新日本キックボクシング協会
「BRAVE HERATS 4」
2007年1月21日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
▼第14試合 メインイベント 国際戦3分3R
○武田幸三(治政館/元ラジャダムナンスタジアムウェルター級王者)
KO 2R0分55秒 ※左インロー
●崔 龍(韓国)
06年6月以来のリングとなった武田。真っ白のガウン姿で花道に現れると、客席からは武田コールが起こった。
1R、右ミドルを蹴る崔に対して、武田は蹴り足を取ってからの右ストレートを打つ。ジリジリと距離を詰めて右ローを蹴る武田。単発ながらも鋭い左右のローで、崔の右足は赤く腫れ上がり始める。
武田のローに対して右ストレートを打つ崔。武田を左の前蹴りで突き放し、右のローを返す。その後も右ローを蹴る崔に対し、武田は蹴り足をすくっての右ストレートを打っていく。
しかしラウンド終盤、距離を詰めてパンチで前に出たところで崔の右ストレートがヒット! この一発武田はバランスを崩してしまう。すぐに態勢を立て直した武田だったが、すぐにワンツーで前に出る崔。崔にとっては千載一遇のチャンスだったが、武田の一発を恐れてか、手数こそだすものの攻撃力はない。
2R、パンチのフェイントを入れながら崔を後退させる武田。崔がロープを背負うと強烈な右ローキック! この一発で遂に崔がダウンを喫する。
何とか立ち会った崔だったが、左足のダメージは火を見るよりも明らか。今度は武田が狙い済ました左のインローを蹴ると、崔はすぐに2度目のダウンを奪われ、立ち上がることが出来なかった。
05年5月29日のフェートパヤック戦以来、実に1年8ヵ月ぶりの勝利を収めた武田は「久しぶりの試合であまりよくなかったんですけど…今年も命を賭けて闘います」と挨拶。試合後の控え室では「今まではK-1に照準を絞ってやってきたけれど、今年は武田幸三が求められた試合で、武田幸三を出す。オファーをもらった試合で精一杯自分を出したい」と語っている。
▼第13試合 メインイベント 日本ミドル級タイトルマッチ3分5R
○松本哉朗(藤本/王者)
KO 2R1分30秒 ※右フック
●阿佐美義文(治政館/同級1位)
※松本が4度目の王座防衛に成功。
1R、右ローを連打する松本は、そこから右のハイキック。今度は奥足への左ローを蹴って、すぐに左ミドルを蹴るなど、左右・上中下に攻撃を振り分ける。完全にペースを掴んだ松本はインローから右ストレート、ジャブから右フック、いきなりの右ストレート、右ミドルと立て続けに攻撃を当てる。
そして松本は左フックからの右ストレート、すぐに右ハイキック! 阿佐美はこれをガードして右ストレートを返すものの、手数が圧倒的に少ない。松本は左ローから左ミドルを二発、右の前蹴りを阿佐美の顔面に突き刺す。的確にジャブを当てる松本。軸足払いで阿佐美をマットに転がし、最後は奥足へのローキックを当てた。
2Rに入っても松本の優勢は変わらない。いきなり右ハイキックを飛ばすと、阿佐美のローに左フックで飛び込んで左のヒジ。顔面のガードを固める阿佐美にジャブからフック、右ストレートから左フック、左アッパーを突き上げる。防戦一方の阿佐美は右ロー、右ストレートを出していくが当たらない。
逆に松本が右フックを当てると、そこから一気にラッシュ。阿佐美をロープに詰めてパンチの連打を浴びせると、頭を下げた阿佐美に右のヒジを打ち下ろす。これで阿佐美は頭部をカット。
試合は再開となるものの、松本がいきなり飛びヒザ蹴りを仕掛けて、阿佐美に反撃の隙間を与えない。そして松本の左フックからの右フックがクリーンヒット! この一発で阿佐美はばったりと前のめりに倒れ、松本が豪快なKO勝利で王座防衛に成功した。
昨年12月の後楽園大会ではランキング3位の松崎を秒殺、この日もランキング1位の阿佐美に圧勝し、もはや新日本キック内では敵なし状態の松本。試合後、マイクを握ると「4月のTITANSでラムソンクラーンとやらせてください」と、現役ラジャ王者を指名した。
▼第12試合 セミファイナル 日本フェザー級3分3R
△菊地剛介(伊原/日本フェザー級王者)
ドロー 判定0−0 ※三者とも29−29
△蘇我英樹(市原/元日本バンタム級王者)
1R開始直後、ジャブで飛び込んだ蘇我はいきなりパンチでラッシュ! 左右のフックで菊地をぐらつかせる。何とか距離を取ってここを凌ごうとする菊地だったが、蘇我の勢いは止まらない。少しでも菊地が下がれば、飛びヒザ蹴りや大振りのフックで突っ込んでいく。
やや蘇我の先制攻撃に面食らった感のある菊地だったが、徐々にペースを取り戻し、ラウンド後半からは得意の踏み込みの深い右ロー、体を傾けて蹴る奥足への左ローキックを当てていった。
