シュートボクシング協会
「SHOOT BOXING2007 無双〜MU-SO〜其の壱」
2007年2月25日(日)東京・後楽園ホール
開場17:30 本戦開始18:00 スターティングファイト開始17:45
▼メインイベント エキスパートクラスルール 70kg契約 3分5R
○ビッグベン・ケーサージム(ケーサー/ラジャダムナン&WMC世界スーパーウェルター級王者)
KO 2R1分4秒 ※右フック
●緒形健一(シーザー/S-cup2006王者)
S-cup王者の緒形が07年の初陣へ! 対戦相手のビッグベンは現役のムエタイ2冠王であり、蹴りよりもパンチを武器とするハードパンチャー。両者共に試合前の紹介VTRでは「真っ向から打ち合いたい」と口を揃えていただけに、壮絶な打撃戦が予想される。
試合直前、元ミスユニバースからの花束贈呈に、ビッグベンは思わずニヤリ。また自分の名前がコールされると、両腕で力こぶを作り、観客にアピールするなど余裕を見せた。
1R、サウスポーのビッグベンに対して、緒形は軽く右のインローを蹴る。するとビッグベンが左ストレートから右フック、そして左のロー! 鋭い衝撃音が響き、客席からはどよめきが起こる。緒形は一旦、距離を取って左のジャブと右ロー。ビッグベンはその蹴り足をすくうフェイントを見せて、左ミドルを蹴る。
ビッグベンは両手をクルクルと回しながら、右フックと左ストレート。さらにそこから右ローにつなげていく。左ストレートで飛び込むビッグベン。緒形もジャブから右ストレートを返していくが、ビッグベンを捕らえきれない。
逆にビッグベンは右フックから左ストレート、左ストレートをガードさせてからの右ハイキックと次々に攻撃を繰り出す。緒形もラウンド終盤に投げを見せるものの、ポイントにはならず。緒形が右のインローを蹴り、ビッグベンが奥足へのローを蹴るという展開で、ラウンド終了となった。
そして2R、右ミドルを蹴った緒形だったが、その直後にビッグベンの左ストレートと右フックをもらって、バランスを崩してしまう。ここはスリップの判断が下されたものの、緒形からはダメージが感じられる。
それを見たビッグベンは一気にラッシュを賭ける!左ローの連打とヒザ蹴りで前に出ると、最後は左ストレート、右フック、左ローのコンビネーションでダウンを奪った。何とか立ち上がった緒形だが、足元がおぼつかない。再開直後、ビッグベンの右フックを受けると、緒形はばったりと倒れて、レフェリーからはすぐにKO負けが宣告された。
壮絶なKO負けを喫した緒形はなかなか立ち上がることが出来ず、シーザージムの面々に肩を抱えられながら、フラフラの状態でリングを降りる。その光景を見たシーザー会長はすぐにリングに上がり、「これが真剣勝負です。負けた緒形も他の選手もがんばっていきます。シュートボクシングを応援よろしくお願いします」とマイクアピール。2月のK-1MAXでの宍戸の敗戦に続く厳しい結果、07年のシュートボクシングは厳しい船出となった…
試合後のインタビュースペースでは「1Rは投げられると警戒していた。でも2Rにローを蹴って、KOできて良かったよ」と試合を振り返ったビッグベン。プロモーターであるアンモー氏や他のタイ人スタッフに煽られる形ではあったものの、「魔裟斗やブアカーオと戦ってみたい」と控えめに語った。なお試合後にリング上で一緒に写真撮影した今成正和や青木真也とは、過去日本に来日した際にムアンファーレッグとのつながりで交流があったとのこと。
▼セミファイナル エキスパートクラスルール 71kg契約 3分5R
○大野崇(Unite-K/ISKA世界ミドル級王者)
KO 2R0分47秒 ※ヒザ蹴り
●プラカイケーオ・シンマナサック(シンマナサック/ラジャダムナンミドル級)
1R、左ミドルを蹴っていく大野。プラカイケーオも右ローを返していくが、大野の左ミドルの方が威力を感じさせる。大野はプラカイケーオをロープまで詰めるものの、プラカイケーオの攻撃を警戒してか、なかなか手が出ない。お見合いの時間が長く続いたため、客席からはブーイングも起こった。
