GCMコミュニケーション主催
「CAGE FORCE EX−western bound-」
2007年2月17日(土)鳥取・米子産業体育館
開場17:00 開始18:00
ケージが山陰地方に進出。「UFCで勝てる日本人の育成」、「日本発、世界レベルの金網ファイトの開催」、二つの目標に向かって、昨年11月25日に第一回大会が行われたケージ・フォース。
今回、鳥取県・米子で行なわれたEX大会は、ケージ大会の国内普及を目的とした地方大会の第一弾となる。
前半4試合は中国、山陰、九州、そして関西からキャリアの少ない選手が出場した育成的な試合でケージ・フォースの特色であるヒジ打ちは禁止、第5試合からはヒジが許されたルールで行なわれた。
▼メインイベント 無差別級 5分3R
○謙吾(イングラム/チームオオヤマ)
TKO 1R20秒
●WAKASHOYO(チーム・PAON)
地方初進出のメインは、豪快、分かりやすさを求められての重量級の一戦となった。総合初勝利を狙うWAKASHOYOだが、謙吾のローキックで姿勢が崩れると、ボディへのヒザ蹴り2発で腹ばいになってしまう。さらにパンチを受け、両足を伸ばし何も抵抗ができない。
謙吾は構わず、パウンドとヒジを落とすと、レフェリーが溜まらず試合をストップ。この日の対戦相手=WAKASHOYOレベルでは、なんとも判断がつきかねるが、2年ぶりの総合で4年ぶりの勝利を手にした謙吾には、この勢いを持続してほしいものだ。
試合前、会場の外では「今日は金網デスマッチ」と言っていた人々も、総合の何たるかの入り口に立ってくれたに違いない、米子で初のケージ・ファイト。
閉会式には多くの観客がオクタゴンを囲んでいた。また、5000人収容の大箱で、2000人ほどの観客が入っていたようだが、ドアオープンとともに2階後方に陣取っていた熱心なファン、そして設営を嬉々とした表情で手伝っていた地元の格闘技練習生、そして、この日のアンダーカードに出場した選手やジム関係者たち、彼らの期待に応えんがためにも、GCMはこの米子での興行、そして中国地方でのケージ・フォースをぜひとも定着させてもらいたいものだ。
▼セミファイナル ライト級トーナメント1回戦 5分3R
○タクミ(パラエストラ大阪)
判定 3-0
●福本よう一(和術慧舟會RJW)
まだトーナメントの概要が全て発表されていないケージ・フォース ライト級王座決定トーナメント1回戦の2試合が行なわれ、セミには元プロ修斗世界ランカーの2人、タクミと福本よう一が登場した。タクミにとってこの試合でケージ+ヒジ有りルールは4戦目となる。KOTC王座を獲得後、勝ち星から見放されており、再浮上を狙うには負けられない一戦だ。
そんなタクミを福本がスタンドの打撃で追い込む。打撃戦に応じるタクミだが、ガードが低く、パンチを放つ際にはアゴが上を向く癖がなかなか修正できない。さらにはパンチを受けると、両足を揃えて立ち止まるなど、ダメージ以上に印象点に響くシーンが目立つ。
それでもタクミは真正面からテイクダウンを奪うとパスからバックマウント奪取。チョークは極められなかったが、終盤に寝技で攻勢を奪い、互角の展開に持ち込み2Rへ。
このラウンドも序盤から、福本が打撃でタクミを追い込んだ。果敢にパンチを返すタクミだが、劣勢は跳ね返せず、組み付こうとするが、福本は至近距離からアッパーを見舞う。パンチをヒットさせながらケージにタクミを追い込む福本に対し、タクミの左がヒット。福本は腰からキャンバスへ崩れ落ちる。
パウンド、ヒジを放つすタクミは、ここで再びバックマウントを奪う。福本が体勢を返し、パウンドを落とそうとしたところで、2Rが終了した。
最終3Rは、両者とも疲れが目立ち、ケージ際での組み合いが多くなる。途中、タクミの左目尻のカットにドクターチェックが入ったが、試合は再開。直後に福本がテイクダウンに成功するが、タクミは手首を掴み、ヒザ立ちの福本の足をすくう素振りを見せるなど、有効なパウンドを許さない。