2R、やはりこのラウンドもいきなりラッシュを仕掛ける蘇我。左フックで飛び込み、全身を使ってパンチを振り回す。しっかりとパンチをブロックして、左右のローキックを返す菊地。蘇我はそのブロックの間を狙って左フック、右アッパー、左ボディとパンチを繰り出す。距離を潰してガードの上からでもパンチを打つ蘇我と、それを突き放して左右のローを当てる菊地。ラウンド終盤にはパンチのコンビネーションから左ローを当てた菊地が、左ハイキックを飛ばす。
3R、互いに奥足へのローキックを蹴る両者。しかしこれまでのラウンドと比べると、蘇我の手数が減り、菊池の左ローが当たる回数が増える。距離を詰めようとする蘇我を前蹴りで突き放し、左右のローを蹴る菊地。状況を打破しようと蘇我がバックブロー! そこから飛びヒザ蹴りで前に出て行ったものの、菊地はそれをキャッチすると、豪快に蘇我をマットにたたきつける。蘇我の奥足に左ローを集める菊地。しかし蘇我も最後までパンチを出していった。
判定は両者が1Rずつ取る形となりドロー。蘇我がフェザー級転向第一戦で、王者菊地に肉薄する結果に終わった。
▼第11試合 セミファイナル 日・泰ライト級国際戦3分3R
○イソラサック・シッセックサン(タイ/元ルンピニーフェザー級王者)
判定3−0 ※30−25、30−26、30−26
●石井宏樹(藤本/日本ライト級王者)
1R、サウスポーのイソラサックに対し、右ミドルを蹴る石井。イソラサックはジャブで飛び込むと、左ストレートから左ハイキックを蹴る。石井は右ボディストレートから左フック、イソラサックは再び左ストレートから左ハイキックのコンビネーションを見せる。
イソラサックの左ミドルをスウェーでかわして石井が右ロー。石井の左フックにイソラサックは左ハイキックを合わせる。石井はパンチで前に出て右ロー。イソラサックはジャブで距離を測りながら、強烈な左ストレート。そしてパンチの距離になるとヒジで石井からダウンを奪う。再開後、イソラサックは左ストレートから左ハイを飛ばし、一気に攻め込むが石井は何とかこのラウンドを乗り切る。
2R、イソラサックは右手で距離を測りながら左ストレートを打つ。左ローから右ストレートで飛び込み左フックを返す石井。イソラサックは石井に組み付いて、パンチの追撃を阻止する。距離を詰めようとする石井を前蹴りで突き放すイソラサック。
イソラサックのジャブに左フックをかぶせ、パンチで前に出る石井だったが、イソラサックはそこに左ストレートを合わせる。中盤以降、イソラサックのパンチに組み付く場面が増える石井。イソラサックは左の蹴りをロー、ミドル、ハイと散らして、石井に距離を詰めさせない。
3R、石井はパンチのフェイントから右ミドル。イソラサックの左ストレートに左フックを合わせる石井は、そこから右フック、右ローと畳み掛ける。イソラサックの左ミドルでバランス崩した石井だったがダウンはない。イソラサックの左ミドルを受けて、すぐに右ローを返す石井。石井が右ミドルを空振りし、ロープにもたれかかると、イソラサックは間髪入れずに襲い掛かる。
そして再開後、組み付いた石井にイソラサックが強烈なヒザ蹴り! レフェリーからブレイクを命じられるも、石井はすぐには離れらず、ややダメージが見られる。イソラサックの左ミドルに右ストレートで飛び込む石井。右ミドルから右ストレートと畳み掛ける石井だったが、残り1分、イソラサックの左ストレートが立て続けにヒット! これで石井は足元がふらつく。
それでも「来い、来い」と挑発する石井だったが、イソラサックの左ストレートを受けると、スタンディングながらダウンが宣告される。判定では勝てないと判断し、玉砕覚悟で突っ込んでいく石井。しかし逆にイソラサックの左ストレートの餌食となってしまい、試合終了のゴング。
判定は大きくポイントに差がつく形でイソラサックがフルマークで勝利。07年ムエタイ路線を打ち出した石井にとっては、元ルンピニー王者が相手だったとは言え、厳しいスタートとなった。
▼第10試合 セミファイナル ヘビー級国際戦3分3R
○内田ノボル(ビクトリー/日本ヘビー級王者)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●尹 池永(韓国)
1R、サウスポーの尹は左のインロー。内田は軽くジャブを出しながら距離を測る。前に出て来る内田に対して、左ミドルを蹴る尹はそこから左フックにつなげる。中盤、内田は会場中に衝撃音が響くような強烈な右ミドルを立て続けに当てる。そして尹の左ローを受けても、ニヤリと笑って挑発する