2R、奥足への左ローを蹴る大野は、右フックから飛びこんでショートのパンチをまとめる。そして右フックを引っ掛けながら、プラカイケーオの顔面に強烈なヒザ蹴り! この一発でプラカイケーオはマット上で悶絶、大野が1Rのフラストレーションを吹き飛ばす豪快KO勝利を収めた。
▼第7試合 エキスパートクラスルール 70kg契約 3分5R
○菊地浩一(寝屋川/SB日本ウェルター級2位)
TKO 2R2分45秒 ※セコンドからのタオル投入
●ファープラタン・シンマナサック(シンマナサック/ラジャダムナンスーパーウェルター級)
試合前、元光GENJIの大沢樹生から両選手に花束が贈呈された。1R、サウスポーの両者。右ミドルからパンチで前に出るファープラタンに対し、菊地は強烈な左のローを返す。菊地は右フックから左ロー、ファープラタンはほとんどローをカットしないため、菊地のローを何発も被弾する。
さらに菊地はファープラタンのローに対して、左ストレートから右フック。パンチの攻防の中から、左ストレートを当てて、ファープラタックをぐらつかせる。このラウンドでは仕留め切れなかった菊地だが、試合は完全に菊地ペースだ。
2R、菊地は左ローから左ストレート。ファープラタンをロープに詰めると、左ストレートからパンチの連打で攻め込む。さらに菊地はパンチだけでなく強烈な左ローを蹴り込み、ファープラタンは大きくバランスを崩す。
その後も左ストレートと左ローで一方的に攻め込む菊地。ファープラタンはローのダメージから足元がおぼつかない。すると菊地が左ストレートを当てたところで、レフェリーがファープラタンにスタンディングダウンを宣告する。何とか試合続行となったものの、ファープラタンは完全に逃げ腰。菊地がローとパンチで攻め込むと、ファープラタン陣営からタオルが投入された。
▼第6試合 エキスパートクラスルール 60kg契約 3分5R
○アーリー・イングラムジム(イングラム/ルンピニースーパーバンタム級)
再延長 2−1 ※10−9、9−10、10−9
●石川剛司(シーザー/SB日本フェザー級1位)
※延長判定1−1、本戦判定0−0
及川戦からの再起戦となる石川は、頭を丸めてこの一戦に挑む。1R、石川は軽くローとジャブを飛ばす。アーリーも軽くローとミドルを蹴り返す。パンチで前に出る石川に、アーリーは右ロー、左の前蹴りで突き放す。注目の組みの攻防になるが、アーリーは石川の投げを堪えて、強烈なヒザ蹴りをボディに突き刺す。
石川は再度組み付こうとするが、アーリーはこれもディフェンス。左の前蹴りで石川と距離をとり、右のローを返す。石川は終盤、アーリーの左ミドルをブロックして右ストレートを返すが、当りは浅い。アーリーは時折、笑顔を見せるなど、まだ余裕の展開か。
しかし2Rに入ると、アーリーの表情が一変。強烈な左ミドルを蹴り、石川の左フックをかわして右ローを返す。そして距離が開くとすぐに左ミドルを蹴るアーリー。徐々に手数が減っていた石川だが、一気に飛び込んで右ストレートから左アッパー! アーリーはクリンチでブレイクを待つ。ローブローでの中断を挟み、石川は左右の連打で組み付くと首投げ。その後も右ストレート、右ミドルで攻め込む。
3R、左ミドルと前蹴りを出すアーリー。それに対して、石川が細かいパンチで距離を詰めて投げを狙うという展開が続く。右ローを蹴る石川に対し、左ミドルを蹴るアーリー。組みの攻防になると、アーリーが石川を後方に投げ飛ばす。残り30秒、アーリーのヒザ蹴りがローブローに入り、インターバル。再開後、石川が首投げ! これはポイントにならなかったものの、この投げが頭に来たのか、アーリーはボディへのヒザ蹴りを連打して前に出る。
4R、右ストレートを打つ石川に対し、左ミドルを連打するアーリー。しかし石川の右ストレートがアーリーの顔面を捉え、アーリーの動きが止まる! さらに石川は、組み付こうとするアーリーに左アッパーから右フック! 石川が一気に攻勢に出た。セコンドの宍戸から「相手が回復する前に攻めろ!」と指示が飛ぶ石川だったが、左ミドルで距離をとるアーリーを攻めあぐねてしまう。これが最終ラウンドにどう影響するか…!?
