TBS/FEG
「HERO'S2007〜名古屋初上陸〜」
2007年3月12日(月)名古屋市総合体育館レインボーホール
開場17:00 開始18:00 観衆=7,910人
▼メインイベント 第10試合 HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○所 英男(日本/チームゼスト)
一本 1R3分00秒 ※腕ひしぎ十字固め
●安廣一哉(日本/正道会館)
かつてKIDにミックスルールで「ヤバかった」と言わしめたほど追い込んだこともある安廣。緊急出場で番狂わせを起こすことが出来るか? 一方の所は二度目のメインで、落ち着き払った表情での入場だ。リングサイドには両親の姿も見える。
1R、距離をとってサークリングする安廣、ジャブを出してのドローイングで誘う所。両者ともローを繰り出すが、共に射程距離に入っていないため空を切る。リングを大きく使って旋回する安廣、所は深追いせずにじっくりと見て行き、自らもサークリングする。
細かくフェイントを掛け合う二人、距離が詰まったところで所がやや遠距離からダイビングするような片足へのタックル! テイクダウンに成功するとすかさずマウントを奪い、得意の足を枕にしての三角絞めを狙う! 安廣はすぐに起き上がるが、所は三角絞めから足を掬っての腕十字へ切り替え、見事な一本勝ちでメインを飾った。
「名古屋の皆さんこんばんは。岐阜県出身の所英男です。波乱続きのHERO'Sでしたが、また名古屋で試合がしたいと僕は思いますのでよろしくお願いします。今年はまだトーナメントあるか分からないんですけど、今年こそチャンピオンになるという目標があるのでよろしくお願いします」所がマイクで優勝をアピールすると、大歓声が沸き起こった。
●所のコメント
「メインに決まって下手な試合が出来ないなと思いました。でも、試合が始まったら気になりませんでしたね。なかなかタックルに行けなかったのは、相手の打撃を見ようと待っていたからです。せっかくストライカーとやれるチャンスなので、試してみたかったんです。でも、怖かったですね。
他のライト級選手の試合も見ました。宇野さんは安定した力を持っているし、宮田さんはずば抜けている。高谷さんはあんなに打たれたのに根性があるな、と。凄い選手ばかりでいいトーナメントになりますね。シャオリンが上山さんから一本取ったのはビックリしました。勝てるイメージはないんですけど、やってみたいですね」
▼セミファイナル HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
一本 1R1分59秒 ※腕ひしぎ十字固め
●アリ・イブラヒム(エジプト/フリー)
1R、アリがパンチで突進、宇野はタックルに行くが受け止めたアリが逆にテイクダウンを奪って上に。なりふり構わずパンチを落としていくアリ。
宇野は腕と足を使った巧みなディフェンスワークでクリーンヒットはもらわない。宇野は左腕を肩に挟んで下からの回転腕十字、鮮やかにタップを奪った。
▼第8試合 HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○宮田和幸(日本/フリー)
一本 1R3分38秒 ※変形チョークスリーパー
●ブラックマンバ(インド/フリー)
KIDの飛びヒザ蹴りでアゴを骨折、全治6ヵ月の重傷を負った宮田が総合復帰戦。対するは所をKO、宇野も苦しめたブラックマンバだ。
1R、両者共に軽快なステップ。ハイキックを飛ばすマンバに宮田が片足タックルに行ったが、これは失敗。スタンドに戻ってジャブを突くマンバ、宮田は一気に組み付いてテイクダウンを狙っていくが、マンバはなかなか倒れない。
投げにも耐え、それどころかヒザ蹴りを打ち返してくるマンバを、宮田はようやく両足タックルでテイクダウン! するとなんと、マンバが下からの腕十字!
宮田はマンバを持ち上げてマットに叩きつけ、マンバの足を外すとパウンドを浴びせながらパスを狙っていく。サイドへパスした宮田はアームバーを狙おうとするも、マンバのガードの中に戻されてしまった。
パウンドを叩きつけながら足を一本抜いた宮田はアームロック狙い、マンバが立ち上がろうとすると首を押さえつけ、自らの片足をマンバの片足に引っ掛けたフロントチョークで締め上げてタップを奪った。
「去年の5月にアゴを骨折して、凄く辛かったんですけども、これからレスリングもオリンピック来年あるのでチャレンジして、HERO'Sも中量級人数が少ないので頑張ってトップに行きたいと思います。今まで応援してくれた皆さん、ありがとうございます」宮田は新たなる出発を宣言した。
▼第7試合 HERO’Sルール 85kg契約1R10分 2R5分 延長R5分
○桜庭和志(日本/フリー)
一本 1R1分26秒 ※腕ひしぎ十字固め
●ユーリー“プレイボーイ”キセリオ(ウクライナ/ファイトスター)
1R、黒い道衣を着たまま駆け寄ってきたキセリオに桜庭は片足タックル。テイクダウンされたキセリオは桜庭にパンチを連打し、何とか引き離そうとする。
キセリオが桜庭の髪の毛を掴んだため注意が与えられ試合再開。
下からパンチを繰り出すキセリオだが、桜庭はしっかりアゴを引いて受けながらパスしてサイドから体勢を整えていき、腕十字!
