パンクラス
「PANCRASE 2006 Special Night」
2006年12月2日(土)東京・ディファ有明
開場17:00 開始18:00 観衆=1,300人(満員)
▼メインイベント 第6代ミドル級キング・オブ・パンクラス決定戦 5分3R
○中西裕一(フリー/2位)
判定 2−1 ※28−29、30−29、30−28
●竹内 出(SKアブソリュート/1位)
※中西が第6代ミドル級キング・オブ・パンクラスになる
前王者ネイサン・マーコートの王座返上により空位となったミドル級王座決定戦。まず登場したのは、タイトル初挑戦となる中西。「負けてもこれでなぐさめとなるように」と知り合いの特撮関係の方に頼んで作ってもらったという、グロテスクなベルトを腰に巻いて登場。セコンドには、修斗環太平洋2位の不死身夜天慶(シューティングジム横浜)。
続いて竹内はエスコートガール3人を引き連れて青いサンボ衣で登場した。
1R、打撃を仕掛け、テイクダウンしたのは竹内だったが、一気にフックとストレートでコーナーに押し込んだ中西がリズムを掴む。そして下がりながらも応戦する竹内の顔面に中西の膝がグサリ。この一撃で竹内の鼻は折れ、おびただしい量の鼻血が出る。
2R、竹内はテイクダウンするも、顔面が真っ赤に染まる大流血になってしまったため2度もドクターチェックを受けることに。いつ止められてもおかしくない状況ではあったが、竹内がテイクダウンにこだわり、ガードポジションの中西にパウンドを落としていく。終盤、竹内は足関節で攻めていく。
3R、竹内の鼻目がけてピンポイントで攻撃する中西に対し、竹内は組み付きにいってテイクダウン狙い。体中鮮血でいっぱいの竹内は鉄槌を落としながら優勢に追い上げていく。中西がロープを掴む形でテイクダウンを拒んだところで、惜しくもゴング。勝負は判定に持ち込まれた。
竹内に一票入り、残る二票は中西。死闘を制し、新王者となった中西は「竹内さんがすごい執念だったので判定負けしちゃったかなって思ったんですけど、勝てて本当に良かったです。これからも頑張るので、また(パンクラスで)使ってください」と王者とは思えない控えめなマイクアピールで会場から笑いを誘った。
するとここで中西の勝利に大喜びする中西の応援団が大挙してリングに上がったため、それを制止しようとする梅木レフェリーらと衝突。無事に収まりかけたのだが、興奮の収まりきらないファンが椅子を投げたりする暴挙に出たために会場は騒然とした雰囲気になった。
●中西裕一のコメント
「ダメージを受けていたため判定負けだと思っていたけど、勝ててよかった。うちの連中が『鼻狙え』と言ってきたので意識して打ちました。(竹内の鼻が折れたのは)右ストレートかヒザ蹴りに感触があった。ベルトを取った実感はない。最後に暴動が起きましたけれど、大人げないのでやめてください」
▼セミファイナル スーパーヘビー級 5分3R
○チェ・ムベ(韓国/チーム・タックル)
TKO 2R1分36秒 ※肩固めによるレフェリーストップ
●河野真幸(フリー)
1R、開始と同時に突進してくるチェ。そのまま河野に組み付くと、持ち味のパワーでフロントスープレックス、バックドロップと掟破りのプロレス技を繰り出していく。
寝かされた河野はここからもピンチが続くことになる。アームロックやマウントパンチでチェが一方的な攻撃。しかし河野はプロレスラー魂を発揮し、ことごとくピンチを脱出していく。
ガードポジションの河野にチェがパウンドを打とうとしたところ、河野の下から突き上げる蹴りがアゴを捕らえ、一瞬だがチェの動きは止まった。
2R、組み付きにいくチェは河野をテイクダウン。ここで河野は立ち上がったのだが、チェが蹴りをだしたために河野の顔面を捕らえる。これで河野は額をカット。
ドクターチェック後、チェはガードポジションの河野の顔面に強烈なパウンドを落としていく。すかさずサイドポジションに回ったチェはそのまま肩固め。耐える河野だったが、レフェリーがストップした。
勝ったチェは上機嫌。お決まりのサタデーナイトフィーバーの決めポーズをやり、会場の視線を釘付けにした。
▼第7試合 フェザー級戦 5分2R
○井上 学(U.W.F.スネークピットジャパン/4位)
判定 3−0 ※20−19、20−19、20−19
●島田賢二(パンクラスP's LAB東京)