タクミのミッション・コントロールに対し腕を引き抜いて、前転するような派手な動きに福本が抜け出すと、総合:処女地の米子の観客席からどよめきが起こる。
試合終了間際、立ち上がった福本に、必至の形相で組み付いたタクミはバックに回りつくような形でテイクダウンを奪い、バックマウントからマウントへ。これも福本が返したところで、試合終了。
白熱の好勝負は、毎ラウンド序盤は攻め込まれながらも、後半に巻き返すという、らしいドロドロの根性ファイトを見せたタクミが判定勝ちを収めた。噂の米国新団体エリートXC参戦も視野に入っているタクミ、「米国と日本で試合を重ねていきたい」と語っている。
▼第6試合 ライト級トーナメント1回戦 5分3R
○美木 航(和術慧舟會RJW)
TKO 1分21秒 ※ドクターストップ
●金原泰義(チーム クラウド)
もう一つのトーナメント1回戦は、右手の真っ白の包帯を誇示するかのように堂々と花道を歩く秋山成勲を帯同した金原が、試合前の予想を大いに上回る成長の跡を見せつけた。
スタンドのパンチに自信をつけてきた美木に対し、勢いのある左フックを叩きこむと、組みあいから豪快にテイクダウン。ケージに美木の頭を固定し、パウンドを狙いつつマウントを奪った金原。ケージを蹴りながら、体を捻ってエスケープを計った美木だが、金原は背中に吸い付くように足のフックを外さず、マウントをキープ。
美木はヒザを臀部に押し付け、金原を押し上げるように逃げる。スタンドに戻ると、金原がローキックから回転の早いパンチを見せ、組み付いてテイクダウン。再度マウントを奪うなど、金原の一方的なペースで1Rを終えた。
2R、勢いそのままに攻める金原だったが、テイクダウン狙いを返され、トップを許す。ここで、美木が狙い済ましたヒジ打ち。「カット、カット」とレフェリーにアピールしつつ、そのままパウンドを落とす美木。金原は右目尻を大きくカットし、鮮血を滴らせる。ここでドクターチャックが入り、そのまま美木のTKO勝ちとなった。
劣勢時の金網の使い方、トップを奪った瞬間にエルボーと、ルールを研磨して試合に挑んだ美木。ヒジなしルールで、実績を残すトーナメント参加者に対して、ルールの研究を怠れば勝利は難しいことを示した、美木の試合といえるだろう。
▼第5試合 バンタム級 5分2R
△廣野剛康(和術慧舟會GODS)
判定 0-1
△岡田剛史(TKエスペランサ)
試合のほとんどが、廣野の得意の差しの状態を、岡田が必至で差し替えようとした展開となり、ブレイクも多かった。
2Rに遠い距離からのジャブや、組んでのボディへのヒザ蹴りの連打を見せた岡田優勢のドローだ。
▼第4試合 ミドル級 5分2R
○枝折優士(TEAM VAMOS)
TKO 1R1分47秒
●中村勇太(和術慧舟會 福岡若杉道場)
一回り小さな枝折だが、すぐにテイクダウンを奪うと、狙い済ましたパウンドを冷静に落とし続けて、秒殺勝利。
アンダーカード全般に言えることは、アマ修斗で実績を残した選手の完成度の高さだ。彼らがヒジ有りルールに挑む日も、それほど遠くないかもしれない。
▼第3試合 フェザー級 5分2R
○江田皓哉(PUREBRED京都)
判定 3-0
●若杉成次(和術慧舟會福岡若杉道場)
ミャンマーラウェイで修羅場を経験してきた若杉だが、打撃よりも組み付いてのテイクダウン狙いが多く、予想外の試合展開に。
ボディへのヒザ、テイクダウンからのパウンドで終始、試合を有利に進めた江田が3−0の判定勝ちを手にした。
▼第2試合 ミドル級 5分2R
○北浦徳之(和術慧舟會 兵庫支部)
一本 1R49秒 ※スリーパーホールド
●小林哲也(パラエストラ広島)
テイクダウンから、パウンドの連打。バックを奪ってスリーパーと、北浦が一方的な展開で小林を下す。
▼第1試合 ライト級 5分2R
○上田裕 (PUREBRED京都)
TKO 2R10秒
●小田光二(慧舟會ナックルズ柴田道場)
パウンド+オモプラッタなど、優勢に試合を進めた上田。小田も足関節を見せるなど抵抗してみせたが、2Rにパウンドの連打で上田がTKO勝ちを収めた。
|