝は岡裕美(横浜北)
春の体力別ではパラエストラ松戸勢、関東地区予選では空柔拳会館の猛威にピンチへ追い込まれた大道塾だったが、今大会ではベスト8に他流派を一人も残らせなかった。
日本拳法全国4位(団体)東日本優勝(個人)、アマチュア・シュートボクシング関東ヘビー級優勝、散打最優秀選手賞という実績を誇る身長171cm・体重108kgの齋藤徹(日本拳法梟雄会)は、3回戦まで勝ち上がるも2000北斗旗重量級優勝のベテラン稲田卓也(横浜北)に判定5−0でストップされた。
関東大会で猛威を振るった空柔拳会館勢は、関東無差別3位・原田敏克が3回戦まで勝ちあがったが、日本拳法四段を持つ06北北信越無差別2位・前田陽介(渋谷)に判定5−0で敗れて姿を消している。03北斗旗無差別8位の実績を持つ日本拳法の岡崎克史(青葉拳友会)も3回戦進出を果たしたが、05世界大会超重量級優勝のエース藤松泰通(総本部)に判定4−0で敗れた。
ベスト8に残ったのは早稲田大学4年生の笹沢一有(早稲田準支部)、稲田、04九州無差別4位の今里太二(筑紫野)、藤松、早稲田の4年生である勝直光(早稲田)、05世界大会重量級3位の清水和磨(総本部)、前田陽介、06北斗旗超重量級優勝の平塚洋二郎(九州)。
『格闘技通信』の元編集長・朝岡秀樹率いる早稲田準支部は、ベスト8に2名を送り込む快挙を達成。選手の高齢化が問題視されていた大道塾に新たな風を吹き込んでいる。
その早稲田の笹沢はAブロック決勝で稲田と対戦。稲田が左の掌底とミドルキックで押し気味に試合を進めるが、笹沢は本戦でニーオンザベリーからのパンチによる効果(ルールでベスト8からは本戦で有効二つ以上ない場合は自動延長となる)、延長戦でも終了間際にタックルからのキメで効果を奪って、ベテランの強豪を破った。
Bブロック決勝の藤松VS今里は、藤松がカニバサミからの膝十字固めで余裕の一本勝ち。今里は歩行不能になるほどのダメージを受けた。
Cブロック決勝では1、2回戦を共に寝技で一本勝ち、3回戦では05軽量級優勝の高橋腕を破って勢いに乗る早稲田の勝と、今大会に引退を賭ける清水が激突。柔道二段でこれまで寝技に冴えを見せていた勝だったが、この試合では清水が足を掬ってアキレス腱固めを極めて一本勝ち。
Dブロック決勝は「左拳を負傷してギプスをはめての出場のため、左拳を使った攻撃は反則となる」というハンディを背負いながらもここまで来た前田と、東孝塾長も期待するパワフルな打撃を持つ平塚の対戦に。日本拳法出身の前田は鋭い右ストレート一本で勝ちあがってきたが、平塚はパワフルなローキック&タックル。打ち合いには持っていかず、延長判定5−0で勝利。
準決勝は奇しくも笹沢VS藤松、平塚VS清水と期待の新鋭VS古豪という図式に。笹沢はジャブを突いての連打を狙い、打ち合いに持っていこうとするも藤松はパンチを避けてのローキック。相手が下がると右ストレートを叩き込み、パンチを打つ→相手が打ち返してくる→ローキックを合わせるのパターンで判定5−0によって決勝戦進出。
清水は平塚のローに徹底して左フックを合わせ、どんどん圧力を掛けていく。接近すると頭突きを叩き込み、離れるとローキック。延長戦に入ると清水のローが目立ち始め、清水が判定5−0で勝利。二人の若武者は準決勝で姿を消すことに。
決勝戦は藤松VS清水2度目の対決。雪辱に燃える清水が左フックとローで攻めていったが、組んだ途端に藤松がテイクダウン。マウントパンチで効果を奪うと、そのまま腕ひしぎ十字固め! 1分30秒、清水が参ったして藤松が危なげなく無差別級二連覇を達成した。
藤松は「勝つための研究をした成果。みんな研究が足りない」と勝因を語り、「来年の道場オープンへ向けて、今年は全国道場巡りツアーをやりたいと思います。全国のいろんな道場で出稽古させてもらいます」と、奇抜な発想を口にする。「自分のやり方は“藤松だから勝てる”と言われるので、このやり方で強い弟子を何人か育てたいですね」と指導者としての夢も口にした。
また、初めて同時開催された『2006全日本空道女子選抜大会』は、選抜選手の総当たり戦で全勝した岡裕美(横浜北)が優勝している。
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