5R、パンチで前に出る石川にアーリーは左ミドル。それでも前進を止めない石川は、左アッパー、右フックを当てる。下がりながら左ミドルと前蹴りを出すアーリー。石川はなかなかパンチで前に出られない。アーリーは石川との距離が詰まると、すぐに首相撲。どちらにも有効なポイントがないまま、本戦終了となった。判定はどちらにもポイントがつかず0−0のドロー。1分間のインターバルの後、延長戦に突入した。
延長R、左ミドルを蹴るアーリーに、石川は左フックから連打を浴びせる。さらに首相撲を狙うアーリーの顔面をアッパーやフックで攻め込む! しかしここでもアーリーの左ミドルの前に、行く手を阻まれてしまう石川。残り30秒、アーリーが足を使って逃げたため、石川は追撃することが出来ず、ラウンド終了のゴングが鳴った。パンチで前に出た石川と、左ミドルを当てて距離を取ったアーリー。判定は3者3様のドローとなり、再延長戦に突入する!
再延長R、石川の左フックに、アーリーの左ミドルが突き刺さる。アーリーは石川を首相撲にとらえてヒザ蹴りとパンチ。するとこの攻防で石川が右目尻をカットし、ドクターチェックが入る。残り1分、右ストレートや右アッパーで前に出る石川。アーリーは左ミドルを蹴って、距離が詰まると首相撲を繰り返す。最後は首相撲の攻防のまま、試合終了となる。このラウンドもジャッジが分かれる内容となったが、軍配が上がったのはアーリー! アーリーが接戦を制し、対抗戦の先鋒戦をモノにした。
▼第5試合 エキスパートクラス特別ルール 70kg契約 3分3R
○ファディル・シャバリ(チーム・サワー/WPKL世界ミドル級王者)
判定 3−0 ※30−28、30−27、30−27
●山口太雅(寝屋川)
公開練習でも話題を振りまいたシャバリ。シュートボクシングということで、キックパンツではなく豹柄のロングスパッツを着用してリングに上がった。
1R、サウスポーの山口に対してシャバリは強烈な右ローを蹴る。ジリジリと前に出て山口を後退させるシャバリ。山口の左ミドルをブロックして、右ストレートや右ローを返す。さらに軌道の大きな右フック、山口はしっかりとそれをブロックするものの、衝撃音が大きく、客席はどよめく。ここでシャバリがサウスポーにスイッチ。そこから右ボディフック、右フック、左ローを繰り出す。シャバリはパンチをブロックさせてローを蹴る。
2Rに入っても、前に出てプレッシャーをかけるシャバリは、左フックから右アッパー。山口も左ミドルを返すが、シャバリはバックキック。山口の投げにもポイントを許さない。逆に投げの攻防を境に、シャバリは攻勢に出る。
小刻みにスイッチを繰り返しながら、右フックから左ロー、右フックから飛びヒザ蹴り、右ストレート、バックブローと手数を出し続ける。山口が左ストレートで前に出ると、手招きして「打って来い」と挑発するシャバリ。その後も左アッパーや右フック、そして飛びヒザ蹴りを叩き込んだ。
3R、山口の左ミドルをブロックして、シャバリは右ローを返す。山口は左ローを起点に、左右のフックで前に出て行くが、シャバリはロープに体を預けてパンチをかわす。この場面に象徴されるように、シャバリは上半身の動きでパンチをよけるテクニックが目立った。
ローを蹴ろうとする山口の顔面にシャバリは前蹴り! さらに山口のジャブを払って右ストレートを打ち込むと、山口をコーナーに詰めて右フックから左アッパー、さらに飛びヒザ蹴りで一気に畳み掛ける。倒すことこそ出来なかったシャバリだが、充分に強さを見せ付けた試合だった。
▼第4試合 エキスパートクラス特別ルール 55kg契約3分3R
○えなりのりゆき(シーザー/SB日本スーパーバンタム級3位)
延長判定 2-0 ※10-9、10-10、10-9
●高橋拓也(習志野/元MA日本バンタム級王者)
▼第3試合 フレッシュマンクラス 57kg契約3分3R
○山本秀峰(マッハ道場)
TKO 1R1分10秒 ※3ノックダウン
●中森保貴(シーザー)
▼第2試合 スターティングクラス ヘビー級契約2分3R
○井上俊介(フリー)
判定 3-0 ※30-28、29-28、30-28
●GORILLA(サムライソード)
▼第1試合 スターティングクラス 56kg契約2分3R
○岩崎晃久(大村)
判定 2-0 ※30-29、30-30、30-29
●鈴木友則(湘南)
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