打撃で勝負したい島田に対し、井上は少し付き合うだけであとはテイクダウン。ガードポジションの島田にパウンドを落とし続けて、終始優勢に試合を進めていた井上が判定勝ちした。
▼第6試合 ウェルター級 5分2R
○和田拓也(SKアブソリュート)
一本 1R4分22秒 ※チョークスリーパー
●ヨシロックT(和術慧舟會A−3)
ヨシロックTのセコンドには門馬秀貴がつく。すぐに組み付きテイクダウンしたヨシロックTはパウンド。冷静にさばいた和田は巧みにリバースして上を取り返す。
すかさずバックに回ると一気にチョークスリーパーの体勢へ。本戦デビューを飾った新人に対し、ベテラン和田が格の違いを見せつけた。
▼第5試合 ヘビー級戦 5分2R
○水野竜也(U-FILE CAMP登戸)
TKO 1R1分47秒 ※アームロックによるレフェリーストップ
●三浦康彰(禅道会広島支部)
打撃で攻め込んだ水野は簡単にテイクダウン。起き上がろうとする三浦を、しっかりと押さえ込む水野はマウントパンチで畳みに掛かる。
耐える三浦だったが、水野はすぐにサイドポジションに入りアームロックで絞り込み。前回の桜木戦に続いて水野は一本勝ちした。
▼第4試合 ウェルター級戦 5分2R
○ウマハノフ・アルトゥール(SKアブソリュート・ロシア)
TKO 1R1分03秒 ※スープレックスによるレフェリーストップ
●宮崎裕治(総合格闘技道場コブラ会)
鋭い打撃ですぐにバックを取ったウマハノフ。宮崎は腕をキャッチし、ウマハノフの攻撃を食い止める。見事な背筋力を持つウマハノフは一気に宮崎を持ち上げるとジャーマンスープレックス一発! マットに強く叩き付けられ、ピクリともしない宮崎を見たレフェリーが試合をストップした。
ロシア軍特殊作戦部隊「スペツナズ」出身の経歴を持つ元軍人ウマハノフ。9月の『D.O.G』では飯田をパウンドで病院送りにしている。これでウマハノフは連続KO。
試合後にマイクを握ったウマハノフは「相手がびびってしまって、パンクラスのこの階級では私の相手がいない」と無表情で語ると、ウェルター級転向を表明。今勢いのあるウェルター級3位のカーロス・コンディットとの対戦を希望した。
▼第3試合 ライト級戦5分2R
○昇侍(KIBA)
KO 1R3分36秒 ※グラウンドでの踏みつけ
●荒牧 拓(パンクラスP'sLAB横浜)
ローキックを交錯させる中、昇侍はテイクダウン。ガードポジションをとる荒牧を無理に持ち上げると、昇侍は何度もマットに叩きつける。
離れない荒牧は下から腕がらみ狙いへ。一瞬決まりかけたが、昇侍は無理に離すとパウンド。そしてすぐに立ち上がり、昇侍は踏みつけ一発。この攻撃で荒牧はピクリとも動かなくなり担架で運ばれていった。
前回はパンクラス史上最短記録である3秒でKO勝ちしている昇侍は、今回もビッグインパクトを残す形となった。「これから有名になるので、皆さんチェックしといて下さい」(昇侍)。
▼第2試合 フェザー級戦5分2R
○吉本光志(AJ)
判定 2−0 ※20−19、20−20、20−19
●山澤勇紀(スタンド)
パンチのコンビネーションと左ハイキックで攻める吉本。一方の山澤は相手の土俵では闘おうとはせず、グラウンドの攻防を仕掛ける。
2R、一発狙いのためか、吉本は自分から攻撃しなくなった。山澤のタックルを切り上を取った吉本はパウンドを連発。終始攻め続けた吉本が総合2戦目で勝利した。
▼第1試合 フェザー級 5分2R
△裕希斗(U-FILE CAMP.com)
ドロー 判定 0−0 ※20−20、20−20、20−20
△中村健太(禅道会広島支部)
1Rからお互いに一歩も引かない打撃戦が続く。裕希斗がグラウンドで上からパウンドを落とすと、下の中村は徐々にポジションを変えていきながら腕十字狙い。
何度もそれが決まりかかったのだが、裕希斗は巧みにディフェンスし凌いでいく。2R終了間際にも、中村の腕十字が入りかけたのだが、惜しくもここでゴング。一進一退の攻防を見せた裕希斗と中村にドローの判定決着が告げられた。
▼パンクラスゲート第2試合 ライト級戦 5分2R
○荒川裕志(KILLER BEE)
TKO 2R2分32秒 ※グラウンドでのボディパンチ
●仲本幸介(和術慧舟會東京本部)
▼パンクラスゲート第1試合 フェザー級戦 5分2R
△廣瀬 勲(ストライプル)
ドロー ※時間切れ
△佐々木亮太(B-CLUB)
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