全日本キックボクシング連盟/藤原ジム
「Fujiwara Festival〜藤原祭り2006〜」
2006年12月8日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 オープニングファイト開始17:30 開始18:30
▼メインイベント 58kg契約サドンデスマッチ3分3R
○山本真弘(藤原/全日本フェザー級王者)57.8kg
延長R 判定3-0 ※三者とも10-9、本戦30-29、30-30、30-30
●岩切博史(月心会/同級5位)58.0kg
1R、右ミドルを蹴る岩切は、組み付くと長身を生かしてヒザ蹴りを当てる。山本は離れた間合いから飛び込んでワンツー、再び距離を取ると、岩切が前に来るところに前蹴りを当てる。
岩切の右ミドルをブロックし、山本は左のインロー。ワンツースリーとパンチの手数を出して、そこから左のローキックにつなげる。
前蹴りを出す岩切に対し、山本はそれを右手で払って、左ローと左フックを打つ。細かくステップを使う山本に、岩切はジャブで追って右ストレート。ロープに詰まった山本はすぐにワンツーを返すが、岩切はそれを捕まえてヒザ蹴りを打つ。
2R、右ミドルと前蹴りを多用する岩切に、山本は飛び込んで左ボディ。相手の左側に回りこむように右フックを当て、左ローを蹴る。ショートの距離になると右フック、左アッパーを打つ山本。
距離が離れれば右フックから飛び込んで左ストレートを当てる。その後も手数の多さで攻める山本だったが、岩切もそこで翻弄されずに右ストレートを当てていく。
右フックをひっかけて左ハイキックを蹴る山本。前にくる岩切に、サイドステップしながら右フック当てる。ラウンド終盤になり、やや手数の減った山本に、一気に連打を浴びせる岩切。山本は下がりながらも、クリーンヒットを許さない。
3R、岩切は組んでからのヒザ蹴り。山本が右フックから左ストレートを当てるものの、岩切は「効いてないよ」とばかりに舌を出して挑発、逆に右ストレート当てる。
山本は岩切の右に回りながら右フックからの左ストレート。岩切は左右のストレートで前に出て行くが、山本を捕らえられない。
岩切のジャブをヘッドスリップでかわし、そこに右フックを打つ山本。終盤、足を止めてパンチの打ち合いに。残り30秒、岩切はパンチに加えて、膝蹴りで前に出るが、山本はそれを捌いて試合終了のゴングを聞く。本戦はジャッジ1名が山本を支持するものの、2名はドロー。延長戦へ突入する。
延長R、岩切は果敢に右ストレートを出していくが、山本はその打ち終わりを狙って左ストレート。岩切は山本のパンチをもらいながらも、右を返してく。
パンチのヒット数では山本が勝るものの、一発の破壊力では岩切の方が上か。ここまでパンチ一辺倒だった山本は、岩切の右ストレートに強烈な左ミドルを合わせ、完全にパンチモードになっている岩切に、右の前蹴り、左ミドルを当てる。
山本は左ミドルから右フック。岩切のジャブの打ち終わりにストレート気味の右ジャブを当て、左ミドルを蹴る。中盤、疲れとダメージのためか組みの攻防が増えてしまい、両者に注意1。その後も山本が一発パンチを当てては組むという展開が続く。
しかし試合終了間際、再び足を止めての打ち合いになると右フックで岩切をぐらつかせる山本。しかし岩切もダウンは許さず、必死にパンチを返していった。試合は上手く攻撃をまとめて山場を作った山本の判定勝利、苦しみながらも復帰戦を飾った。
▼セミファイナル 全日本スーパー・ウェルター級ランキング戦サドンデスマッチ3
分3R
○濱崎一輝(シルバーアックス/同級2位)69.1kg
延長R 判定3-0 ※三者とも10-9、本戦三者とも30-30
●山本優弥(青春塾/同級3位)69.6kg
1R、サウスポーの濱崎に対し、山本は右のミドルを蹴る。山本のミドルに合わせて濱崎はパンチで飛び込む。左ミドルを蹴る濱崎に、右ミドルを返す山本。
その後も右の蹴りを有効に使う山本に対して、濱崎は山本の蹴り終わりに距離を詰めて左フックから右アッパー、山本が前に出てくれば、右フックをひっかける。前足を上げてフェイントを入れながらプレッシャーをかける山本は、濱崎がロープを背負うとヒザ蹴り。濱崎は顔面のガードが固い山本に対して、左のボディストレートを打つ。
2R、組み付いてヒザ蹴りを打つ山本。濱崎はバックキックを突き刺す。山本の蹴り足をすくって右フックを打つ濱崎。山本は右の二段蹴り、前蹴りで距離を取ると、パンチで濱崎のガードを上げさせて右ミドルを蹴り込む。