しかし、これは外れて起き上がったキセリオが上に。桜庭はすかさず下から三角絞めのような体勢から腕を捻り挙げ、腕ひしぎ三角固めでタップを奪った。打撃は完全に封印しての勝利だ。
「オブリガード! 今日は皆さん集まってくれてありがとうございます」と観客にお礼を言った桜庭は、何事かをセコンドへ確認。あと何試合かを聞いたようだ。「あと2試合ありますんで、充分に楽しんでいって下さい」桜庭は笑顔で声援に応えた。
▼第6試合 HERO'Sルール 5分3R
○ゲーリー・グッドリッジ(トリニダードトバゴ/フリー)
TKO 1R3分00秒
●ヤン“ザ・ジャイアント”ノルキヤ(南アフリカ/スティーブズ)
1R、ノルキヤがジャブとロー、グッドリッジは手を開いてガードを上げた構えでジックリと見ていく。前に出るグッドリッジへノルキヤが右フック、するとグッドリッジは組み付いて行くが、テイクダウンを耐えたノルキヤのパンチに滅多打ちにされてしまう。
コーナーを背に、両腕閉じブロックで顔面をカバーし、頭を左右に振るグッドリッジ。しかし、これはグッドリッジの誘いだった。ノルキヤはグッドリッジの頭を押えながらパンチを放つが、見る見る内に失速していく。
その時を待っていたグッドリッジは右ハイキック! ノルキヤはもらいながらも掴みに来たが、ガス欠は明らか。すぐにタックルでテイクダウンに成功したグッドリッジは、サイドポジションからノルキヤの顔面へ連打! 一方的に殴られるノルキヤはレフェリーストップ。グッドリッジの頭脳戦法が光った。
▼第5試合 HERO’Sルール 5分3R
○柴田勝頼(日本/ARMS)
TKO 1R0分09秒
●山本宜久(日本/フリー)
「85kg級トーナメント前哨戦」と銘打たれた一戦。山本は例によって“バチバチのシバキ合い”を宣言、対する柴田も「臨むところ」と臨戦態勢だ。山本のセコンドには高阪、成瀬、伊藤と旧リングス勢が揃う。見事なハイブリッドボディを作り上げてきた柴田のセコンドには船木。
1R、前に出た山本は左ミドルキック。しかし、がら空きの頭部へ柴田の右フックが炸裂! 山本はバッタリと横倒しになり、柴田が右の連打で追い討ちをかけたところでレフェリーがストップ。あっ気ない決着で柴田が総合デビューを果たした。船木とガッチリ抱き合う柴田!
「格闘技ファンの皆さん、始めまして柴田です。プロレスファンの皆さん、お久しぶりです! 自分と船木さん、ここから出発します!」と叫んだ柴田は、マイクを叩きつけた。
試合後、谷川イベントプロデューサーは柴田を絶賛、「85kgトーナメントエントリーの有力候補の一人」とコメントしている。
▼第4試合 HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ)
TKO 1R3分29秒 ※ドクターストップ
●高谷裕之(日本/フリー)
1R、勢いよく飛び出したのはジダ。ジャブ、インローを出して牽制し、右フックを主体に左右のパンチで前へ出る。高谷は距離をとって右ロー。ジダが打ち合いに来てもしっかりガードしながらパンチを返していく。
しかし、スピードの速いジダのパンチが連打で繰り出されると、最初の右アッパーで高谷が鼻から出血。高谷がタックルに行き、ジダがコーナーへ押し付けたところでドクターチェックとなる。
再開後、いきなり打ち合う両雄! 高谷の右フックにジダが膝を着き、打ち返してくるジダに高谷が首相撲から組み付いて行くがなかなかテイクダウンを奪えない。再び胴タックルに行った高谷だったが、浴びせ倒してマウントを奪ったのはジダの方。
高谷はバックマウントをとらせて脱出、両者は再び激しい打ち合いを展開する。ジダの頭を下げての右スイングフックがヒット。乱打戦が繰り広げられた後、高谷に長いドクターチェックが入る。
高谷の鼻が曲がっていることが確認され、ドクターがチェックした結果、高谷無念のストップ。ジダがパンチの回転のスピードを見せ付けた結果になった。
▼第3試合 HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノバウ二オン)
一本 1R1分48秒 ※腕ひしぎ十字固め
●上山龍紀(日本/U-FILE CAMP)
“2007年ミドル級トーナメントの大本命”と紹介されたシャオリン。上山のセコンドには師・田村潔司が就く。
1R、サウスポーの上山はジャブを突きながら左右へ動き、距離を取る。シャオリンが詰めてくると大きな弧を描いてリング上を回る。上山がインロー、シャオリンは徐々に距離を詰めていって上山をコーナーの三角地帯に追い込むとすかさず片足タックル!