2R、左ミドル、左ハイキックを飛ばす尹。内田は単発ながら1Rに有効だった右ミドルを返す。内田の蹴りに左ストレートを飛びこむ尹だったが、内田はしっかりとディフェンス。確実に右ミドルを当てて、尹の出足を止める。終了間際、内田は尹の左右のフックをかわすと、尹をコーナーに詰めて左のボディフック。そこからパンチの連打を集めるて攻勢に出るが、ラウンド終了のゴングとなった。
3R、内田の右ローに尹の左ストレート、左ハイキックが当たる。しかし内田は右フックを当てて、強烈な右ミドル。その後も右ミドル、右フックを当てていく内田だったが、尹は倒れない。何とかKOで仕留めようとする内田は、残り20秒、韓国をロープに釘付けにし、左右のフックを連打! ノーガードの状態でモロに右フックをもらう尹だったが、それでも倒れない。勝利こそ収めたものの、驚異的なタフさを見せた尹に、内田は苦笑いを浮かべた。
▼第9試合 セミファイナル 日本バンタム級3分3R
△深津飛成(伊原道場/日本バンタム級王者)
ドロー 判定0−1 ※28−28、27−28、28−28
△阿部泰彦(JMN/同級5位)
1R、深津が左ミドルから左ロー、阿部は左の前蹴りで距離を取り、右ミドルを蹴る。その左前蹴りを払って、パンチで飛び込む素振りを見せる深津は、鋭くジャブを突いていく。右ロー、右ボディストレートを当てる阿部。深津は左ミドルを飛ばす。
2R開始直後、深津が左の立てヒジでダウンを奪取。しかし阿部が左フックからの右アッパーですぐにダウンを奪い返す。すると今度は深津の左ストレートが当たって、阿部がバランスを崩す! しかしここでダウンは宣告されない。しつこく右ローを蹴る阿部に対し、深津は左右のフックを振り回す。
3R、左フックで飛び込む深津。阿部が右ストレートで飛び込めば、深津は奥足への左ローを蹴る。ジャブを突いて右ローを蹴る阿部。深津は阿部の左ミドルを取って右ストレート、距離が詰まると左のヒジを繰り出す。阿部のローになかなか前に出られない深津。ジャブこそ当たるものの、そこから先の有効打がない。終盤、左ハイキックを飛ばす深津だったが、その後すぐに阿部が出した右ハイキックが深津の顔をかすめる。結局、阿部に一票入ってのドローとなった。
▼第8試合 セミファイナル 日本フライ級3分3R
○建石智成(尚武会/日本フライ級王者)
判定2−0 ※30−29、30−29、30−30
●がってん古川(治政館)
1R、古川が右ローからいきなりパンチの連打で前に出て行く。建石の蹴りに対して右のボディストレートを打つ古川。建石がパンチで出て来るところに左フックを当てる。一旦、攻防が落ち着くと建石は左の前蹴りと右のローを蹴る。
2R、ジャブを突いて左ミドルを蹴る建石に対して、古川は右フックで飛び込んでいく。パンチ主体の古川に対して、建石は左右のロー、奥足への左ローも効かせる。しかし古川は建石の蹴りに合わせてパンチで飛び込み、接近戦になると右アッパー、左フックを当てる。古川のパンチを受けながらも、前に出てしつこくローを蹴る建石。このダメージが後半、試合にどう影響するか?
3R、建石のヒザ蹴りに古川の右フックがヒット。古川はそのまま距離を詰めて、ショートでパンチの連打をまとめる。右アッパー、左フックを当てる古川。建石はパンチをもらいながらも、一歩も下がらず、強烈なローを返す。ローで前に出る建石に、古川の左フックが立て続けにヒット。しかし建石はダメージを感じさせず、ゾンビのように前に出続け、最後までパンチを繰り出し、手数を止めなかった。
07年初戦を勝利で飾った建石は「新年あけましてロックンロール!」とファンにアピール。
▼第7試合 日本ミドル級3分3R
○宮本武蔵(治政館/同級10位)
KO 2R0分55秒
●昇平(宇都宮尾田/同級7位)
▼第6試合 日本ライト級 3分2R
○土屋修平(伊原道場)
判定3−0 ※三者とも20−16
●川崎 亮(尚武会)
▼第5試合 日本ウェルター級 3分2R
△林 元樹(藤本)
ドロー 判定1−0 ※20−19、20−20、20−20
△神魁(西八王子大塚)
▼第4試合 日本ウェルター級 3分2R
○藤田ゼン(横須賀太賀)
判定3−0 ※19−18、20−18、20−18
●TETSURO(トーエル)
▼第3試合 日本フェザー級 3分2R
○落合正司(伊原稲城)
判定3−0 ※20−19、20−18、20−18
●角田 哲(ビクトリー)
▼第2試合 日本ウェルター級 3分2R
○芦澤史宜(宮川)
判定3−0 ※三者とも20−14
●安藤 崇(トーエル)
▼第1試合 日本ウェルター級 3分2R
○光将(治政館)
不戦勝
●富竹晴紀(揚心)
※ダヴァイ(タイ)と光将のエキジビションマッチに変更
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