ミドルを蹴られこそする濱崎だったが、しっかりとそれをブロックして確実にパンチを返す。山本は組み付いてヒジとヒザ蹴りを打ち、距離が離れれば、やはり右ミドルを蹴る。
さらに山本はジャブで距離を測って胴廻し回転蹴り。最後は組みの攻防で、ラウンド終了のゴングを聞いた。
3R、右アッパーから左ストレートを打って前に出る濱崎。山本は右ミドルと前蹴りでそれを突き放す。山本は濱崎のボディをパンチで狙うが、濱崎もそこに左右のフックを集める。
ラウンド中盤になると山本が組んでからのヒザ蹴りとヒジ打ちを多用。濱崎にパンチを当てるスペースを与えず、すぐに組み付いて細かくヒザ蹴りを出す。そのまま組みの攻防が続き、お互い有効打がないまま、本戦は3者30−30のドローとなった。
延長R、パンチで前に出る山本だったが、そこに濱崎が右フックを当てる。このラウンドも首相撲に活路を見出したい山本に対し、濱崎は組み際にパンチを狙う。
山本の腕の間から左アッパー、右フックを打つ濱崎。山本も右ミドルを当てる場面があったものの、あくまで組んでから攻撃を中心に攻める。
しかしクリンチを多用する山本には注意1。延長ラウンドもダウンなどの明確なポイントがないまま終了。組みヒザを含めて手数では上回った山本だったが、パンチのヒット数では濱崎が上。これが判定に響き、濱崎が山本のリベンジの夢を打ち砕いた。
▼スペシャル・エキジビジョンマッチ 総合ルール10分
△藤原敏男(藤原)&渡辺久江(フリー)&岡田敦子(ドージョー・チャクリキ・ジャ
パン)
ノーコンテスト
△TAJIRI(ハッスル軍)&アジャ・コング(ハッスル軍)
変態TAJIRIの狙いは岡田と渡辺のみ。試合開始早々からセクハラまがいのマウントポジションなどで試合を組み立てていく。その様子を見ていた藤原は往年の姿を思い出させるような蹴りやパンチ連打でTAJIRIとアジャを追い込んだ。
終盤、サブレフェリーである和田が野口レフェリーに代わってリングイン。和田レフェリーは選手全員の猛攻を食らい、おいしいとこ総どり。これにてノーコンテストとなり、会場は笑いに包まれた。
▼第7試合 58kg契約 サドンデスマッチ3分3R
○前田尚紀(藤原/全日本フェザー級3位)57.9kg
判定2-0 ※30-29、30-29、30-30
●遠藤智史(AJ/同級7位)58.0kg
1R、サウスポーの遠藤はジャブで距離を測って左のロー。リーチ差を生かそうと、左ミドルを蹴って前田を近づけさせない。しかし前田の突進力を止めることが出来ず、前田が左右のフックを振るい、そこから右ミドルや右ローにつなげる。
パンチをもらう遠藤だったが、距離が取れないとみるやヒザ蹴りと首相撲に切り替えて反撃する。
2R、遠藤の左ミドルを空振りさせて軸足を蹴る前田。遠藤の蹴りにパンチで飛び込んで、左フック、右ストレート。上半身を振ってパンチのフェイントを入れながら、右ボディストレートから左フックを返す。
遠藤は飛び込んでくる前田に左ストレートを当て、さらにそこから左のロー。決して前田のプレッシャーに潰されず、ヒザ蹴りやローを返していく。
しかし3Rに入ると前田の攻撃が勢いを増す。左ストレートからの遠藤の連打をしのぐと、左右のフックを返して右のヒジ。
パンチで遠藤を下がらせて右ミドルを蹴ると、遠藤がガードを固めて亀になったところにパンチを集める。
遠藤も意地を見せて左ストレートを皮切りにパンチを返し、最後は足を止めての打ち合いに。最終ラウンドにポイントを奪った前田が、勝利で06年を締めくくった。
▼第6試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R
○海戸 淳(SVG/同級7位)61.1kg
判定3-0 ※30-28、30-29、30-29
●藤牧孝仁(はまっこムエタイ/同級3位)61.1kg
1R テコンドー仕込みの軽やかなスイッチでミドル連打を出す海戸に対し、藤牧は冷静に防御しながら距離を詰めクリンチからの膝。パンチも加えるようになった海戸は手数で押していく。バックブローが途中ヒットし、藤牧は一瞬だけ動きが止まった。
2R 1R以上に足技を出す海戸。藤牧はパンチ連打で迎撃に出る。圧力をかけるようになった藤牧は海戸の攻撃を見切りながら首相撲からヒザ蹴りで捕らえた。海戸も負けじと首相撲で対抗する。