テイクダウンに成功したシャオリンは上山のガードをパスすると亀になる上山にバックマウント、そして腕十字! 腕を外そうともがいた上山だったが、シャオリンは足を三角の形にして上山の首を固めての腕十字! 動けなくなった上山はタップせざるをえなかった。
▼第2試合 HERO’Sルール 5分3R
○マイティ・モー(アメリカ/シャークタンク)
TKO 1R2分37秒
●キム・ミンス(韓国/リングスコリア)
1R、サウスポーのキムとオーソドックスのモーはお互いにジャブを出し、モーが左フック。これはキムがサイドステップでかわす。モーが左右フックで襲い掛かるとこれを跳ね除けるキム。距離を測ろうとするお互いの前手が何度も触れ合い、踏み込んだモーにキムが組み付くが、モーはパワーでキムを崩す。しかし、キムはすぐに離れる。
明らかに一発を狙っているモーが飛び込んでいくと必死に組み付こうとするキムだったが、モーの振り回す右フックでバランスを崩すキム! 猛然と襲い掛かるモーは組み付こうとするキムを押しのけ、フックを叩き込んでいく。コーナーに追い込まれたキムは苦し紛れの左フックを放ったが、振りかぶるようなモーの右フックがインクロスの形になってクリーンヒット! キムは前のめりに崩れ落ちた。
モーはチェ・ホンマンに続き、韓国の英雄をマットに沈めた。
▼第1試合 HERO’Sルール 85kg契約1R10分 2R5分 延長R5分
○メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
TKO 1R2分36秒
●高橋義生(日本/パンクラス)
マヌーフが試合前のレフェリーチェックで足の裏に何かを塗っていること(谷川EPは松ヤニと説明)が発覚し、審判団がそれを拭きとってイエローカードが提示される。
1R、サウスポーの高橋はオーソドックスのマヌーフに対して、定石の右回り。高橋がジャブを突き、その拳をマヌーフが前手で受け止める。ハイキックを繰り出すマヌーフに高橋の左フックがヒット、前に出る高橋にマヌーフの右ミドル! 一旦下がりすぐにタックルへ行った高橋だったがマヌーフの反応が早く、マヌーフは高橋をロープに押し付けてブレイクを待つ。
スタンドでの打ち合いから、高橋がタックルを仕掛けていくが、やはりマヌーフはコーナーへ高橋を押し込んでいく。またもブレイク。
スタンドでマヌーフの右ハイキックをブロックした高橋が左フックを出そうとしたところで、それよりも速くマヌーフの右フックがヒット! 高橋ダウン! タックルに行くが、マヌーフは嵐のような猛打を叩きつけ、高橋が背中を向けたところでレフェリーが試合をストップした。
試合後、高橋はマヌーフの蹴りにより、左腕の尺骨を骨折していたことが判明。
▼オープニングファイト3 HERO'Sルール 90kg契約5分2R延長1R
○ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)
TKO 1R1分11秒
●シン・ヒョンピョ(韓国/Team Lazenca)
1R、シンが左右ローで先制、アッカもテコンドー仕込みのハイキックを出して応戦する。ワンツーで攻めるシン、蹴りで攻めるアッカという図式に。右ハイキックでシンがダウン!
すかさず上になってパウンドを叩き込んでいくアッカ。シンはしがみついてブロックし、ダメージの回復を待つ。
離れたシンはパンチで打ち合いを挑んでいくも、アッカのクリンチしながらの右アッパーに崩れ落ち、アッカが見事なKO勝ちを飾った。
▼オープニングファイト2 HERO'Sルール 70kg契約5分2R延長1R
○金原正徳(チームゼスト/パラエストラ八王子)
判定2−0
●徹肌イ郎(和術慧舟會岩手支部)
徹肌ィ郎はキユーピーのマスクを被ってリングイン。1R、いきなり金原がローブローで試合中断。再開して打撃戦の後、両者はめまぐるしく攻守を入れ替えながらグラウンドでポジションを奪いにいく。上を取った徹肌ィ郎がパウンドを放ったところでゴング。
2R、バックマウントを取った徹がコツコツとパンチ。両者疲労が見える中、金原が立ち上がりパンチの連打で押し込んだ。しかし、再び徹がバックをとる展開に。粘る金原が上のポジションを取り返し反撃したところで終了し、僅差で金原が勝利した。
▼オープニングファイト1 HERO'Sルール 90kg契約5分2R延長1R
○尾崎広紀(和術慧舟會東京本部)
一本 1R1分17秒 ※腕ひしぎ十字固め
●地主正孝(正道会館)
地主のローに合わせて尾崎がタックル。コーナー際でテイクダウンすると、腕をキャッチしてあっさり脇固めで勝利した。
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