「Strikeforce」
2007年6月22日(金・現地時間)アメリカ・カリフォルニア州サンノゼhpパビリオン
▼第12試合 メインイベント ストライクフォース世界ミドル級選手権試合5分5R
○フランク・シャムロック(米国)
TKO 2R4分0秒 ※チョークスリーパー
●フィル・バローニ(米国)
UFC人気に引っ張られるような形で、盛り上がる北米MMA界。ボードッグやIFLらと同様に巨大資本をつぎ込むプロモーションとして注目を集めているプロ・エリート。ボクシング界から、元ニュージャージー州アスレチック・コミッションに在籍し、マイク・タイソン×レノックス・ルイス戦を実現させたプロモーター=ゲイリー・ショーが、ショータイムTVとともに参入し、2月にエリートXC(エクストリーム・コンバット)を開催、今回はサンノゼで人気のストライクフォースをパートナーにPPVショーを行なった。
そのメインに登場したのが、地元サンノゼ在住のフランク・"レジェンド"・シャムロック。フィル・バローニを相手にストライクフォース世界ミドル級王座を賭けての対戦となった。試合前から執拗にフランクを挑発し、大ブーイングに迎えられたバローニだが、関係者の間ではフランク不利と予想する者も少なくなかった。
今年の2月にヘンゾ・グレイシーに反則負けを喫したばかりか、ここ7年間で実戦経験が4試合、しかも力量を見究めるには微妙な対戦相手ばかりで、レジェンドという名称も過去のものという雰囲気させ与えていた。
一方のバローニは、過去2年間のPRIDEのリングでその力を十分に発揮している。「バローニがKOで勝つ」というズッファのダナ・ホワイト発言が聞かれたほどだ。
しかし、フランクはいきなり右ストレートをバローニの顔面にヒットさせ、ダウンを奪う。ダメージが残るバローニにギロチンを仕掛けたのは、不可解だったが、これが極まらないとみると、すぐにパウンドへ。ここで鉄槌を後頭部へ落としたとして、試合はブレイク。フランクは1ポイントのマイナスを受ける。
その後も試合を優勢に進めたフランクに対し、バローニは必死の形相でテイクダウンを狙うが、組み付かれてヒザ蹴りを受けてしまう。ようやくテイクダウンに成功したところで、タイムアップ。試合は2Rへ。
圧倒的な強さを見せたフランクだが、2Rに入ると失速。実は右足を負傷しての試合だったことが大会終了後に判明したが、スタミナが切れたように誰の目にも映り、バローニのパンチを受けるようになる。
それでも、パンチの正確さで上回ったフランクは、バローニのタックルを切ると、バックを制す。そしてチョークでバローニを失神に追い込み、20000人以上の地元の観客の大歓声を浴びながら、ベルトをその腰に巻いた。
大会後の会見には、杖をついて現れたフランクは「バローニは良い奴だ。僕のダンシング・モンキーさ。強いファイターだけど、僕はマーシャルアーチスト。奴はアーチストに勝てない。マッスル対テクニックの対決で、テクニックが勝利した。奴は僕に勝てない」とコメント。
その後、記者団から今のMMAの流れについていけるかと聞かれ、「僕は何も休んでいるわけじゃない。いつもジムで練習を積んでいる。ボクシングだって、キックだって成長しているんだ。誰とでも闘うし、将来、いろんな組織のチャンピオンが闘える土壌ができればいい」と、上機嫌のなかにもMMA界のパイオニアとしてのプライドを感じさせる言葉を続けた。
伝説のエンセン井上戦を彷彿させる打撃の攻防でも、バローニに打ち勝ったフランク。あの1Rの強さを見れば、誰もが彼の試合をまた見たくなるに違いない。もちろん、それはバローニ以上の対戦相手と、だ。
なお、この日はムリーロ・ニンジャとジョーイ・ヴィラセニョールの間で、EXC世界ミドル級王座決定戦も行なわれ、ニンジャがベルトを奪取した。
ヴィラセニョールのパンチを受け、足関節狙いもパウンドで返されるなど、試合開始早々はピンチの連続だったニンジャだが、その後は持ち前のテイクダウンとポジショニングの強さを発揮し、徐々にヴィラセニョールを圧倒。ヒジも巧みにおりまぜてダメージを蓄積させると、最後は右フックで腰砕けになったヴィラセニョールに立った状態で拳を振り落とし、TKO勝ちとなった。
その他の試合で目立ったのは、英国ケージレイジのライト級王者ポール・デイリー。K-1
MAXで活躍し、UFCでは須藤元気を破っているドゥエイン・ラドウィックをKOした。またチャールズ・ベネットの代役で出場したエジソン・ベウトは、ビクトー・バレンズエラをヒールで一蹴。UFCに次ぐ大手プロモーションの出現により、選手の底上げが急激に進んでいるようだ。
写真・記事提供=Fight&Life
▼第14試合
○デイヴィッド・スミス
TKO 2R
●ショーン・バセット
▼第13試合 ウェルター級5分3R
○ポール・デイリー(イギリス)
TKO 2R0分42秒
●ドゥエイン・ラドウィック(アメリカ)
▼第11試合 ミドル級5分3R
○カン・リー(アメリカ)
TKO 3R0分25秒
●トニー・フリックランド(アメリカ)
▼第10試合 ライト級5分3R
○ジョシュ・トムソン(アメリカ)
一本 1R1分42秒 ※チョークスリーパー
●ニック・ゴンザレス(アメリカ)
▼第9試合 EXC世界ミドル級王座決定戦5分5R
○ムリーロ・ニンジャ(ブラジル)
TKO 2R1分5秒
●ジョーイ・ヴィラセニョール(アメリカ)
▼第8試合 ヘビー級5分3R
○ポール・ブエンテロ(アメリカ)
KO 2R0分10秒
●カーター・ウィリアムス(アメリカ)
▼第7試合 ライト級5分3R
○ジェームス・エジソン・ベウト(アメリカ)
一本 1R0分47秒 ※ヒールホールド
●ビクトー・“ジョー・ボクサー”バレンズエラ(アメリカ)
▼第6試合
○ニク・ジオティコス(アメリカ)
KO 1R1分13秒
●ニック・コーベット(アメリカ)
▼第5試合 ウェルター級5分3R
○マイク・パイル(アメリカ)
判定
●アーロン・ウェザースプーン(アメリカ)
▼第4試合 175P契約5分3R
○ルーク・スチュアート(アメリカ)
TKO 3R2分17秒
●ジェイソン・ヴォンフルー(アメリカ)
▼第3試合 スーパーヘビー級5分3R
○レックス・リチャーズ(アメリカ)
TKO 1R0分34秒
●レイ・セライル(ハワイ)
▼第2試合 バンタム級5分3R
○クリス・カリアソ(アメリカ)
判定
●アンソニー・フィグエロア
▼第1試合 ミドル級5分3R
○セス・クレインベック(アメリカ)
TKO 2R2分55秒
●サム・スペングレー(アメリカ)
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