3R 海戸のリズム崩しに出た藤牧は、完全に距離潰しにかかる。海戸は遠い間合いからパンチや後ろ回しで自分のペース掴みに必死。藤牧も首相撲にはいかなくなり、追い込みをかけるように打ち合いに応じる。スタミナで上回る藤牧はプレッシャーをかけるようになり、追い込んでいったが終了のゴング。
最終Rは藤牧が盛り返すも、それまで手数の多かった海戸が勝利を収めた。
▼第5試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R
○金 統光(藤原/同級4位)66.5kg
延長R 判定3-0 ※三者とも10-9、本戦29-29、28-29、30-30
●湟川満正(AJ/同級2位)66.6kg
1R、まず圧力をかけていったのは湟川。右ロー主体で攻撃していく。金負けじと、湟川をコーナーに追い込み左フック連打。湟川は自分の距離を保とうと前蹴りとミドルで金を突き放した。金は湟川からカウンター攻撃を受けるも、前進していく。
2R、ローで前進する金に対し、湟川は距離を詰め打ち合いで応戦に出る。湟川はロー連打で切り替えると、金は距離を詰めパンチ連打で出る。
3R、圧力をかけてくる湟川を、フック連打で突き放す金。両者共にヒジの出し合いとなり、側頭部をカットした金にドクターチェックが入った。再開後、お互いに鼻血を出しながら壮絶な打ち合いへ。ドロー判定となり延長戦へ突入した。
延長R、湟川のミドルに対し、金は距離を詰めながらフック連打を見舞っていく。死力をふりしぼり、金はパンチ連打でロープ際に追い込み、壮絶な打ち合いを追え延長ラウンドが終了した。気迫で試合を乗り切った金が上位ランカー超えを達成した。
▼第4試合 ミドル級 サドンデスマッチ3分3R
○中村高明(藤原/同級1位)72.3kg
KO 1R1分55秒 ※ヒザ蹴りで3ダウン
●木塚龍司(勇心館)72.4kg
1R ローキックから攻めていく中村は下がる木塚にパンチのラッシュ。下がった木塚の顔面に中村の飛びヒザ蹴りが炸裂した。これで木塚は1度目のダウン!
続けて中村のヒザ蹴りが連打で木塚の顔面を捕らえ、2度目のダウンを奪取した。これでも立ち上がる木塚目がけて、中村はパンチのコンビネーションで攻め込み、最後にヒザ蹴りでトドメをさした。
▼第3試合 ヘビー級 3分3R
○シング・心・ジャディブ(パワーオブドリーム)※計量なし
KO 1R1分48秒 ※左ハイキック
●谷川紀勝(SAMURAI SWORD)※計量なし
ガードを固めながら突進するアンコ型の谷川に対し、ジャディブは長身を生かしたヒザ蹴り連打でダウンを奪取。最後に左ハイキックをしっかりと決め、ジャディブがデビュー戦を見事なKOで飾った。
▼第2試合 ウェルター級 3分3R
○宮越宗一郎(宮越道場)66.3kg
TKO 2R終了時 ※タオル投入
●土本博文(藤原)66.3kg
開始から激しく打ち合う両者。宮越が至近距離で、土本のボディにまとめてパンチを見舞いミドルで畳みにかかる。土本はたまらずダウン!
ボディをきかされ、鼻血を出し不利な状況の土本は2R終了時まで宮越の攻撃を耐え切ったが、セコンドがタオル投入した。
▼第1試合 バンタム級 3分3R
△菊地 慧(藤原)55.8kg
ドロー 判定1-1 ※30-29、30-30、29-30
△永野裕典(和術慧舟會DURO)55.6kg
1Rからシーソーゲームが続く。先制で菊地がミドルを出せば、永野も繰り出し両者一歩も引かない展開。2Rには、アグレッシブに攻める永野に対し、菊地は消極的なクリンチが目立ち始め、注意1。3R、菊地はロー連打で盛り返し、ドローに持ち込んだ。
▼オープニングファイト第3試合 ミドル級 3分3R
○入月健一(SVG)72.3kg
判定3-0 ※30-27、29-27、30-27
●渡邉強太(鷹虎)71.8kg
▼オープニングファイト第2試合 ライト級 3分3R
○沼 耕平(藤原)61.4kg
判定3-0 ※30-27、30-28、29-27
●宮田裕司(シルバーアックス)60.7kg
▼オープニングファイト第1試合 ライト級 3分3R
○渡部太基(藤原)60.7kg
判定3-0 ※30-26、29-27、29-27
●石岡 卓(超越塾)60.4kg
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